ブルームバーグで今年最も読まれた日本語ニュースをひっぱってみました。
個別に名前が出てくる企業を書くと・・・、東電、オリンパス、MUFJ、野村、うーん暗いなぁ。
銘柄: 去年末株価 現在 年初来リターン テーマ 東京電力: 1983円->280円 -86% 原発補償問題 オリンパス: 2458円->1003円 -59% 損失隠蔽の表面化 MUFJ : 439円->331円 -25% 1000億円デリバティブトレーディングで損失 野村証券: 515円->246円 -52% 日本で初のリストラ 日経平均: 10229円->8478円 -17% 東北大震災
うーん話題の銘柄が、インデックスよりもかなり下回っているのばかりだ。明るい話題はないのか、明るい話題はー! 日本に帰った時も、エキゾはいつも元気良いですねっ!って言われてしまったが、こういうことを話題にするから暗くなるのだ。
この読まれたニュースの中で、ちゃんと上がってる”銘柄”もあるではないか! よく読んでみたまえ。
円:81.1->77.8 +4% 大型介入による急落。
3回も介入してるのに絶好調な円。あれ? どうしました? みんな嬉しそうな顔してないね。円は4%も上がってるんですよぉ。あなたの株も不動産もゼロ金利でおいてある郵貯も、ドルベースで見れば、+4%のリターンが上乗せされるんですよ。郵貯で年間4%!(ドルベースリターン)
日本慣性系に住んでいる人にこの測度変換は何度言っても伝わらないから別のネタにしよう。
この1年、東証一部のBest Performerは・・・・(失礼11月29日現在の株価で許してくれな)
ドーン
エス・バイ・エル +278% でした。
うーん・・・しかし名前見ると、震災特需系がずらっと並んでいるなぁ。こっ、この話題も止めやっ!
グリー、サンリオ、MonotaRO、エムスリーあたりが非震災特需系銘柄で美しい単調増加なチャートを示していますね。
3632 グリー、あまりに美しすぎるのでログ・チャートを載せておきましょう。
DeNAと10億円の訴訟って会社の利益2倍になっちゃうんじゃねぇの? と思いきや純利益180億円もあるんですね。時価総額6000億円もあるしwww社長の持分が多いのでFloatの影響でTOPIX内の順位は低いですが、あなどれない時価総額。今となっては大王製紙よりもオリンパスよりも大きいんですねぇ。大株主のリクルートは一足早く抜けて、今はKDDIが持ってるようで。
で、何やってる会社なのかとGreeというSNSだそうで、ミクシィはFacebookに客取られて大変だろうにと思いきや、サイバーエージェントも好調。ネット業界わからないなぁ。ゲーム業界みたいにヒット出せばまた一躍高収益企業になれるのか? それとも一度客つかむと安定するものなのか? 難しいねぇ・・・こりゃ、おそらく経営者でも予想不可能なのではないかな。
がしかしだよ・・・俺が気に入らない理由は、FBという巨大コンペティターが居ます。これとの差別化をはからなければ生き残りは難しい。解は一つ、日本人ならではきめ細かなサービス・インターフェイスなどを提供するということ。逆に言うと、日本でしか売れない怪物SNSを作り出すことになり、任天堂みたいなロマンを感じないんだけど、私がネットビジネスを理解してないのでしょうか?
少なくともこっちで住んでいる限り、Greeという名前すら聞いたことが無いです。Gree Userの日本の読者がいらっしゃいましたら、「Greeにはこれだけの世界展開戦略があるんだっ!」とご指摘いただけると幸いです。
【個別株日本株】
2011.08.02: プロ向け市場「TOKYO AIM」一号案件 上場後値段つかず
2011.05.16: 東京電力の平均給与は電力10社中9位
2010.04.12: 日本の軍需産業
2009.10.29: 9651 キャッシュリッチカンパニーのキャッシュフロー計算書
2009.01.16: 財務諸表と金のありか
2008.09.11: その他有価証券の分析@9748
2008.05.31: カツラ会社の経営陣の退陣
2008.03.25: 一族家における投資教育 ~株式 動く時価、見える時価
2007.12.25: 9955 安いな、出動じゃ
2007.12.06: 財務諸表基本レッスン 売掛金と買掛金
GREEはSNSというよりケータイを流通チャネルにした課金ゲーム屋さんという印象です。昔はSNSの会社でしたけど。「FACEBOOKの競合か?」と訊かれると、「う~ん・・」という感じがします。
PEP様 コメントありがとうございます。
同様のコメントを別経由でいただいております。陰ながら有報を読み、ゲームの課金で成り立っている会社で、売掛金がすべて日本の通信会社というスーパードメドメな会社というところまでは調べていたのですが、言葉足らずで申し訳ありませんでした。
チラッと有報をのぞき見ただけで、Greeがどういう会社(事実上ゲーム会社とは聞いておりました)として認識されているのかは会話ベースの情報しかなかったものですから、SNSの会社ということで、記事を書いてしまいました。
しかし、細かい突っ込み感謝いたします。今後とも、??? と思ったらバシバシご指摘いただければ幸いです。
スイマセン。私よりぜんぜんお詳しいですよね(汗。なんとなく自分の印象を書いてしまいましたが、失敗でした。失礼しました。
話は変わるのですが、私がエキゾさんのブログにたどり着いたのは信用創造・信用収縮について調べてたからなのですが、それらについて深く知るにはどうすればいいでしょうか?何かオススメの本などありますでしょうか?
中央銀行に関する本は何冊か読んだのですが、いまいち分からないというか信用創造や信用収縮についてはあまり詳しく書かれていないものばかりで困っております。。。。
> スイマセン。私よりぜんぜんお詳しいですよね(汗。なんとなく自分の印象を書いてしまいましたが、失敗でした。失礼しました。
いえいえ、私は有価証券報告書を読んだだけなので、Greeを実際使ったこともなければ、使っている人の話も聞いたこともないのです。今日はGreeと同様に絶好調サイバーエージェントのアメーバのユーザの話を聞いていました。
> 信用創造・信用収縮について調べてたからなのですが、それらについて深く知るにはどうすればいいでしょうか?
私は経済学の本を読んだり、勉強をしたことがありません。信用創造について深く考えたこともなく、「民間銀行が金を貸せば、信用創造」という程度の理解です。中央銀行の本というのは的外れではないと思いまして、マネタリーベースとマネーサプライと信用創造はセットで考えていい概念であるというのが私の理解です。
私も一回くらい経済学や中央銀行の本を読んだ方が良いですかねぇ?
>私も一回くらい経済学や中央銀行の本を読んだ方が良いですかねぇ?
うーん、どうでしょう・・?私はただの水道屋さんなので、デリバティブの方にとって経済学や中央銀行の知識がお役に立つのか判断できないです。
私の印象を言わせていただきますと、中央銀行関連の本は図書館でタイトルに”中央銀行”とついているものを10冊くらい借りて読んだのですが、表面的なことばかりで本質的な部分が見えない印象でした。私が読んだ中で興味深かったのは リチャード A ヴェルナーの”円の支配者”ぐらいです。
経済学の本は入門書をパラパラと読んだことがあるのですが、「経済学で仮定や前提とするものが現実的ではなくて、そこから導き出される結論は果たして役に立つのだろうか?」という感じで、納得感があまりありませんでした(私の頭が悪くて単にうまく理解できてないだけかもしれませんが・・頭の良い人や金融の実務をやられている方が読むと私とは違って見えるかもしれません)。
>中央銀行の本というのは的外れではないと思いまして、マネタリーベースとマネーサプライと信用創造はセットで考えていい概念であるというのが私の理解です。
一度調べてみます。どうもありがとうございます。
> 表面的なことばかりで本質的な部分が見えない印象
金融史がわかれば世界がわかる―「金融力」とは何か (ちくま新書): 倉都 康行
この本は面白く中央銀行の意義を書いていると思います。もう原稿は書いたのですがアップはしばらく先になるかもしれませんので、図書館で借りたら良いかと思います。ただ、信用創造とマネーサプライという話では全くありません。
> リチャード A ヴェルナーの”円の支配者”ぐらいです。
読んだことがありませんね。なんかちょっと煽り系のかほりがしますが・・・
> 「経済学で仮定や前提とするものが現実的ではなくて、そこから導き出される結論は果たして役に立つのだろうか?」
おっしゃることは非常によくわかります。金融工学で言うところの株価のマルコフ性、幾何ブラウン運動。株価は幾何ブラウン運動ではありませんが、そのように想定することが合理的で、かつ説明力があったということで、現実との相違は意識しながらブラック・ショールズは使えばいい。
原子核の周りを電子がくるくる回っているかのように習いましたが、大学では原子の状態は波動方程式で記述され、等速円運動ではないから高校物理は嘘を教えているのか? というと・・・それはそれで一つの説明の方法ととらえれば納得もできる。経済学を知っていたら、株価がわかるなんてことは絶対なくて、経済を合理的に説明したもの、またそのための考え方、くらいに思えば納得できるのではないでしょうか?
>>中央銀行の本というのは的外れではないと思いまして、マネタリーベースとマネーサプライと信用創造はセットで考えていい
>>概念であるというのが私の理解です。
>一度調べてみます。どうもありがとうございます
ううっ、さすがにちょっと恥ずかしいです。このブログの読者の中には経済の専門家も多くいらっしゃると思うので、まともに本を読んだこともない私が経済学を語り続けるのはかなり厳しいところですが、それがインターネットによる公開討論の面白さ!
経済学を勉強なさった方、いらっしゃいましたら、バシバシ意地悪コメントください。
>金融史がわかれば世界がわかる―「金融力」とは何か (ちくま新書): 倉都 康行
ご紹介ありがとうございます。ネットで図書館で予約したのですが年末年始はお休みのようなので、近所の書店で読んできました。
”金融史の流れをザックリ”という感じで、とても読みやすい本でした。図書館が開いたらもう一度じっくり読んでみようと思います。ブログで書評がアップされるのを楽しみにしております。
>なんかちょっと煽り系のかほりがしますが・・
煽り系と言われれば煽り系だと思います。
この本は既存の経済学(経済学者)があまり重視していないこと(銀行による信用創造)を中心にすえて、既存の経済学(経済学者)に挑戦するような形で書かれてますので。
私としては経済学の教科書よりもこちらのほうが納得感がありました。(ちなみにタイトルの”円の支配者”は日銀の総裁のことです)
この本の発展版として”虚構の終焉―マクロ経済「新パラダイム」の幕開け”(PHP研究所)があるのですが、こちらは数式が多用されていて数学の素養がない私にはよく分かりませんでした・・。
>経済学を知っていたら、株価がわかるなんてことは絶対なくて、経済を合理的に説明したもの、またそのための考え方、くらいに思えば納得できるのではないでしょうか?
経済学を知っていたら株価の動きが分かるなどとは思っていないのですが、私には経済学の説明が合理的だとは思えないんですよねぇ・・。私がうまく理解できてないだけなのかもしれませんが~。
信用創造は経済学によって定義づけられた概念だと思いますので、それは経済学によって語られるのが、最初のステップとしては順当かと思います。Wikiでもそれなりな説明していると思いますけどね。