自分の好きなオーケストラ曲を聞くことができる世界で唯一の都市ウィーン。7~8月は楽団員の休憩期間。ウィーンに行くなら9月~6月だ。
ちょっと乱暴な表現なので、詳細に解説していこう。
私が聞いたウィーンフィルのチャイコフスキー交響曲6番は確かに良かったのだが、私が強調したいウィーンでオケを聞くメリットは、個別の演奏や指揮者によるものではない。一般には、指揮者と楽団名を主体としてコンサートに行くようだが、私が一番重視しているのは演目だ。ある一つの曲、交響曲6番なら6番を、ベルリンフィルは、ウィーンフィルはどう演奏するのか、どう振るのか?の差が面白い。極端な話、音大生オケでも十分楽しめる。一方、日本を含むアジアでは、楽団名と指揮者で聞きに行くので、「ベルリンフィル来るのか…、ブラームス? 俺あんまり好きじゃないからパス」 なーんて言っていたら、永遠にベルリンフィルを聞くことはできない。
ウィーンで最も多い作曲家は当然ながらモーツァルトだが、モーツァルトの曲でぜひ聞きたいと思う曲はない。モーツァルトを除外し、
ウィーン オーケストラ・オペラ チケットサイト(日本語対応)
で、好みの曲を探すと…、まぁ、いくらでも出てくる。(どのくらい出てくるかは後ほど記す) ウィーンは音楽を除けばなんの取柄もない田舎町なので、優先順位一番で調べ始めたが、その3時間後、私はコンサート会場に居たのである。
「俺の好きな曲、聞いてみたいな~」
2週間以内で複数個の候補が出てくる街って、ウィーンが初めて。ベルリンとかもできるかもしれないが、パリは無理、演目は妥協せざるを得ない。
パリでもオーケストラやオペラなどをいつでも聞くことができ、値段もアジアほどは高くない。
オーケストラやオペラなどの”自分のお気に入りの曲”をいつでも聞くことができるのは、世界でもウィーンくらいであろう。
この2文の違い、重要ね。開催数が違いすぎる! 俺も日本でオーケストラのコンサートに数千~数万円使ったものだ。自分の好きな曲とは限らないコンサートのためにだ! しかし、今の俺にはそんな”贅沢と無駄遣い”はできない。パリだと価格はアジア比では安いが、演目で妥協せざるを得ない部分がある。ウィーンはパリより価格が安く、自分の好きな演目を選んで行けば良い。この違いは非常に大きい。
そして、ウィーンフィルの立見席、驚愕の値段は5ユーロだ。日本公演でウィーンフィルがいくら取ってるか、1万円弱~2万円くらいだろう。香港・シンガポール公演だと日本のように国内複数個所は回れないので、単価はさらに上がる。それが5ユーロ! 650円ですからね!
1.毎日開催 アジアでオケのコンサートを聞きに行ける日なんて、年に数回だけだ。
2.演奏件数が多い 例えば今日だけで見ても、オペラ 3 オケ 20弱。
3.価格が安い 立ち見価格は異様だから除外するにしても、通常席で、1/5~1/2くらい。
4.会場が狭い 臨場感あり。ラスベガスでUltimate Fighting Championshipを見た時も会場が狭く良かったが、チケット価格は500USDだったw
5.街が小さい すぐ行ける。近い。今日開催している演奏にはこのホテルから30分以内で全部到着可能。
Music is
of the people 毎日、気軽に
for the people 庶民的な価格で
by the people 民による演奏(※オペラ座近傍のレストランなどでは音大崩れのアンちゃんによるバイオリンだピアノ演奏付きがいくらでもある。今のところ、私は直接の経験はないが。音大崩れといえども、おそらく、運悪くウィーンフィルの議席を得ることができなかっただけで十分な腕前を持っているだろう。)
アウエルスペルク宮殿(モーツァルトがマリアテレジアに求婚した宮殿)、クアサロン(ヨハンシュトラウスゆかりと言いながらもルネサンス・イタリア調)、シェーンブルン宮殿(ハプスブルグ家の離宮)など、挙げればきりがないが、そのような宮殿でのディナーショーがわずか50~100ユーロ程度だ。レストランでの食事とのスプレッドはゼロにも等しい。