首相が日銀総裁に内定した松下康雄氏にデリバティブとは何かと尋ねると、5分間でわかりやすく話してくれたという。
それをどう説明したのか、ぜひ、聞きたいのですけどもね。
Q「Derivativeって何ですか?」 という質問を読者の皆様もよく受けるのではないでしょうか。
A「金融派生商品です。」 という和訳というか、この答えは意味がありますかね?
Q「派生商品って何?」 と聞き返されるのが落ちでしょう。
A「派生商品とは、例えば先物です。」 と答えれば、マメ屋と勘違いされ
Q「小豆か?」 と返ってきます。
A「キャッシュフローの交換」 などという答えは、言語道断。
私は、Call OptionのPayoffを口頭で説明したことがありますが、それも撃沈。
わかりやすい答えを思いつきました。
Derivative=世界最大級の博打
どーだ!本質的で、わかりやすいだろ? ま、それほど斬新ではないので解釈を付け加えましょう。
Derivativeは賭博法(日本の場合刑法185条)に抵触するかどうかという議論が世界中であります。
刑法上、賭博とは何かを規定していないようですが、一般には
「賭博」:偶然の勝敗により財産や財産上の利益の得喪(とくそう)を争う
とするならば、デリバティブは間違いなくその範疇です。
日本では、端的に言えば、「銀行がやってるなら、まぁ良いか」ということで合法化しているに過ぎず
「賭博とは違うデリバティブ」を定義づけることはできないのです。
ちなみに、銀行がやっていないエクイティ・デリバティブは一部差別的な扱いを受けているのも事実です。
また、Derivativeはその多くが、OTC取引で行われます。
誰でも参加できる取引所取引と異なり、当事者同士だけが、合意の上で契約を行うことですが、
同時に賭博行為独特の強い背徳性を持っています。
ISDAなる世界標準のルールを作り、博打の自由度を高め、世界中の金融機関が参加しています。
世界標準賭博(ISDA)契約ができないような金融機関は、金融業界では恥ずかしいこととされています。
株や債券などの証券取引を伴わず、好きなように取引ルールを定義し、規制・税から逃れようとする
“背徳性”を伴う行為が、OTCデリバティブにはつきものです。
この観点で言えば、「ガンマ無きものデリバティブに非ず」と公言する私も認めるデルタワンのデリバティブの
代表例が、株のTRS(Total Return SWAP)です。経済効果は株を買うのと同じですが
大量保有報告を出したくない、持ち株規制比率を超えて買いたい、議決権を保持したまま売りたい
などの理由が背景にある場合、TRSに存在意義が出てきます。
つづきは、また・・・
Derivativeの名訳
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