昔々、ある友達が言いました。
グローバル化はアジアに富を生み出したけど、結構な部分が吸い取られている。
例えば、アディダスの靴は殆ど中国で生産されているけど、10ドルのコストで、世界で100ドルで売っている。
余剰価値はどこに消えた?結局世界工場のアジアは欧米人にアルバイトをしただけ
グローバル化しないほうがアジアのためと言えるか、自信がないけど、少なくとも欧米には良い話だ
そして、私のことをこう言いました。
グローバル化は悪とすると、エキゾ君のようなエリートアジア人は罪を問われるね。
人々を導くはずのエリートは外人と一緒になって、半植民地政策を手助ける。
エキゾ君はアジアに欧米ルールのマネーゲームを一所懸命面白くして、参加者を呼び込んでいる。
ルールを一番良くわかっているのはあなたたちなのに。
伝わりますかね? 彼の発言の後ろにある愛国心と献身が。
会社を背負い、国を背負い、ひいてはアジアを背負うという責任と役割を引き受けようという発想です。
またある時、エキゾチックの商品を開発していた時、彼はふと疑問を感じ、私にこう問いました。
この商品の開発が、一体どういう社会的貢献を生み出すのかがわからない。
とても素晴らしい。愛国心を越えた社会愛とでも言おうか。
人の上に立つ人としてふさわしい言葉だと思うし、彼の献身に対し、遠い将来、会社や国も報いるでしょう。
ただ、私にも道理はあるのです。
私の考えでは、デリバティブという博打に、社会的貢献などという大義名分はありません。
彼が心の中で、アジアを背負っているのはわかります。
対抗して、私が背負っているものを表明するのであれば、それは博打そのものです。
会社や国家に帰属するものではなく、それを飛び越えて存在するデリバティブという博打です。
だから、参加者がどこの国の人間だろうが、開催地がどこであろうが、そんなことは関係ありません。
博打を仕切り、拡大することは、ギャンブラーの仕事ではなく、胴元の仕事。
それに人生の意義を感じている私にとって、社会的貢献という大義名分など必要無いことなのです。
また、デリバティブを使って、アジアの投資家と市場から、欧米金融機関への資金シフトを幇助して
いるかのように、とらえられていますが、そうではありません。
デリバティブの胴元は金融機関とは思っていません。
デリバティブの勝者が金融機関であって、個人投資家は通常敗者になるとも、思っていません。
金融機関や投資家はデリバティブで大穴をあけることもありますが、胴元が博打で損をするということ
はないので、金融機関もまた、デリバティブの一プレイヤーにすぎないと思っています。
金融機関と投資家の間に立ち、両者が勝てると思うような博打を作り出し、給与というショバ代を
もらうのが胴元なのではないでしょうか。
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