古いやり方やシステムをそのまま使い続け、新しい仕組みやシステムを導入することに抵抗を感じる人が多いのだ。
 もしそれを導入しようものなら、初めてのことを覚えるのが面倒くさいのか、「その新しいシステムを使って、いままで使っていたシステムをどう再現するか」ということを考えはじめたりする。新しいシステムをそのまま使うのではなく、いままでの自分たちの形に合わせたものにしていく。これだと新しいシステムの良い部分までも捨ててしまうことになりかねないし、意味がない。

ハンコ以外にも日本企業は、古い体質を変えられないことが多い。
 たとえば、手書きの領収証もそうだろう。どこでも買える同じような領収証に手書きで金額などを書き、ハンコを押す。会社では印字タイプのものではなく、その手書きが一番だとも言われる。
 でも、冷静に考えてみて欲しい。
 どこでも買えるような領収証の紙に、簡単に複製できる捺印、バイトが書いた手書き文字。そんな領収証など、正直、いくらでも偽造ができてしまうのではないか? それであれば、プリンターで印字したものの方がよっぽど信頼性が高いはず。
 もちろん、海外では偽造できてしまう手書きの領収証は認めてもらえず、プリンターで印字された明細書でないと認められなかったりする。
 このようなことは、日本が「ハンコさえあればOK」という謎の文化を持っているからだろう。

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