買おうとしている資産の将来の利益ではなく、価格変動に注目しているのならば、それは投機です。

みなさんは生涯を通してハンバーガーを食べたいと考えましたが、ご自身では家畜を育てていません。さてこの場合、牛肉の価格は上がってほしいと思いますか?それとも下がってほしいと思いますか? みなさんがこの先5年間にわたって蓄えを増やしていくとします。あなたはその間株式市場が値上がりしてほしいと思うでしょうか。それとも値下がりしてほしいと思うでしょうか。多くの投資家がこの答えを間違います。今後、長い間株式を買い越すにもかかわらず、株価が上がれば喜び、株価が下がれば悲しむのです。つまり、これから買うことになる「ハンバーガー」の価格が上がったと言って有頂天になっているわけです。こうした態度はバカげています。

インプライドボラティリティとかけて、俺の相場観ととく、その心は、いつも下落を期待して笑ってる。うーん、今一つ面白くないな…。

リーマンショック以降上がり続ける株価を見てて、憂鬱になっている今日この頃。

当時の私は、どの組織でも優秀で知性と経験豊かな経営者が合理的なビジネス上の判断を行っているものと思っていたのです。しかしその後、そうでは無いと気がつきました。現実には組織由来の旧習が動き始めると、おおむね合理性の出番はもうないのです。それ例は以下のようなものです。

①ニュートンの運動の第一法則に支配されているかのように、企業は現状の方向をかたくなに守ろうとする。
暇の時間を潰すために仕事を増やすかのように、企業は事業計画や買収計画を実行して手持ちの余裕資金を使い尽くす
③トップが入れ込んでいる事業は、それがどれほどバカげたものでも、部下たちによる収益上、あるいは戦略上の詳細な分析によって迅速にサポートされる。
④事業拡張、買収、役員報酬の設定など何であれ、同業他社が行えば、企業は無意識に追従する

イッテー…なんかほとんどすべての大手企業に当てはまりそうな厳しいご指摘w

特定の通貨建てのマネーマーケットファンド、債券、モーゲージ、銀行預金、その他のインカム性の投資、こうした投資対象の大部分は「安全」であるとみなされています。しかし、こうした商品は実際には最も危うい資産です。こうした商品が期日通りに利払いや元本の償還を続けていたとしても、多くの国々の投資家は過去100年の間にこれらの商品に投資していたことで購買力を失ってきました。さらに、こうした悲惨な結果は絶えず繰り返されていくでしょう。お金の最終的な価値は政府が決定します。金融システム上の力学から政府は場合によってはインフレを生み出すような政策に走ってしまうことがあります。このような政策は時として制御が聞かなくなってしまうのです。通貨の安定を強く願っているアメリカですら、私がバークシャーの経営を引き継いだ1965年以降、ドルは86%という驚くほどの下落を示しています。当時私たちが1ドルで買っていたものは、今や少なくとも7ドルはかかります。課税企業の場合、状況はさらに悪いものでした。この同じ47年間、継続的に発行されてきた米財務証券の利回りは年率5.7%でした。これは十分だと感じられるかもしれません。しかし個人投資家が平均25%の所得税を納めているとすればこの5.7%のリターンは実質所得の面では何も生み出していないことになります。投資家にとってはっきりしている所得税によって利回りのうち1.4%がはぎとられ、さらに表面的には分からないインフレという税金によって残りの4.3%が失われるのです。

金利信仰に対する良い事例です。

LTCMが利用していた金融派生商品の一つはトータルリターンスワップでした。これは株式など様々な市場において100%のレバレッジを利用する取引です。例えば取引の当事者A(通常は銀行です)は株式の購入に必要な資産を全て拠出し、当事者Bは資金の拠出を一切せずに将来ある時点で銀行が実現した利益を受け取るか、損失を支払うことに合意するというものです。この種のトータルリターンスワップは取引証拠金制度を無意味なものにしてしまいます。そのうえ、他の種類の金融派生商品によって、規制当局がレバレッジを抑制し、銀行、保険会社およびその他の金融機関のリスク特性を全般的に把握する能力は著しく低下してしまいます。

デリバティブは規制や会計や税制を飛び越えてしまうなぁ…。