2日目は3.11だったので、3.11を忘れないウォーキング。石巻駅前から出発して通称馬っこ山に登り、復興ステーションまで11kmのウォーキング、参加費1000円である。朝9時に集合だが、雪が降っている・・・。石巻の雪は軽くパラパラしているので、傘を持たない、上半身はスーツ+ジーンズ+革靴という極めてウォーキングに向かない姿の私であっても、雪をはらえば落ちるので、濡れて風邪をひくということはなさそうだが、寒い。老若男女30名ほどが参加し、今年は石巻市内の参加者が多く、20人ほどが市内からの参加者となっているようである。それから取材らしき連中も数人紛れ込んでいる。NHKのテレビまで来ているのが非常に嫌だねw
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開北橋を越えて総合運動場に向かうまでの間に、プレハブ長屋の形をした仮設住宅がある。南境第X団地という名称で、団地によっては番号が20弱まである。100-200世帯が一団地で入っていると思われる。人の姿は見えないが、生活感は外から見てもある。抽選であたると入居でき、ほぼ満室状態。仮設住宅だけでなく、新設の住宅が、馬っこ山麓に建ち並び、見向きもされなかった土地が値上がりをしている。ここまでが観光客情報だが・・・
翡翠社長「このあたりの城みたいな家がここら一体の地主だ。レクサス2台は最低持ってる。ベンツじゃない。最近はレクサスw それに住民の間には軋轢もある。イスラエルとパレスチナ難民みたいなもんだ。津波で家を流された地域の人間が、この地域に一気に押し寄せることで、工事が発生し、土地の値段が上がり、それを快く思わない住民もいる。風呂に追い炊きの機能がないって騒いで、仮設住宅全部の風呂に追い炊き機能をつけたんだぜ。パレスチナ難民とは比較にならんよ。」
馬っこ山の標高は400mほどで、山道はそれほど厳しくは無いが、見晴らしはよく360度パノラマビューで石巻全体を見渡せる。日本製紙の工場の煙突が目立つ。北上川のうねりもまた存在感がある。そして、悲しいことに仮説住宅がどこにあるのかも、くっきり見える。下山して、復興ステーション(建物は無い)で、焼き鳥とジュースとグッズをもらって終了となる。グッズには「がんばっぺ石巻」と書いてある。
14:46をどこで迎えようか、と翡翠社長と相談していたが、結局、南浜町に向った。昨日は暗くて見えなかったが、津波が引いた後のはらっぱがよく見える。ここに住宅を建てることができそうなくらいにまで現状回復しているが、ここは住宅の新設は禁止され、市が買い取って公園にする予定のようである。震災から3年経った2014年現在においても、どこまで津波が来たか、私が見ても分かる状態にある。震災直後に比べ、清掃は進んでいるのは間違いないが、復興の現状・震災の爪あと は今も厳しく残っている。14:46に向けて、数々のメディア・外国人の姿も散見される。人が集まっている部分を避け、静かなところで、14:46、サイレンが鳴る。我々は、被災した方々、お亡くなりになった方々に静かに黙祷。そして車でラジオをつけると、安倍総理、天皇陛下からのお言葉が放送されていた。
翡翠社長「ラジオで聞くと、一日も早い復興をしていかなければならないという思うだろう? それはごもっとも。だが、ここ石巻で散見される 復興・『がんばれ石巻』・にわかのメディア。うすらサブイわ! 見えるか? あの変な建物。石ノ森章太郎萬画館だ。かなり早い段階で復興再建された。他に優先して再建すべきものあるだろ! しかも石ノ森章太郎は宮城県出身だけど、石巻とは関係無い人よ? (まさにフランスがいつの間にか(1896年以降なんだけど)オリンピック開催委員会になってる状態w) 防波堤の工事一つとっても、津波を防ぐために高くすべきだとか、景観が損なわれるとか、利害が一致せず一行に進まない。東京オリンピック誘致成功で、公共事業が東京に向けば、震災復興をないがしろにして東京にカネを投じるつもりか!と怒り始める。どこまで他力本願、お国におんぶに抱っこなんだ! 自身で立ち上がることができないならば石巻に未来は無い!」
神隠しと雄勝半島
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1~2時間のドライブ。雄勝半島へのドライブ。石巻から途中、大川地区を通り、雄勝へ。大川地区もまた震災被害が大きく、大川小学校、また近隣の田畑が今も海に沈んでいるという。100億円以上かけて田畑を復興しようと工事がなされているが、海水に浸かった土地で本当に耕作できるのか? あるいは復興に時間がかかればかかるほど、高齢化がますます進み、担い手がいなくなる。地域住民の要望と、国家政策がずれている例が、ここにも散見される。
山・森が見えるが、まだ来ぬ春のせいか、枯れ木が多く、余計に寂しさを感じさせる風景である。東南アジア住民から見れば、常緑の木・森に慣れているので、葉が落ちた森に日本の冬を感じる。雄勝は半島だが、実際は山になっている。”ほぼ”一本道を上り下りしながら進むが車とすれ違うことはほとんど無い。山に入る前から、ひと気がほとんどなかった。石巻全体に言えることだが、石巻駅周辺商店街であっても、車の交通量は多いのに、歩いている人がほとんどいない。山並みに沿った道路なので、カーブが多く、森に囲まれているため、樹海をグルグルと彷徨っている感・神隠しにあったかのような感じを受ける。
翡翠社長「思わず口数が減るだろう?w 青森弁なんてすげー短いからね。口を開けてる時間が短くて住む言葉なんだ。しかし、寒くて、木も枯れていて、人もいなくて、人がいても暗いだと、石巻の印象悪すぎだろ。今度は夏に来い。そうするとここら一体一面緑になる。良い所なんだよ。」
森を抜けると湾が登場し、ビーチもある。かつては海水浴場としてにぎわっていたこともあったらしい。海の色が緑で美しく、リアス式海岸をミクロで見ると、半島・島・岩と海になっていて、向こう岸が車で、すぐくらいの距離の小さな湾が形成されている。ここら辺に住めば、漁業権が与えられ、漁協に登録すれば、漁ができるらしい・・・。牡蠣や海苔などがとれる。
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