http://cfonews.exblog.jp/ 毎日読んでいる会計士さんのブログです。
そこで、
「一時的な為替相場の変動により大きく時価が変動する仕組み債を保有している」
という記述があり、職業柄、見過ごすことはできないので、9748の有価証券報告書を見てみました。
まずは簡単な財務諸表概略から
貸借対照表
総資産 150億 現金30億 有価証券 40億 その他有価証券 20億
金あるなー、半分以上”金”だよ。良い会社ですね。金を産む卵のようです。
MMFが20億ばかりあるみたいだから、それを除いて40億の博打か。わかります。私も好きですから。
損益計算書
売上 150億 純利益 3-6億 営業外収益の受取利息 1.2億
運用益デカイな。博打で受取る利益は、純利益に対し、約20%-30%を占める。
その他有価証券の明細
去年は、殆ど売買せずに8億円あった株が5億円になってるから、MUFJとりそなを中心に3億ばかし、とばしてる。
-37.5%! TOPIXが-30%なので、若干下回るくらいのパフォーマンスかな? ちなみに私は-17%です。
そして肝心の
仕組み債一覧
NSJ_Yukashoken1.JPGNSJ_Yukashoken2.JPG
どうですか? ドキッとした人もいますかね?
まず、銘柄名(実際SPC名)を見れば、エクイティリンクも入っていることがわかります。
総額20億弱で1.2億の受取利息ですから、平均利回りは6%です。
コール買い型も含まれていることを考えれば、Yield Enhance型のTargetは7%-10%程度でしょう。
去年まではGMやTMCCの円建て社債でクレジット運用していたようですが、今年は戦略を変えたみたいです。
32銘柄持っていますが、1年で少なくとも5銘柄は入れ替わっているようなので、Durationは5年以下。
全ての商品の時価がアンダーパーであることから、プット売り型、さらに早期償還条項付という強い推定も入れます。
平均利回りから考えて、プット2枚重ねのリスクは無いと推測できますが、
平均単価79円で半分以下のもあるし、Durationが長いことを考えるとやってるかも�
もう限界か・・・この情報だけだと。
CFOの怒りの元凶は、1億円のKFWかな? 去年は100だったのに、今年63.4。
会計士様に一言
発行体名で有価証券を記述するのやめませんか?
D ユーロ円建社債 50,000 って4つ書いてありますよ。Uniquenessが崩れていて美しくない。
大別の仕方を、私が教えてあげましょう。
発行日、満期日、Underlying、Coupon これを今の情報に加えればOKです。
想定問答
Q.早期償還がある場合は満期日はどうするのですか?
A.関係ありません。最終償還日をそのまま記述してください。
Q.Couponは複雑な形が、あるのですが、どのように記述しますか?
A.日本の仕組債におけるCouponは3通り。 (言い切ったなー、我ながら)
1)Fixed : 固定 7.0% 無条件受取です。
2)Digital : 条件付のAll or Nothing 
 Underlyingが初期値の80%以上だったら10%、以下だったら0.1%という例では
  10.0% or 0.1% @ above 80%もしくは
  9.9%×1[P>80%]+0.1%
3)Floating : Underlyingの一次式で記述可能 
 金利モノ(CMSやFloater)が単純なのは明白ですが、エクイティのコールオプションを内包している場合でも
 50%×P[<0] + 10% のように記述可能です。  P[<0]=Min(P,0)です。  Snowball型の場合は、Term Sheetの漸化式をそのまま記述してください。  また、Floating型には、0%Floarが付いていますが、それは自明なので記述の必要はありません。 注:全て実額(Absolute Coupon)に統一してください。P.A.Couponはダメです。