台湾です。
正確には台湾人・あるいは個人を特定するものではなく、国家・地域としての金融機関のレベル、フィナンシャル
リテラシーがエキゾチックを見てるとわかるのです。一応、完全な私の主観ですと断っておきます。
まずは具体的な取扱商品を見ていきましょう。
商品1.元本保証、韓国指数連動クーポン債
AUD 6years
Coupon(2i)=12%+Max[0%,Participation×{S(2i)-S(0)}/S(0)]
i=1,2,3で2年おきにCouponが支払われます。
商品2.元本保証、ハンセン指数連動債
AUD 6years
期中のクーポンは無く
満期に元本+Max[31%,Participation×1/24Σ{S(i)-S(0)}/S(0)]
i=1,2,3,・・・24で、Quarterlyの24回参照Asian Optionが支払われます。
何が幼稚? この時点で気付いている人は、かなりセンスが良いです。
そう。これだけGuaranteedの支払いが多い中、気になる非公開値であるParticipationが
どうなるか触れていきましょう。
AUDってのもちょっとイラッとするね。まだ高金利通貨選好かよ。
商品1 Participation=1%
KOSPI200が2倍になるとやっと1%Couponが増えるという仕組みです。
クーポン3回あるとは言え、MaxでDeltaが3%。10milを売っても、Inital Delta150kよ。
Gammaはあるけど、Gamma Tradingは不可能だね。
商品2 Participation=10%
31%のGuaranteed Couponと合わせてみると、310% StrikeのドアウトなAsianなわけ。
Asianだから大体2-3年のCallと考えると・・・、2年で310%のCallよ。しかも10%Participation。
確かに2つともEquity Linkですが、AUDで36%と31%の払い出し確定してるってことは、Equity感応度は
殆ど無く、10mil程度ならHedgeするSellerは居ないということが、分析するまでもなくわかります。
値段はEquityのVolatilityで決まるものではなく、金利と発行体のクレジットで99%決まることが直感的
にもわかってしまうようなEquity Link商品が実在しています。
どうして、こういう商品を今やっているのか? 私はわかる。
Worst of **でやられた。これはアジア中がやられた。台湾だけじゃない。
さらにその前、台湾ではやっぱり元本保証信奉があって、Target RedemptionなるZero Coupon債を
100で買うのが流行ってたんですよ。正確には、株が下がったらZero Couponになるような債券。もっと言うと、
10個のうち一つでも下がったらZero Couponになるような債券って実質Zero Coupon債ってのが、
株やる人ならわかるでしょ? 割引債を100で買うか?
Target Redemptionで金利をPut Option化してZeroになったから、今度はCallを買おう。
でも上がらなかったらZero Couponだと前回と同じだから、株価によらず、きちんと払い出しをさせよう。
これは彼らの同じ轍は踏むまいという主張なのです。
誰も「これって実質Equity商品じゃないよね?」と言わないところが、アジア広しと言えども台湾だけに
見られる珍現象なのです。
どうして、こんなに幼稚なのか? それにもちゃんと理由があります。続きはまた今度。
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