株式分割はアメリカ企業におけるありふれた行動であるが、バフェットは、これが株主の利益を損なうことを指摘している。

①株の売買の回転率を上げることによって取引コストが上昇すること。(取引手数料とAsk Bid Spreadのこと)
②株価ばかりにとらわれた短期的で市場志向の株主を引き付けること。
③その両方の結果として株価は企業の内在価値と乖離すること。

単元株価格を下げたり、株主優待などの政策には、私も反対だ。バークシャーのクラスBに相当する種類株、議決権のない優先株は最低取引価格をどんどん下げ、誰でも取引できるようにし、普通株の最低取引単位は、1000万円以上とならば、株主総会で不毛な質問をするゴミ株主を一掃できる

総会が非生産的なものとなる原因は、多くの場合、企業の問題よりも自分が壇上で話すことばかりに気を取られるような出席株主にあります。ビジネスに関する討議をすべき場が、素人芝居、恨みのはけ口、あるいは議論を擁護するための場と化してしまっているのです。(これはどうにもならない現実です。人は株価を払った見返りとして、話を聞かざるを得ない立場の顧客に対して、いかに世界を動かすかについて得々と語るものなのです)。こうした状況の下、自分自身にしか関心を持たない株主の常軌を逸した言動によって、企業に関心を持つ人々の出席率は下がり、総会の質は年々、低下の一途をたどっているのです。

アメリカでもいっしょか。国を問わない、民の習性のようだ。

もしストックオプションが役員報酬でないとしたら、それは一体何なのでしょうか。もし役員報酬が費用でないなら一体何なのでしょうか。もし費用が企業の利益の算出上、無視してよいとするならば、どこでそれを計上したらよいのでしょうか」。

むぅ…、株主に対して誠実な会計制度を…。バフェットはこんなことも指摘していたのか…。

取締役会のメンバーとしての必須条件は、事業に精通し、自分の職務に関心を持ち、株主本位に行動することです。ほとんどの場合、単に彼らが有名であるとか、毛色の違う人間を加えるためといった理由で、取締役が選任されています。この慣習は正すべきです

なんか…、これみんな読んだほうが良いんじゃないかな…。

ほとんどのCEOのみなさんは子供たちの資産の受託者又は隣人として喜んで迎えていただけるような人々です。しかしCEOのなかには、近年職場で良くない行動をとるものがあまりにも増えており、数字をごまかし、さほど良くもない業績に常識を外れた報酬が支払われています。とてもお行儀のよい人達が集まる会議室で、CEOを交代させるべきかどうかという問題を提案することはほとんど不可能です。同じようにCEOがOKを出した買収の提案に疑問を投げかけることも気まずいものです。特に、内部のスタッフと外部のアドバイザーが出席し、口を揃えてCEOの提案に賛成しているのであればなおさらでしょう(もし賛成していなければ会議室には居ないでしょう)。

ソフトバンクのアーム社の買収金額に対して社外取締役永守さんが異議を唱えたのはとても健全な例ですね。永守さん自身も「意見の相違があるのは問題では?」と問われて、「孫さんに賛成だけするならば私がここに座っている意味がない」と極めてまっとうなことをおっしゃっていました。

バークシャーが株式を保有することで、最高の取締役ですらさらに効率を高めることができるかもしれません。第一に私たちは通常CEOの仕事とされているような儀礼的で非生産的な活動を全てなくしています。バークシャーの取締役は全体として自らの仕事に専念しています。第二に、私たちが取締役に与える使命は単純です。会社を経営する際には、

①自らがその会社を100%保有していると考える。
②その会社があなたやあなたの家族が持つ資産のすべてであり、この先もそうであると考える。
③少なくとも一世紀の間はその会社を売ったり、合併を行ったりしてはならない。

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