第7章 マジャパイト王国の出現(13世紀末~14世紀初)
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旧カディリ王国の復活 ナーガラクリターガマ書などのマジャパイト王朝の公式文書の見解に追随して、カディリのジャヤカドヴァンを、ラージャサ王朝の正統な諸王の当地を中断した反逆者とみなし、王位を簒奪した人物とすることは不当であろう。ジャヤカトヴァンはおそらく、長い世紀の間ジャワを支配していたが1222年ラージャサ(アンロック)によって亡ぼされた王家の後裔であり、その後4分の3世紀を経て非合法の王朝から政権を奪回した人物であったのであり、1292年の事件は正統な王権の復活とすべきであろう。新カディリ政権の前途を阻むものは、前章で述べた如く、首都の北部の戦場でなお優勢を維持していたシンガサーリ軍団であり、その処理が新政権の第一の任務であった。スマトラで作戦中の別のシンガサーリ軍団は当面の問題ではなかった。