第4章アイルランガ王時代(11世紀)
アイルランガ政権の正式の発足は1019年ということになるが、その時東ジャワ全土を支配していたのでは決してない。この王が国家の統一を回復するためにこの後長年にわたってあらゆる方面における戦いを続けなければならなかった。その際彼の敵対者の背後にシュリーヴィジャヤがいたことは当然想像されよう。当時アイルランガの領地は東ジャワの限られた一地域であり、彼は多数の小王国の1つとしてこれを統治していたのであろう。アイルランガ王のものとしては最初の銅板文書がブランタス河の下流地域から出ている。かくて、アイルランガの最初の領地の広がりは、最大限スラバヤからバスルハンまでの海岸沿いの地域に若干の後背地を加えたものであったようである。彼はこれだけの領域を持って一応満足せざるを得なかったであろう。と言うのは、1028年にいたり、暫く領土拡大の企図を実行し始めているからである。
インドネシア古代史 5/9~難しい統一、再起するジャワ文化
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