これを書いているのは2007年7月23日。参院の選挙は29日。この小文が読者の目に触れるのは8月10日になってからである。首相としての安倍氏は私にとって「買っていない」というよりも「好み」ではない。政治という虚実からみ合う世界のリーダーとしては誠実のあまりか単純すぎる。大衆民主主義時代の有権者の心理が分かっていない。女はなぜ男に惚れるのかを考えたことはあるのだろうか。民主主義政体下の有権者とは「何をやったか」で支持するのではなく、「何かやってくれそう」という思いで支持を寄せるのである。

民正しいじゃん。どれくらい儲けたかという過去のトラックレコードだけを見て、将来を見ないのは投資家としての姿勢が根本的に間違っている。

私の不満の第二は「美しい国」に代表された感じの、アッピールの抽象性にある。政治とは究極のインフラストラクチャーであり、そしてインフラとは、個人の努力ではできないことを共同体が変わりにやることに意味がある。

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私も読んだが、タイトルは確かにぼやけているが、本の内容は具体的に国のあり方を書いていたように思うけどなぁ…。


感想としては最初に書いたように、
2012.04.24 美しい国へ 1/3 ~国家が民のためにしてくれること より
この本、タイトルが良くないねぇ・・・
「国防と教育」、「国はわたしたちに何をしてくれるのか」、「私たちは国のために何をしているのか」「国民意識を覚醒させよ」
とかさぁ、大事なこと言ってんだから、もうちょっと踏み込んだ挑戦的なタイトルにすべきだと思うがね。
2012.04.25 美しい国へ 2/3 ~平和な国家(国歌)
2012.04.26 美しい国へ 3/3 ~教育改革

日米の間でも、近現代の歴史を共同で研究してはどうであろうか。
日韓ではそれをしたらしいし、日本と中国の間でも歴史の共同研究は始まったようである。だが私は、歴史事実は共有で来ても歴史認識の共有は難しいという理由で、日韓日中とも、カネと時間の無駄だと言ってきた。だが、やるべきではない、とは言ってない。なぜなら成果は絶望的でも、やっています、と示すことの有効性ならば認めるからである。ゆえに、これを使う金と時間は宣伝広報費と思ったら良い。ところが、日米間の近代史共同研究となると話はだいぶちがってくる。しかもそのちがいは、すべてプラスになって返ってくる可能性まであるのだ。
まず第一に、アメリカ合衆国に対しては、本音はどうであれ建て前としても、やっています、と示す必要は無い。
第二に、あちら側の参加者達には、始める前から頭に血が上っている人はいないだろう。
第三、硫黄島攻防戦は歴史事実で、それをどう見るかは歴史認識だが、この強者しいて共有しようとしないで、アメリカ側と日本側の「認識」を二本立てにした、アメリカ人のクリント・イーストウッドという例が既にあること。
そしてこの作業は日米に限らず、日英や日豪にも広げたったよい。冷徹で客観的であることこそ我が国民、と思っているのがイギリス人であり、オーストラリア人もこの系列に連なる。
第一に、日韓と日中の間の共同研究を、ワン・ノブ・ゼムにしてしまう働きだ。
第二は、比較することでより明らかになってくる実態を、日本人だけでなく、韓国人も中国人も自らの目で直視できる、というメリットである。
第三のメリットだが、それは我々日本人が成熟することにある。問題を起こさないことだけを優先してのことなかれ主義が、今の日本人には信用されなくなっているのは事実であり、それに反撥した一部の人の想いが、感傷的で過激な国粋主義に走りそうなのも事実である。こうなってしまったのは、敗戦以来の半世紀というもの、厳とした歴史事実に基づいた冷静な歴史認識を明示することを怠ってきたツケだが、それも、近現代の歴史の共同研究の和を、少なくとも日米にまで広げることで、頭を冷やす役に立つかもしれない。

ネットにいがちな在日博士の、感情的な中韓嫌いの戯言、聞くにたえないね。

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