街中に馬車がいる牧歌的な都市ウィーン。動物に寛容なのか、犬を連れている人が多く、ペットOKの場所がとても多い。
チップ制度がパリは無いが、オーストリアあり(要求されたのはリンク内だけだが)。
スーパーで売っているビールの種類はオーストリアが多い。パリは3種類しか置いてないようなスーパーもあった。
私のホテルの近隣は観光地ではないはずだが…、なぜかホテル近隣のレストランで食事をすると日本人が居ることが多い。とても不思議で原因は今のところ不明。観光地でないから観光客ではなく居住者? さあ、オーストリアに日本人は何人住んでいると思うね?
https://www.mofa.go.jp/mofaj/files/000368753.pdf 28ページ
在留日本人 3000人。フランス40,000人と比べると皆無に等しい。経済規模や人口は全てフランスの1/10と考えると符合する結果だ。このホテルの周辺に3つも日本食があるが、すべて偽物系日本食なのでリトルトーキョーとは言い難い。
パリもウィーンもホテルは旧式。鍵がぐるっと回すマニュアル鍵。アジアでは見たことがない。ホテルの廊下の電気は自動節電。パリでもそうだった。エコ、ケチ、エネルギー問題にセンシティブ。
オーストリア3重苦
資源がない。
植民地がない。
産業がない。
その結果、株式市場は惨憺たる状況であることはすでに述べたが、あまりの状態なのでもう一度しつこく書くと、
EuroStoxx50に採用されているオーストリア企業は一社もない。
ヨーロッパの時価総額の大きな企業で見れば、産業があるドイツを除けば、植民地利権、旧東インド会社が今も色濃く残っている。イギリスとフランスはその傾向が強いが、BP、ロイヤルダッチシェル、トタル、極めつけは、香港の通貨発行権を持つHSBC。インフラ支配という意味では日本では存在感がほとんどないスペイン系のバンコ・サンタンデール、BBVA、テレフォニカなど、南米・旧植民地圏ではご活躍だ。
それなのになぜオーストリアは国家として存在しているのか? 一人当たりGDPが日本より高いのはなぜか? 実際、街を歩いて民を眺めても、それほど貧しそうには見えない。
オーケストラと観光誘致だけでは到底説明不可能だ。オーストリアという不毛地帯を表現するのは下記の絵1枚で十分であろう。
パイプラインの通り道。ロシアより愛をこめて、ヨーロッパにオイルを贈る。エネルギーロードの端点である日本にはない地政学的要因だ。アジアだとパイプラインではなくシーレーンになるが、シンガポールもオーストリア3重苦を持っている。資源がない、植民地がないどころか植民地だったw、産業がない。でも精製と通り道ってだけで国が成り立っている。オーストリアにいるとこんなニュースが急に見えるようになってくる。
オーストリアはOPEC加盟国ではないものの、石油輸出国機構の本部は首都ウィーンに設置されている。産油国でもなければ、消費する程の人口もなく(800万人)、産業もない。ただの通り道にもかかわらず、なぜかウィーンにOPEC本部がある。
OPECやIAEA(国際原子力機関)の本部がウィーンにある理由は、東西冷戦の狭間。「西欧でも東欧でもありません。中欧です! 永世中立国です。もめごと解決の会議はオーストリアを使ってください。」と言うことで成り立っている。
秋山信将×池内恵「核不拡散論」 #国際政治ch 22
https://www.youtube.com/watch?v=uOgdNyb8jJY&t=2272s
でオーストリア政府が本部ビルをIAEAに、年間1シリングで貸し出したという話をしている。動画の中に本部ビルも出てくるから興味があれば見てみると良いだろう。