800億円の案件です。GS対B先生に比べると規模もかわいいですが、エグさもありません。
ユーロ円建優先出資証券の概略
配当
 当初5年間 JPY Libor + 1.4%
 6年目以降 JPY Libor + 2.4%
5年間、金貸し側が、Call Option=Max(株価Performance/150%,100%)を持っている。
6年目以降、発行体が、Max(株価Performance/150%,100%)で償還できる条項が付いている。
*株価Performanceの定義:株価/525円(22日終値)なので発行当初は100%。
日本の美しき譲り合いの精神が感じられます。
金貸し側の譲歩(対Buffet的観点による)
 金利の要求水準が低い。GSは固定10%だから、大体L+5%超
 Optionalityの放棄。150%水準とは、行使価格が高すぎ。GSは95%のIn the Money
発行体側の譲歩(対GS的観点による)
 Anytime Callableの放棄。5年目以降償還できる。(GSはAnytime)
ちょっと前(6月)もCB Financeしてるみたいだし、短期的な爆騰って難しそうですよねぇ。
5年の150% Call。 悪いけど10円(%)すら出せんわ。買い取り価格は5円(%)が良い所だな。
シナリオとして、最も確率が高そうなのは、株価が150%に届くことも無く5年間が過ぎ
2.4%以下の貸し手が見つかり、あっさり100%でロール償還。
6年目以降、継続しないと、このスキームの意味が無いというもの。
でも、継続シナリオになると金貸しとしては、これっぽっちのリターンでは全く美味しくないな。
5年Call 5%の1/1.5にL+1.4%か�、この人たち金貸しで投資家じゃないから、Libor超過分で考えると2.1%程度。
6年目以降もL+2.4%くらいなら発行体も命がけで返しにこないだろうし。
このご時世に、L+2.4%。はぁ~あ、なんか眠くなってきたな。
日本の金貸しって、期待値も低ければ、リスクも高いんですねぇ。お疲れさん。