月: 2015年4月

徹底抗戦 3/4~拘置所の暮らし

検察庁ではクレジットカードやら携帯電話を押収され、そのまま逮捕。拘置所へと護送されることになった。拘置所に連れて行かれる間も同じような状況だった。でも不思議と冷静。拘置所では人定質問され、尻の穴を見せて部屋に送られる。刑務官が気を使ってくれて、官本という備え付けの本を三冊ほど入れておいてくれた。そのうちの一冊は「小説日本興業銀行」(高杉良著/講談社)。これがその後、拘置所内での高杉良の著書を読者するきっかけになった。もう一冊は、なぜかマンガ「難波金融伝ミナミの帝王」(郷力也・画、天王寺大・作/日本文芸者)。興奮してなかなか寝付けなかったので本があって助かった。次の日の朝。噂のくさい飯が登場した。最初の日だけはあの麦飯の臭いが鼻についた。でもすぐになれた。おいしい。

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神経太いなぁ。江副さんは、カンカン踊りに衝撃を受けていたようだが・・・。
2015.04.01 リクルート事件・江副浩正の真実 3/5~検察の横暴
ホリエモンは江副さんの本も読んだというようなことを言っていたので、知っていたのかもしれないが、知っていたとしても、男の人の前で全裸になったことないなぁ。あ、忘れていただけだった、あるわ。でも相手も全裸だったからなぁ。相手が服来てて、全裸で四つんばいか。「尻の穴を見せて」とたった七文字でさらっと流せないわ。臭い飯って麦飯か、麦飯なら、俺も大丈夫そうだ。今現在、実家は麦飯が混ざった飯が出てきているw


円が安い、そうだ、日本に行こう 1/4~日本で高いものは事前に

日本行き前哨戦から日本に到着後の全てにおいて、私の金遣いはアジア中の最安値を求めた節約倹約の集大成である。日本在住の諸君らは、日本は何が高くて、何が安いかを見極める参考にして欲しい。圧倒的後進国の東南アジアに行けば何でも安い、生活コストが下がるだろうという安易な発想な諸君もまた、日本では当たり前に提供されている商品・サービスは、後進国ではこんなに高い!という参考にして欲しい。尤もシンガポールは後進国ではないのかもしれないが、シンガポールに加えて、物価が安いと想定されるインドネシア、タイ、フィリピン、中国なども含めた上でも日本が最も安いものを厳選した消費活動を日本で行っている。私はこれら6カ国を生活圏としているので、各国で最も安いものを選んで消費する立場なのである。
シンガポールから母へのお土産。母が旅行でドイツに行くため、ドイツで使うユーロのキャッシュ。為替両替手数料が安いシンガポール・ラッフルズプレイス・アーケードで調達。日本でユーロの現金を手に入れようと思うと日本の銀行の公示相場で、TTS/TTBではなく、Cash S.とCash B.になるのだが、東京銀行(みんな一緒なので一行で十分)ベースで、Ask/Bidは6.4%離れている(中値からは3.2%)。一方、シンガポールの両替商ならばAsk/Bid Spreadは0.5%程度(母の旅行資金はあまりにも小額なので記憶が正確ではないが)である。私は日本の銀行で外貨現金を手に入れたことはないが、成田空港の両替商は銀行よりさらにアコギという話である。
シンガポール・チャンギ空港でのお買い物は煙草。日本は煙草に寛容で、日本居住者は、日本産煙草1カートンと外国産煙草1カートンが非課税枠である。日本非居住者は枠が2倍で各2カートンずつ持ち込める。私は今回、日本に2ヶ月滞在する。一日7本程度なので3日で一箱のペースなので2ヶ月だと2カートンあれば良いのだが、シンガポールではマールボロ赤が1100円という超高額に対して、免税で買えば270円程度なので、調子に乗って普段より多めに煙草を吸いたいので3カートンを調達する。私は非居住者なので4カートン持ち込める立場であるが、マールボロの赤、セブンスター、ラッキーストライクを1カートンずつ、3カートンを購入した。4カートン買わない理由は、かなりハイペースで吸ったとしても1カートン以上は確実に余る量であり、仮にシンガポールに1カートンを無断で持ち込み、バレた時の罰金は一箱500SGDなので、1カートンだと5000SGD=45万円w相当となるためである。
私の生活圏6カ国で言うと、煙草の値段は、インドネシア<中国<フィリピン<チャンギ免税店<タイ<日本<<シンガポールなので、日本とタイに行く時以外は免税店で煙草を買うことはない。マールボロ赤で言うと、インドネシアは160円、チャンギ免税店は270円、日本は460円、シンガポールは1150円wとなっている。フィリピン・チャンギ免税店・タイはかなり似たような価格なので円表示で示しても為替相場次第で逆転できる程度の差しかない。最安値のインドネシアとシンガポールだと、実に7倍の価格差があるという異常事態である。日本もマールボロの赤が240円で購入できていた時代は、タイやフィリピンと同じく、為替次第でどっちが高いか決まると言う程度の違いで、真剣に事前購入するほどの価格差ではなかったのだが、460円ならば免税枠はフル活用させていただくことになる。


タイ全土落下傘計画2015 13/15~警察の居ない島

第四の都市クラビへ
飛行機がすごいね。プーケットとクラビ、バンコクからクラビのタイの国内線なのにタイ人がマイノリティだよw まぁ、国籍別なら高順位にいくだろうが、乗ってる客、ほとんど白人、大陸系欧州(東欧含む)が非常に多い。
ここでは再び、リーラム、チェンマイ->ラムプーン->リーと南下した時、リーであったリーラムの登場である。空港から1時間ほど走り、車が海沿いで止まる。フェリーを待っているという。フェリーが通過? そうではなかった。今、私たちが停車しているところはフェリーだったのだ。車が十数台でいっぱいになるような甲板が道路のフェリー。車がいっぱいになったら出発。15分ほどフェリーで次の島、ランタヤイ島に入る。小さい島なので15分程度走って、また次のフェリー。そしてランタ島である。ランタ島を地図でいいかげんに見ていたせいか、フェリーを2回も乗り継ぐところだとは思っていなかった。結局クラビの空港から2時間~2.5時間ほどかかった
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クオ・ワディス(下) 2/6~キリスト教徒処刑。猛獣の餌@コロセウム

アフリカではティゲリヌスの要求によって、その地方の住民全体が参加しなければならない大掛かりな狩が行われた。アジアから象と虎、ナイル河から鰐や河馬、アトラス山脈から獅子、ピレネ山脈から狼と熊、ヒベルニア(今のアイルランド)から猛犬、エピルスからはモロッソイ犬、ゲルマニアからは水牛と巨大で獰猛な野牛が送られた。収監された人の数が多いので、今度の競技は大きさの面でも今まで見られた全ての競技を凌ぐ筈であった。皇帝は火災の思い出を血の中に浸しローマを血で充たそうと望んでいたのであるから、流血も今までこれ以上華々しいものは提供されたことはない。陽気になってきた民衆は、ヴィギリア(夜警)やプラエトリア兵の手筈をしてクリスト教徒を狩り出した。それが困難な仕事でなかったと言うのは、クリスト教徒の大群が尚庭園の中で他の民衆と一緒に宿営していて、公然と自分達の信仰を告白していたからである。包囲されると跪いて歌を歌いながら反抗せずに捕縛した。民衆にはクリスト教徒の落着きの源がわからないので、それを頑迷と考え罪悪を固執するものと見た。
そこで民衆はプラエトリア兵の手からクリスト教徒を奪って自分たちの手で八つ裂きにしそうな形勢になった。女の髪を捉まえて牢獄まで引き摺ったり、子供の頭の敷石に打ちつけたりした。夜になると、人々の雷のような唸声が聞かれ、それが全市に響き渡った。方々の牢獄は何千という人で満ち溢れたが、それでも毎日民衆とプラエトリア兵は新しい犠牲を引っ張ってきた。憐憫の念は消えてしまった。人間が言葉を忘れ、物凄い狂乱の中にただ「クリスト教徒を獅子に食わせろ」という一つの叫びしかおぼえていない有様であった。


徹底抗戦 2/4~投資家は犯罪者扱い

スペースシャトルのせいで、世界の宇宙事業開発は停滞したといっても過言ではない。財政崩壊の危機に瀕していたソ連、崩壊後のロシアは言うに及ばず、である。え?なぜ、スペースシャトルかって?あれは飛行機の形をした宇宙船に憧れたアメリカ国民の、(負の)意識の結晶だからだ。当時の技術では実現できないことが分かっていながらも、国民の期待の高まりの前に、完全再利用型の宇宙船の建造を目指し、ロケットブースターや外部燃料タンクをつけて、「なんちゃって」再利用型ロケットにしたのがスペースシャトルである。結局は、使い捨て型のロケットよりも滅茶苦茶割高なロケットができてしまった。二度の事故によって14名の命を奪ってしまった。このスペースシャトル、あと2年でその運命を終える予定だ。そのような国家主導の宇宙事業開発ではなく、民間主体で開発すれば、コスト面でも現実的な案が提示できるだろう。そもそもガガーリンが初めて宇宙に行ったのは1961年のことだから、もう、50年も昔のことである。現在の技術を持ってすれば、当時の技術をトレースすること自体そんな難しいことではない。少なくとも国家レベルで莫大な予算と兆優秀な技術者の頭脳を投入しなければなし得ないレベルの話ではない。


バタムに学ぶ新都市建設の可能性 4/4~シンガポールの属国

せっかく運動靴を持ってきたので、バタムの街でもランニング。Nagoyaの周りは交通量が多いので、シンガポールの住宅地で走ることに比較すると走りにくい。道悪なのでバイクのスピードがちょうど走るのと同じくらい低速なので、とても走りにくい。歩くことさえ嫌いなインドネシア人からは、走っていると奇異な目で見られます。走り慣れた後輩と一緒に走りました。このペースで走ると6~7分で1km、つまり時速10kmほどで走っているようです。私はいつも一人で走っているので、経験豊富な後輩に教えてもらいました。走り終わってコンビニでビールを買いました。もっと早く気が付くべきでした。
ビールは海外ブランドであるカールスバーグ(12000IDR)とインドネシア国産ブランドのバリハイ(13500IDR)の価格が逆転しています
これが意味することは、バリハイのビール工場はバタムには無く、シンガポールで生産し、直で輸出されるカールスバーグに、インドネシアのどこからか持ってくる・あるいはシンガポール経由で持ってくるバリハイが輸送コストで負けている現象です。輸送コスト、バカになりませんね。彼らがなぜバタム工場を使っているかもまた輸送コストであったことが正当化されました。


タイ全土落下傘計画2015 12/15~一緒に居るのは3日が限度

大酒飲みのお母様がジョインして、夕飯、iHotel付属のカラオケ、タワンナー(ローカルディスコ)の3連ハシゴ。タワンナーでファノム三姉妹揃いぶみ。美人のおネーさん、ファコム大姉、ファノム三姉妹の大御所の登場です。病院で働いているということで、看護婦なのかファコム大姉のお友達も、みんな女性、4人。1:7のスーパーハーレムナイト@ナコンファノム・タワンナーの再来です。ファノム大姉は美人ですが、コワモテではありません。お友達のうちの一人のネーさんは、美人でコワモテ、お洒落さん。「うむ、従来ならあなたが私の好みなんですけどね」と心に思いながら、投資一族にはアピアランスは関係ないので、指をくわえて見てるだけでした。ナコンファノムの村民は一般には田舎の人という感じのスタイルが多いのですが、ファコム大姉のお友達4人のネーさん方はみんなお洒落で、典型的な田舎スタイルとは一線を画すものがあります。我々がカラオケしている時間に既にタワンナーで始めていたようですが、その間に、ファノム大姉含む4人組のネーさん軍団は誰からもナンパされていなかったことでしょうw
ハーレムナイトで飲みすぎたので、夕方まで休憩。お約束の寺参り、前回は月曜日の寺、私の生まれた曜日が月曜日なので行ったのですが、また違う寺、白い巨塔がある寺です。ファノム妹は牛肉を食べないほどの仏教徒、姉・大姉、お母様も牛肉を食べるのに姉妹間でも価値観は違うようで、子供の頃は食べていた牛肉を大人になってから自分の判断で絶つことにしたようです。では仏教徒であるファノム妹に質問したところ、ゴーダマシッタールタは知っていてもナーガールジュナは知らない。「タイは上座部仏教だから大乗仏教の始祖たるナーガールジュナはあまり意識しないんだよ」くらいの回答を期待しているのだが、意外に信者って宗教詳しくないんだよね。「読んでいる聖書って旧約・新約?」と聞いても知らなかったりとかw


クオ・ワディス(下) 1/6~ローマの大火を見ながら歌を歌うネロ

ティゲリヌスはプラエトリア兵の全部隊を集めてから、近付いてくる皇帝に矢継ぎ早に飛脚を送り、火災がますます激しくなっているから観物の豪華さは申し分ないと報告した。しかしネロは、滅びていく都の光景を堪能するために夜になってから来たいと思っていた。その目的からアクァアルバナ(水道の名)の附近で泊まり、テントに悲劇役者のアリトゥルスを招き入れ、その助けを借りて姿や顔や目付を整え、それに応ずる動作を学び、これと激しく意見を交わして「おお、神聖なる町よ、イダ(トロヤの南方の山)よりも強固と見ゆるに。」という言葉の所で、両手を上に差し伸べたものか、それとも片手に琴を取ってその手を脇に垂れ、もう一つの手だけ挙げたものかと議論した。しかもこの問題がこの瞬間にあらゆるほかのことよりも重要だと考えていた。結局、薄暮に発足したが、尚ペトロニウスの意見を徴して、災害に捧げられる詩句の中に神々に対する非難の語をいくつ加えるか、それとも芸術の立場から考えてそういう言葉はこういう祖国を失った人の口にひとりでに出てこなければならないものかを語った。
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徹底抗戦 1/4~会社は誰のもの?

定時株主総会の基準日までにニッポン放送株の過半数を取ることができた。その間たくさんの人たちが「和解の仲介をする」と申し出てきた。基本的に断っていたのだが、「日興コーディアルグループ」はライブドアの主幹事証券会社でもあり、有村純一社長の仲介は断りづらく、何度も話をさせていただいた。皮肉なことに、有村さんもその仲介を実質的に仕切る形になった「日興プリンシパルインベストメンツ」の社長も後に日興粉飾疑惑で辞任することになった。対するフジテレビ側についたのは「大和証券SMBC」と後に述べる「ホワイトナイト」北尾吉孝氏率いる「ソフトバンクインベストメントホールディングス」なのだが日興や村上ファンドなど、フジテレビと敵対した勢力だけが検察やSESC(証券取引等監視委員会)にコテンパンにやられているというのは偶然の産物なのだろうか。釈然としないことが世の中には多い。
私はフジサンケイグループにおける産経新聞の役割を過小評価しすぎていたため、結局、仲介者のオファーを無視してしまった。産経新聞はフジテレビから広告名目で大量の財務支援をしてもらっているくらい経営基盤が脆弱である。私の業界で言えば、頭が上がらない存在だ。そのことが常時頭の中にあった。とはいえ産経新聞は”新聞社”だ。古い世代の中には未だにテレビよりも新聞社の方が格上というヒエラルキーを信奉している人もいる。私を頭ごなしに批判するような社説を展開したことを見ても、新聞は未だに権威と影響力を持つメディアだと言える。さすがに100年以上の歴史を持つメディアだ。その現実にもっとナーバスになるべきだった。もしもあの時、私が仲介者のオファーを断っていなかったら・・・。私の置かれている立場はどう変わっただろうか?

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バタムに学ぶ新都市建設の可能性 3/4~バタムの工場

チキチキに興味は無い。それよりも工場見学をさせてもらえるなら、そちらに時間を使いたい。」
という私のわがままに対して、おじさんが「それなら明日の昼にでも工場に見学に来ればよい」と言ってくれたので早速突撃することにしました。ホテルからタクシーで15分、85,000IDRほどで工場につきました。
工場内を見学する際の諸注意を5~10分でインドネシア人スタッフから受け、安全靴、ヘルメット、ゴーグル、ビジター用のチョッキを着用します。安全靴を生れてはじめて履きました。上からパンチしてみましたが、確かに足には響きませんでした。
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事務所内は、普通のオフィスで主に生産管理をしています。そこを抜けて工場へ。鉄板やH形鋼など原材料が置いてある場所、切る、穴をあける、曲げる、溶接などいくつかの工程によって区画が分かれており、工場内で働いているのは100%インドネシア人です。事務所内は白人やインド、中華系なども多民族でした。工場内の屋根が付いている部分では、原材料からパーツを作ります。そして屋外で、原材料を組み立てています。原油掘削の基地、製鉄工場の一部のように見えるコンポーネントらしきですが、他社さんの製品について細かいことはわからないそうで、なんなのかはわかりませんが、そんな感じのものが組み立てられています。


タイ全土落下傘計画2015 11/15~美しく茶きメコン

第三の都市ナコンファノムへ
得意のエアアジア、オール・ドンムアンで頑張ります。今度こそヴィクトリーモニュメントから29番バスで。ちょっと時間を間違えてフライト40分前にドンムアンに到着しましたが無事。80分フライト、1200THBほどです。800THBでバスで12時間とか言われると、良い買い物だと思いませんか? エアアジア様様です。
ナコンファノムの空港は不安になるほど小さく、タクシースタンドもありません。ファノム三姉妹(大姉、姉、妹)のうちの妹と姉が空港に迎えに来てくれました。お迎えが無いとここでの行動は厳しいものとなります。そしてまたよくわからないお兄さんがドライバーです。2013年のタイ全土落下傘計画とは違う人です。
iHotelという最近できた新しいホテルを2部屋ブッキングしてあります。一部屋600THBなので、この価格ならお付き合いで二部屋くらいはご愛嬌でしょう。2013年に泊まったNakhon Phanom River View Hotelから車で5~10分程度の距離で、「River View Hotelは、1000THB/一泊がAirAsiaで来ると800THBになる。」と書いてあるので、安い。iHotelはメコン川がホテルから見えないので、初めてナコンファノムに来る場合は、River Viewの方が良いでしょう。
初日はファノム姉・ファノム妹・ドライバーのお兄さんと4人で、Rever Side Bar お上品なタイ料理。食べやすいのですが、ちょっとローカル色が弱い料理でした。ウイスキーをボトルで注文して、全員で飲みました。っつーか2回行ったけど、ここのタイ料理はどう考えてもマズい。せっかくのタイで、空腹がもったいないので行かないほうが良いでしょう。


クオ・ワディス(中) 2/2~ローマの大火

プラエトル軍の主力は兵営に待機して都内を警戒しその秩序を保っていた。それが通り過ぎると列になったネロの虎と獅子が見えた。ネロはディオニュソスを真似る気になると直ぐこれを旅行の車につけるためである。奴隷や少年の品の良い一隊が続き、最後に皇帝自身が近づいたことは遠くから民衆の叫声で知られた。その群集の中には、一生に一度は皇帝を見たいと思っている使徒のペテロも居た。その供をしたのは厚いヴェールに顔を隠しているリギアと、慎みのない厚顔ましい群衆の真中でこの少女のために最も確かな保護をするだけの力を持つウルススとである。
そこへ皇帝がやって来た。皇帝は黄金の金具のあるイドゥマヤ(パレスチナの南部死海の西に当る山地)産の白馬6頭に牽かせたテントの格好の車に乗っていた。テントの格好をしていると云っても、その車は両側がわざと開いて、群衆に皇帝が見えるようにしてあった。そこには幾人が乗れる場所があったが、ネロは人の注意が主として自分に集まるようにしたかったので、都内を通る時は一人だけで乗り、ただ足下に奇形の異人を二人置いた。着物は白いトゥニカに紫水晶色のトガを重ね、トガはその顔に青みがかった光を投げていた。頭には月桂冠を戴いた。ネアポリスに出掛けた頃から見ると著しく肥った。顔が幅が広くなり下顎は二重になって垂れているために、元来鼻に近すぎる唇は今では鼻の孔のすぐ下についているように見えた。太い顎はいつものように絹の布で巻き、それを絶えず直している白い脂ぎった手には、関節のところに赤みがかった毛が生えて、まるで血のしみのようになっていたが、そえをエピトラル(毛を抜く人)に抜かせなかったのは、そうすると指が慄えて琴が弾けなくなると言われたからである。顔にはいつものように涯しのない虚栄心と疲労や退屈と一緒になって現れていた。一般に言うとその顔は恐ろしいと同時に道化じみていた。


リクルート事件・江副浩正の真実 5/5~国税との攻防

私の父親は株の売買をやっていて、高校教師だったのに毎晩飲んで帰ってきていた。当時は高度経済成長期でほとんどの株式が値上がりしていた。そして父親は株式を私に生前贈与してくれていて、私は社会人になってからその株の売却益を元に株の売買を始めた。のちのことだが、リクルート本体でも日興証券から山路正徳を迎え、グループの企業年金の自主運用と余資を運用し、値上がりしそうな株を買い、値下がりしそうな株を信用売りしていた。このような取引を裁定取引(アービトラージュ)という。理屈の上では利益が上がるように見えるが、ニューヨーク株式市場のダウ平均株価(わずか30銘柄の工業株によって構成されている)が上昇すれば、値上がりしそうな株も値下がりしそうな株もそれに連動して値上がりする。ダウ平均が下がれば連動して値下がりするため、必ずしも利益が得られるわけではない。ただ、いくつかの銘柄を長期間売りと買いを建てていれば、長期的には利ざやが取れるケースが多い。私は、私個人の株売買の利ざやで、私のスキー、ゴルフ、そして家族連れの海外旅行の費用、さらにグループ企業の損失の穴埋めもしていた。立花証券の石井久さんから「兜町では”売り”が悪いこととされるんですよ。私も業界紙に”売り”と書いて同業者から批判されたことがあります」と言われた事があったが確かに証券市場にはそのような風潮があるようだ。私自身もかつて足踏みミシンのシンガーミシンが日本から撤退したので、同じ足踏みミシンメーカーであるリッカーの株を売り、電動ミシンのJUKIの株を買ったのだが、リッカー株の売却だけが朝日に報道されたということがあった。

まず空売りと言わず、信用売りと言っているのは、アマなのに感心な正しい言葉遣いだ。ただ、この戦略は単なるロング・ショートでアービトラージュとは言わない。ついた先生が悪かったのかな。それから社長として社員教育のためによくない発言、
「理屈の上では利益が上がるように見える」と「長期的には利ざやが取れるケースが多い」
は卓越した売買のセンスと実績を持つ江副さんのみが許される結果論です。


バタムに学ぶ新都市建設の可能性 2/4~Nagoyaの街

ナゴヤの真ん中にあるFormosa Hotelにチェックインして荷物を置き、Formosaからほど近いショッピングモールNagoya Hillに向かった。
2013.05.21 バタム・ナゴヤ 2/3 ~攻略難易度高めのバタム
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前回泊ったPacific Place HotelからNagoyaへの道のりが地図上に載っているが、その雰囲気に比べると、「意外にバタムは発展してるじゃん。綺麗?」と連呼してしまうほどだ。綺麗と言っても、オーチャードのIonを想像してはいけない。あくまでもジャカルタ、Blok MのPlaza Blok M(綺麗なショッピングモール)とBlok M Square(古い・汚いショッピングモール)の中間くらい程度のクオリティ。モール内、コーヒーは一杯20,000IDR、フードコートの食事は30,000~50,000程度なので、KFCは2ピースチキンミール(添え物はライス)は45,000IDR程度と激安ではないが、シンガポールよりは若干安い印象だ。スーパーで売られているコカコーラは1.5リットルで10,000IDR程度とかなりお安い。
民が生きていくための最低限のお食事という観点では、バタム、ジャカルタ、シンガポール、バンコク、上海、どこであっても大して変わらない。土地代の高いシンガポールであっても、ホーカーセンターは、シンガポールの高度経済成長についていけないシンガポール国民のために用意された雇用創生の場でもあり、シンガポール国民特権、すなわち、シンガポール国民がホーカーの枠、テナント料を格安で得られる権利があるゆえに、シンガポールのどこでも3~5SGDで、一食を提供できるのである。最低限の食事はどの国でも似たような価格で得ることができるが、ちょっとした贅沢な要求、高付加価値商品に対する要求、これがどのように価格付けされるかで物価の差がつく。シンガポールや東京は、高付加価値商品が割安に手に入れられることを示す、バタムの事例を順次示していこう。


タイ全土落下傘計画2015 10/15~私の横にはネーさんが似合う

バンコクに戻りました。タニヤの近所のホテルにしてみました。
Wall Street Inn
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激安級です。今回、安ホテル~中級ホテルが多いので、比較すると窓無し部屋で狭いです。古いですが、問題ない。タニヤまで徒歩2分くらいです。
さて、Hat Yaiで2日間、ほぼアルコールフリーな健全生活をしていたので、ちょっと飲むか。ハーレムナイトの構成員が働いているという店に行くが、休みということで撤退。その向かいにハーレムナイト構成員が2人働いている店があるので、そちらで。しかしこの2人、シンガポールに居たのは数年前、すでにキャバ嬢を引退しており、客引きですw まぁ、俺に年齢は関係ないので、ベテランの接客でお願いしておきました。
シンガポールの同志、現タイ在住のMNB氏に、また会うことになりました。毎回登場するスクンビットソイ22の焼肉玄風館で待ち合わせです。いつも玄風館には一人で来ていて、ハラミ+カルビ+ご飯×2で600THB、ビールすら頼まないというケチっぷりでしたが、最近、年のせいか、16切れの肉を食べることができなくなり、ハラミ+ご飯=300THB程度となってしまい、焼肉を楽しめないので、二人以上の時に玄風館に赴く戦略に転向しました。しかし、タイのインフレの波は現風館をも襲っており、お得意のハラミ・カルビは280THBに値上がりしていました。それでもまだシンガポールより安い。また、卵かけご飯が140THBで食べられるのも、非日本では安いほうだと思います。
酒飲みMNB氏らしく、内臓系盛り合わせ+豚トロ+牛タンを頼んで焼酎を頼みます。いいちこが1400THBもして納得いかないので、良く知らない800THBの芋焼酎を頼みました。二人で3000THBほどでした。
MNB氏が「バンコクに居る時間が短いな。ウチに泊まったって良いんだ。ホテル代がタダだぞ」
とご好意で言ってくれましたが、
「バンコクにも当然用事はあるのだが、タイに来る目的の一つにすぎない。タイ全土落下傘計画の遂行のために、バンコクだけにとどまるわけには行かない。」
「シンガポールの寅さん」と私が言ったほどに奔放なMNB氏と、真面目で慎重な私は、誰が見ても正反対の性格なので、「二人は全く違う性格なのに、なぜ仲が良いのかわからない」とよく周囲から言われていました。表面的な性格、言動はかなり異なるものの、二人の共通する要素は、論理性、合理主義、実践重視の3つです。


クオ・ワディス(中) 1/2~クリスト教の斬新さ

キロンはもうすっかり安心したので立ち上り、壁にかかっているランプを一つ取った。ところがその際、頭巾が頭から外れて、光がキロンの顔に真正面からあたると、グラウクスは腰掛から飛び上がって速やかに近寄り、その前に立ち止まって訊いた。『私を覚えてないか、ケファス。』その声には何か非常に恐ろしいものが籠っていたので、居合わせた人々はみんなぞっとした。キロンは、ランプを持ちあげたが、その瞬間にこれに地面に落とし、やがて身を二つに折って溜息をついた。「私ではない…私ではない…御免なさい」しかしグラウクスは長老たちの方を向いて云った。『これが私と家族を売って破滅させた男です…』この男の話はあらゆるクリスト教徒にもヴィニキウスにも知れていた。ただヴィニキウスは包帯をされた時痛みのために絶えず失神していてグラウクスという名前を聞かなかったので、そのグラウクスが誰だか推測できずにいた。しかしウルススにとっては、グラウクスの言葉と結びついて、その瞬間暗闇の中で電光のように速やかであった。それがキロンだとわかると、一っ飛びにその前に出て腕を捕まえ、後ろに廻し、こう叫んだ。「これが私にグラウクスを殺せとそそのかした男です」「ごめんなさい」キロンは歎いた。「お返しします」と叫んで、顔をヴィニキウスのほうに向け「助けてください。ご信頼申し上げておりました。私を守ってください。…お手紙は…持ってまいります。どうぞ、どうぞ…」


リクルート事件・江副浩正の真実 4/5~日本は共産主義か?

アメリカの裁判は戦いの文化だが、日本の裁判は謝罪の文化だよ。認めて謝れば情状が酌量される。弁護士の先生は真実に反する調書に署名をするなと言っているだろうが、その姿勢を貫くとかえってまずい結果になる。僕を弁護士と思い、僕の言うことを信じてくれよ」
総理公邸訪問の経緯
中曽根総理はご自信の発案で臨教審を設けて、教育改革に取り組んでいた。臨教審のテーマは「学歴社会の是正」だった。私は公邸訪問の1ヵ月半前、臨教審第四支部会に講師として招かれ「学歴と雇用」のテーマで、日本生産性本部の『学歴別生涯賃金表』を元に次のような要旨の話をしている。
大学の生涯賃金と高卒の生涯賃金の差は、日本生産性本部の調査では、大卒を100とすると高卒は81で、学歴による所得格差は諸外国に比べて格段に小さい。また、大学進学率が高くなったことで、大卒は高卒よりも就職が難しくなっていて、警察官や消防士などに、大卒が就職するようになった。大卒で大蔵次官になった人と、高卒で税務署に生涯努めた人の生涯賃金の差は2倍半ほど。民間でも高卒の銀行員と大卒で頭取になった人との生涯賃金の差は4~6倍ほどで欧米と比べてきわめて差が少ない
大企業はどの大学・高校にも就職の門戸を開いている。とくに関西の住友銀行、三和銀行、松下電器、三洋電機、シャープなどでは高校卒業の役員も多い。諸外国に比べて、日本は是正すべき学歴による差別は無く、これ以上均一性を求める必要はないと思う。差別があるとすれば中央官庁のキャリア組とノンキャリア組との仕事や職務権限の差別である。”学歴社会の是正”より”大学改革”が、今日の産業界、ひいては社会の要請だと思う。
私が「学歴社会の是正」の議論に否定的な話をしたためか「江副さんの話がウチの部会でも話題になりました。同じ趣旨の話で結構です。第二部会でも話してもらえませんか」と言われ、翌2月27日、私は第二部会でも同様の話をした。そのすぐあとの総理秘書官からの電話であった。

頭取と一兵卒で6倍か。ほんと、一生ヒラでも大差ない共産社会だなw さすがに今は10倍以上はつけたかな?


バタムに学ぶ新都市建設の可能性 1/4~130万人の誘致に成功した島

シンガポールからフェリーで50分の距離にあるインドネシアの島、バタム。「バタムに行く」というと、「楽しいですか?」「ゴルフ以外で行ったことが無い」「何か(観光名所)あるんですか?」と尋ねられるが、バタムが観光都市として認知されていない事実が示すように、いわゆる遊びに行くところではない。結論から申し上げれば、ゴルフでもないのに、バタムに遊びに行くというのはかなりツウ好みである。バタムというとゴルフとチキチキだが、私はバタムが持つこの2つ以外の側面に触れていこう
「バタム 投資」 でのインターネット検索を要約すれば、
1.バタム島に五つある国際フェリーターミナルとシンガポール間に毎日96便のフェリーが6時から22時まで就航
2.ハビビ開発庁長官時代にはバタム島に隣接するレンパン、ガラン島などバタム諸島内が六つの橋で結ばれ、その総面積はシンガポールの国土618平方キロメートルを上回る715平方キロメートル
3.1970年には6000人程度の漁村だったバタム島の人口は、2000年には50万人を超え、現在では130万人
4.バタム島にはこれまで67社の日系企業が進出し、同島に駐在する日本人は300人ほど。バタム島だけでもシンガポール経由で年間100万人以上の外国人観光客が訪れている。
5.外資誘致・奨励策 100%海外資本設立の認可
6.総投資額、政府部門・民間部門合わせて、累計10bil USDドル。
インドネシアとシンガポール両政府共同プロジェクトで、多大な予算と開発で、”成功した工業地帯誘致”と読める内容だ。大事なので繰り返そう、6000人の漁村が40年で人口130万人にまで発展し、バタムの開発計画は成功したと言えよう。しかし、実際にバタム島を5分歩けば、その寂れた街並みに驚くことであろう。成功してもなおエマージングな状態であることは、バタムに行けば誰にでもわかる。
Batam-City.jpg
この写真で見ると、綺麗な街に見えるが、実際はかなり寂れているので、それを見るためだけにバタムに訪れる価値はあるだろう。


タイ全土落下傘計画2015 9/15~タイ南部ハートヤイの街

ハートヤイ空港、田舎の空港にも手馴れたものだが、想像通り、上空から見える景色が緑一色。ただ、ジャングルかというと人の手が入った形跡がある農地も散見されるので、大したことはないのがわかる。すっと降りて出口に、バーンボーのOLの姿が無い。出発が多少遅れたので20分ほど予定より遅れるとSMSしておいたのだが、実際には10分しか遅れなかったからだろうか・・・。電話をすると「アウトサーイド」というので外に出てみたら、バーンボーのOLが居た。ホレ、安心の郊外待ち合わせすっぽかし0%の法則。ちなみに、空港待ち合わせではないが、バンコクで会いましょうという約束は、すっぽかされたことがある。観光客っぽい白人もいるので、外は「タクシー」と営業してくるあんちゃんもウヨウヨしているが、私には最強のガード、バーンボーのOL、お前がついていれば何の不安も心配も無い。お前に全部任す。
バーンボーのOLは正規のメータータクシーにホテル名を言い、チケットをもらって出発だ。空港からCentara Hotelがある街中までは約20分強で200THB弱で到着する。「コラコラ、タクシー代を自分で払おうとするな!」ったく、素人はこれだから困るw 強気化しすぎなのか、せっかくバンコクから遊びに来たゲストなので、ここは私が・・・という精神なのか知らないが、この俺に対してタクシー代払うなんて10年早いわ。ちなみにホテルの住所は
Centara Hotel Hat Yai
3Sanehanusorn Road, Hat Yai, Songkhla


クオ・ワディス(上) 3/3~オストリアムヌ、キリスト教徒の会合にて

平地には間もなくおびただしい数の群衆が集まった。角燈は目の届くかぎりまたたき会っていたが、そこへ来た者の多くはともしびをすっかり消していた。頭をあらわに見せている者はごくわずかで、すっぽり頭巾をかぶっている。終わりまでこのままだとすると、この群衆と暗さではリギアを見分けることはできそうもない。そう思うと若い貴族は気が気でなかった。しかし突然、地下墓地のすぐ近くに小高く積み上げた幾本かの樹脂のたいまつに火がともされて、あたりは前よりも明るくなった。群衆は何か不思議な聖歌を歌い始めた。歌声ははじめは低かったが、そのうちしだいに高くなっていった。ウィニキウスはいままで一度もこのような歌を聞いたことが無かった。墓地に来る途中で一緒になった人々がめいめい口ずさんでいた歌を聞いた時既にウィニキウスの心を打ったあの憧れが、今聞くこの聖歌の中にも響いていた。ただそれは前よりも遥かに力強く、はっきりしていて、あたり一面がこの人々ともに憧れはじめたかと思われるほど大きな、感動的な響きとなった。空に向けられた人々の顔はあたかも遥か高みの何者かを認めているようであり、両手はあたかもその何者かの降臨を求めているかのようであった。ウィニキウスは小アジアでも、エジプトでも、このローマでも、趣きの違う多くの神殿を見、多くの信仰を知り、多くの歌を聞いたが、歌によって神を呼び求める人々、それもある決まった儀式としてでなく、子供が父や母に対して抱くような純粋な憧れかrあ、心をむなしくして紙を呼び求める人々を見るのがこれがはじめてであった。


リクルート事件・江副浩正の真実 3/5~検察の横暴

カンカン踊り
拘置所の建物に入ると、関所のようなところがあった。そこで財布、鍵、時計などの所持品は、「領置する」(拘置所で預かる)と取り上げられた。丸裸にされて、10人ほどの看守が見ているところを歩かされた。その後、四つんばいの姿勢にされた。そして突然肛門にガラスの棒を突っ込まれて、棒を前後に動かされた。大変な不快感と痛み。大勢の看守が見ている中、言葉にできない屈辱感。私は人権侵害だと思った。後に弁護士に聞いたところ、「それは俗に”カンカン踊り”と呼ばれていて、昔から行われている拘置所に入る際の”儀式”なんですよ。私の依頼人でも、『先生、頑張ってきますよ』と言って逮捕された人が”カンカン踊り”でショックを受けて、その後接見に行くと別人のように落ち込んでいることがあります。表向きは痔の検査と説明されていますが、昔から人道上問題があると言われていて、弁護士会でも問題にしているところです」と言われた。
『刑事裁判の光と陰』の裏表紙には「日本の刑事裁判の有罪率は99.86%に達する。まさしくジャパン・アズ・ナンバーワンであり、我が国刑事司法の光である。しかし、死刑囚の再審無罪の事例にも見られるように刑事司法には陰の部分も存在している。そしてその多くは十分に社会に報道されていない。本書は元裁判官と弁護士による、刑事裁判に潜む陰の部分に光を当てた現状報告書である」と書かれている。本文では4つのケースを紹介しているが、そのなかでとくに私の印象に残っているのが特捜事件の「芸大バイオリン事件」で「壁に向って長いこと立たされた」「大声で怒鳴られたり、人格を侮辱する発言を受けた」「椅子を突然足で蹴り付けられ、椅子から床に落ちて尻餅をつかされた」など、取り調べの様子が事細かに書かれている。
この事件は著名なバイオリニストで東京藝術大学教授の海野義雄氏が芸大でバイオリンを購入するにあたっての鑑定で、演奏家としてバイオリンの名器ガダニーニを弾き、購入決定後に楽器商から時価80万円相当の弓一本を謝礼として受け取ったことと、芸大生のバイオリン購入に際し、演奏した謝礼として楽器商から100万円受け取ったことが「賄賂」とされたもので、当時朝日新聞で大きく報道されて事件になったものである。ガダニーニは良いもので1億円以上する名器である。バイオリンは手作りで250年ほど前に作られたもの。その間の保存状態、誰が演奏したのかによって価値が変わる。そしてその価値は、演奏してみなければ分からない。文部省は芸大に第一級の演奏家を教授として招聘することを特例として認めている。海野氏が演奏家として演奏し鑑定したのであれば無罪、芸大教授の地位を利用して演奏し鑑定料を受取ったのであれば有罪というケースであった。このような事件では本人の”賄賂性の認識”が有・無罪の決め手になる。そのため検察側は海野氏が受取ったものが謝礼であったと認識していたことを調書で明らかにしなければならない。このため強引な取調べが行われたのだろう。