ジャカルタ潜伏 5~ジャカ1との1日

テレホンカードビジネスはどうだ?
スラウェシのヤツに50万ルピアほど、未払いのまま逃走された。
カラコンビジネスは?
こっちは安全だね。取りっぱぐれはほぼ無い。ただ規模が縮小しているな。
将来、ママになる気はあるの?
厳しいから夜の仕事からは引退したい。
カラコンビジネスは私も感心している。余った金はインフレで減価するので即座に換金性の高い商品=カラコンに換え、キャバ嬢のクレジットリスクを取り、給与を担保に掛けで売り、回収に失敗する=借金を踏み倒した女のレッテルを貼り、Blok Mから叩き出すという脅しをもって、銀行=大資本が取れないゲリラ戦ビジネス、ジャカ1でないとできないビジネスなのである。
このようなビジネスのために資本が必要なら、私に言って欲しい。今回も事前にジャカルタに来ることは連絡しているわけだから、来る前に! 必要な資金と使途を説明してくれれば、応じないことも無い。ジャカ1はもう引退したいのか、「不動産を今買わないのか? どうせ上がるだろ。」という楽観的な見方をしているようだ。だが私の決断は厳しい。


許永中日本の闇を背負い続けた男 2/4~フィクサーたちとの交流

太田は幼名を新太郎という。1925年、清蔵の長男として生まれ、1947年東京大学経済学部を卒業。いったん東京電力の前身である日本発送電に入社する。それからハーバードビジネススクールへ留学した後、1953年に東邦生命入りし、30歳を前にして重役となっている。1977年太田家6代目として東邦生命の社長に就任した新太郎はその後、清蔵を襲名した。福岡出身の太田清蔵は、地元選出の自民党代議士、太田誠一とは従兄弟同士にあたる。太田誠一の叔父が元衆議院議長の桜内義雄である。そんな太田家の影響力は、地元福岡の金融界はむろん、県内の鉄道や流通業界にまで及んだ。福岡だけではない。太田の実姉は関西の鴻池家13代目当主、鴻池善右衛門に嫁ぎ、姻戚関係を結んでいる。300年の歴史を持つ鴻池家は旧三和銀行を設立した名家だ。さらに太田の叔母はヤマサ醤油の濱口家に嫁いでいる。清酒「菊正宗」の造り酒屋である嘉納家や百貨店「松坂屋」の伊藤家とも姻戚関係にある。太田清蔵の率いた東邦生命は、前身を第一徴兵保険といい、富国強兵の国策として軍備増強に邁進した明治政府が、福岡の太田家に依頼して設立した。文字通り、徴兵される兵隊のための生命保険会社だ。


許永中日本の闇を背負い続けた男 1/4~大阪スラムと和歌山

許永中の生まれ育った大阪市北区中津は、戦中から戦後にかけ在日韓国・朝鮮人が住み着いた地域である。いわゆる朝鮮部落ではないが、貧困にあえぐスラム街といえた。許は自らの歩んできた歴史をこう表現した。「レールの無い真っ暗なトンネル」
21歳の頃、許にとって事業に目覚める最初の転機が訪れた。西村嘉一郎という怪人物との出会いである。西村は経営コンサルタントとして、和歌山を中心に活動し、右翼や同和団体など幅広い人脈を築いていた。1938年生まれの70歳だ。西村は産経新聞の記者から独立し、その後、裏社会に足を踏み入れた。表向き「東洋通信社」というミニコミ誌を発行する出版社の経営者である。だがその裏で企業調査や警備会社のオーナーとして、和歌山県内の企業の機密事項をつかみ、にらみをきかせていた。西村の名前は、バブル景気前後の経済事件にもたびたび登場している。バブル期に計画された和歌山県の「フォレストシティ建設計画」というリゾート開発でも、その名前が取り沙汰された。県内最大手の地銀である紀陽銀行が、600億円も投入してぶち上げた開発計画だ。1993年に大阪地検特捜部が紀陽銀行幹部を逮捕し、当時の頭取が辞任に追い込まれた。また副頭取が自宅前で射殺されるという、ショッキングな出来事で知られる阪和銀行の事件でも、一部で西村と銀行との関係が噂された。阪和銀行は1996年に破綻し、翌年に和歌山県警が銀行の不正融資を摘発する。
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日本人へ 国家と歴史篇 2/6~女を語る七生ちゃん

女には冷たいという非難に答えて
歴史を書いて40年になるが、昔から非難されてきたことが1つある。それは私という作家は同姓に対して冷淡で、女の立場に立って書かないというのだ。女の作家ともなれば同姓を書くほうが商業的に有利であるというのは、出版界の常識であるらしい。実際、そう主張する編集者の意見を入れて書いた最初の作品は『ルネサンスの女たち』だから、女が女を書くのが私のデビュー作ではあったわけだ。だが、商業的には有利であろうと、その路線は第一作のみで捨てた。なにしろ、中世のイタリアも古代のローマも、男達の時代なのである。男の世界での女は所詮は脇役で、歴史の脇役を書きつづけているといずれはゴシップに落ちる
> これいいな、歴史とか女とか抜いて、これをパクろう。
> 「脇役に言及し続けると、いずれはゴシップに落ちる」


意外に身の程を知っている可愛い愛人達

「カネを送ってくれ」と要求してくる愛人が後を絶ちません(泣w
しかし、「おう、お前が困っていて、お金が欲しいというのならばわかった、では・・・
1)具体的な金額
2)銀行名
3)口座番号
4)名義人(アルファベット表記)
5)SWIFT Code
6)銀行の住所(アルファベット表記)
7)オフショア通貨が存在しない国(インドネシア、中国、フィリピンなど)の場合、USD送金したら、どうなるのか? コルレスバンク指定が必要なら、その銀行名。
を教えてくれ。これらの情報が無いと、こちらからカネを送ることはできない。」という至極当然の質問をして、この答えが愛人達から返ってきたことは一度も無い。具体的な金額を含みで、カネ送ってくれと言ってくる愛人も居るのだが、2~7の質問をすると、無言になるか、「すいません、ちょっと甘えてしまいました。」と言ってくる。俺はカネを送ると言ってるのにだ!
アジアの銀行は、このような常識的な送金フォームを必要としない地下銀行的な送金に対応している。海外(日本以外)にある日本の銀行に行けば「リテール対応していない。日本は日本、ここはここ」と完全切り離されているだろう? ところがアジアの銀行、出稼ぎが多いフィリピンだけでは無い。中国でもタイでも良い。リテール対応していて、本国との連結も完璧。例えばシンガポールで稼いだシンガポールドルを持って訪れれば、その場で為替交換と送金を同時に行い、本国の口座に振り込まれる。私の経験ではT+0だった。一応、シンガポールの中国系の銀行では、マネーロンダリング防止で、口座名は送金者本人と同じ名義ではないとダメというルールがあったが。


ジャカルタ潜伏 4~借金して車を買うことの正当性

プラザインドネシアの牛角で、先輩とそのインドネシア人の友人と3人でお食事です。日本人相手のインドネシア語の先生をしているので、日本語は大丈夫です。一人焼肉に躊躇は無いのですが、単純に一人で食べられる量が少ないので、一種類で終わってしまうのがちょっと悲しい。3人居ると良いですね。日本に比べると少し高いですが、アジア平均の料金、一人あたり300,000IDR(3000円相当)です。
インドネシア人「職業投資家ですか。私にも投資教えてください。」
よくある質問だw 必負法はあっても必勝法はない。「これは絶対儲かる」と言うヤツは、基本的な法的知識が無いのは確実な、低レベルの詐欺師である。こちらから教えることは、これだけはやるなという禁止事項だけであまり面白くないので、逆にこっちが聞きたいのだが、「私には欲しい物が無い。だからあなたが欲しいと思っているものを教えて欲しい。家と車が挙がると思うが、どんな家(マンション)に住みたいのか? 立地が重要だと思うが、なぜそこに住みたいのか? その理由を聞きたい。私にはこの広いジャカルタのどこの地域が価値があるのか判断がつかないからだ。」
もちろん、初対面なので、こんな詰問ではなく笑顔でもう少し平易な言葉で質問したのよw
しかし、話していて面白かったのが自動車購入について、私もこの便利なジャカルタで、バスもありタクシーも安いのになぜ車が必要なのか? と厳しい質問をしてしまったが、インドネシア慣性系では、車を購入を正当化する一つの理由を発見した。私の先輩が、「借金して車を買って、その金利負担が非常に高い。」と言ったのがきっかけだった。USD慣性系でみればIDRは年間10%以上下落しており、実質インフレ率も10%ある中では、預金よりも借金が戦略的行動である。確かに金利は高いかもしれないが、給料が去年と今年でいくら上がったか? あるいは物価がどのくらいあがっているかを考えたら、悪くない行動だ。しかも、インドネシアでは車の減価償却、中古車市場での値下がりのカーブが緩く、車の下取り価格が、10万km走行なら75%、20万kmなら50%と高い価格で売れる(もちろん年数や状態なども影響するが中古車市場の目安として)。インドネシアルピアが年間10%値下がりする慣性系なので、3年で25%減価なら、現金保有より優れているという、まさに高度経済成長と悪性のインフレなのである。これは我々世代の日本人にはとても理解できない感覚だからこそ、ジャカルタに来て学ぶべきことなのである。
(相手がインドネシア人なので、「通貨の信認という超基本的な社会インフラさえないインドネシアだからこそ、通貨の価値、バリュエーションについて改めて思いを馳せ、先進国市場に還流させるという発想なのだ!」というインドネシアを悪く言うような表現・難しい単語は避けました。)


中国の地下経済 3/3~国は頼りになる?

09年に入り日本のメディアは、中国の2月危機説を一斉に書きたてた。旧正月の休みで帰省していた農村からの出稼ぎ労働者が再び都会に戻ってくる2月に、多くの企業が夜逃げ・相産することで大量の失業者を吐き出すことを、いわゆる二月危機説として書きたてたのだが、実際には大きな混乱が起きることはなかった。その理由は、実は、中国はその1年前にすでに危機を体験済みだったからだ。当時、日本の一部では、「シンセンなどでは毎年起きていることだから問題ではない」と夜逃げを軽視する声も上がった。混乱が何とか収まったのは、労働者の怒りが一過性だったために多少の妥協で折り合えたことや、多くは出稼ぎ労働者で農村には彼等の買える場所もあったこと、そして彼等の問題を吸収してくれる世界が背後に存在していたからにすぎないのです。これこそが本書のメインテーマである地下経済である。
世界金融危機に襲われる1年以上も前にすでに東莞市虎門鎮がこうした問題に直面していたことの背景には、すでに中国が、労働者をやすく使い捨てることができ、なおかつ汚染物質も垂れ流せるという、経営者にとって夢のような国ではなくなったことがある。地方政府と経営者が結託して、労働者の賃金が上がらないよう、数年後とに新しい労働者と入れ替えるシステムを作った。だから現場は常に経験の浅い労働者ばかりになった。そのため、広東省だけで毎年3万人ほどが職場の事故で腕や指を切り落としてしまうというほど、事故が頻発した。企業はそうした人間を使い捨てればよいのだが、国はそうはいかない。それが08年1月から施行された、労働者の権利を強めていくための労働契約法にもつながっていったのです。同時に中国は、持続可能な経済発展というスローガンの下、環境問題にも力を入れ始めた。
出稼ぎ労働者の問題では外資の夜逃げばかり強調されますが、中国国内の企業が海外に逃げ出す動きも激しくなっていました。余裕のある企業はベトナムやミャンマーを目指しましたし、そうでないものは広西チワン族自治区や江西省、湖南省などに工場を移転し始め、それさえできない企業は静かに工場を畳んだのです。工場は移転すれば生き残れるが、労働者はそうはいかない。特に最大の被害を受けたのが四川省、安徽省、河南省などから来ていた出稼ぎ労働者たちだった。その多くは何の前触れもなく自分たちが働いていた工場が消えてしまったり、酷い場合は数か月分の未払い給料を残してオーナーが消えてしまったケースもあるという。安価で手頃な労働力を利用することで潤ってきた地方が、逆にその労働者によって悩まされる時代を迎えたことを世界の工場が実感し始めたのがこの年だった。失業した労働者のエネルギーは、決して政府にだけ向けられたのではなかった。真っ先に悪化したのはこの一帯の治安だった。09年4月末、中国の人気週刊誌『中国新聞週刊』が子供の誘拐事件が増えていることを受け、東莞市で「子供を誘拐された親達による被害者同盟」が結成 街頭でデモンストレーションを敢行 「子供を1千万元(約1億3000万円)で買い戻したい と呼びかけ というショッキングなタイトルで報じている。
推測では、ここ数年だけでも東莞市で少なくとも1000人以上の子供が誘拐の被害に遭い失踪したと考えられる。連れ去られた子供の多くは、2歳から6歳の幼児で90%が男の子であり、被害に遭った子供の90%が出稼ぎ労働者の子供達だ、という犯罪の傾向も記している。誘拐の多くは売買目的で、子供を取り戻すために生まれた民間団体・宝貝回家志願者協会が09年3月に子供の奪還に成功した事例から分かったのは、子供を買っていたのは、山東省や福建省、そして広東省の潮州・汕頭地区などの経済的に恵まれた成功者達だったという。彼らの考え方は保守的で、子沢山こそが幸せと信じ、女の子よりも男の子を尊ぶといった古い考え方に基づいて男の子を集めていたことが分かったという。子供に付けられた値段の相場は、男の子が1人25000元、女の子はわずか1人700元だ。地下で需要と供給が結びつく。これも地下経済がもつ恐ろしい負の側面だ。
山賽携帯電話のブーム再来 「山賽」とは本来、山賊の砦を意味する言葉だが、商品の前に付けて「山賽○○」と使われる時は、海賊版とかコピー商品という意味で使われるのが一般だ。安いモノでは正規品の1/10という製品まであり、正規品に手が出なかった貧困層や学生たちの間で爆発的に普及していった。ちょうど北京オリンピックと重なり動画やテレビ機能のついた山賽携帯に特需の風が吹いたのだったが、その勢いはコピー商品でありながらインドや東南アジア向けに堂々と輸出されているほどである。だが山賽携帯が急速に普及したといっても、その結果として正規品の市場が大きく侵食されたわけではない。もともと正規のメーカーが歯牙にもかけなかった購買層を相手に売上を伸ばしたに他ならない。中国の銀行が中小企業を橋から相手にしていないのと同じように、大きなメーカーは最初からそうした人々をターゲットとして想定しない。こう考えた時、日本人が中国の将来を有望視する時に語る”13億人の市場”という言葉が、いかに虚しいものかが分かるのだが、中国ではその両者はくっきり区別されている。
温家宝の宣戦布告
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日本人へ 国家と歴史篇 1/6~賢者は歴史に学ぶ

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自分で自分を守ろうとしない者を誰が助ける気になるか。 -ニコロ・マキアヴェッリ
亡国の悲劇とは、人材が欠乏するから起るのではなく、人材はいてもそれを使いこなすメカニズムが機能しなくなるから起るのだ。 「『ローマ人の物語』を書き終えて」より
> いきなり、重いなぁ。七生先生。だが、確かに重要だ。そして何十年も外住みしているので、やはり外から日本を見ている私と驚くほど一致する意見が多い
歴史上、最高の後継人事と私が思っているのが2つある。第1は、イエス・キリストからキリスト教会の初代教皇となるペテロへのバトンタッチ。第2は、歴史上の順序は逆だが、ユリウス・カエサルから、ローマ帝国の初代皇帝になるアウグストゥスへのバトンタッチ。


中国人民解放軍の内幕 3/3~軍系企業の系譜

リストラ人員の受け皿としての役割や兵器を裏で支える技術力、そして武器輸出と言った角度から対象にきりこんでみたいと思う。1つは、その歴史がもっとも古く、兵器など人民解放軍の装備を技術面から支えてきた機械工業部の系列である。兵器製造と販売にかかわる企業は、たいていがこの系列からの派生企業である。2つ目が、これを源流として生まれた新潮流で、中国が武器の輸出に乗り出すのと同時に生まれた、兵器輸出を手掛ける軍系商社である。そしてこの新潮流のさらに支流として誕生したのが3つ目の、保利グループなどの四総部系国有企業である。
この四総部系企業グループは鄧小平が世界に向け公約した人民解放軍兵員の大幅削減である”百万大栽軍”(1985年6月4日発表)が実施されるのに合わせてリストラの受け皿として設立された企業である。その代表が保利グループであり、その他にも中国新興集団、中国新時代集団といった軍系国有企業が有名だ。鄧小平による軍のリストラによって、解放軍は四百万人を越えていた当初の兵力を二百万人まで縮小した。リストラの初期には公安部や鉄道部などがその大きな受け皿として機能していたのだが、それでもキャパシティを越えて大量のリストラ兵士が吐き出されえてくる。その処遇に困った党中央が、国務院、軍委との共同批准によって誕生させたのが上記の三大軍系企業グループなのだ。


ジャカルタ潜伏 3~独立記念パレード

インドネシアの独立記念日は8月17日。2日ほど前に日本では終戦記念日だったが、なんか近いな・・・、と思った諸君は東南アジア史を勉強なさいw 偶然近いのではなく2つはつながっている。いつの時代も大国の動乱は他国にも波及する。日本の敗戦の決定は2日でインドネシアに伝わったのだ。だから、アジア一国一愛人構想なのだ。わかるか?
8月18日は、MONAS(独立記念碑)の傍で記念祝典パレードが昼過ぎくらいから行われる、との情報が先輩から届いた。暑いし、一人だしなー、プラザインドネシアで日本飯でもついでにとも思うんだけど、朝飯食べちゃったし、昼飯いらないんだよなー。と気が乗らなかったので、日本市場の終わりはインドネシア時間では13:15であるから、そこで〆て14時前くらいに出発した。タクシーで行けば50,000IDRで到着するのだが、それが高い気がしてきたので、民バスに乗る。民バスとは、窓なし・ドアなし・冷房なし・バス停なしのボロボロのバスなので、バスが来たら手を挙げると速度を落としてくれるので、飛び乗る。料金は3,000IDRだ。これでまずBlok Mまで移動。
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ただ、バスに乗る前に、Blok M Square(Squareが汚い方で、綺麗な方がPlaza Blok M)で買い物だ。アジア・ファッションのインドネシア版ペチ(Peci)=インドネシアの偉い人がかぶっている帽子だ。そして、これを東京で着用するのが私の目的だ。タイやフィリピンではペチの宗教的意味も通じるので、ペチを被ってバーで酒を飲むという矛盾が格好悪く、またイスラームがマイノリティなので面白くない。宗教のことなど誰も知らない日本では、このファッションの宗教的意味合いが殺され、単なるアジアンテイストになるという高次元のお洒落の追求なのだ。
頭にペチ(インドネシア)、ネックレスはワットポーで買ったリクラインニングブッダ(タイ)、ブレスレットは天珠虎目(中国)に身を包んだアジア的ファッションwは、イスラーム・仏教・風水と宗教も滅茶苦茶で、ある意味冒涜的なファッションでもあるのだが、「信じるものは巣食われる、これマーケットの真理なり」という投資家らしい主張を貫きつつ、アジアが香る抜群のファッションセンスなのである。
インドネシア・ファッションの代表格はバティック(Batik)というシャツがあるのだが、日本語で言うとガラ・シャツのような感じで、これらをすべて組み合わせると東南アジアのヤクザ? みたいに東京では思われてしまいそうなので、バティックは敢えて外す。ペチはブレスレットやネックレスに比べると圧倒的に存在感あるので、バティックまで着用するとインドネシアに偏りすぎ、バランスが崩れてしまう理由もある。私ももう少し顔がよければ、バティック+ペチで東南アジアのエリート・ビジネスマンと言ってもらえる風貌になるのだが、整形でもしない限りその組み合わせは、電車で周りが空いてしまいそうで嫌だ。


中国の地下経済 2/3~中国は貧乏な国なの?

「北京や上海は”建築の国際見本市”と呼ばれるほど奇抜な形の高層ビルが多い。これらは決裁権を持つ官僚や施主である経営者の多くが、デザイン重視で個性的なビルを建てたがる傾向を持っていたからだが、問題は『その後のメンテナンスをどうするのか』だった。デザイン性が高く形状が複雑なビルは清掃用ゴンドラも吊るせない構造の者が多いから、作業員の安全を守る正規の業者は敬遠するんだ。そうなればビル側は、危険を承知で仕事を請け負ってくれる闇の業者に仕事を依頼するしかない。闇のビル清掃業者とは、いま中国で”黒スパイダーマン”と呼ばれる人間達さ。いまでは作業中に落下して死亡する黒スパイダーマンが続出し、社会問題になっているよ」
問題発覚後、政府は違法な清掃業者の規制に乗り出したものの、黒スパイダーマンの数は逆に増える一方だった。記事によれば、スパイダーマンの日当はこの10年間で、30元から50元、80元、100元、120元、150元と上がり続け、今年09年はとうとう300元を超える者まで現れた。その裏で、北京市内の死亡事故だけでも07年が48件・死者49人。08年29件・死者31人であると報じている。つまり黒スパイダーマンは、北京のどこかのビルから10日に1人の割合で転落死しているのだ。


中国の地下経済 1/3~陰と陽が同居する中国

高級デパートには2万円の値札のついたTシャツが当たり前のように並び、4万円もするスニーカーが無造作に陳列されている一方で、そのデパートを一歩外に出れば北京のタクシーは初乗りわずか10元(約130円)で乗ることができ、屋台で売られている茹でトウモロコシは、安ければたった1元(約13円)で食べられるのである。こうした相反する事象やニュースは、「中国」の中で共存し、外から中国を見るものを惑わせる。本来なら2つの異なる国の事象であるべき両極の現実を一つの国につなぎとめているのも、実は「地下経済」の存在を抜きには説明できない。地下経済は毛細血管のように中国人の暮らしの中に入り込み、日々の生活と切っても切れない関係を築いてしまっているからだ。「およそ中国で暮らしているものであれば、地下経済とまったくか変わりなく生きている者などいない」。地下経済の取材を始めてからであった専門家や識者、そして実際に地下に生きる者たち、旧来の友人・知人まで、彼らが共通して語ったのがこの言葉だった。
地下経済のドン、中国の高級車「紅旗」
「車のナンバーを見てみるんだ。最初の文字が『京O』から始まっているだろう。あのナンバーの意味は、車が公安の持ち物だっていうことだ。軍や公安の幹部は、表向き国産の高級車に乗るように指導されている。でも、本当は乗りたくないから公安には『紅旗』が余っている。そういう車を公安と関係の深い人間に回しているんだ。だから、あれにうっかり追突でもしようものなら、ちょっと厄介なことになるんだ」


新オプション取引戦略の考案 3/3~時間と供に変化する損益曲線

カレンダー・プット・スプレッドの集合は結局、上がっても下がってもダメな典型的なガンマショートポジションなのに何が暴落対策なのだ?という質問に答えよう。
キーワードは”維持”である。
上昇相場で踏まれてマイナスが出るポジションは維持が難しい。維持するためのトレーディング=新規ポジションの積み重ねについては既に述べたが、さらなる維持によってこのポジションがどのように変化していくか? 想像して欲しい。常に短いオプションを売り、長いオプションを買いながら積み上げているので、短いものは満期を迎えていく。するとどうなる? 単純にカレンダー・プットスプレッドだけしかないポジションの場合、売りと買いの枚数の和は常にゼロだったのだが、売りが満期を迎えると同時に、徐々に買い越しに転化していく。長いアウトのプットの素ロングが少しずつ立ち始め、損益曲線の下方が立ち上がり始めるのである。
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実際に取引すると、長期が取引しやすいDECやJUNにポジションが集中する。それが一気に満期を迎えるとリバランスが面倒なので、1年を切っていて、ポジションが集中した場合は、それより短い期間のカレンダー・プット・スプレッドを組んで散らしていく。例えばDEC16 +10、DEC15 -10と入っていたら、MAR15 -5 DEC15 +5を組んで、さらにDEC14 -3 MAR15 +3、とOCT14 -1 DEC14 +1というように相場変動や時間の経過と供に、上昇相場の場合は、ストライクは上方に動かしながら、カレンダーの期間を短くして、集中したポジションは散らしていく。


中国人民解放軍の内幕 2/3~後回しにされ続けた中国海軍

1950年朝鮮戦争、中国軍の死者数は米軍のおよそ10倍。アメリカ軍の空軍力のすさまじさ。まずは空軍力の強化。
中国は経済や軍事技術の分野で、兄貴分・ソ連に大きく依存してきたが、その関係が急速に悪化し、1959年にソ連は、中ソ新技術協定の破棄を中国側に通告。
1989年天安門事件、西側からの制裁対象、軍事交流が厳しく制限。当時の中国が空母建造に際し、最も期待を寄せていたのがフランスでした。
空母建造計画を、最終的に政治決断でゴーサインを得たのは北京オリンピックを成功させた2008年。
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中国の第一声は2009年梁国防部長「大国で空母を持っていないのは中国だけだ。永遠に中国が空母を持たないわけにはいかない


ジャカルタ潜伏 2~次なる成長が難しいインドネシア

遊蔵へGo!
とりあえず、ドンッ。チャンギ空港で買ってきたウイスキーをボトルキープ用に遊蔵に納入。インドネシアでは、酒類の入手が難しいので、持込に寛容です。
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東南アジアのとがり顎にDiorのお土産を渡します。どうやら私が買ったのは伝統的なEau De Toilletでしたが、ご希望は新バージョンのEau Fraicheだったようで、少し怪訝そうな顔をしています。「銘柄の別、株数、売買の別、値段。これは注文の基本4か条だから!」などと説教しても誰も笑ってくれそうも無いので心でつぶやきました。
1年ぶりのジャカルタ、友人と遊蔵の女の子に、長く伸びすぎた髪の毛をつっこまれますw 長い髪の毛は女性に評判悪いですよね。私のあだ名は、
ハゲ坊主->
モーツァルト(長い髪の毛で毛先が巻いていたため)->
ライオン(縮毛矯正後の毛先がまっすぐで、最近伸びてきた根元がカールしているため)
に変化しており、ライオン君で頑張ってますw 辮髪、愛新覚羅溥儀まで伸ばしたい気持ちもあるものの、その途中の過程で、「宗教家」っぽい怪しい髪の毛になりそうなので、肩のちょい下くらいまでで止めましょう。


グーグル秘録 完全なる破壊 7/7~対マイクロソフト

マイクロソフトのヤフー買収失敗
マイクロソフトがヤフーを求めたのには理由がある。理論的には、当時わずか9%だった検索市場におけるマイクロソフトのシェアを高め、200億ドル以上というグーグルの足元にも及ばない。わずか32億ドルのネット広告売上高を拡大手段となるはずだった。ディスプレイ広告でグーグルをリードするヤフーの勢いに便乗する狙いもあった。マイクロソフトのポータルサイトMSNのEメールサービスをヤフーのそれと統合し、圧倒的な市場シェアを握る手段にもなる。グーグルのクラウド・コンピューティングという攻撃に対して守りを固めるための策でもあった。ヤフーは不器用に抵抗した。ヤフーCEOのジェリー・ヤンと取締役会は当初、マイクロソフトの申し出を断ったが、やがて関心を示した。しばらくすると再び興味は無いと表明し、買収者に重い負担を課すようなポイズン・ピルを自らに埋め込もうとした。1万4000人の従業員に対して、マイクロソフトとが買った場合に退社すれば、2年間に限って高額の離職手当を受け取れる権利を与えようとしたのだ。だが最終的に、ポイズン・ピルの導入は、断念に追い込まれた。その後ヤンと取締役会はマイクロソフトに対し、1株当たり37ドルであれば買収を受け容れると通告し、しばらくして条件を33ドルに下げた。またしばらくすると、今度ヤフー全体ではなく、検索エンジン事業のみを売却を検討すると発表した。
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中国人民解放軍の内幕 1/3~解放軍の体制

過去20年、中国人民解放軍(以下=解放軍または軍)が常にその存在を強く意識し、警戒を続けた国があるとすれば、それはアメリカ合衆国をおいて他にない。なかでもアメリカが中東地域で発動した2つの戦争(1991年湾岸戦争と2003年のイラク戦争)の果たした役割は大きい。その精緻な作戦遂行能力と圧倒的な破壊力は、解放軍上層部に鮮烈な驚きと恐怖をもたらすと同時に共産党政権にとっても潜在的な脅威を呼び覚ますのに十分な役割を果たしたと言えるだろう。
> 解放軍だけでなくて、世界が震撼しただろ。あれは…。戦闘機で爆撃からミサイルへと、時代が変わったことを象徴するような戦争だった気がする。


ジャカルタ潜伏 1~KOST(アパート)の様子

ジャカルタ、スカルノハッタ空港着。シンガポールからわずか2時間。時差がシンガポールと1時間、日本とは2時間あります。空港から信頼のブルーバードタクシーで、Blok Mから徒歩15分の秘密の潜伏場所まで、140,000IDR+高速代13,500IDRなので、色をつけて180,000IDRほど渡しておきました。
リアルジャカルタ パサールの前
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日本ではなじみの薄いグロスミッチェル種、フィリピンのキャベンディッシュ・バナナと違いが分かりますか?
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すごい通りです。メインストリートからのわき道、幅わずかに4~5mくらい道ですが、車と人が激しく行き交い、違法駐車の車があったりすると、すぐに渋滞して人も通れないような状態になります。両脇に野菜を売っている屋台がズラッと並び、野菜くずを道路に捨てているので、蝿が飛んでいます。ジャカルタの定番、道の脇で臭いを放つドブ。来たナー、ザ・ジャカルタ、これぞインドネシアのエマージングのかほりです! ホテルムリア(ジャカルタ)、バリ? ビンタン? そんなもんはインドネシアじゃねぇ!


新オプション取引戦略の考案 2/3~基本はカレンダースプレッド

前回、暴落対策というのがプロ・アマともに如何に厳しいか示したのだが、長い上昇相場に耐える暴落対策はいかなる形になるかの答えを言おう。
※今回は、かなり内容が難しく、単語はWikipediaに載っているはずですが、実戦経験による前提知識の説明が足りてないかもしれません。わからないことがあったらコメントかツイッターで質問してください。
GreeksがDelta Long, Gamma Short(Theta Long)となっていて、かつ、イントリンシックバリューによる損益曲線の下方が左肩上がり(=右肩下がり)になっていてプラスにまで突き抜けている形である。後に分かることだが、この形は必然的にVega Longを伴う。プット・レシオスプレッドで頑張ればなんとかなるかもしれないけど、暴落してもホントに儲かるの?ってくらい、あるいは中途半端に下げたらクソ損するほどに、手前を売らないといけないので、仕上がりとしてはけっこう厳しいでしょ?


グーグル秘録 完全なる破壊 6/7~多角化

携帯電話にも進出
携帯電話はもはや単なる電話やPDAではなくなっていた。インターネットへの接続手段が持ち運びできるようになることは、グーグルにとっても有利だった。ネットに接続する人が増えるほど、グーグルの収益にプラスになるのだ。だが自社のプログラムの多くが、携帯電話ではまともに作動しないことに、グーグルは不満を感じていた。消費者ではなく、電話会社が携帯電話で使えるアプリケーションを決めていることも不満だった。「パソコン用には機能的にユーザーに役立つソフトウェアを問題なく作れるのに、携帯電話ではそれが難しい」とペイジはこぼした。マイクロソフトやアップルで働いてきたアンディ・ルービンは、独立してアンドロイドを創業し2005年にグーグルに売却した。アンドロイドをオープンソースOSに変え始めた。


グーグル秘録 完全なる破壊 5/7~新たなる敵

SNSに不安を抱くグーグル
グーグルが2007年からフェースブックの存在を警戒し始めたのは、その本質を理解していたからだ。フェースブックのユーザーが、個人的なネットワークを通じて情報を集めるようになれば、インターネットにおける彼等の検索エンジンやナビゲーターは、グーグルではなくフェースブックになってしまう。メディア企業がグーグルやユーチューブのほうがより多くの視聴者を獲得していると気を揉むのと同じように、グーグルもフェースブックに不安を感じ始めた。フェースブックのウェブページが、ユーザーにとって時たま訪れる場所ではなく、ずっと腰を落ち着ける場所になってしまったらどうするか?グーグルにとって望ましいのは、より多くの人がネット上をウロウロすることだ。両社の緊張関係は2007年10月、マイクロソフトがグーグルに競り勝ち、フェースブック株の1.6%を手に入れただけではなく、サイト上の広告販売を引き受けたことから一段と高まった。


現金同等物と現金

四季報に載っている現金と実際の現金に相違がある。
と言ってきた人がいましたので、これまたネタにしましょう。私はデリバティブのプロであって、株や会計の専門家ではないのですが、アジア放浪記はいいかげんにしろ!という声もヘビーユーザーからいただいていることもあり・・・。ただ一方で、この程度は常識なので、常識とはWikipediaにも載ってるレベルだと、あえて書く必要もないとも思うのです。私が想定してる読者は、金融機関でプロとしてトレーディングしている人、なわけですが、コメントを下さる人は個人の方も多いように思えます。またこの報告をしてくれた人も個人投資家(ただし富裕層w)です。
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一方で、ウィキどころか、“金で買えるあらゆる本”にも載っていないこと=つまり本来ならば価値があること、について書くとオタクすぎてシーンと静まり返ってしまうのですよね。デリバティブの専門書に載っていること=せいぜい価値としては5000円程度の知識=勉強すること です。専門書にも載ってないこと=経験すること、必要なこと であって学者さんのごとく勉強することではありません。デリバティブを勉強するのは大学で、マーケットにおいては、デリバティブを使ってくださいw 静まり返る系記事の代表格である新株予約権系の記事ですが、新株予約権は、日経225のIVのBehaviorの100倍以上、株価に影響あるものですからねっ! だからデリバティブ・プレイヤーだけでなく、株のトレーダーにも関与する非常に重要な話なのです。


金を稼ぐ力のある女性は私と同じ発想になる

女性にはプライドや独占欲は無い。と言うと女性に「そんなことはない!」と反発を食らうのですが、確かにZeroではないが男に比べれば無いにも等しい。プライド、自己顕示欲や見栄(女にも女の世界の見栄はあるという主張はわかるのですが、女性読者は最後まで我慢して読んでくださいw)、そして、独占欲=嫉妬心と所有欲が無い。(これも女性にも嫉妬心はあるのはわかりますよ)
私が最初に気付いたのは16歳の頃、当時通っていた高校のお嬢様たちに対し、「テメー、馬鹿か?」が一文の中に3回入る口癖を持つ私の発言は、お嬢様方にとって衝撃的だったはずです。お育ちの良いお嬢様ですから「バカ!」なんて言われたことも無いような人種の中に、下賤の出身である私が紛れ込んでいたわけです。「またバカって怒られちゃうかもしれないけど・・・」と切り出し始めるお嬢様が多い中、「私、バカですから、色々教えてください」と発言した馬鹿お嬢様が登場したのです。


新オプション取引戦略の考案 1/3~暴落対策の難しさ

新戦略をダンシングドラゴンとする。このダサいネーミングセンス良いでしょ? 真面目っぽくて。当然だが、ダンシングドラゴンなんていうオプション投資戦略名はこの世に存在しない。俺が去年考えて、最近命名した戦略だからだ。
2013.09.26 S&P500のオプションも、はじめちゃいました
で書いているということは、実際の時間軸では記事発表の一ヶ月前には私は始めているので9月頭くらいから米国市場におけるオプション取引を始めている。(思い出した、フィリピンで遊んでいたので、書類、手紙等の手続きが進まず、開始が遅れたんだw)
2013.06.10 初めてのオプション取引 1/2 ~口座開設・取引まで
上の記事で
「オプションをやるからには、先物で代替できるようなエクスポージャーは意味がない」
と述べているように、私にとってオプション取引の意義は、手短に言えば暴落対策である。私が暴落対策に固執する理由は、プロ(=証券自己を含む機関投資家)として取引していると、暴落対策を講じるのが難しく、何度も悔しい思いをしているからである。プロが暴落対策を取れない理由は、組織の事情によって多少異なるが、金融機関の場合は資本効率、リーマンショック以降のバーゼル3対応で最近はさらに厳しい資本効率、ヘッジファンドの場合はマーケット・アウトパフォームという使命を背負っており、ことの本質は、暴落対策という”保険”にカネをかけることができないというのが共通の事情である。
それどころか、プロは逆暴落対策、つまりプロは資本効率の追求やマーケットアウトパフォームのために、暴落対策保険を売らざるを得ないという事情がある。サブプライム問題や中国の陰の銀行問題などが主たるものだが、基本的にローンという銀行の生業は、逆暴落対策、リスクを取って金を貸すという宿命である。もっと拡大すればそもそもリスクを取って事業をするのが企業の役割なので、その逆の暴落対策をとることは、そもそも事業活動として矛盾するとも言えるかもしれない。またCDSやノックインプットを売るといった金融商品など、わずかなアウトパフォーム、すなわちポジティブキャリーの創生を求めて、将来の見えざる時限爆弾を引き受けている例である。金額加重で言えば、市場参加者の9割がポジティブキャリーを求めてレバレッジをかけているので、大暴落が引き起こされる。


グーグル秘録 完全なる破壊 4/7~インターネットメディアとして

勃興するメディア、衰退するメディア
「我々の収入として、いくら保証してくれるんだ?」とカーマジンは尋ねた。提示額はカーマジンにはあまりにも低すぎた。グーグルの数学的アプローチは完全に間違っていると感じた。「我々は視聴率1%あたりのコストを売っているわけではない。もっと別のもの、熱い何かを売っているんだ。そこのところをグーグルは理解していない。グーグルは視聴率1%は、一定の視聴者数に対応し、それは一定の広告料に対応していると考える。しかし、『デスパレートな妻たち』(ABCで放映されている人気ドラマシリーズ)のスポット広告を売るのはまったく違うことなんだ。」一方、グーグルから見れば、カーマジンは効率の悪い時代遅れのやり方にしがみついているように映った。


グーグル秘録 完全なる破壊 3/7~著作権との戦い

世界中のすべての本をスキャンするんだ
2005年5月には、グーグルは創業以来最も大胆かつ危険な賭けに打って出た。新アドワーズが完成した今、グーグルは広告の配信に乗り出そうと考えていた。そのためにも、すでに1日1億5千万件に達していた検索の処理件数をさらに増やす必要がある。そこで目をつけたのがAOLだ。AOLはその後一気に凋落していったため、かつてどれほど隆盛を極めていたかを忘れてしまいがちだ。ネットの業界では、AOLのサービスを補助輪付とバカにする者も多い。しかし初心者にも使いやすいAOLのサービスこそ、ネットの大衆化を促した原動力であり、2002年の段階でAOLが3400万人もの有料会員を擁していた理由でもあった。その膨大な会員を抱えたポータルサイトは、まさにグーグルにとってうってつけのターゲットであった。とはいえ、すでにAOLの検索と広告販売は、ライバルの検索エンジン、オーバーチュアが獲得していた。そのうえ当時AOLの上級副社長であったリンダ・クラリツィオの言葉を借りれば「グーグルなど誰も知らない会社だった」。オーバーチュアの契約が2002年の5月で終了することをしった創業者らは、なんとしてもそれをモノにしようと決意した。


ジャカルタ潜伏 0 前哨戦

インドネシアも大分こなれてきたので、今回はホテルには1泊も泊まらず、いきなりKOST(インドネシアの民が住む長屋風アパート)に泊る。去年のジャカルタ滞在で、マンスリーアパートの契約の仕方や土地勘が無く苦労した様子が、
ジャカルタ・リラクゼーション・アワー 5/16 ~ジャカルタのマンスリー・アパートの契約
に書かれている。今年は、ジャカルタの密偵「東南アジアのとがり顎」が控えているので、私が去年泊ったKOSTに直接電話し(英語が通じるオーナーなのもありがたい条件なのだ)、手付金は東南アジアのとがり顎が、直接物理的に届ける。去年と同じところなので、場所とファシリティはわかっている。Blok Mから歩いて15分、Wifi、エアコンは完備。シャワーはお湯無し、トイレットペーパーやタオルもついていない。去年はトイレットペーパーなしで1ヶ月ほど暮らしてみたが、あの強力なトイレシャワーで洗っても、今一つ、落ち切らないwので、今年はトイレットペーパーとタオル持参で。


バリに行ってきました 4/4~ヌサドゥア

博打教育
去年はブラックジャックだったが、今年は一段レベルを上げて、ギャンブルの王様、ポーカー
「ババ抜き? ババ抜きも良いけど、ポーカーに挑戦してみよう。ポーカーは運だけのゲームでもあるが、ババを引いて笑っているようでは、ポーカーでは勝てないぞ。」
まずは10個の手役をカードを並べて説明する。役の名前と強さの順列こそ正確に記憶できなかったものの、瞬間で10個すべて記憶できるってのは、若さというのはすごいですね。今回、投資一族でもなんでも無いアカの他人が一人、紛れ込んでいるのですが、ソイツは、年だし、頭悪いし、絶対覚えられないこと間違いなしだ。そういうヤツを相手にする必要は無いので、投資一族だけで早速開始!
クローズドポーカー、5枚配りの2回交換あり。ハンドのみの強さを競うというシンプルなポーカーで、カード交換と役を覚えてもらう。2回交換しているのは、インフレを起こし、フルハウスやフラッシュが出やすくなり、役を覚えてもらうため、役作りの楽しさを理解してもらう目的で行っている。これを10回程度繰り返した後で、ジャックポット、ベットの概念を導入する。コール、レイズ、フォールドの3つの選択肢があり、レイズはスプレッドリミット。カードの交換回数は1回に落とし、ベットはカード配布後と交換後の2回。
たったこれだけのシンプルなルールだが、運と駆け引きだけのゲームとしては最高峰だ。先ほどまではバンバン出ていたフルハウスやスリーカードは滅多に出なくなり、基本的にワンペア・ツーペア・スリーカードの争いとなり、A絡みのツーペアでもちょっと強気になるほどのシブい(まぁ通常だが)ハンド。
「ワンペアでも勝てちゃうんだ…」
「せっかくフラッシュだったのに、これしかもらえない…」
「最終的にはハンドの強さを競うゲームに変わりは無いが、大事なのはベット。いかにして早く下りるか、いかにして相手を挑発してポットを増やすか。ハンドとベットの組み合わせが大事なんだ! ポーカーは誰でもすぐに覚えられるとてもシンプルなゲームだが、アンティ(参加費)とマキシマムベットのバランス、参加者の人数によって最適行動が変わってくる複雑さを兼ね備えている。現在設定した夏休みの自由研究の課題が平易で満足していないなら、『アンティ3、マキシマムベット5の場合のポーカーの最適行動』というタイトルで分析しても良いかもしれない。学校の先生ではその分析を評価するのは難しいであろうから、その分析をするのなら、この俺が直接、評価してやろう。」
ちょっと小学生には厳しすぎたか…。だがルールの理解は当然として、Aワンペアが配られた時点であると、そこそこ良い手だとか、押さば引きのベットの仕方のキャッチアップのスピードは、さすがに早い。「後でポーカーやろう」という発言が後に出たこともあり、ポーカー・ギャンブルの楽しさを理解できたのは合格だ。
「お前ら気付いておるか? ベットの仕方に思いっきり各々の性格が反映されている。慎重で用心深いベット、行け行けドンドン系のベットと対象的な打ち方をしている。将来、彼氏や旦那さんを選ぶ時、言葉で嘘をつくことは簡単だが、博打は嘘をつくことは難しい。特に、本当のお金を賭けている時は、その人がどういう人間か、賭け方を見ているだけで分かる。」
ヌサドゥアに移動
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ヌサドゥアはバリ州政府主導のもとに開発されたリゾートエリアです。確かに道路が綺麗です。また湾岸高速道路は、空いていて早そうです。急ぐ時は、「10,000IDR(100円)なので、払うから高速で」という選択肢もありそうです。
Swiss-Belhotel Bay View Suite の大部屋4人泊まれるスイートルームでしたが、当然お値段はお安く一泊16,000円。150㎡くらいあって、2ベッドルーム、キッチン、バルコニー付ですが、近所にスーパーは無く、ホテルのルーフトップレストランが安い(バーガー50,000IDR程度)ので、キッチンは利用しませんでした。お部屋の感じはかなり良いです。バリのプチ・マリーナベイサンズ、屋上にはふち無しプールあります。(サンズというと怒られてしまうくらい小さなプールです)。この屋上のレストランは景色が良くて◎です。1階にもプールがあり、広さもまずまず25m程度。
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Bay Viewとなっていますが、歩いてはいけないくらい海から距離があり、外出はタクシーか無料シャトルバスに乗る必要があります。シャトルバスの行き先は、ヌサドゥアビーチ・バリコレクションとクタショッピングセンターの2つで、全部で6~7本(行き帰り各で)出ていました。またホテル内に建設途中で放置している部分もあり、ちょっとゴーストタウン的な場所もあります。
Bali Collection
ヌサドゥアのショッピングセンターです。SOGOとかもあるのですが全体的にショボいのでお勧めしません。
ヌサドゥアビーチ
プライベートビーチ、ホテルに泊っていないと入れないような雰囲気です。ベルビューホテルは海沿いではないですが、いくつかのホテルと連携した共有プライベートビーチ、ホテル宿泊客には、パラソルとリクライニングベンチを人数分貸してくれます。クタと比べると圧倒的に静か、ただ、局所的な問題かもしれませんが、海草や少々のゴミが海に浮いてます。(クタは無かった) 遠浅で腰ぐらいのところが延々続く感じです。
※ヌサドゥアビーチは綺麗だという意見もあります。
バリは、東南アジア・マスターの投資一族の継承者たちには、ちょっと生ぬるいところではありますが、旅慣れていない日本人には、とても良いところなのではないでしょうか。「バリ? そんな王道リゾート珍しいですね…」と友人に指摘されてしまうほど、無難なところです。
【一族家の教育方針】
2013.10.29 初フィリピン・ボラカイ編 5/6 ~アジア・コミュニケーションの真髄
2013.08.23 ハプスブルク家の悲劇 5/8 ~ルドルフの血統、インブリード
2012.12.06 どうか子供たちに関わらないで欲しい
2012.11.16 北京・ハルビンに行ってきました 11/13 ~中国の赤ちゃん
2012.04.19|真面目系クズについて 2/2
2012.02.13: タイ旅行 3/11~地図クイズ
2011.09.16: 最近の若い衆は
2011.06.24: カラオケと義務教育
2010.11.17: 知られざる技術大国イスラエルの頭脳
2010.08.06: 学業は良い子の遊びじゃねぇんだよ
2009.09.17: 名前をカタカナや漢字で書いてはならない
2009.07.29: 学成り難し
2009.04.08: 試験の評価がスペシャリストを殺す








外資系金融の終わり 2/2~トレーダーはケチかバブリーか?

異常にケチが多いトレーダーという人種
僕の給料は、上場企業の雇われ社長よりもちょっと多いぐらいで大したことなかったが、前述したように非常に気前が良かった。好きな女のために1万円のディナーぐらい大盤振る舞いしていたのだ。

いや、ですからねぇ…作家先生…、女も1万円のディナーで”大盤振る舞い顔”されても困るでしょうw そう言いながらも、僕は基本は割り勘なんですけどね!!w ただそれを断ったうえで、僕のシンガポールでの三大無駄遣いと批難されるうちの1つ、「ヤリもしない女に一晩で600SGD(約48000円相当)を奢った」という話を紹介しよう。


グーグル秘録 完全なる破壊 2/7~検索エンジンのマネタイズ

検索市場の優位性をカネに変えるには?
グーグルは検索技術を他のウェブサイトに提供し、収入の一部を受け取ることにした。技術の利用者を広げるとともに、利用の対価を手にするためだ。最も大きな契約が成立したのは、2000年6月、ヤフーの公式の検索エンジンに採用されたのだ。この地位を獲得するため、グーグルはヤフーに370万株分のワラントという莫大な対価を支払った。それにもかかわらずヤフーはホームページ上にグーグルのロゴが入った検索窓を置くことすら認めなかったため、ユーザーにはグーグルを使っていることがわからなかった。グーグルにとってこの契約は新たな節目となった。検索トラフィックは提携初日に1日1400万件に倍増したのだ。2000年末には、専門家の多くはグーグルを最高の検索エンジンと考えるようになったが、その実態をつかんではいなかった。1日の検索処理件数が1億件に達し、世界で40%近い市場シェアを占めるようになったグーグルがネット上で最も利用件数の多い検索エンジンであることは間違いなかった。急成長はグーグルに、ユーザー情報という資産をもたらした。その重要性は、当時完全に理解されていたとは言い難い。検索件数の増加によって、より多くのユーザー情報が集まり、検索の質のさらなる向上に結びついた。それだけではなく、やがて膨大な広告収入をもたらすことになった。


グーグル秘録 完全なる破壊 1/7~君達は魔法をぶち壊しているんだ

世界はグーグル化された。我々は情報を検索するのではない。そう、ググルのだ。世界中で何かを検索しようとする人の70%がそうするように、グーグルの検索窓に質問を入力してみよう。約0.5秒で答えが表示されるはずだ。毎回話題のゲストで人気のインタビュー番組『チャーリー・ローズ』を見逃してしまった時はどうすればいい? グーグル傘下のユーチューブで見つかるはずだ。2009年3月には、9000万人がこのユーチューブを利用し、そのトラフィックはウェブ上の動画トラフィックの2/3に達した。ネット広告を出したい時はどうすれば良いだろう。グーグル傘下のダブルクリックは、業界トップクラスのネット広告サービス会社だ。年間200億ドルを超えるグーグルの広告収入は、ネット広告費全体の40%を占める。その一方で、グーグルは何万というウェブサイトに、広告費とトラフィックとビジネスチャンスをもたらす。
君達は魔法をぶち壊しているんだ! 59歳のメディア王と30歳のグーグル創業者
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三田氏を斬るステージ2 8/8~デリバティブを内包するエクイティファイナンス

第6章 第三者割当ビジネスの隆盛と衰退
第1節
MSCBとはMoving Strike Convertible Bondの略で、日本では2000年頃にはすでに発行されていました。株価2桁(100円未満)の企業がMSCBを発行し、すでに投資の了解をもらっている特定の投資家(海外ファンド)に割当をして資金調達をしていたのです。北の家族、シントム、昭和ゴム、イタリヤードなどいくつもの企業が発行しました。資金繰りが苦しく、資金調達手段が他に無い企業がラストリゾートとして利用していたため、ほとんどの発行企業は、発行後、努力むなしく倒産しました。その後、2004年にいすゞ自動車が300億円発行したのを皮切りに、日本でMSCBの大ブームが巻き起こりました。MSCBを発行する企業は以前のような瀕死の企業ではなかったのです。またMSCBの買い手となったのは海外ファンドではなく、国内の証券会社でした。


バリに行ってきました 3/4~ウブド・大人のリゾートホテル

ヌサドゥアでシュノーケリング
ヌサドゥアビーチは主に東海岸ですが、アクティビティスポットはヌサドゥア北東部にあります。タクシーで「ヌサドゥア、シュノーケリング」というだけで連れて行ってくれます。クタ南部のMelastiからだとメーター価格50,000~70,000IDRで行けるはずですが、130,000IDRの言い値でDoneしました。十分に払っているので、10,000IDRの湾岸高速を利用して快速コースです。すっかり気をよくした運転手さんは、待ってるから帰りもお願いしますというので、待っててもらうことにしました。
シュノーケリングはここのアクティビティの中ではもっとも安く最低人数2人、1時間、一人30USDもしくは、370,000IDRです。かなり日本人慣れしているので、そこにいるおじさんは丁寧に日本語で説明してくれます。おじさんが適当に「シュノーケリングは400,000IDRだよ」と言っているより、料金表があるので、日本人には安心です。シャワーは無料です。「保険が入って無いですから、フィン・シュノーケル・ゴーグルを失くした場合は、弁償してくださいね。ここにサイン。ホテルの名前とあなたのお名前よろしいですか?」というような感じです。船はちょっと面白いボートで、上にはきちんと屋根がついていて(直射日光を浴びなくて済む)、下がガラス張りになっているので、シュノーケリングしなくても海底が見えてしまいます。「波あるし、海水口に入るし、日光強いし、眼鏡かけられないし」とやる気の無い私は、2~3分だけ海に出ましたが、後はずっと船の上から海を見ていました。視界の広さに多少違いはありますが、マジで十分です。
シュノーケリングの際に良いボート、屋根付き、船底ガラスは最高です! (海に入りたい人は屋根だけで良いかもw)


外資系金融の終わり 1/2~ファンマネとセルサイド・トレーダーの違い

またイタい本です。なんかもっと真面目な本読めよ! 中国のエネルギー問題とかインドネシアの歴史とか…という感じですが、まー、息抜きね。サブプライムとかギリシア危機を素人向けに分かりやすく解説した良い本だとは思うが、私は、そんなことの解説には全く興味が無いので、年収5000万円の外資系トレーダーw という部分を中心にイジっていきたいと思います。

筆者の略歴には、欧米の研究機関にて、理論物理学の分野で博士号を取得。その後、外資系投資銀行に転身し、マーケットの定量分析、トレーディングなどに従事。

とあるんだけど 欧米の研究機関 ってなんだ? 東京大学理科Ⅰ類卒業くらいの不自然さを感じるぞw アメリカの大学で博士号を取得した後、欧米の研究機関で多数の論文を という文なら分かるんだけどw 欧米の研究機関で博士号取ったヤツいるのかよww ダブルメジャーは可能性あるけど、だったら理論物理学となんとかで博士号って書いて欲しいよねぇw
ついでに外資系投資銀行 ってなんだ? ゴールドマンサックス以外もう無いだろ? モルスタはMUFJの資本入ってるから日系だぜw さすがにJPモルガンやシティを投資銀行とは言わないだろ。
とまー、読む前から突っ込みどころ満載なのだが、内容は誰かが監修しているのか極めてまとも。つまらないので1章のサブプライムとかリーマンショックのくだりは、飛ばします。


いびつな絆 関東連合の真実 3/3~目立ったら最期

朝青龍暴行事件 2010年1月
「Kが朝青龍にやられたらしい」 この情報が私たちの耳に届くまで、それほど時間はかからなかった。
「ABC(ホーム.会長)の塩田大介さんとか、いつものメンバーでうちの店に遊びに来てたんだよ。で、もうかなり横綱も酔っ払い始めていて、大声は出すし、塩田さんとも一瞬険悪な感じになってたんだよね。で、まあ、お店の中で暴れられちゃうとウチも困っちゃうから、なだめてたら店を移ることになったんだよ。俺も外まで見送ったんだけど、また外で大声出すから、俺も『横綱、マズいっすよ』ってなだめたら、今度は『ウルセエ!この野郎!』ってなって、えり首つかまれて頭突きされたんだ。」
「え?いきなり手を出してきたんですか?それ、横綱なのにマズくないですか?」
「いや、マズいけどストレス溜まってたんでしょ。俺も自分の店に来たお客さんに殴られて大事にする訳にいかないけど、引き下がる訳にもいかないから、『横綱、手を出すのマズイですよ』って言ったんだよ。そしたら『お前、車に乗れ』って言うから、それで乗らないのもみっともないから『わかったよ』って乗ったんだ。それでマネージャーが車を出した瞬間にドーン!って手の甲で裏拳だからね。俺も『危ねえっ!』って一瞬意識が飛びそうになったけど、『おお、じゃあ好きにしろよ!』って開き直ったんだ」


三田氏を斬るステージ2 7/8~理論値と期待収益に対する疑問

今日は三田氏を斬るステージ2のクライマックスで~す。トレーダー諸君(ネット・トレーダーじゃねーぞw)、特にデリバティブ関係の読者はよく読んで勉強するように。

例えば、先ほどのやり取りのあった仕組債ディールにおいて、嘘つきトレーダーは、限界だと言いながら、実は自分の取り分が1%と見込んでいたとします。一方、セールスの取り分は削りに削られて0.5%だったとします。約定をして、正直にポジションをブッキングすると、合計の1.5%の利益が計上されてしまいます。セールスはそこから0.5%もらう権利があるわけですが、トレーダーには1.0%の利益が残ることがバレてしまいます。そうなると面倒なので、トレーダーはどうするかというと…、利益を圧縮するのです。例えば、全体利益が0.7%となるようにパラメーター調整(ボラティリティとか相関係数とか、客観的には決まらない、トレーダーの主観で決めても良い数値。一応、リスクマネージャーのチェックがあるので裁量の幅には限界がある)をして、本来1.5%の利益を0.7%に圧縮しておくのです。それならば、トレーダーは本当にギリギリでやっているなと思ってもらえます。当然、利益が隠されているポジションですから、パラメーターを本来の数値にゆっくり戻せば、利益がジワジワ出てくることになります。これは当のトレーダー以外気づきようがありません。セールスがトレーダーのポジションの損益を毎日モニターしていたとしてもわからないでしょう。このジワジワ現れてきた利益は、トレーダーのトレーディング能力によるものだと認識してもらえるのです。

三田さんには釈迦に説法なのは、よくわかっているのですが、ここで言及していないので、私が突っ込みを入れましょう。
レーダーが見込んだ1.5%の利益って何ですか?
こういうこと言うトレーダーも居るんです「97円の仕組債を99円で売る詐欺みたいな仕事」。この例ではセールス(販売会社・販売部門)は99円で買って、お客様に100円で売りますから1円の儲けがディール時点で確定している、これはお金です。でも97円って何ですか? 誰が決めたんですか? 差額の2円はどこにあるんですか?
正確に表現するならば、97円だと仮定して「97円」と言ったのがトレーダー。
97円は理論値と呼ばれ、社内の関係各部署にオーソライズされた評価モデルが、指し示す数値にすぎません。その評価モデルって何ですか? それは市場の動きを色々な仮定・想定をした上でモデル化して、デリバティブの条件の期待値を計算する”単なるプログラム”です。
誰が作ったんですか? 答えは三田さんであり、私です。同じ仕事だから分かるんですw だから、モデル化の際の仮定が、現実の市場の動きと違う、違った時にどんなことが起こるのか?ということもよく知っています。でもセールスと毎日価格交渉する役割、これは間違いなくトレーダーですが、ジュニアであることが多く、それをわかってない。ヘッド・チーフトレーダーは理解していますが、ヘッドは細かい毎日のディールに直接関与しません。
差額の2円のありかは、もしモデルの想定通りに市場が動き、「ヘッジ=株と債券による複製」が実現して、初めて手に入るお金であり、ディールした時点では、2円なんてどこにもありません。実際の市場の動きと想定が違い、2円の儲けが、3円になることもあれば1円になってしまうこともあるでしょう。極端なリスクをトレーダーが張らなければ、普段の平常時のマーケットならこのくらいのブレなので可愛いものです。でも、理論上の想定からすると100年に一度の大暴落が数年に一度は起こります。そうすると…、-5円、-10円となる可能性もあります。
例えば、決定論的ボラティリティ、ボラティリティがストライクによって異なることは認めているが、時間によって確率変動することを認めていないモデル化で評価していると…、株価の暴落によってボラティリティが爆発した場合、Vegaは減少して、高いところでVolatilityを買わなければいけない状態に追い込まれた時のことを知らないモデルです。Volga Longなら高いところでVegaを売れるわけですが、実際にはVolga Shortな状態になるような金融商品が多いこともよくご存知のはず。実際のヘッジコスト(益)が、実現しないことは当たり前に起き、その2円の危うさがあるからこそ、デリバティブデスクで損失が出たりするのです。(まぁポジション隠しの詐欺に比べると可愛い金額だったりします)
では、絶対負けないようにするために-5円、-10円を想定して、評価上85円の商品を99円で売れますか? そこまでやるとさすがにみんなにバレてしまい、ディールになりません。リーマンショックなどの大変動では大損を出してしまうトレーディングデスクもあり、トレーディングヘッドの首、トレーディングデスクの損失・廃止、あるいは会社の倒産を引き起こすことがあり、トレーディングのリスクに対する対価であるマーケット・バリューが2円なのです。この2円を確実に実現させることができるならば、ディーリングでの損など出ません。
2円の収益がどのくらい危ういものかよくご存知の三田さんが、「デリバティブズ・トレーディング部門が、顧客・セールスから搾取している」と発言していることに私は大きな疑問を感じていますトレーダーが責められるべきは、顧客やセールスからではなく、その危うい期待収益2円を根拠に莫大な報酬を”もらっていた”ことを、会社、その株主からであるはずです。それはリーマンショック後に実現しており、ショック前に比較すれば明らかにその報酬・待遇は悪くなっていて制裁されています。
さきほど販売会社とセールスは99円で買って、顧客に100円で売るから1円のお金が実現すると言いましたが、私が扇動し販売していたとある金融商品の元本部分(利息部分はギャランティーなので確保)が0に近い値段まで落ち込み、訴訟問題になったことも小さく新聞に取り上げられたようでした。またアジア(ことに香港・シンガポール)でも、リーマンのミニボンドなる仕組債が、デリバティブの条件、株価が下がったら損失をこうむることについては説明を受けていたが、債券の発行体であるリーマンのクレジットリスク、リーマンが倒産したらゼロになるリスクについては聞かされていなかったとし、訴訟問題に発展しました。
ここで第1章の「後の三田さんの発言においても、百戦錬磨の”たたき上げの中小企業の社長の実力をわかってない”ように感じられるので、後で厳しく追求します。」について言及します。1ショット1億円以上の仕組債を買うようなお客様は、販売会社が少しでも隙を見せたら(例えばリーマンのクレジットリスクに対する説明をしていなかったこと)、訴訟して金を取ってやろう、というタヌキです。確かに金融工学は知らないし、”理論値”は計算できないでしょうが、デリバティブ契約以外も含めた上での総合判断、例えば、IPOの割当をもらう、娘が勤めている、自分の会社が上場する際は主幹事証券会社として、学校法人なら学生の就職先として…、などなど、様々な思惑込みでお付き合いいただいています。
確かに顧客やセールスが、理論値を知らないことを良いことに、理論値をごまかして利益を隠したり、コミッションの按分を有利に振り向けたりすることはありますが、そもそもの理論値、さらに理論値と売却値のスプレッドである期待収益を正確に予想・実現できない以上、デリバティブ・デスクもその価格をわかってない。ですから、1.5%の収益を0.7%とうそぶくトレーダーを、セールス・顧客を騙して自分だけが儲けているという発言は、金融工学至上主義のように思えてしまうのです。まったく金融工学を理解していないトレーダーがそういう勘違い発言をするのは、よくあることなのですが、作り手である三田さんが金融工学・モデリングの不確実性を理解していないはずは無いので、三田さんはセンセーショナルな文章を書きたかったというのが本音なのでしょう。なので、そこの部分の乖離を今ここで「ツッコミ」とさせていただきました。
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デリバティブズトレーダーに求められる能力は
リスク管理能力 反対売買できないものを、いかに他の商品を使ってヘッジしていき、最小限のコストでリスクを落としていけるかという能力
バリュエーション能力 取引対象の価格算定能力。反対売買できるものならば、反対売買価格を参考にして決められるが、反対売買ができないものは、ヘッジポジションの構築に要するコストを積算していくことで価格算定していく。よってリスク管理能力と密接につながっている。ヘッジが不可能なものに対しては、価格の振れ幅を見込んで、最低の採算ラインはどのあたりかを見込むことも求められる。
トレーダーなのに、取引対象物の価格(例えば株価)が今後上がるか下がるか?ということにはほとんど関心が無い人が多いのです。ヘッジするのが行動の基礎となっているからです。例えば、彼の言い分はこうです。「株価が上がる確率と下がる確率は半分半分なので、デルタにベットしても有意に勝てません」と、オプション理論の教科書に書いてある通りの”株価はランダムに動く”という考えに基づいた返事が返ってきます。もちろん、自らリスクを取りにいって稼ぐデリバティブズトレーダーもいますが。顧客取引で楽に稼ぐことに慣れてしまったデリバティブズトレーダーは自力で稼げといっても無理なのです。他のトレーダーとは求められている能力が違うのです。顧客取引から受動的にのみ稼ぐことしか知らないデリバティブズトレーダーは、仕組債のフローが減ってしまった今では数少ない取引から搾り取れるだけ搾り取らないと生きていけないのかもしれません。セールスが汗を流して集めてきたディールの上澄み液を、デリバティブズトレーダーがチュ~チュ~吸い上げている音が今日も聞こえてきます。

> 顧客取引で楽に稼ぐことに慣れてしまったデリバティブズトレーダーは自力で稼げといっても無理なのです。
事実です。まったくの事実で否定しようもありません。
> 他のトレーダーとは求められている能力が違うのです。
“他 “というのは何を指しているのかわかりませんが、少なくともプロのトレーダー、金融機関で働いているトレーダーならば、取引対象が株でも為替でも債券でもデリバティブでも、対顧客取引、流動性を提供することで顧客から得られる対価が収益の源泉なのでは無いでしょうか(って三田さんご自身も株式トレーディングの章で書いていたような・・・)。もちろん顧客取引が一切無いプロップもありますが、ご予算的には小さいものだと思います。それから顧客から頂いたスプレッドを基に、リスクを取ってさらなる収益を追求する、ということはありますが、それはデリバティブデスクも同様に努力していることだと思います。自分で稼げる人ってのは、運良くw生き残っているネット・トレーダーと、自称・天才の私くらいではないですか?
> トレーダーなのに、取引対象物の価格(例えば株価)が今後上がるか下がるか?ということにはほとんど関心が無い人が多い
これはダメですが、
> デルタにベットしても有意に勝てません
これは批判に値しないと思います。デリバティブのトレーダーなのに、デルタの勝負に出る人は、隣のエクイティのトレーディングデスクに異動してください。もちろん、ガンマなのかデルタなのかよくわからない領域の範疇ならば、”株価変動要因”のリスクは取らなければなりませんが。ガンマもないのに、デルタ取ってたら、デリバティブのクセに何してんの? 越権行為です。デリバティブデスクにおいてデルタリスクを取るのは、そもそもデルタをどのように規定するかであるべきで、「なんか安いと思うから買う」という判断が許されるのは株の部隊です。

証券会社の「儲け」の構造
証券会社の「儲け」の構造 三田 哉

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バリに行ってきました 2/4~クタ・物価

インドネシアなんで飯のことは忘れよう! 煙草だ煙草!
サンポエルナ~どこえ~あるか~~ コンビニ一個売り価格
サンポエルナ マイルド メンソール 15,000~20,000IDR (最安値150円)
マールボロ 赤 17,500IDR~20,000IDR (最安値175円かつアジア最安値、多分世界最安値)
PulpFiction00716.jpg
サンポルナ マイルド メンソールは、私のお気に入りのインドネシア煙草です。インドネシアの煙草は非常に特徴があり、あまくクローブが入っているので、吸うとパチパチと音がします。日本にお土産で持っていくと、「これ本当に合法?」と不安に思ってしまう人がいると思うので、極親しい人に1本あげるくらいが適切かもしれません。独特の香りとニコチンが強いので、サンポルナ マイルド メンソール くらい(タール18mg、ニコチン11mgなので、マイルドでも、赤マルと同等)が普通に喫煙を楽しめるレベルです。もっとヘビーなインドネシア煙草ファンは、グダンガラムになるでしょう。


鬼のように面倒な国家間銀行送金

トレーディングは楽。もっとも手がかかるのが送金。日本の証券会社の場合、証券会社があたかも銀行のように送金できるが、海外にあるネット証券は、銀行機能を持っていない。
Hub-Bank.jpg
絵で描くとこのような構図になっているとしよう。青が銀行・証券間、緑が銀行間、オレンジは証券会社が銀行内に口座を持っていて、資金移動が伴わない銀・証セットだという場合もある。
1.新規送金先登録
AMLの観点から第三者への送金は、金額に制限があったり、申請が必要だったりと手続きが発生する。新規の取引先で無い場合でも、下記のように、例えば、カネが左下の証券会社にあって、右下の証券会社で取引したくなった場合、2回送金しなければならないので、直接薄い赤のラインを引く、同様に2回送金を避けるために薄いオレンジのラインを引く場合は、やはり新規送金先登録をしなければならない。
最もイライラするのが、手作り感満載の送金先指定のフォーマットである。例えば、ある銀行の申請書だが、


いびつな絆 関東連合の真実 2/3~変わりゆく時代

チーマー狩り全盛期
当時、世の中の同世代の若者達は今風のファッションを身にまとい、暴力とは無縁の世界で遊んでいた。そんな姿を遠目で眺めながら、私たちはニグロヘアーに特攻服を羽織り、手には凶器を持って毎日のよう襲撃に出かけていた。同世代の社会からも孤立することで、少数だがより先鋭化していったのだ。確かに中学生の頃は漫画「ビー・バップ・ハイスクール」のようなヤンキーファッションも流行ったが、中学を卒業するころには、流石にそうした服装は恥ずかしくなっていた。ちょうど時代は1980年代の後半から台頭してきた「チーマー」の全盛期だった。彼らは服装や髪型は今どきな感じでお洒落にしていたが、時々派手な喧嘩もするなど、まさにイマドキな不良少年の集団だった。当時の渋谷、新宿、池袋方面で言えば、「TOP-J」「PBB」「変態倶楽部」「ジャックス」「ブットバス」などが代表的なチームだろう。彼らが暴走族と大きく違ったのは、地元に対する縄張り意識をほとんど持っていなかった点だろう。ちーまー勃興期の中心メンバーのほとんどが中高一貫の有名私立高校に通う生徒で、面白いこと、刺激的なこと、格好が良いことを求めて街に出ていた。さらに言えば、暴走族のように服装や髪型に厳しい制約も無い。パーティー券などのチケットのノルマを一定量さばく会費のようなものがある程度で、それ以外の活動に関してはほぼ自由だ。関東連合と違って雑誌やテレビに出演することに制限が無かった彼らは、一時期、不良少年の世界でのネームバリューでは暴走族を圧倒していた。そして私たちにとって、このチーマーというジャンルは非常に気にいらない存在だった。杉並区の不良少年にとって、不良少年の世界で食物連鎖の頂点にいるのは暴走族、すなわち関東連合という意識が強かったのだ。ナンパな服装をして、ファッション誌に出たり、たむろしている場所に女の子を連れているような彼らのことは、不良少年として認めることができなかったのだ。彼らに比べて、関東連合の服装は特攻服かスラックスに暴力団風のブルゾンやセーター。髪型はニグロパンチかスキンヘッド。


いびつな絆 関東連合の真実 1/3~見立君

六本木クラブ襲撃事件のターゲットは被害者とは別
キム兄弟とは、関東連合が対立していた”敵”の中でも、最も激しく敵対していたグループの頭だ。本名をKというが、私たちはその頭文字をなぞって、符牒のように”キム兄弟”と呼んでいた。キム兄弟は、山口組極心連合会系の暴力団組織に所属していた弟(その後、破門)の方がワルとして有名だ。喧嘩、しかも武器を使うような派手な喧嘩なら私たちも人のことは言えなかったが、もっと別の意味合いで悪いというのがキム弟に対する印象だ。強盗や知人への恐喝は数知れず、それでいて規則に縛られる暴走族のような組織に属するわけでもなく、好き放題やって都合が悪くなれば雲隠れする。呼び出しにも応じないし、関東連合と対立しながらも正面から向ってくるようなこともなかった。だからキム弟が暴力団に所属したという話を聞いたときは意外に感じたものだ。
関東連合のことを「暴力団にならずにマフィア化した組織」などと大袈裟に言うジャーナリストがいる。だが、どこの世界に抗争相手を人が集まるクラブの中で、しかも金属バットで撲殺するマフィアがいるだろうか。そもそも関東連合はマフィアなどという大それたものではない。「フラワー(六本木クラブ)」の事件を知った海外のマフィアが、日本のマフィアだかギャングだかの抗争で使われた道具がピストルやナイフではなく金属バットだったと聞いて呆れたという。ある意味では、平和な日本ならではの事件とも言える。今世間で言われる関東連合は、すでに暴走族では無く、かといってまっとうな社会人にもならず、そのまま歓楽街に溶け込んだ不良少年達が成人し、愚連隊と化したものである


三田氏を斬るステージ2 6/8~現物株でもありえる怪しい評価益

スワップ取引をブッキングした瞬間に真の評価益が出るから、インチキが周囲にすぐばれるはずだ、と思うでしょう。いやいや、デリバティブズの場合はごまかしが可能なのです。あげればキリがないほどありますが、その中の1例として2011年にある証券会社で評価損が1000億円以上発生してしまったデリバティブズのポジションが話題となりました。突如、1000億円以上の評価損が現れたのです。トレーダーが、自分の巨額損失ポジションを意図的に評価益が出るように操作していたことを、社内の誰も気づかなかったのです。これだけの規模のごまかしが可能なわけですから、ましてや、日々の小さいディールで、しかも、利益を過小評価、すなわち保守的に評価するのであれば、まぁ気づかれることは無いでしょう。

身内に厳しい三田さんのご意見に異論はありません。デリバティブズにそういう面があるのは事実です。デリバティブズであっても、先物や上場オプションにはAsk/Bidがありますので、評価値はその間になければなりません。非常に狭いAsk/Bidなので、そこを動かしても大して大きく損益をごまかすことはできません。また上場モノ以外でもOTCで取引されているものも同様ですが、Ask/Bidが広い場合は若干の裁量権が発生します。三田さんが言及しているのは対顧客で発生したエキゾチックデリバティブはこの世で顧客とカウンターパーティであるデリバティブ・デスクにしか存在しないので、価格を取るのと反対売買はほぼ不可能です。この場合、かなりアウトなボラティリティのレベル、相関係数などで評価を動かせます。一方、損失引当金(リザーブ)のポリシーや評価モデルの変更で天地がひっくり返ることもあります。


バリに行ってきました 1/4~日本人優遇

シンガポールからバリへの飛行機で一人で乗ってるヤツ、見る限り俺だけ。ご家族かカップルのみ、寂しい男です。バリ・デンパサール空港で、日本から来る投資一族たちと待ち合わせです。
入国税が25USDから35USDに値上がりしてる!
キレイになったバリ・デンパサール空港

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敗者のゲーム

資産運用と呼ばれる「マネーゲーム」も、最近数十年で「勝者のゲーム」から「敗者のゲーム」へと変わってしまった。証券運用の世界で根本的な変化が起きたのだ。1970年代から1980年代にかけて、市場より高い成果を上げようと懸命に努力する機関投資家が多数出現し、市場を支配するようになってきた。この変化がすべての原因である。もはやアクティブな運用機関は、初めて市場に顔を出す用心深い保管業者やアマチュアと競争しているわけではない。いまや、彼らは他の優秀な専門家と敗者のゲームを戦っており、そこで勝ち残る秘訣は、競争相手より失点をできるだけ少なくなることなのだ。ヘッジファンド、投資信託、年金基金など、何千にも及ぶ機関投資家が一日も休むことなく激しい運用競争を繰り広げている。こうした最大手の機関投資家50社の中で、50番目の者でさえ、証券会社に対して世界中で年間通常1億ドルもの注文を出している。
個人投資家がマーケットの90%を占めていた1950年代から60年代に、プロの投資家が大きな利益を上げることができたのはある意味で当然だった。しかし、今日ではマーケットは一変した。過去50年間、投資信託や年金基金、ヘッジファンドが飛躍的に拡大し、しかもこれらの機関投資家の売買回転も増加した結果、今では個人投資家と機関投資家の比率は完全に逆転し、ニューヨーク証券取引所における売買取引は、機関投資家が9割、個人投資家が1割となった。さらに、取引総額の75%はトップ100社の機関投資家によって、また取引総額の5割はトップ50社によって、それぞれ占められているのである。


岸信介 -権勢の政治家- 3/3~軍需省から戦後

東条内閣の末期、戦局は絶望的になっていた。軍需省が誕生した18年11月、米軍はギルバート諸島のマキン、タラワ両島に上陸し、5400人の日本守備隊を玉砕させるが、ミッドウェー海戦(昭和17年6月)、ガダルカナルの敗退から打ち続く戦局の悪化はもはや決定的となっていた。以後クエゼリン、ルオット両島(マーシャル諸島)の守備隊玉砕(19年2月)、トラック島壊滅(19年2月)、さらにはマリアナ沖海戦の敗北(19年6月)と日本軍はことごとく惨敗するが、このマリアナ沖海戦とほぼ時を同じくして起こったのが、米軍のサイパン上陸とそれに続く日本守備隊30000人の玉砕であった。岸と東条の対立が公然化した引き金は、まさにこのサイパン陥落であった。「サイパン陥落は日本の戦争継続を不可能にした」というのが岸の主張であったのにたいし「作戦的判断は軍人のやることであり、岸ら素人の関知するところではない」というのが東条の立場であった。しかし、サイパン陥落によって日本本土が米軍用機B29の攻撃射程に入ったことは事実である。軍需次官として管轄する国内各地の軍需工場が米軍の爆撃にさらされることは自明であり、対米戦争はもはやこれまでというのが岸の判断であった。岸の「早期終戦」論である。


三田氏を斬るステージ2 5/8~神がかった営業力・スーパーセールス

第5章 トレーディングの現場
第1節 上澄み液を吸うデリバティブとレーダー
証券会社のセールスは、強欲で顧客をだます悪者のイメージが持たれています。しかし、社内には彼らを食い物にしている搾取者がいるのです。それはトレーダー、特にデリバティブズのトレーダーです。社内奥深く潜んでいる彼らは、顧客と接触する機会が無いので、彼等の行動が話題になることはまずありません。それゆえどういう人間達かはほとんど知られていないと思います。
デリバティブズトレードの収益源
仕組債ディールの主導者は販売会社であり、発行体やスワップカウンターパーティーはあくまでも従属者です。ですから、販売会社は発行体・スワップカウンターパーティーを選ぶ権限を持っています。顧客をつかんでいる人が最も偉いというわけです。しかし、しかしです。この世界では偉い人が金儲けできるとは限りません。
世の中にスワップカウンターパーティーが、もし1人しかいなかったらどうなるか?販売会社はこの人にお願いするしかありません。スワップカウンターパーティーは、自分に超有利な条件で発行体とスワップ契約を結ぶでしょう。いやいや、発行体が牽制機能を持っているから、そんな一方的に有利な条件でスワップ取引はできないはずだ…と思いますか?可能なのです。スワップ取引の条件はすべて仕組債に転嫁されるので、発行体はスワップ取引内容の影響を受けません。だから、発行体はスワップ取引の条件がフェアかどうかのチェックをする気など毛頭無いわけです。いやいやそのまえに販売会社がチェックするだろう、と期待するかもしれません。しかし、彼らには自力でチェックできるだけの能力・情報・経験が無い場合がほとんどです。ということで、スワップカウンターパーティーのうまみがここにあるわけです。
当然こんな状況であれば「スワップカウンターパーティーは大儲けできる。そんなおいしい商売を1人でやらせるわけには行かない」ということになり、「スワップカウンターパーティー候補に俺も入れてくれ」と、多くの業者が販売会社に群がってきます。そうなると、販売会社はスワップカウンターパーティーをコンペにかけて選ぶようになります。やっとこれで、販売会社がスワップ取引の条件をチェックできるようになります。
ここまでは、販売会社とスワップカウンターパーティーが別人として説明してきましたが、販売会社がスワップカウンターパーティーを兼ねることは禁じられていません。。むしろ同一会社であるほうが自然です。こうなるとスワップ取引のコンペをしなくなり、牽制機能が働かない状態になります。しかし、ほとんどの仕組債は複数業者が扱っているので、投資家からすると、とんでもない条件で取引させられる可能性は低いかもしれません。つまり、投資家には販売業者を選択する権利があります。ところが販売会社のセールスには自分の会社がスワップカウンターパーティーも兼ねていると、スワップカウンターパーティーの選択の自由がありません。ここで、セールスが搾取されるのです。


続・オプション・トレーディングにおける個人投資家とプロの違い、グリーク(リスク指標)の見方

プットを買いまくって、金利リスクがえらいことに
米国で得意の暴落待ちポジションを作る、Volatilityを買いながら、GammaはShort、Deltaは若干Longくらいのポジションが心地良いため、プット・カレンダースプレッドを中心にポジションをバシバシ重ねていくと、何が起こるだろうか?
ここから先は一般・アマチュアの人のために少し丁寧にいうと、まずこれを理解していないと無理なので、読んでいなければこっちをお先にどうぞ。
2011.09.01 %Gammaとは何か?
%Gammaがわかった上で、%Vegaやその他と合わせてみる見方については以下。
2014.07.07 オプション・トレーディングにおける個人投資家とプロの違い
↑に基本的なことは書いてあるのだが、その実戦編・続編としてこの記事があるので、早速、具体的な話に入ろう。


中国全土落下傘計画 湖南省編 10/10~中国の真面目な大学生たち

張家界学院大学、卒業記念飲み会
中国のマネキネコ猫ちゃんと夕食をしていたら、「大学の飲み会が近くで行われているので、先生も来てしまえばよい」と中国のマネキネコ猫先生に言われたので、おじさんが大学生のコンパw に出席。張家界学院大学は、新しい大学なので、教授陣も若い女性(20代なので教授じゃないかもしれませんが)。そして、語学クラスなので、学生さんも8~9割が女性です。先日、女子会に居た中国のマネキネコ猫ちゃんの友人、周さんが「私は先生とお話したい。隣良いですか?」、私の左腕を取って、「この腕輪は日本で買ったものですか?」 素人女子大生ですが、酒も飲んでいないのにキャバ嬢のような動きで、周囲の女子大生を圧倒し、牽制する周さん。中国の女性は積極的で強いですね。中国にも男女の違いはあるのですが、男女間の強弱や序列がほとんど存在しないという意味で男女平等に思えます。


岸信介 -権勢の政治家- 2/3~満州へ

満州国政府最高首脳に
政党人はときに軍部の懐柔に乗せられ、軍部の脅迫に怯え、みずからの腐敗と日和見に自壊し、結局は軍部の勢力を増殖させていったのである。憲政史上最大のクーデター事件、すなわり2.26事件は、こうした時代文脈に咲いた徒花であった。岸は2.26事件後わずか8ヶ月にして満州に渡るが、その岸を待ち構えていたのはもちろん関東軍である。岸は参謀長板垣征四郎に向って次の2点を主張した。「第一に日満一体論、満州の産業経済発展が満州国統治のみならず日本国民にとっても重要であること、第二に関東軍の任務は統治の基本を握ることであって、産業経済については自分に全てを任せて欲しいこと」 岸がまず最初に手掛けた仕事は、満州国産業開発5ヵ年計画の実行であった。対ソ戦略基地たる満州の産業開発は、仮想敵ソ連の計画経済をモデルにした


岸信介 -権勢の政治家- 1/3~帝大から農商務省

岸信介は1896年山口県吉敷郡山口町(現在の山口市)に生まれる。父佐藤秀助と母茂世の間には3男7女がもうけられた。信介はその次男である。他の兄弟姉妹がすべて田布施生まれであるのに、信介だけは山口町で生をうけている。父秀助が当時たまたま同地で県庁の役人をしていたからである。秀助はもともと岸家の出だが、同じ田布施にある佐藤家の家つき娘茂世と結婚し、佐藤姓を名乗る。秀助18歳、茂世14歳の時である。茂世の両親は継ぐべき息子たちに恵まれながら、長女茂世の婿養子として秀助を迎え、佐藤家から分家させる。「佐藤信介」がのちに「岸信介」へと改姓するのは、実は父秀助の実家に信介が養子として入ったからである。
> わかりやすく日本で最も有名な非民化した家系図を載せておこうw
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三田氏を斬るステージ2 4/8~大崎さん、巻き添え食らわしてごめんなさい

第4節 日本で流行するか、ライツイシュー
エクイティファイナンスの手法として、日本では公募増資が大半を占めており、第三者割当増資をたまに見かけるという感じです。その大半を占める公募増資に対して、既存株主の不満をよく耳にします。現実の世界で起きていることは、理論的背景はどうであれ、公募増資->株価下落、発行される新株の数が多いほど1株当たり利益の現象度合いが大きくなり、より株価も下落するのです。一方で、第三者割当増資でも同様に、足元でEPSの減少が起こるのですが、あまり株価下落が生じません。第三者割当増資だと、新旧株のアービトラージチャンスが無いから希薄化効果が潜在的に存在するものの、現出しにくい。新株を手に入れる新しい株主にとっては、どれだけ株価下落が生じたかはまったく関係ありません。むしろ、より下落したほど、安く買えるので嬉しいかもしれない。このように新規株主と既存株主との間で著しい不公平感が存在し、既存株主は無防備なのです。これが、不満のもとなのです。
不満を解消するライツイシュー
日本では公募増資が主流ですが、欧米では大規模増資の場合は、公募増資よりもライツイシューが選択されます。ライツイシューは、既存株主と新規株主の不公平感を減らすよう設計されており、その点では公募増資よりも優れていると考えられています。ライツイシューを一言で言うと、『既存株主の持ち分に応じて、新株予約権を株主全員に無償で割り当てる』ものです

さあ、俺はライツイシューを何と説明した??
2014.06.17 日本市場のライツイシューの歴史(2014年5月時点) 1/2 より
ライツイシューとは、増資に応じる権利の発行である。もう少し細かく表現すると、有償増資に応じる権利の無償発行である
うーん、俺の説明短くて良いと思うんだけど、三田さんがいま問題にしている、既存・新株主間の平等性を主軸に考えると、「株主全員に対する」という言葉が必要だね。