シンガポールドルは通貨バスケット制。
MAS(Monetary Authority of Singapore)は、非公開で通貨バスケットを持ち
相場を一定の為替バンド内に収めるよう介入する。
http://www.mof.go.jp/jouhou/kokkin/tyousa/tyou022b.pdf
にも、貿易量に基づいて、バスケット構成の算式を市場参加者に推計されないように、
MASの裁量を加えて構成比が計算されていると言われている。
非公開といわれてると知りたくなる。
ここでは回帰解析アプローチによる非公開バスケットの推定を行う。
http://www.mofa.go.jp/mofaj/area/singapore/q_a/qa_5.html
より、メジャー通貨と関連の強そうな国の通貨を10個を選ぶ。
参照期間は直近1年と直近半年そして1年前から半年前までの半年。それぞれ1Y,6M,1Y-6Mと表示した。
各通貨を分子、分母をUSDとして、つまりJPYならJPYUSD=0.0091円という慣習と逆方向を説明変数とし
SGDUSDを目的変数とする。
ドルの保有比率を推定できないこの方法はふさわしくないと考えるので、基軸通貨を関係無い通貨に設定したい。
CHFは持って居なさそうなことが分かったので、今度は全説明変数の分母をCHFにした。
SGDCHFを目的変数とし、説明変数にUSDCHFを加える。
回帰係数と、t値は以下の通り。
回帰係数だけだと分かりにくいので通貨と回帰係数の積をSumproductの行に表示した。
政府が通貨のShortはしないだろうという想定の下、負の回帰係数を除いて和を取り
百分率で示したのが、Basket Weightとなる。
結果を見ると、PHP、IDR、CADがWeight,t値共に低いので、これらも除外してみる。
USDが0%というのはひとえに信じがたいが、とりあえずこういう結果だ。
1番上が1年間だから平均とって半年前の推定Weight。
2番目約3ヶ月前,3番目は9ヶ月前となる。
そして、このWeightを使ってDuplication Indexを作ってみた。
SGDCHF Rate =倍数× (Weight Vector)・(Currency Rate Vector)
*注:・は内積,×はスカラー演算
通貨のWeight比率を保ったまま、ある時点でSGD Rateと等しくなるように倍数をかける。
Series1 SGDCHF
Series2 1Y Regress Duplication
Series3 6M Regress Duplication
Series4 1Y-6M Regress Duplication
このGraphのFitting度合いからして、つまり1年前から半年前にかけての1(青)と4(水色)のFitting
半年前から直近までの1(青)と3(水色)のFittingを見る限り、半年に一度くらいは見直している気がする。
6M のFittingの悪さから、6MのWeightはどうも怪しい。
USDが0%保有と出てしまっている事に対しては、
CNYがUSDに対して上昇していた1Y-6M Regress Duplicationが実勢より若干高いこと
CNYの上昇率が頭打ちになった直近で6M Regress Duplicationが実勢より若干低いことから
それも間違いだと思われる。
MASの動きの推定
1年前から半年前にかけて、CNY(USD)、EUR、JPYの保有比率を増やし、AUD、MYRを減らした。
どう?MAS君。私の推定は合ってるかな?
今回、かなり自信ありません。公開してませんが、基底を変えるとかなり結果がずれるので
あくまで、回帰アプローチで非公開バスケットに迫ってみたというお話という理解でお願いします。
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