月: 2014年7月

敗者のゲーム

資産運用と呼ばれる「マネーゲーム」も、最近数十年で「勝者のゲーム」から「敗者のゲーム」へと変わってしまった。証券運用の世界で根本的な変化が起きたのだ。1970年代から1980年代にかけて、市場より高い成果を上げようと懸命に努力する機関投資家が多数出現し、市場を支配するようになってきた。この変化がすべての原因である。もはやアクティブな運用機関は、初めて市場に顔を出す用心深い保管業者やアマチュアと競争しているわけではない。いまや、彼らは他の優秀な専門家と敗者のゲームを戦っており、そこで勝ち残る秘訣は、競争相手より失点をできるだけ少なくなることなのだ。ヘッジファンド、投資信託、年金基金など、何千にも及ぶ機関投資家が一日も休むことなく激しい運用競争を繰り広げている。こうした最大手の機関投資家50社の中で、50番目の者でさえ、証券会社に対して世界中で年間通常1億ドルもの注文を出している。
個人投資家がマーケットの90%を占めていた1950年代から60年代に、プロの投資家が大きな利益を上げることができたのはある意味で当然だった。しかし、今日ではマーケットは一変した。過去50年間、投資信託や年金基金、ヘッジファンドが飛躍的に拡大し、しかもこれらの機関投資家の売買回転も増加した結果、今では個人投資家と機関投資家の比率は完全に逆転し、ニューヨーク証券取引所における売買取引は、機関投資家が9割、個人投資家が1割となった。さらに、取引総額の75%はトップ100社の機関投資家によって、また取引総額の5割はトップ50社によって、それぞれ占められているのである。


岸信介 -権勢の政治家- 3/3~軍需省から戦後

東条内閣の末期、戦局は絶望的になっていた。軍需省が誕生した18年11月、米軍はギルバート諸島のマキン、タラワ両島に上陸し、5400人の日本守備隊を玉砕させるが、ミッドウェー海戦(昭和17年6月)、ガダルカナルの敗退から打ち続く戦局の悪化はもはや決定的となっていた。以後クエゼリン、ルオット両島(マーシャル諸島)の守備隊玉砕(19年2月)、トラック島壊滅(19年2月)、さらにはマリアナ沖海戦の敗北(19年6月)と日本軍はことごとく惨敗するが、このマリアナ沖海戦とほぼ時を同じくして起こったのが、米軍のサイパン上陸とそれに続く日本守備隊30000人の玉砕であった。岸と東条の対立が公然化した引き金は、まさにこのサイパン陥落であった。「サイパン陥落は日本の戦争継続を不可能にした」というのが岸の主張であったのにたいし「作戦的判断は軍人のやることであり、岸ら素人の関知するところではない」というのが東条の立場であった。しかし、サイパン陥落によって日本本土が米軍用機B29の攻撃射程に入ったことは事実である。軍需次官として管轄する国内各地の軍需工場が米軍の爆撃にさらされることは自明であり、対米戦争はもはやこれまでというのが岸の判断であった。岸の「早期終戦」論である。


三田氏を斬るステージ2 5/8~神がかった営業力・スーパーセールス

第5章 トレーディングの現場
第1節 上澄み液を吸うデリバティブとレーダー
証券会社のセールスは、強欲で顧客をだます悪者のイメージが持たれています。しかし、社内には彼らを食い物にしている搾取者がいるのです。それはトレーダー、特にデリバティブズのトレーダーです。社内奥深く潜んでいる彼らは、顧客と接触する機会が無いので、彼等の行動が話題になることはまずありません。それゆえどういう人間達かはほとんど知られていないと思います。
デリバティブズトレードの収益源
仕組債ディールの主導者は販売会社であり、発行体やスワップカウンターパーティーはあくまでも従属者です。ですから、販売会社は発行体・スワップカウンターパーティーを選ぶ権限を持っています。顧客をつかんでいる人が最も偉いというわけです。しかし、しかしです。この世界では偉い人が金儲けできるとは限りません。
世の中にスワップカウンターパーティーが、もし1人しかいなかったらどうなるか?販売会社はこの人にお願いするしかありません。スワップカウンターパーティーは、自分に超有利な条件で発行体とスワップ契約を結ぶでしょう。いやいや、発行体が牽制機能を持っているから、そんな一方的に有利な条件でスワップ取引はできないはずだ…と思いますか?可能なのです。スワップ取引の条件はすべて仕組債に転嫁されるので、発行体はスワップ取引内容の影響を受けません。だから、発行体はスワップ取引の条件がフェアかどうかのチェックをする気など毛頭無いわけです。いやいやそのまえに販売会社がチェックするだろう、と期待するかもしれません。しかし、彼らには自力でチェックできるだけの能力・情報・経験が無い場合がほとんどです。ということで、スワップカウンターパーティーのうまみがここにあるわけです。
当然こんな状況であれば「スワップカウンターパーティーは大儲けできる。そんなおいしい商売を1人でやらせるわけには行かない」ということになり、「スワップカウンターパーティー候補に俺も入れてくれ」と、多くの業者が販売会社に群がってきます。そうなると、販売会社はスワップカウンターパーティーをコンペにかけて選ぶようになります。やっとこれで、販売会社がスワップ取引の条件をチェックできるようになります。
ここまでは、販売会社とスワップカウンターパーティーが別人として説明してきましたが、販売会社がスワップカウンターパーティーを兼ねることは禁じられていません。。むしろ同一会社であるほうが自然です。こうなるとスワップ取引のコンペをしなくなり、牽制機能が働かない状態になります。しかし、ほとんどの仕組債は複数業者が扱っているので、投資家からすると、とんでもない条件で取引させられる可能性は低いかもしれません。つまり、投資家には販売業者を選択する権利があります。ところが販売会社のセールスには自分の会社がスワップカウンターパーティーも兼ねていると、スワップカウンターパーティーの選択の自由がありません。ここで、セールスが搾取されるのです。


続・オプション・トレーディングにおける個人投資家とプロの違い、グリーク(リスク指標)の見方

プットを買いまくって、金利リスクがえらいことに
米国で得意の暴落待ちポジションを作る、Volatilityを買いながら、GammaはShort、Deltaは若干Longくらいのポジションが心地良いため、プット・カレンダースプレッドを中心にポジションをバシバシ重ねていくと、何が起こるだろうか?
ここから先は一般・アマチュアの人のために少し丁寧にいうと、まずこれを理解していないと無理なので、読んでいなければこっちをお先にどうぞ。
2011.09.01 %Gammaとは何か?
%Gammaがわかった上で、%Vegaやその他と合わせてみる見方については以下。
2014.07.07 オプション・トレーディングにおける個人投資家とプロの違い
↑に基本的なことは書いてあるのだが、その実戦編・続編としてこの記事があるので、早速、具体的な話に入ろう。


中国全土落下傘計画 湖南省編 10/10~中国の真面目な大学生たち

張家界学院大学、卒業記念飲み会
中国のマネキネコ猫ちゃんと夕食をしていたら、「大学の飲み会が近くで行われているので、先生も来てしまえばよい」と中国のマネキネコ猫先生に言われたので、おじさんが大学生のコンパw に出席。張家界学院大学は、新しい大学なので、教授陣も若い女性(20代なので教授じゃないかもしれませんが)。そして、語学クラスなので、学生さんも8~9割が女性です。先日、女子会に居た中国のマネキネコ猫ちゃんの友人、周さんが「私は先生とお話したい。隣良いですか?」、私の左腕を取って、「この腕輪は日本で買ったものですか?」 素人女子大生ですが、酒も飲んでいないのにキャバ嬢のような動きで、周囲の女子大生を圧倒し、牽制する周さん。中国の女性は積極的で強いですね。中国にも男女の違いはあるのですが、男女間の強弱や序列がほとんど存在しないという意味で男女平等に思えます。


岸信介 -権勢の政治家- 2/3~満州へ

満州国政府最高首脳に
政党人はときに軍部の懐柔に乗せられ、軍部の脅迫に怯え、みずからの腐敗と日和見に自壊し、結局は軍部の勢力を増殖させていったのである。憲政史上最大のクーデター事件、すなわり2.26事件は、こうした時代文脈に咲いた徒花であった。岸は2.26事件後わずか8ヶ月にして満州に渡るが、その岸を待ち構えていたのはもちろん関東軍である。岸は参謀長板垣征四郎に向って次の2点を主張した。「第一に日満一体論、満州の産業経済発展が満州国統治のみならず日本国民にとっても重要であること、第二に関東軍の任務は統治の基本を握ることであって、産業経済については自分に全てを任せて欲しいこと」 岸がまず最初に手掛けた仕事は、満州国産業開発5ヵ年計画の実行であった。対ソ戦略基地たる満州の産業開発は、仮想敵ソ連の計画経済をモデルにした


岸信介 -権勢の政治家- 1/3~帝大から農商務省

岸信介は1896年山口県吉敷郡山口町(現在の山口市)に生まれる。父佐藤秀助と母茂世の間には3男7女がもうけられた。信介はその次男である。他の兄弟姉妹がすべて田布施生まれであるのに、信介だけは山口町で生をうけている。父秀助が当時たまたま同地で県庁の役人をしていたからである。秀助はもともと岸家の出だが、同じ田布施にある佐藤家の家つき娘茂世と結婚し、佐藤姓を名乗る。秀助18歳、茂世14歳の時である。茂世の両親は継ぐべき息子たちに恵まれながら、長女茂世の婿養子として秀助を迎え、佐藤家から分家させる。「佐藤信介」がのちに「岸信介」へと改姓するのは、実は父秀助の実家に信介が養子として入ったからである。
> わかりやすく日本で最も有名な非民化した家系図を載せておこうw
kishinobusuke-kakeizu.jpg


三田氏を斬るステージ2 4/8~大崎さん、巻き添え食らわしてごめんなさい

第4節 日本で流行するか、ライツイシュー
エクイティファイナンスの手法として、日本では公募増資が大半を占めており、第三者割当増資をたまに見かけるという感じです。その大半を占める公募増資に対して、既存株主の不満をよく耳にします。現実の世界で起きていることは、理論的背景はどうであれ、公募増資->株価下落、発行される新株の数が多いほど1株当たり利益の現象度合いが大きくなり、より株価も下落するのです。一方で、第三者割当増資でも同様に、足元でEPSの減少が起こるのですが、あまり株価下落が生じません。第三者割当増資だと、新旧株のアービトラージチャンスが無いから希薄化効果が潜在的に存在するものの、現出しにくい。新株を手に入れる新しい株主にとっては、どれだけ株価下落が生じたかはまったく関係ありません。むしろ、より下落したほど、安く買えるので嬉しいかもしれない。このように新規株主と既存株主との間で著しい不公平感が存在し、既存株主は無防備なのです。これが、不満のもとなのです。
不満を解消するライツイシュー
日本では公募増資が主流ですが、欧米では大規模増資の場合は、公募増資よりもライツイシューが選択されます。ライツイシューは、既存株主と新規株主の不公平感を減らすよう設計されており、その点では公募増資よりも優れていると考えられています。ライツイシューを一言で言うと、『既存株主の持ち分に応じて、新株予約権を株主全員に無償で割り当てる』ものです

さあ、俺はライツイシューを何と説明した??
2014.06.17 日本市場のライツイシューの歴史(2014年5月時点) 1/2 より
ライツイシューとは、増資に応じる権利の発行である。もう少し細かく表現すると、有償増資に応じる権利の無償発行である
うーん、俺の説明短くて良いと思うんだけど、三田さんがいま問題にしている、既存・新株主間の平等性を主軸に考えると、「株主全員に対する」という言葉が必要だね。


なぜマッキンゼーの人は年俸1億円でも辞めるのか?

痛いタイトルだな~ww 私が本を買う時は大きく分けて2つの心情があり、1つは「おっ、それちょっと興味あるな」という単純な好奇心でこれがほとんどだが、もう1つは「おっ、どんなバカなことが書いてあるのか知りたい」という娯楽だ。諸君らがスポーツ新聞や週刊誌を買う気持ちと同じなのだが、この本は東スポの表紙なのに中身が「孔子の論語」だったというオチであるw


中国全土落下傘計画 湖南省編 9/10~中国の自動車

中国の超都会、北京・上海においては、どうしても外資系=合弁系メーカーの車が多く走っているように見えるのだが、湖南省では見たことも無いエンブレムの車、すなわち、中国国産車=民族系メーカー車も無視できないほどに走っている
中国の自動車産業について、少し触れておこう。
・合弁系
上海、東風、中国第一(一汽)、長安、北京、広州となるが、実際には合弁会社なので、
上海GM五菱、上海GM、上海VW、一汽VW、重慶長安、北京現代、東風日産、一汽トヨタ というような名前になる。外資系は主にVW、GM、現代・起亜、トヨタ、本田、日産、フォード・マツダ、PSA、スズキ、BMW、ベンツ となっている。
小型車10万元前後だが、多くは15~25万元
・民族系
奇瑞(2000年生産開始)、BYD、華辰、江淮、吉利(1999年生産開始)
独立色の強いドメスティック企業だが、完全コピーであることが多いレベルで、コピーからの応用にまで発展してないらしい。BYDは電気自動車でバフェット銘柄らしいです。
10万元以下 の販売価格にほとんどが集中している。


郵便局があぶない

郵貯ローラー作戦
2000年4月以降2001年にかけて、1990~91年に契約した10年満期の定額貯金が満期を迎える。当時は金利は最高で6.33%、年利にして約8.65%が設定されていた。預入額を、90年1月まで500万円から700万円に、91年11月にはさらに1000万円までつり上げたという理由があって、この時期が集中満期になった。その額106兆円。256兆円という郵便貯金全体からしても約4割に達する額だ。それが満期に際してどう動くか。より正確に言えば、できるかぎり動かさないように画策するのが、郵貯の2000年問題なのだ。

ee767eba.jpg
その問題に加担したのは僕ですw 6.x%で複利でまわって、6M into 10Yrsのプロテクティブ・アメリカンスワプション付。最高金利6.33%をとらえられては、いないと思うが、6.x%だった記憶はある。子供の頃から天才だったのですねぇ。株やドル・外貨という選択肢を知った上で、90年に6%FixedのJPYに”投資”していたとしたらマジで天才だが、当時としては、市場性のある金融商品は知らなかっただけというのが現実だ。


三田氏を斬るステージ2 3/8~教養の無いトレーディング・フロア

第3節 何もしなくても…投資信託
為替スワップによるプレミアムって何だ?
毎月分配型の次のヒット商品は、通貨選択型です。新興国通貨のブームに乗った通貨選択型投資信託がヒットしました。しかし、これには非常に難解な説明がついていて・・・、目論見書には、収益源泉(リスク)を以下の3つに分けた説明が載っています。
・ハイイールド債への投資
・米ドルから選択した新興国通貨との為替スワップによるプレミアムもしくはディスカウント
・選択した新興国通貨の価格変動リスク
この説明で、為替スワップによるプレミアムを理解できている購入者がいるのでしょうか?さらに恐ろしいことに販売したセールスも理解していたのでしょうか? 投資家全員は無理として、もし、セールス全員が理解しているとしたら、これは衝撃的です。若い頃は勉強したもんだよ~と自慢していたおっさんセールスが読んでいたのは、実は『四季報』ではなく、ハイデガーの『存在と時間』だった、くらいの衝撃的事実です。…それくらい、ありえないということです。

Heidegger.jpeg
これ、セールス部門ではなくて、トレーディング・フロアでも『存在と時間』と言って、「あー、あれ俺も読んだねぇ」なんて反応するトレーダーは1人も居ないだろうねっていう三田さん流の嫌味ね。わかる? 学歴は一応、名が知れた大学ばかりなんだけど、大して勉強して無い奴ばっかりだからねぇ。芸術とかも理解できない下賤の者が多いな。
僕? 存在と時間? 読んでませんw


イスカンダル計画を見てきました

マレーシア最南端の地図を載せよう、私が実際に見てきたところは、DANGA BAYとPuteri Harbourである。
(東南アジアの知識が全くない日本読者のために言うと、青い線の下にある小さな島だけがシンガポール、北はマレーシア(インドシナ半島の南端)、シンガポールの下にあるバタム島以南はインドネシア領、そして中東から日本に向かう石油がみんな、わずか10kmしかない狭いこの海峡を通ると思うと、少しは真剣に見ようという気がしてこないか?)
JH-Map.jpg


中国全土落下傘計画 湖南省編 8/10~森林公園

国家森林公園張家界 250元 3日間有効
行き方は何通りかありますが、張家界のバスターミナルから行くのが一般的です。私は中国のマネキネコ猫ちゃんの吉首大学張家界学院前でバスを拾います。いずれも12元、所要時間は40分程度です。
金鞭渓:森林公園入り口から続く沢です。
chokaka-shinrin-kinmuchi.jpg


実録ラスプーチン 8/8~暗殺計画と不死身伝説

ラゾヴェール博士はゴム手袋をはめて、青酸カリの結晶を入念にすりつぶして粉末にした。彼はそれを気前よくケーキに振りかけた。彼はまた0.3gを数滴の水に溶かし、2個のワイングラスに注いだ。致死量は0.04gだ。ラスプーチンは髪や髭をきれいに洗って櫛でなでつけ、染み一つないブルーのブラウスを着ていた。彼は長老に毒のついていないビスケットを差し出した。最初、毒入りケーキを勧めた時、ラスプーチンはいらないと言った。さらにどうぞと言うと、彼はそのうち2切れを食べた。青酸カリは苦いアーモンドのような香りがするが、彼は何も言わなかった。しばらくして彼は喉が渇いたのでお茶を所望した。ユスーポフはワインを勧めた。クリミアの一族の領地で取れるユスーポフ・ワインである。だが、ラスプーチンはマディラ酒のほうが良いと言った。ユスーポフがこの男のことをよく研究しておいたならそれがわかっていたはずだ。彼は何も添加物のないワインのグラスを勧めようとして、それを落とし、別の毒入りグラスを渡した。彼は飲んだ。何も起こらなかった。ラスプーチンは「のどがちくちくする」と文句を言っただけだった。ラスプーチンは黒壇の飾り箪笥の小抽斗を開けたり閉めたりして面白そうに遊んだ。いつ彼が倒れるかと待ち構えていたユスーポフは、イリーナがそろそろ来るかもしれないので調べてくると言い訳して地下室から姿を消した。仲間の陰謀者たちは、階段の一番上にたむろして、「ヤンキー・ドゥードゥルドゥー・ダンディー」のレコードを何度もかけなおした。彼らは姿を見られてはならなかった。もしラスプーチンが国会演説で激しく自分を非難したプリシュケヴィチを見かけたなら、ただちに何が起ころうとしているか悟ったであろう。ラゾヴェールは、彼自身の弁によれば、毒物が効かなかったことにすっかりイライラして気が遠くなり、雪の庭に出てやっと生気を取り戻した。警保局長ヴァシリーエフは、ラゾヴェールが良心の呵責に耐えかねて、青酸カリの代わりにソーダかマグネシアを使ったと断言している。解剖の結果、毒物が発見されなかったことに対するもう一つの説明は、インチキ薬品製造業者が、軍部の医療隊に純正薬品でなく偽者を納入していたというものである。第3の、ユスーポフ好みの理由が、この邪悪な男は悪魔の力に守られていたのだという。


実録ラスプーチン 7/8~疑惑

ラスプーチン一派で、次にスパイだと疑われたのはアンドロニコフ公だったのはいたしかたない。彼は派手な生活を送り、愛人達に莫大な金を使っていた。「彼の使った金額は、およその額さえ推定できなかった」と彼の執事キルテルは後に証言している。「私の妻が1日おきに、ロシア・アジア銀行から1000ルーブルずつ彼に届けていた。妻はお金を小切手で受け取っていた。彼はアパート代として月額600ルーブル払っていた。客達が、朝食、昼食、夕食に来ない日はなかった。客達は集団で来て、主人が家にいようがいまいが気にしなかった。オフラーナは、これらの費用はすべて、ドイツ軍の金でまかなわれているという報告を受け取っていた。翌年、ラスプーチン問題調査委員会が公を取り調べたとき、反逆罪の証拠は見つからなかった。委員会は、彼はあまりにも軽はずみで、妄想に取り付かれていたので、徹底した反逆者に離れなかったのだという判断に納得した。彼には何の政治的理想もなく、ラスプーチンと同様に、彼の政治家に対する意見は自分との個人的な利害関係に基づいていた。


三田氏を斬るステージ2 2/8~トレーダーって何?

第2節 マーケット部門
トレーダーは、担当の商品を売ったり買ったりする役割の人です。…余談ですが、ある種の人々はトレーダーのことをディーラーと呼んでいるようです。どちらが正しいというつもりではありませんが、英文誌でStock dealingとかequity dealingとかbond dealingという表現はあまり見たことがありません。いずれもtradingとなっている気がします。ちなみに、ある種の人は地場証券に多いです。
あと、ややこしいことにセールストレーダーという人々がいます。彼らはトレーダーではありません。純粋にセールスで、ブックを持っていません。取引時間中、頻繁に顧客と接触し、注文を取り、その執行を専門にしている人たちです。

でも三田さん、トレーダーが商品を売ったり買ったりする役割の人 ならセールストレーダーもトレーダーじゃないですか? 確かに、セールストレーダーは、”自己の勘定で”売ったり買ったりする役割の人ではないですけどね。それからバイサイドにおけるトレーダーもセールストレーダーと同じく執行者であり、投資の意思判断・決定権は無く、それはFM(ファンドマネージャー)あるいはPM(ポートフォリオマネージャー)の役割です。私の知り合いのシンガポール人は、”トレーダー”と名乗ってしまったばかりに、株のファンダメンタルズや投資戦略について聞かれて困っていました。彼女はバイサイドのトレーダー、元SGX(当時はSIMEXかなw)の場立ちなんで、投資戦略とか言われてもw
確かに三田さんのおっしゃる通りで、Derivative Dealingともあまり言わないかもしれないのですが、日本だと、ネット・トレーダーまでいるじゃないですか。どうすか? ネット・トレーダーも略して、ネット上でトレーダーって言ってるんですよ。この前、日本で「トレーダーのエキゾさんです」って紹介されて思わず「いえ、トレーダーじゃなくてインベスターです」と訂正したほどです。ディーラーという根拠は、証券外務員試験に出てくる証券会社の主要業務、ブローカレッジ、ディーリング、アンダーライティング・セリングに起因するものだと思います。日本語による「ディーラー」という表現で、自己の勘定によって取引する人と定義づけることに対して、私は寛容です。


オプション・トレーディングにおける個人投資家とプロの違い

金融機関のマーケット・トレーディング部門で働く諸君らにとって、私のオプションの取引手法は、想像に難くないつまらないものだと思うが、個人投資家としてオプション取引をしている友人の取引手法と比較すると、プロ・アマ両諸君らにとって、面白いのではないかと思い、書いてみることにする。
ちなみにアマである私の友人らの手法が劣っていて、プロの見方・やり方が優れているということではなく、単純に違うということを言っている。ただし、後半では、中途半端にプロの真似ごとをしているアマは、見直すべきところがありますよ、と書いている。
まず、見ているものがまったく違う。優先順に書くと、
彼ら オプション・プレミアム -> 証拠金 -> 損益曲線 -> SQ値(清算値)
俺  Greeks -> Implied Volatility -> 損益曲線 -> 証拠金
面白いでしょう? まずプレミアム見てるのよ? でも収益=売値-買値なわけだから、彼らは基本に忠実なのね。
「証拠金どのくらい?」とか聞かれて、「証拠金率とかあんまり意識して無いです」というプロ発言w
彼らはなぜGreeksやIVを見ないのか? それは取引対象が
彼ら オプション・プレミアムが株価の1%以下の1Week程度の非常に短いオプション
俺  オプション・プレミアムが株価の10%~20%の1~3yearの長いオプション
1Weekのオプションとかやる? 1週間の相場観とかある? 満期まで3日のオプションをどっかんどっかん売ったり買ったりしているのです。損をしても得をしても、とても収益の説明責任を果たせそうにありませんね。ただ、あくまで個人投資家ですから、説明責任は無いし、こんな短いオプションでGreekとかIVとか意味不明ですよね。彼等の主たる注目ポイントはオプションの最大の特性であるTime DecayとGammaのみをかなり高い資金効率と時間効率で実践する手法です。


中国全土落下傘計画 湖南省編 7/10~鳳凰

houou-kawa.jpg
バスは張家界のバスターミナルから65元で3~4時間。中国のマネキネコ猫ちゃんの友人が2人ほどジョインします。言うまでもないことですが、いかにも真面目そうな中国の若者です。鳳凰でバスを降りると勧誘のおじさんがいっぱいいます。1元で街中までのバスがありますが、彼等の言い値は「1人5元で車に乗せてやる」という類のものです。中国のマネキネコ猫先生がついているので無視。途中で、1元の電動トラック(ミニバス)に乗ります。これ乗らなくても大丈夫、バスだけでもOKです。とにかく川沿いに近づけば鳳凰のメッカです。川沿いはホテルとバーが建ち並び、後はお土産系です。


実録ラスプーチン 6/8~女性遍歴

ラスプーチンのお持ち物
rasputinspenis.jpg
ラスプーチンは、ステファニヤ・セメノーヴナ・ドルゴルカヤ公女と過ごした。これは危険な情事だった。彼女は皇帝の侍従の妻だったからである。ラスプーチンはその他、政治家の愛人たちとも密通していた。彼はレイカルト夫人の訪問を受けた。彼女は夫の仕事上の問題にラスプーチンの調停を頼みに来たのだった。彼は夫人にキスしてくれと言ったが、彼女は拒否して帰ってしまった。だが、彼は欲求不満を長引かせることはなかった。その夜は彼は若い未亡人で、上院議員ヴァシーリー・ニコラヴィチ・マモントフの愛人だったナジェージダ・イヴァーノヴナ・ヴォスコボイニコワと楽しく過ごした。このようなラスプーチンの動きは新聞にはまったく載らなかった。


実録ラスプーチン 5/8~女帝アレクサンドラ

皇帝のラスプーチンへの寵愛はじきに回復した。1915年1月2日、ヴィルボワがペトログラードにいる父に会いに行くために乗った列車が脱線した。彼女は自己で壊れたラジエーターのパイプに両足に挟まれて動けなくなり、顔には重い鉄製のクロス梁が落ちてきた。足と脊椎に重傷をおって病院に運ばれた時には意識がなかった。ラスプーチンは病院に駆けつけ「アニューシュカ、聞こえるかな?」 「グリゴーリー!グリゴーリー!」と彼女は叫んだ。皇帝の宮内官房長アレクサンドル・モソロフによれば「ラスプーチンはよろめきながら部屋を出たところで失神して倒れた。気がついたときには全力を使い果たした感じで汗びっしょりだった」 モソロフは長老の信奉者ではなかったので、彼の威力を誇張するはずはない。ラスプーチンの介入がアンナの生命を救ったかどうかは難しいところだが、少なくとも、患者の意識を取り戻させた


三田氏を斬るステージ2 1/8~信者が居るほどに偉大な三田氏

デリバティブ業界のことをまったく知らない人のために解説すると、三田氏はミタではなく、サンダと読みます。三田氏は日本のエクイティ・デリバティブ界の大御所です。ちなみに私は面識ないのですw それでも知ってるくらい大御所ってことね。三田氏は、知名度とか経歴だけではなく、おそらく、デリバティブのトレーディング部隊において、三田氏がデリバティブの不理解をツメられたりしたことはないでしょう。「三田君、わかってないね。」「三田君、間違ってるよ。」こういうセリフは、トレーディング・デスクには存在しない“はず”です。(あくまで推測ですけどね、でも誰もそのセリフ聞いたこと無いでしょう? まぁ三田氏本人は「いや、一度だけ言われたことがある」と反論があるかもしれませんが。)
プライスはさておき、バリュエーション、モデリング、金融工学の理論的な側面について、三田さんに楯突ける者はいない。少なくとも私の知人には一人もいない。「三田さんの信者・ファン」が多く、私は、三田さんの過去の遺産を廃するのに手を焼いたのでよくわかる。当の三田さんにとっては「そんな昔に作ったものをまだ使っているの? うん、いいかげん作り直したらどう?」と言うであろう。でも、まだ三田さんの遺産を使っている人が居るかもしれないw
「日本にいるのなら三田さんの本が出ているはずなので買ってきてほしい。ついでに読んで書評書いてくださいよ。」
「普段はお前のブログ読まないんだけど、三田さんを斬っているのは読んだよ。あれは面白かったね。」
これは三田さんにはとても自分では楯突けないプロのトレーダーたちが、私に代弁を期待しているのであるw 彼らは、「三田さんに対して、理論的な側面で異議を唱える」という現実的には見ることが難しいドラマを見たがっているのである。
これが「三田氏を斬る」シリーズの起源、ゆえに一般読者やフィックスドインカム系の諸君にはまったく面白く無い、エクイティ・デリバティブ業界の内輪ネタ・ギャグなのね。今回のネタ元は、「証券会社の儲けの構造」という三田氏が2012年11月に書き終え、2013年4月に出版された本なのだが、証券会社をご退職され、自由な立場でお書きになっているので、斬るのがかなり難しい内容となっている。基本、この本に書いてあることの解説・説明はしないので詳しく知りたい人は、三田さんの本でも買って勉強してくださいw