これを書いているのは2007年7月23日。参院の選挙は29日。この小文が読者の目に触れるのは8月10日になってからである。首相としての安倍氏は私にとって「買っていない」というよりも「好み」ではない。政治という虚実からみ合う世界のリーダーとしては誠実のあまりか単純すぎる。大衆民主主義時代の有権者の心理が分かっていない。女はなぜ男に惚れるのかを考えたことはあるのだろうか。民主主義政体下の有権者とは「何をやったか」で支持するのではなく、「何かやってくれそう」という思いで支持を寄せるのである。

民正しいじゃん。どれくらい儲けたかという過去のトラックレコードだけを見て、将来を見ないのは投資家としての姿勢が根本的に間違っている。

私の不満の第二は「美しい国」に代表された感じの、アッピールの抽象性にある。政治とは究極のインフラストラクチャーであり、そしてインフラとは、個人の努力ではできないことを共同体が変わりにやることに意味がある。

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私も読んだが、タイトルは確かにぼやけているが、本の内容は具体的に国のあり方を書いていたように思うけどなぁ…。