ニュースの記事だけで、具体的なスキームを見たわけではないですが
今回のお買い物は 5bil USDで
10%配当のPPS(Perpetual Preferred Stock)永久優先株
115ドル行使価格 5年のIn the money American Option
をお買い上げ。
CBやMandatory Conversion付のPSではなく、2つをバラバラにしているあたりが、
お互い権利を主張しあっている感じがしてお洒落。
PPSはGSの権利の主張
永久優先株は、おそらくGSのCallable条項付で、株への転換条項は付いていないもの。
すなわち、期限の無い、いつでも繰上げ償還可能な負債と見なせる。
GSの資金調達金利曲線を年限ごとに引けるとするならば、そのMaxの金利を払うだけの価値がある。
さらに、可能性の薄いシナリオだが、金利がここから爆騰して20%になったとしても、GSはわずか
10%でFinanceできるというDeep OTM 金利オプションの価値もある(小さすぎて無視してよいが)。
金利オプションとして価値があるのは、ここから金利が下がり、Creditが落ち着いてきたら、
GSは、即座にCallして、借り換えが出来る。
これをやられるとBuffet先生としては、あまり美味しくない。
彼の成長率は年間20%を超えているので、年率10%(10%P.A.)では投資に値しない。
GSが払えるものは、あとは既存株主の犠牲のみ。
このご時世にCashという究極の流動性プレミアムを提供する先生は、Warrantでそれを要求。
PPSとWarrantをくっつけてしまうと、GSのCallで、WarrantのOptionalityが消えてしまう
ので、独立した自らの権利の主張ともいえる。
Risk Neutral Valuation的には、Warrantは、40%くらい価値がありそうですが、
このケースにおいてあまり意味はなさそうなので、Buffet先生の見通しを推定してみましょう。
前提
BuffetのTargetは20%P.A.
Creditが急速に悪化したのは9/15から。それ以前は160USD程度あった株価が130まで下落。
逆に、今から160を超える水準まで株価が戻れば、Creditも徐々に落ち着きを取り戻すとする。
160でCreditが元に戻るとGSはPPSをCallしてくることを考えると
Warrantで160/115で約40%の収益。
PPSは10%P.A.の収益。
4年以内に戻れば、脅威の20%成長率(=PPS10%+Warrant40%/4年)が達成可能になる。
通常時にやると、利益供与で捕まりそうなほど、とても良い買い物ですね。
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