Credit業務従事者から猛反発を覚悟の上、トラックバックにご返杯と行きましょう。
私は専門家ではないので、素人の戯言として、読んでいただければ幸いです。
私はCDSの存在そのものに疑問を感じています。
その理由として、債券価格とCDSはリンクしないことがあります。
ある社債とSWAPとCDSを使って、Arbitrage Portfolioを作るとしましょう。
社債=Fix受け、Float払いのSWAP+CDS Spread受け
となりそうですが、実際は、そうはなりません。
今はそれを説明するに非常にいい時期ですが、信用危機の状態において
L FlatでFundingできる参加者が居なくなるためです。
Cash(あるいはFloat払い)を必要とする社債価格はCDSのSpread以上に動くので、
CDSは社債のヘッジにはなりません。
債券の市場参加者のメインは、プロ(銀行)です。
つまり、財務レバレッジあるいは信用創造をつかったLeverage Playerなので、Cashを
持っている訳ではありません。
市場参加者の殆どが、L Flat Funding不能もしくはCashを持っていない状況では、
社債は対CDSで見て、鬼のように売られるわけです。
これが私がCiti Bank社債の投資にCashを持っている個人として踏み切った理由です。
お陰さまで、時価評価では、鬼のようにやられています。
この現象はCDSが
Creditを保証する人(Protection Seller)と対象UnderlyingのCorrelationを含んでいる
ということに尽きると思います。
確かにCDSにはGammaはありませんが、私は、Correlationが保証人によって変わる以上、OTCでSpread
だけでQuoteされているCDSの流動性が高ければ高いほど、CDSを現物のように考えることはできません。
最近調べたのですが、CDSはCorrelationであるという面白い例をここに挙げます。
CDSは今や社債だけでなく、その対象を国債にまで広げています。
米国債のCDSに、USD建は無く、EUR建しかありません
もし米国債が価値を持たなくなったら、USDは、もはや紙屑だからです。
Correlationゆえに、CDSは債券という実体からあまりにも遠く離れすぎていて、自己矛盾を含んだ
理論上の産物、単なる机上の存在にしか見えないのは私だけでしょうか。