第8章 マジャパイト王国の興隆(14世紀)
マジャパイト王国のジャヤナガラ王は王位を継承すべき男児を残さずに死去した。この場合、この王の年長の異腹の妹「カフリパンの女王」が王位に最も近いと考えられる。事実彼が死去した翌1329年には、この王女がジャワ王国の主として現れる。しかし、トリブヴァノートゥンガデーヴィー・ジャヤヴィシュヌヴァルダニーの即位名を持つこの女王は、彼女自身の王位継承権による通常の襲位ではなく、何か別の理由に基づいて即位したものと考えられた。この王女自身の資格に基づく即位であったとすれば、1350年に至ってその息アヤム・ウルクに王位を譲るために退位していることが不可解であり、したがって先王の死去した1328年には、まだ存在しなかった男系の後継者に対する一種の摂政の地位が想像された。しかしながら、この女王の治世中、スマトラの副王がジャワを「優れたラージャパトニ陛下(トリブヴァナー女王の母)によって統治されている王国と呼んでいる。ラージャパトニ陛下はクリタラージャサ王の妃であり、クリタナガラ王の娘であるラージャパトニを意味するものとすべきであろう。トリブヴァノートゥンガデーヴィー女王の当地を摂政政治とすべきことは明らかであるが、未成年の息子に変わる政治ではなく、直接政権を行使することを希望しなかった母のための摂政であった。1350年に摂政女王が退位し、その息アヤム・ウルクが登位したのは、この年にラージャパトニが死去した結果であり、このこと以外に理由は求められない。
> 女性は赤で囲ってある。直系はみんな女性の女系一族であるマジャパイト王室。
> マジャパイト王室、女の時代。ラージャサ(アンロック) - クリタナガラ の次世代、ラージャパトニが娘、ラージャパトニの子もまた2人の娘で構成されている、女系一族の時代であった。
インドネシア古代史 8/9~最大勢力圏をほこった王国
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