世界の始まりと人間の誕生
世界の始まりの神話としては、旧約聖書の「創世記」が名高い。キリスト教とユダヤ教の聖典である旧約聖書によれば、超越的な神ヤハウェの「光あれ」という言葉とともにこの世界が創造された。けれどもギリシアでは、世界は唯一絶対の神によって創造されたのではない。ギリシアには宇宙は世界の始まりい関する神話がいくつもあったが、ここでは最もよく知られているヘシオドスの『神統記』の系譜的な神話を取り上げることにしよう。
最初に「カオス」が生じ、次に「ガイア」と「タルタロス」と「エロス」が生じた。この世界は神によって創造されたのではなく、いつのことかはわからないが、あるとき突然生じたのである。ヘシオドスのというカオスとは、ちょうど欠伸をして大きく口を開けたときのような「巨大な裂け目」を意味する。カオスに続いて、ガイアと呼ばれる大地と大地の深奥にある奈落の底とも言うべきタルタロス、不死なる神々のなかでも最も美しいエロスである。カオスからまず「エレボス(闇)」と「ニュクス(夜)」が生じ、らにエレボスとニュクスの交わりから「アイテル(天空の上層)」と「ヘメラ(昼)」が生まれる。カオスから発生した3つのもののうち、実質的に生成に関与するのはガイアだけである。対照的にタルタロスとエロスのほうは生成をそのものを行うわけではない。一種の媒介のような役割を果し、神と人間の理性や思慮を意のままに操る強力な結合原理として作用する。時代が下がってからは無邪気な幼児の姿でイメージされるようになった。しかし神統記のエロスには擬人化の兆候すら認められない。エロス(Eros)は英語のeroticの語源であるため、もっぱら性愛の快楽に関するものであるかのように誤解されがちであるが、古代ギリシアのエロスはそのような狭い意味に閉じこめられてはいない。むしろ、生産や生殖を促す肯定的な強力な結合原理であり、輝く生命力の源のような抽象的な存在である。
第一世代ティタン神族
大地はまず自力で「ウラノス(天空)」と山々と「ポントス(海)」を生んだ。ガイアは生殖行為によって次々に神々を生み出していく。ガイアとウラノスの交わりから6柱の男性神と6柱の女性神が生まれた。この12柱の神々はティタン神族と呼ばれる。英語ではTitanとなり、巨大な怪力のという意味である。ティタン神族に続いて、キュクロプスとヘカトンケイルたちが生まれた。神格ではなくいずれも三人組の巨人たちである。キュクロは丸い、オプスは単数の目という意味でキュクロプスとは単眼巨人である。そしてヘカトンは100、ケイルは手を意味するので百手族である。しかし異型の子らであるこの二組の巨人たちは父親のウラノスに嫌われ、大地の下方に埋められてしまった
ガイアはウラノスのこのあまりにも無慈悲な仕打ちに怒り、復讐を計画した。鋼鉄の鎌を作り、12柱のティタン神族に向かって「誰かこの鎌で父親を襲うものはいないか」と呼びかけたのである。皆が押し黙り、名乗りを上げる者はいなかった。しかし、一番年下のクロノスだけが勇敢にもこの役目を引き受けようと立ち上がった。やがて夜になり、天空が大地を求めておおいかぶさったとき、母の傍らでひそかに待ち伏せていたクロノスは鋭い鎌で父親の陰部を切り取った。生殖器から滴り落ちた血を大地ガイアが受け止めた。やがて月が満ちると大地に落ちた血のしずくからは「エリニュス(復讐の女神)たち」と「ギガス」(巨人族)、「メリアイ」(トネリコの精)が生まれた。一方、クロノスが背後に投げ捨てたウラノスの生殖器は海に落ちて海面を漂い、その白い泡から美しい女神が生まれた。泡はギリシア語ではアプロス(Aphros)という。それゆえこの美しい女神はアプロディテと呼ばれた。
ギリシア神話の大テーマ 親子対決 早速来ましたね!息子による父親追放と無慈悲な父。これはギリシア神話のモチーフ。よくある展開だが、これを息子と読むというのはお洒落だろう? 世代交代、老いによる衰えへの恐れを表現しようとしているのだろうか。
クロノス(ラテン語でサトゥルヌス)は姉のレアと結婚して子供が生まれるたびに次々とわが子を呑み込んでいった。というのは両親のガイアとウラノスから一つの予言を聞いていたからである。それは彼が鎌で父を傷つけることによって権力を奪い取ったように、クロノス自身もわが子に滅ぼされるであろうという予言であった。レアは一計を案じ、赤ん坊をクレタ島の洞穴の中で出産すると、石を産着でくるみ、それを新生児だといつわって夫に差し出した。クロノスは策略に気付かないまますっかり安心していたがその間に赤ん坊のほうはすくすくと育っていた。この赤ん坊が後のギリシア神話の最高神となるゼウスである。父クロノスが嚥下していた兄と姉たちを策略を用いて吐き出させた。解放された兄と姉はゼウスへの感謝のしるしとして、弟のゼウスに雷を与えた。雷はゼウスの比類なき武器となり、天界の覇者としての権力の象徴にもなった。
ゼウス率いるオリュンポス神族は力を合わせてティタン神族と覇を競った。この戦闘はティタノマキアと呼ばれる。両者の激突は10年に及びながらもなお決着つかなかった。膠着状態を打破するためにゼウスは、ガイアの忠告に従って、百腕巨人のヘカトンケイルたちを大地の底から解放し、神々の食べ物であるアンブロシアを彼らに与えて力を回復させた。100本の手に大きな岩をつかんでティタン神族に投げつけた。ティタン神族をタルタロスに閉じ込め、ヘカトンケイルたちをその見張り番につけた。ティタノマキアに続いて怪物テュポン、ガイアがタルタロスと交わって生み出した凶暴な怪物であり、その肩には蛇の姿をした首が100もついており、燃える火を吐き、恐ろしい獣のような声を出す。ゼウスはテュポンをいち早く見つけると雷で攻撃した。そして死闘を繰り広げた挙句、その勝利を確かなものにした。
ギリシャ神話のモティーフは父と息子の対決。ウラノスがクロノスに、クロノスがゼウスに。どうだろう? 成長する息子に色々なことで追いつかれ、抜かれ、負けることは認めたくないか? 私の父は、認められないのだろう。よく「30年余計に生きているんだから」という枕詞とともに、合理的に説明できないような価値観を私に言うことがあるのが、その傾向として見られる。しかしだよ・・・、俺は息子に負けたいぞ。もちろん男としてショックだがな。
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ま、まさか…この俺が負けるのか…みたいな心理。だが、
「み・・・・・・見せてくれ」
「このラオウを倒した男の顔を」
「フ・・・フフ」
「見事だ 弟よ!!」
「わが生涯に一片の悔いなし!!」
って思わず笑っちゃうのよ。その気持が非常によくわかる。
映像がどうしても見つからないのだが、千代の富士 貴花田 覚えている人居ない? 貴花田に負けた時、千代が笑うんだわ。ちょっと泣ける映像だぞ。
http://www.youtube.com/watch?v=90IdEuZvhJo&feature=mfu_in_order&list=UL
これの8:30前後、この動画だとよく映ってないんだよなぁ…関係ないけど6:20あたりのスーパーダイブ、マゲを落とした長髪貴花田はなかなか良い男ね。

十両の時代から、
http://www.youtube.com/watch?v=gURODdy7osQ
そして貴花田のお父様の貴乃花ともやってるんだからねぇ。千代は、ほとんど親父気分でしょう。