ジンギス汗の悪夢に学んだロシア人の凶暴
趣向を凝らした頭蓋骨の塔
織田信長が、妹のお市の方の旦那である浅井長政を滅ぼし、髑髏で酒杯をつくって酒を飲んだと言う話は有名である。チンギス・ハーンの子孫を名乗ったティムール(在位1370年~1405年)に比べたら、かわいいくらいである。14世紀後半から15世紀初頭にかけて、中央アジア、西アジアを戦乱の渦に巻き込んだティムールは、征服地に頭蓋骨で塔をつくることを趣味としていたからだ。モンゴル族の出身で中央アジアのサマルカンドを都として帝国を築いたティムールは、ロシア、インド、トルコへと版図を広げていったが、1387年、現在のイランの中央部にあるイスファハンを陥落させたとき70000人を虐殺した。そして、その首を刈って頭蓋骨のピラミッドを作った<。さらに1394年、タクリトという都市を攻略した時は、戦死者や虐殺した人々の頭蓋骨を組み合わせて、見事なミナレット(イスラム寺院の尖塔)状の高い塔を築いた。
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