月: 2015年7月

フェイスブック若き天才の野望 4/4~ライバルと協力者

ザッカーバーグの長期的枠組みと確実に議論の余地なく一致するビジネス戦略をまとめるために、サンドバーグ会議の参加者たちは、ただ広告が重要だという議論にとどまらなかった。彼らは、フェイスブックの持つ機会を明確化し、差別化するための重要な特質にたどり着いた。グーグル-サンドバーグの古巣であり、紛れもなくインターネット広告の王者-は、ユーザーが欲しいかを決めているものを探す手助けをする。これに対してフェイスブックはユーザーが何が欲しいかを決める手助けをする。グーグルで何かを探すと、検索ボックスに打ち込んだ単語に応じた広告が表示される。その広告がユーザーにとって的を得ていることが非常に多いため、このプロセスはグーグルに何十億ドルという金をもたらす。しかし、ふつうユーザーがそこでクリックするのは、自分が探しているとわかっているものに応じた広告だ。広告用語で言えば、グーグルのアドワーズ検索広告は「要求を満たす」。対照的に、フェイスブックは要求を生み出す。グループはそう結論を出した。それが長年テレビを支配してきたブランド広告のしていることであり、広告宣伝費の大半が費やされている場面でもある。ブランド広告は人の脳に新しいアイデアを注入する-ほら、あなたはこれにお金を使いたいはずですよ。しかし、その種の広告がグーグルで上手く働いたためしはない。ユーザーが検索フィールドに「デジタルカメラ」というキーワードを打ち込めば、グーグルの検索を通じてキャノンのカメラが見つかるかもしれない。しかし、ユーザーにデジタルカメラが欲しくなるよう説得する上手い方法をグーグルを見つけたことがない。そのような方法を探究するグーグルの取り組みの結果、同社はソフトウェアがメール中の単語を監視して、ユーザーが反応すると思われる広告を表示するというGメールサービスに力を入れている。グーグルがあれだけ成功していても、その事業のほぼすべてが、広告業界全体から見て比較的小さな領域内で展開されている。全世界で年間6000億ドル使われる広告宣伝費のうち、わずか20%がすでに何が欲しいかわかっている人たちに向けた広告に費やされていることを、サンドバーグの調査員たちは発見した。残りの80%、すなわち年間4800億ドルは、今後の広告出費が次々とインターネットにシフトするにつれ、容易にフェイスブックの手の届くところに来る。インターネットは、テレビ、新聞、さらには雑誌からも消費者をもぎ取っていく。そして、そのインターネットの利用時間のうち、不釣合いな量をフェイスブックが取っている。いまやフェイスブックは、米国内およびほとんどの国で、ネットユーザーの費やす時間が圧倒的に多い場所である。


解任 マイケル・ウッドフォード オリンパス元CEO 4/4~改革失敗

結局のところ、ジャイラスおよび国内3社買収に関する巨額の支払いは、以前の経営陣から引き継がれてきたバブル期前後の財テクの損失を隠蔽するために使われていたのです。
アメリカ時間の11月30日(日本では12月1日)、私はニューヨークで会見を開きオリンパスの取締役からの辞任を発表しました。事前に宮田に電話した際に「オリンパスを見捨てるのか?」と言われましたが、もちろんそんなつもりはありません。その逆です。結局、先日の取締役会を経て、私が会社に残っていても、内部からオリンパスを改革するのは不可能だと確信したのです。社内の一取締役として私はいまだ完全に孤立していましたし、今の立場では外部の投資家、株主などと連携して再建の道を模索することも許されません。その前日に会社が発表した「経営体制の刷新と将来ビジョンの提示の検討体制の構築について」という声明に危機感を覚えたのも辞任のきっかけになりました。新たなコーポレート・ガバナンスの仕組みを作り、経営陣を一新するというその発表の方向性の評価できましたが、その検討チームの責任者を社長の高山が務めるというのです。旧経営陣を擁護してきた彼が、ガバナンス強化の責任者になるなど悪い冗談にしか思えませんでした。責任を問われ一新される経営陣が次の経営陣を選ぶ、などということが許されるのでしょうか?
オリンパスに真に必要なのは、現経営陣から完全に独立した新しい経営陣です。新しい経営陣なくしては傷ついた会社の評判を回復することはできません。そこで私は仲間たちと相談のうえ、取締役を辞任してプロキシーファイトに持ち込むことにしたのです。つまり、私を含んだ新経営陣案を提案し、株主による多数の賛同を得て、臨時株主総会で可決させようと言うプランです。私はそれがオリンパスにとってベストの選択だと考えました。会社の重要な意思決定は株主によってなされるべきです
> 日本人の世界は、会社の重要な意思決定は取締役会という密室で決められるべきってのが、日本の常識だから、それは違うんだわ。


野村證券 グローバルハウスの火種 1/2~新日鉄1000万株の成行のペロ

読んでもまったくためにはならないし、面白い内容でもないですが、これを読んでどう感想を抱くか、には価値がある本です。意味わかりますか? ちなみに僕の感想は、アロガントで自慢タラタラとは思いませんでしたが「よくいる古いオヤジだなぁ。」という印象です。皆さん、どうお感じになるのでしょうか?では早速抜き出していきましょう。
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このシステムでコンピューターに入力できるのは1件当り発注株数7桁まで。つまり1件1000万株を超える注文は想定外だ。ある日、産油国から新日鉄2000万株の買い注文を受注したが、コンピューターに入らない。結局、900万株2件と200万株に分割して発注したと当時の営業マンは回顧している。

でたーっw新日鉄1000万株の成行のペロ。よく聞く話です。でも途中でね、「産油国から」って言い方が随分他人事だなと思ったら、最後に、「当時の営業マンは」と正直に書いているじゃない。別に「俺が1000万株受注した」って自慢話ではないと思うの。2014年にもなっても、まだ「新日鉄1000万株」とか言ってる取り残されているオヤジだよ。よく居るじゃん、ってもう居ないかw
15年前だから2000年、その時代に、東大卒の若手軍団で構成された株の自己売買部門とはちょっと毛色が違う安定操作などを担当するおじさんばかり居る自己売買部門があって、いわゆる裁定取引やデリバティブのガンマトレードといった話ではなく、売買制度、「この場合はいくらで寄り付くのか?」などの質問に答えてくれる人たちです。質問しに行くといつも丁寧に、「例えば…」と言っておもむろに6501か5401と打つ。「銘柄が古いなぁ」と思っていましたが、おじさんに質問するといつも出てくるのは、この2つでした。当時の時価総額1位はNTT Docomoでしたw カネボウとかJALとかに比べて、新日鉄も日立も、今でも立派な一流企業ですが、株式市場の中心銘柄とはとても思えず、「いつの時代だよ」感w 新日鉄は、ちょっとだけ、名前変わったかw


お釈迦さまの脳科学 1/4 ~日本には仏教は伝わっていない

実は歴史を振り返ってみると、控えめに言っても、日本に「本当の仏教」が伝えられたことはなかったのです。ご存知のように、日本の仏教は中国を経由して伝えられました。仏教を日本に持ち込んだ人物として有名なのは、遣唐使船で中国に渡った最澄や空海です。空海は密教を日本に伝え真言仏教を完成させ、最澄は日本天台宗を開くことで後の日本仏教の礎を築きました。しかし、彼らが中国にいった時代には、すでに中国の仏教は道教から強い影響を受けていました。空海の場合はインド人の高僧(般若三蔵)から直接にサンスクリット語や密教を学んでいますし、最澄の学んだ天台教学は、天才・天台智顗(ちぎ)により一つの完成された仏教でありましたが、それでも釈迦の時代の仏教とはだいぶ異なっているのです。
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いずれにせよ、日本の仏教は道教・儒教と習合した中国仏教をベースに発展しています。その証拠は、あらゆるところで見ることができます。例えば、葬儀です。仏教式のお葬式は、中国の先祖崇拝の文化とともに作られました。戒名が書かれる位牌は、儒教の葬式に用いられていた「神主」(しんしゅ)が元になっています。死者の官位を書くための札なので、位牌と呼ばれているのです。また、日本でありがたがられているお経の中にも、インドではなく中国で作られたと推測されるものがあります。釈迦にもっとも近いとされる禅宗も、その起源は中国にあります。また、インドにおいても仏教は釈迦の死後、バラモン教や後のヒンドゥー教の影響を受けてかなり内容は変わっています。
仏教がバラモン教などの宗教と信徒を奪い合うことになり、呪文(マントラ)や法具、護摩焚きなどバラモン教の要素を取り入れるのです。それらは現世利益を与えるので、信者の獲得に有利でした。これが中期密教と呼ばれるもので、中国でも広まり、日本に伝えられます。これまで日本人が仏教として学んだものは、バラモン教や中国文化の影響を強く受けたもので、仏説つまり釈迦の教えからだいぶ変化しています。誤解して欲しくないのですが、私は日本仏教が劣った宗教だといっているわけではありません。空海は全く新しい宗教を作った大天才でしたし、浄土真宗の親鸞もキリスト教に匹敵する、世界宗教になりえる思想を生み出したと考えています。しかし優れた宗教ではあっても、それをそのまま釈迦の教えということはできないのです。
釈迦のオリジナルの教えに日本人が触れられるようになったのは、仏教学者でも昭和に入ってから、一般の人たちには21世紀に入ってからです。近年、より釈迦のオリジナルな教えに近い、スリランカなどで伝えられる上座部仏教(テーラワーダ仏教)が日本でも紹介されるようになり、興味を持つ人が増えてきました。日本で積極的に著作活動や瞑想指導をおこなっているアルボムッレ・スマナサーラ長老がその代表でしょう。大乗仏教の国とされる日本では、彼らの上座部は長い間「小乗仏教」と貶められてきましたが、上座部仏教では、釈迦の原型に近い教えや修行方法が伝統として受け継がれています。
また、ダライ・ラマ法王の世界的な活動によって、インドの後期密教の姿を色濃く残しているチベット仏教も注目を集めています。チベット仏教は、インドの後期密教がベースになっています。中期密教ではバラモン教は現世利益の思想が導入されましたが、さらに時間が経ち、後期密教になるともう1度、瞑想を中心とした修行に戻っていきます。チベット仏教にもマントラや法具は残っていますが、その数は少なく、しかも瞑想のために使われる道具にすぎません。後期密教では、釈迦の教えに立ち返っているのです。
オウム事件以降の約10年間、オカルトを題材にした番組が全く放映されなかったことで、オカルトに免疫のない人がたくさん育ちました。そして皮肉なことに、再びテレビがスピリチュアルなど、オカルト的な番組を流すと、免疫のない世代、またオウムの記憶が薄まってしまった人は、これらを批判なく受け入れるようになってしまいます。特に若い世代には、それ以前にオカルトについて知識を得る経験がなかったために、簡単にバカな論理にはまってしまったのです。こうして2005年から2007年にかけて、細木数子氏の占いブーム、江原氏によるスピリチュアルブームが起こりました。スピリチュアルと言うと、ソフトなイメージがありますが、魂や生まれ変わりを認める心霊主義でありオカルトの一種に違いありません。かつてのオウム真理教の信者なら、簡単にスピリチュアルブームにはまることはなかったでしょう。彼らの中には、天理教や阿含宗、場合によっては統一教会といった新宗教を一通り経験して、最後の行き先がオウムというような信者が珍しくありませんでした。彼らは、宗教やオカルトについてに知識をそれなりに得てはいたので、そこの浅いスピリチュアルブームなど歯牙にもかけなかったことでしょう。
「あの世」を説く宗教の論理は、ときとして「この世」に様々な問題を引き起こします。日本ではオウム事件であり、海外ではイスラム原理主義者によるテロです。もちろん、イスラム教自体が悪いのではなく、信仰心を利用して人を殺すように仕向けている一部のイスラム原理主義の勢力に問題があるのは言うまでもありません。経典が絶対の存在であるという原理主義は戦争やテロに利用されやすいです。前アメリカ大統領のジョージ・ブッシュがイラク戦争を始めたときもそうだったように、いまだに戦争には神の名が使われているのです。実はアメリカはキリスト教原理主義の影響力がきわめて強い国です
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これには歴史的な理由があります。アメリカの建国神話は、「1620年、イギリスで迫害されていた清教徒(ピューリタン)たちがメイフラワー1号で新天地を求めて新大陸に渡ってきた」というものです。清教徒はプロテスタンティズムの中でも、カルヴァン派の思想を受け継いでいるといわれています。プロテスタンティズムは16世紀の宗教改革によって生まれて宗教思想ですが、特にカルヴァン派は、当時世俗化し堕落したカトリック教会に対して、聖書を唯一のよりどころにすべきだ、という一種の原理主義運動なのです。正教徒によってアメリカが建国されたという歴史的根拠は実は怪しいのですが、こうした建国神話があるために、アメリカではプロテスタントの力が強く、様々な政策に影響を与えています。神の為なら自爆テロもいとわない一部のイスラム原理主義と、キリスト教原理主義が政治を動かすアメリカ、どちらも自分が信じる神こそが唯一絶対の神であるという考えを捨てない限り、今後も戦争がなくなることはないでしょう。






フェイスブック若き天才の野望 3/4~開放と公平性

自分自身をどこまで世間に見せるべきか。これはフェイスブックが我々に突きつけた重要な課題である。私はフォーチュン誌でテクノロジーを担当するベテラン記者で、、フェイスブックについて本を書いていることを、あなたに知ってほしいだろうか。それとも、57歳で、画家の夫で、ティーンエイジャーの娘を持つ父で、時折詩を書く、元組合活動家だったことを伝えるべきだろうか。これまでは社会的状況に応じて、たいていこの二つのうちどちらかの自分を見せてきた。私のフェイスブックで唯一のプロフィールには、およそ何もかもが暴露されている。
これは偶然ではない。ザッカーバーグがフェイスブックをそのようにデザインしたのだ。「アイデンティティーはひとつだけ」。ザッカーバーグが2009年に行ったインタビューで、1分間にこれを3回強調した。フェイスブックを始めた頃、大人のユーザーには仕事用のプロフィールと「楽しめるソーシャル用プロフィール」の両方を用意すべきだという声があった。ザッカーバーグは常に反対した。「仕事上の友達や同僚と、それ以外の知り合いとで異なるイメージを見せる時代はもうすぐ終わる」と彼は言う。「2種類のアイデンティティーを持つことは不誠実さの見本だ」「現代社会の透明性はひとりがふたつのアイデンティティーを持つことを許さない」
> すいません。FBアカウント2つも作っちゃってw


解任 マイケル・ウッドフォード オリンパス元CEO 3/4~報道

23日には「ニューヨーク・タイムズ」が佐川とアクシーズ・ジャパン証券の中川昭夫のジャイラス買収への深い関与を報じて、2人の行方を追っていました。同紙は翌日にも、オリンパス子会社のベンチャーキャピタルITX元社長の横尾昭信とその弟で投資顧問会社グローバル・カンパニー社長の横尾宣政の国内3社買収への関与を続報しました。『ニューヨーク・タイムズ』はグローバル・カンパニーの東京のオフィスを取材しましたが、すでにもぬけの殻でした。興味深いことに、佐川、中川、横尾宣政は全員野村證券の出身でした。
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> www、いいね。嫌味っぽくてw
私は可能な限り取材を受けていました。「日経ビジネス」、「週刊ダイヤモンド」、「産経新聞」のインタビューに答え、事件の経緯を繰り返し説明しました。CNNにも生出演しました。オリンパスや菊川のことは忘れて新しい人生に踏み出すこともできたはずです。ですが、30年勤めた会社を簡単に頭から追いやることはできません。宮田もオリンパスのために私が会社に残ることを強く望んでいました。彼は私の復帰が社員と世界中の株主のためになると信じてくれていました。


世界最大級プライベートエクイティ投資会社の日本戦略 カーライル 2/2

クオリカプスのどこに企業価値を上げる余地があったのか。旧株主の塩野義は日本企業の目線でクオリカプスをとらえていた。日本の製薬市場ではカプセルは脇役である。日本の製薬会社はまず錠剤化を目指す。と言うのも日本の患者は粒の小さな錠剤のほうが飲みやすいと考えているからだ。できないものだけがカプセルに格納される。だからカプセルの市場はそれほど伸びないと日本目線の株主は考えるのである。ところが医薬品市場で日本の割合は市場の10%に過ぎない。世界の製薬市場、言い代えればカプセル市場の50%は米国、35%は欧州、残る5%が新興国つまりインドと中国、南米が占める。米国や欧州の目線ではカプセル市場は伸びない市場とは見られていない。消費者も医者も製薬会社もカプセルを脇役と考えていない。しかも医薬品用カプセル市場の目線で眺める者にとってクオリカプスの市場は成長市場であった。
では競争はどうか。意外なことに医薬品のカプセルの製造は、高い技術力が必要とされる参入障壁の高い事業である。実際にグローバル市場は、ファイザーの子会社で世界一位ののカプスジェルと2位のクオリカプスの2社で寡占されている。少なくとも欧米の巨大製薬メーカーの生産にあわせてグローバル供給のできるサプライヤーはこの2社以外にはいない。日米欧いずれかの市場で強いローカル企業を入れても、競争企業は5~6社といったところである。なぜカプセルを作るのがそれほど難しいのか。溶解したゼラチンが時間とともに固まってくるプロセスにおいて気温、湿度、圧力、ゼラチンの残量そして時間といったさまざまな変数の中で、均質なカプセルを製造するプロセスコントロールが難しいのである。上下2つのカプセルはぴたりとはまって外れないぎりぎりの精度で大きさが仕上がることが必要であり、割れたりへこんだりした不良品が混じっていないことが要求され、均質な厚みで高速充填に耐え、かつ胃の中では一定の時間で消化されることが大切である。


臆病者のための株入門

橘玲好きなんだけどなぁ。この本はかなり酷い、本当に本人が書いたのかな? 株式市場に対して、素人が中途半端にモノ言うことに対して私が厳しすぎるのだろうか?

私が株に興味を持ったのはかれこれ10年くらい前(2006年発行だから1996年)、「ビル・ゲイツ未来を語る」を読んですっかり感化された私は、この革命児が経営する会社に投資することを思いつき、その頃勤めていた会社の近くの日本一大きな証券会社の支店に生まれてはじめて株を買いにいった。応対してくれたのはちょっと世を拗ねたかんじのおじさんで「マイクロソフト?そんな会社、きいたことありませんねえ」と慇懃な笑いを浮かべ、「株をおやりになるのなら、すこし勉強なさったほうがよろしいんじゃありませんか」と、カウンター脇に置いてあったパンフレットをくれた。

うん、でも買わなかったんですよね。いるんですよ、後出しじゃんけんトーク。「あの時、アップル買おうと思ってた」聞き飽きるほど聞いている敗者の戯言ですよw


フェイスブック若き天才の野望 2/4~女は写真好き

「ぼくらが写真を見る時、何をまず一番気にするだろうって考えた。それは誰が写っているかじゃないかって思いついた」 フェイスブックの写真には、そのなかに写っている人間の名前をタグ付けできることになった。写真チームはさらに二つの重要な機能追加を決めた。次の写真を見るには、単に現在表示されている写真のどこかをクリックするだけでよい。他のサービスのように「次へ」ボタンを押さなくともいいようにした。もう一つの決定は一種の賭けだったが、フェイスブックに保存される写真の圧縮度を思い切ってあげたので、表示される写真の解像度がはっきりわかるほど落ちた。これは写真のアップロード速度を上げるためだった。ユーザーは数分で大量の写真をアップロードできた。問題はユーザーが低い解像度を受け入れるかだった。それに写真へのタグ付けはどのくらい利用されるだろうか?10月の末、チームは不安を抱きながら写真機能を公開した。巨大なモニターにはユーザーがアップロードしてくる写真がリアルタイムで表示されるようになっていた。最初の画像はネコの漫画だった。チームは顔を見合わせた。と、1分ほどで写真が現れ始めた。女子学生の写真だった。女子学生のグループ写真、パーティー写真、他の女子学生を撮っている女子学生の写真。そして写真にはタグが付けられていた!女子学生の写真が奔流のように流れ込んだ。女性の写真がモニターいっぱいに並ぶ中に、男性が写っている写真は数えるほどだった。女性たちはお互いの写真をアップロードすることで友情を確かめ合っているらしかった。
> ネコと女。僕のアカウントでもそんな感じです。


解任 マイケル・ウッドフォード オリンパス元CEO 2/4~火種

解任された10月13日の2ヶ月前のこと・・・
記事の見出しは、「オリンパス-『無謀M&A』巨額損失の怪」とかなり挑発的でした。悪魔のように見える菊川の写真が使われています。記事によればオリンパスが売上高がそれぞれ2億円にも満たないベンチャー企業3社(産業廃棄物処理会社アルティス、電子レンジ容器の企画/販売を行うNews Chef、化粧品や健康食品を通販するヒューマラボ)を08年3月期にあわせて700億円近くで買収、子会社し、翌年にはほぼその全額を秘密裏に減損処理したというのです。また500億円、総資産が1000億円程度のイギリスの医療機器メーカー、ジャイラスを2700億円もの高額で買収したことについても触れていました。さらに記事は、この不明朗なM&Aによる損失と怪しげな投資顧問会社グローバル・カンパニーとの関係を指摘して会長の菊皮の経営責任を激しく追及していました(『FACTA』2011年8月号、7月20日発売)
菊川剛
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世界最大級プライベートエクイティ投資会社の日本戦略 カーライル 1/2

米国では大企業の株主が非常に短期間、つまり1年か2年で企業を売却してしまう。極端なことを言えば、株主が所有者ではなくトレーダーになってしまっている。一方で日本の問題は正反対だとガースナーは言う。日本の株主は、非常に長期に会社の株を保有する。しかも非常に目立たない株主として保有する。この正反対の状況は、どちらの場合も共通の不健全な状況を引き起こす。つまりマネジメントを適正にガバナンスする者が不在になるのである。米国のように1年で交代する株主には長期の視点で経営者を統治するインセンティブはない。一方で、長期にわたって株式を保有する日本の機関投資家の場合は、物言わぬ株主であり続けてきた結果、企業ガバナンスからは遠い存在となっている。皮肉なことに過去数年において、株主が経営陣に対して一番強い要求をつきつけてきたのは中国だったという。「中国では政府が株主だったわけです。だからそれなりに企業に対して政府がこういったことをやれと命令するアジェンダを持っていた」 それは経済的な競争力と言うよりは社会的な目的、つまり雇用に重点が置かれていた。


家計の金融資産残高が1700兆円を突破

良いじゃん、めちゃくちゃ増えてるし。日本の民のみなさ~ん! 儲かってますか? 株じゃないですよ。給与を預金して預金総額が増えてても良いし、厚生年金として天引きされた分も年金資産なので、金融資産大きくなってるじゃないですか。お金持ちなんだから、みんな下向いちゃだめだよ~♪株を持ってて儲けている人が周りに居るかもしれないけど、そんなの気にする必要ないよ。給料もらって預金して増えているなら、株なんかに投資する必要は全くないと思うよ。
じゃあ、なんで俺は株やデリバティブに金を突っ込んでるのかって? 給料がゼロだからだ! 誰か俺に金をくれ。(コンプライアンス上ミニマム1億円からですw

家計資産の黒字、15年ぶり高水準、昨年度25兆円。
日銀が29日発表した1~3月期の資金循環統計で、3月末の家計の金融資産残高が初めて1700兆円を突破した。投資信託の保有が増えたうえ、株高で評価額が高まったためだ。現預金の残高も増えており、2014年度1年間の家計の資産と負債の差額からはじき出した黒字額ともいえる資金余剰は、15年ぶりの高い水準となった。リスク投資を増やす一方、消費活動などに慎重な姿勢もうかがえる。
 3月末の家計の金融資産残高は1708兆円で、前年同期から85兆円(5%)増えた。このうち53兆円は円安や株高に伴って時価が増加した分だ。内訳をみると株式が20%増の100兆円、投信は22%増の95兆円となった。現預金も2%増の883兆円となり、家計資産の過半数を占めた。
 「資産運用に前向きだが消費には慎重」という家計の姿は、資金余剰から見て取れる。家計は14年度に新たに25兆円の「黒字」となった。前年度比57%増え、1999年度(27兆円)以来の大きさとなった。
 投信や社債の運用が増えたほか、ボーナスの増加や高齢化による年金受け取りの拡大で現預金が増えた。日銀は「所得環境が改善しているのに消費や住宅投資が鈍いため、金融資産が増えている」と分析。現預金の増加は安全志向が残っている証しとみている。
 家計に対し、企業にはお金を使う前向きな姿勢が見え始めた。企業部門を示す民間非金融法人の14年度の資金余剰額は前年度比49%減の10兆円となった。08年度(9兆円)以来の低さだった。
 14年度は事業拡大に向けてコマーシャルペーパー(CP)を発行し、短期資金を調達する動きが拡大し、資金余剰額が縮小した。昨年10月の日銀の追加緩和による金利低下も、リース会社などのCP発行の追い風となった。リーマン・ショック直後に社債やCPの市場が機能不全に陥り、銀行借り入れが増えた08年度とは様相が異なる。
 国と地方を合わせた政府部門は24兆円の資金不足。景気回復に伴う法人税収上振れなどで不足額は前年度比22%減った。

日銀の資金循環統計から家計部門の推移を抜き出してみました。
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フェイスブック若き天才の野望 1/4~大学内SNSとして

フェイスブックは75種類の言語で運営されており、活動中のメンバーの75%はアメリカ以外の国民だ。フェイスブックのユーザー人口では依然アメリカが最大だが、2位が英国、トルコ、インドネシア、フランス、カナダ、イタリア、フィリピン、スペイン、オーストラリア、コロンビアと続く。
> あれ?日本は?ミキシー?高学歴諸君はFB利用率高そうだが、メールアドレスがドコモとかの人って使ってなさそうねw
フェイスブックが最終的に成功を収めることができた重要な理由の一つは、大学で始まったことだ。大学では人間関係が濃密だ。多くの人々は一生のうちで大学時代に最も活発に友達と交流する。この事実をモスコヴィッツは彼らの運命を大きく変えた春学期に学んだ。モスコヴィッツは、ザ・フェイスブックのトラフィックから得られたデータを用いて統計学のレポートを書いた。そこで彼は次のような法則を発見したと述べている。
あらゆる大学において、すべての学生は2次以内のつながりで知り合いであった
つまり学生たちは平均するとたかだかひとりの媒介者を通じて知り合いであるということだ。
> ってことは、任意の二人選ぶと、共通の友達がいるということになる。そこまで狭くないよなぁ・・・。大学時代の友人のほうがFBでつながりやすいという傾向はあるが・・・。


解任 マイケル・ウッドフォード オリンパス元CEO 1/4~生え抜き社長

私は21歳でオリンパス傘下のキーメッド社に入社して以来、オリンパスに30年の歳月を捧げ、思いがけなくもその社長となりました。当時、日本の有名企業では、日産のカルロス・ゴーン、ソニーのハワード・ストリンガー、日本板硝子のクレイグ・ネイラーらの外国人トップが活躍していましたが、私とこの3人には明確な違いがあります。彼らがそれぞれの事情で外部から社長になったのに対して、私は「生え抜き」の「サラリーマン」社長でした。私は会社に長年の忠誠を尽くし、世界の同僚たちと協力して身を粉にして働き、海外の販売会社、地域統括法人で利益を上げ、そして、2011年4月、オリンパス・グループを率いる社長になったのです。妻子をイギリスに残し、代々木公園近くの渋谷のマンションに単身赴任して、日本の優秀な「ものづくり」企業であるオリンパスの改革を前進させる使命を全うするつもりでした。
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日本全土落下傘計画2015年 横浜編 2/2~みなとみらい開発計画

みなとみらい・・・というか我々はJR派なので桜木町へ。ランドマークタワーでランチ。
S先輩「インターネットで予約したからシャンパン一杯無料!」
エクセレント~♪ 15年前とあんまり変わらない風景を見ながら「あのビルだけ見たこと無い気がする・・・」などと。
では15年ぶりに横浜・みなとみらいをお散歩してみましょう。ランドマークタワーからクイーンズスクエアを超えて、インターコンチを右に見ながら左手には・・・、
あれ? 初めて見ます。パシフィコ横浜(開館1994年)と臨港パーク(開園1988年)。あれー?随分前からあった? 単に来た事が無かっただけ? やっぱり俺の目は節穴。なにしろ5年住んでいる部屋の入り口に置いてある扇風機の存在に5年目にして初めて気付いたほどの節穴っぷりなので、自分の目が信用できない。
と思いきやパシフィコ横浜というのはインターコンチのことで、その左手にあるのは2001年に増設された展示ホール(グーグルマップ上ではパシフィコ横浜)。そう展示ホールは、15年前には無かったんですよ。ハイ・・・。
展示ホールを臨港パークを見ながら海沿いに歩いて横切ると・・・
おぅ、またまた初めて見ます。MM Towersというタワーマンション群が。これは2003年10月築なので私の見間違えではなさそうです。15年前は確実に無かった。S先輩も私もですが、郷土愛が無いので、
「ここって埋め立て?いつから?」
などというのは互いに疑問に思っても、誰も解決することができません。なので私が今解決します。みなとみらい開発計画の全貌がWikipediaに載っていたのですが、超長いッ!こんな壮大な開発計画だったのですね。
みなとみらい開発計画の全容
当地区全体の面積は約1.86km²(約186ha)、そのうち埋め立て部は約0.76km²(約76ha)である。
1980年代に再開発が行われる以前は、当地に三菱重工業横浜造船所、国鉄高島線(貨物支線)の東横浜駅および高島駅・高島ヤード(操車場)、高島埠頭、新港埠頭などがあった。
当地区は現在も事業中であり2014年3月末時点の事業進捗率は約84%、暫定利用施設を除く本格利用地区の割合は約65%となっている。
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おそらく私が示した地図でこの地区を網羅しており、緑色の部分が埋め立てに相当する。1980年代まではこのような企業所有地であり、一般に人が立ち入るところでは無かった。そして現在でも利用割合65%に留まっているため、パッと見ても空き地が散見される状態である。


アジア通貨よりも高いVolatilityを持つ日本円という事実

日本人は自国通貨が下がると喜ぶという世界でも稀な民族(唯一ではなく、もう一つはスイス)であるが、グローバルに経済がつながっている以上、円安は日本人にとって日本の地位が下がることを意味していることを再認識しておきたい。ちなみに私は円高になると「円高で日本はだめになる」、円安になると「円安で日本はだめになる」と言っている人たちとは異なり、首尾一貫して、円高は円資産の価値を相対的に上げると、超当たり前のことを言っているのだ。例えば
2009.03.12 ゆっくり見ると為替(FX)が通貨(Currency)に見えてくる
の記事でも、2009年、1ドル90円の時代から一貫して述べていることだ。円高のメリットを日本人に言っても通じないか? 円でしかものを見れない、円のみを尺度としてしか価値判断ができない、そんな円を信仰している信奉者には、アジア通貨はどう見えているだろうか?
アジア通貨がFree-Floatではないことは今まで触れてきたが、もう少し簡単な話をしよう。アジア通貨の値動きそのものをご存知かな?
アジア通貨の値動きと言えば、1997年のアジア通貨危機で大暴落した通貨群という印象があろうが、最近1年、3年、5年でどのように動いているか、知っているかね? アジア通貨は値動きが荒く、先進国の金融政策や景気変動に影響を受けやすく、米国の金融緩和停止、利上げを織り込みつつあるマーケット環境で大きく下落している? これがアジア通貨など見たこともないのに、そう思い込んでいる日本人の一般的な感覚ではないだろうか?
では実際に、基軸通貨であるUSDに対して、アジア通貨がどのように動いてきたか見てみよう。ドルに対する1年間のパフォーマンスとDailyで計算したVolatilityである。(Cocos債だトヨタAA種類株式だと緊急アップしたのでちょっと情報が古くて申し訳ない。計算時点は2015年6月15日)
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中国人民銀行による作為的相場形成で自国通貨をドルに固定している中国元が1位だ。HKDはカレンシーボード制で固定しているのでVolatilityは無いに等しい。えーっとぉ…一番下がってる通貨は…何か見えるかね? 一番値動きが荒い通貨はどれかね?


ハイエク マルクス主義を殺した哲人 3/3~平和的商業主義

お金の自由こそが幸福の源 貨幣はこれまで発明されてきた自由の道具のうち最も偉大なものだ
計画経済は独裁的な方法を必要とするから、責任と権力を一人の統制者の手に委ねるべきであり、統制者の行動は民主主義的手続きから解放されなければならない、という計画主義の主張があります。そういう議論が出てくるとき、統制経済は生活の心配がないようにするものであり、ただ経済問題にだけ適用して他のことには関与しないとか、生活の不安がなくなりもっとレベルの高い価値を追求する自由を得るだろう、というようなことが、計画主義者の口から発せられるとハイエクはいいます。これは計画経済、統制経済の悪魔のささやきなのです。
「経済的動機」と呼ばれるものは「チャンス全般への希望」であり、お金は色々な目的を達成するための力への欲望を意味するに過ぎないとハイエクは説明しています。お金があったら外国に行こう、温泉に行こう、別荘を構えよう、子供を大学にやろう等々、そういう目的のためにお金が必要だということはいうまでもないことでしょう。もし、お金だけを純粋な目的とする人が居るとすれば、それは病的な守銭奴以外にないとハイエクに言います。また、世の中にお金があるから貧乏があるとか、お金を憎むというのは、手段と目的を取り違えています。そして、お金は最も広い選択の幅を与えてくれるものであり、自由の道具であり、自由の元だといっています。その裏づけとして「金銭的動機」のほとんどを「非経済的誘因」へ改めたらどうなるかを考えてみることを、ハイエクは勧めています。労働報酬がお金でなく表彰や特権、地位、食べ物、家、旅行、教育の特典といった具体的な形、つまり現物給付でしかもらえなかったらどうなるか。受け取る者に選択の余地がなくなってしまうのは明らかなことです。
> 僕もそうでした。高いマンション、ビジネスクラス、海外での日経新聞や携帯。「それ要らないんで金ください。」と思うと辞めるしかないよね。


武富士対山口組 3/3~株式上場へ

彼が大蔵省銀行局長時代はサラ金地獄が社会問題化していた。サラ金など百害あって一利なしとたたかれた時代に、サラ金を消費者金融に脱皮させ、存続させることを説いて回ったのが徳田である。サラ金規正法と呼ばれる貸金業規正法が成立したのは彼が退官後の昭和58年だが、その路線を敷いたのは徳田だといわれる。彼は昭和61年4月から金融制度調査会の委員になる。前後して59年からは同調査会のサラ金業界などをあつかう消費者信用専門委員会の委員長を務めた。同委員会が昭和62年7月に発表した報告には「与信業者が株式上場を行い、良質な資金調達をはかっていくことも今後の方向」とうたった。サラ金は利息制限法の上限金利を上回る金利で貸付を行っている。しかし、同委員会の提言を持った「報告」は、株式公開の前提として利息制限法の遵守を位置づけていない。サラ金大手は、サラ金地獄のイメージを払拭すると共に、有利な資金調達を狙って昭和50年代後半から株式上場を企図していた。各社はサラ金地獄を背景に大手銀行がサラ金への融資を引き上げた苦い経験を持つ。だから、直接資金調達のできる株式公開を目指し、平成5年のプロミス、三洋信販、アコムを皮切りに店頭公開、上場にこぎつけた。


トヨタAA種類株式のバリュエーションのまとめ

優先株や新株予約権について、今までもこのブログ上で言及してきたことがあったが、読者の反応が極めて弱いことから軽くツイッターでつぶやくだけで終わらせようと思っていたところ、たった1人の勇気あるツイッターフォロワーがこの私に対して、熱心に質問を繰り返してきたので、その結果をまとめようと思う。ツイッターではその本質的な内容について既に言及したことの繰り返しになるので、ストーカー並みに私のツイッターを追っている読者にとっては何の意味もない記事となろう。ちなみに”ブログ上”で私が言及してきた超重要な「優先株・新株予約権」についての記事は、ブログの右側にある「新株予約権タグ」をクリックすることでその全容を読むことができる。
トヨタAA種類株式は金融機関の発行するTier1証券と異なり、個人投資家向けに販売していることから、一般読者への影響もある。また、ちまたにトヨタが個人投資家相手に有利なファイナンスをしているとか、逆に割高なファイナンスだとか、引受証券の野村証券が不当に儲けているだとか、根拠に乏しい被害妄想が飛び交っているのも聞くに耐えないので、AA種類株のバリュエーションについて真面目にここで言及する。
トヨタAA種類株式とはいかなるものかは、トヨタが自身のWebにて、きちんと公開しているので参照されたし。
http://www.toyota.co.jp/jpn/investors/stock/share_2015/pdf/commonstock_20150616_02.pdf
↑を読みましたか? or 内容は既に知っていますか? Yesの人のみ続きにお進みくださいw まま、続き読んでから確認の意味で後で読むつもりでもOKだよw
私が見たところ、インターネット上の評価では、トヨタAA種類株式についての
0.5%~2.5%に毎年0.5%ずつ上昇するステップアップ配当。
発行価格=行使価格、株式に転換する権利が発生する価格。
5年間の譲渡制限。
の3点が重要視されているようであるが、
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それらはAA株のバリュエーションの本質とは全く異なる観点である。種類株とはいえAAは株式なので満期が無い。株式に転換する権利と5年後以降発行価格の2.5%の配当もらえる権利が永遠に続く。
AA種類株式ホルダーの権利=株式に転換する権利+2.5%の配当をもらう権利+発行価格で買い取ってもらう権利
の3種混合の権利をホルダーは所有している。しかもその権利に時間的制約はないので永遠、かつ、上記の3つの権利はホルダーの好きなように行使できるので、以下のように最大値をもって書き換えられる。
MAX(無限年コールオプション、2.5%永久債、元本価格プッタブル)=MAX(行使価値、保有価値、買取請求価値)
ではこの3要素をより具体的にバリュエーションしていこう。


日本全土落下傘計画2015年 横浜編 1/2~伝説のS先輩

横浜に落下傘部隊は居ないので、ちょっとタイトルが嘘なのですが、細かいことはいいでしょう。あまり言及していませんでしたが、私の地元、日本に住んでいた時は、ずっと横浜に住んでいましたので、最も長い間すごしたところでもあるのです。ただ、知識はもっとマイクロ、例えば、私の実家から自転車移動圏内における、任意の2点間移動の、信号の数を最小化した移動経路は、すべて頭に入っているほど詳しい。とはいえ、もう長く日本に住んでいないので、新しい施設や開発の状況は全く知らない。また、観光もしないので、「MM(みなとみらい)」もほとんど知らない。実は2年くらいMMにオフィスがあったので、毎日通っていたのだが、ランドマークタワーと家の往復のみなので、MMの埋め立て・開発状況に注意を払ってこなかった。思えば、実に意識・アンテナが低い青少年時代をすごしてしまったと反省している。
さて、15年ぶりにみなとみらいでも行ってみよう。平日の昼間、東京のお友だちはみんなお仕事wなので暇だから、地元のS先輩と駅で待ち合わせ。ここが横浜のすごいところ。何年経っても高い歩留まり。みんなずっと地元に住んでいるのです。S先輩だけでなく、色々いるのですが、結婚して実家を出た者も、結局、横浜に住み続けているので、いつでも集結できるのです。お昼の平和な電車の中にて、
S先輩、伝説でしたものねぇ。前歯2本折っちゃうとか
「手、血だらけでバイト先に来た時も、衝撃でしたよぉ~、マジで」
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と周囲を凍りつかせるような会話をしながら・・・


永久債利回りとクレジットスプレッド

三井住友、2000億円超調達へ、新型債発行、みずほも1000億円。
大手銀行が国際資本規制への対応を加速する。三井住友フィナンシャルグループ(FG)は7月中に2000億円以上の新型債券を発行する。みずほフィナンシャルグループも同月中の起債を計画する。海外展開する銀行への資本規制の強化をにらんだ動きだ。
 三井住友FGが発行するのは償還期限のない「永久劣後債」という債券。主な買い手は生命保険会社などの国内機関投資家だ。普通株などで算出される自己資本比率が5・125%を下回った際に元本が削減されるが、同比率が上向けば元本も回復するのが特徴だ。金利は2%台になる見通しで7月下旬にも発行する。
 みずほFGも元本回復の条項を付けた永久劣後債を1000億円以上発行する見通しだ。3月に1000億円規模の永久劣後債を発行済みの三菱UFJフィナンシャル・グループと合わせ、3メガバンクがそろって資本増強に踏み切る。
 背景にあるのは「バーゼル3」と呼ばれる銀行の国際資本規制の強化だ。2015年3月期時点では、資本金や優先株など中核的自己資本(Tier1)ベースの自己資本比率は6%必要だったが、19年3月期には8・5%になる。グローバル展開する銀行には一段の上乗せが求められ、三井住友FGは9・5%以上必要になる見通しだ。
 永久劣後債は中核的自己資本に算入され、三井住友FGは今回の発行でTier1比率を0・35%程度押し上げる効果があると見込む。増資と異なり、1株利益も低下しない。15年3月期時点の同比率は12・89%で、今は余裕があるが一段の規制強化もにらんで早めの資本増強に動く。過去の優先出資証券の償還に合わせ今後、中長期で1兆円を超す永久劣後債を発行する計画だ。

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さて、いよいよバーゼル3の資本増強が日本の金融機関でも観測されるようになってきたが、三井住友、う~ん、良いですねぇ。日本の銀行の先駆者的な感じが僕は個人的に評価しています。三菱UFJの発行事例を見ると、なんだかよくわからない発動条項でも発行して売れちゃうみたいだから、三井住友もそのノリでやっちゃうとなると、評価が変わるかもしれないが・・・。
おそらく日本の金融機関がこれから発行するTier1証券は、この三井住友型のコピーペーストになるであろうから、まずは、「自己資本比率が5・125%を下回った際に元本が削減される」という(エキゾ語で表現するところの)自己資本比率ノックイン条項は無視した、シンプルな永久債のバリュエーションについておさらいしておこう。
従来型のクーポンc(面倒なので年1回払いw)のn年の債券のキャッシュフローとバリュエーションは
債券価格
で表される。
一方、永久債のキャッシュフローとバリュエーションは
永久債価格 
で示される。(これがわからない人、まぁ居ないと思うがw一般読者は、「無限等比級数の和」でぐぐると、どこにでも書いてあるw)とにかく、永久債価格Pがあれば、その価格からインプライされる無限年クレジットスプレッドrは簡単に求めることができる。
自己資本比率ノックイン条項がどのように入るかまだわからないので書くことはできないが、そのマイナス分を考慮すると、
Tier1証券価格Q=永久債価格P-自己資本比率ノックイン条項K
なので、K=0と想定して得られるTier1証券クレジットスプレッドが3%の場合、K>0であるならば、無限年クレジットスプレッドrは3%以下となる。
Q=P-K=c/r-K
なので無限年クレジットスプレッドrについて解けば
r=c/(Q+K)
例えば、Tier1証券価格Qが100の発行当初、3%のクーポン、自己資本比率ノックイン条項Kのバリュエーションが10だとしたら
無限年クレジットスプレッドr=3/(100+10)=2.73%となる。
過去に欧州で発行されたTier1証券の例を見ても、発行当初から現在に至るまで、自己資本比率ノックイン条項K、すなわち、Tier1証券の資本性部分(特にリスク)については無視して取引されている。つまり、債券部門がTier1証券をクレジット商品として扱うのが実際の事例で、おそらく日本でも、そうなる。
Tier1証券のモデル化はきわめて難しく、保有目的やトレーディングの方法によって、様々な仮定を定め、主観的にバリュエーションせざるを得ないだろう。Tier1証券が価格Qで取引されていて、単に市場価格に合わせて時価評価Qとすると、それを無限年クレジットスプレッドr(上記の事例だと2.73%)+Kで評価するのか、Tier1証券クレジットスプレッドのみ(上記の事例だと3%)で評価するのと、当然ながら価格という意味でのバリュエーションは変わらない。変わるのはリスク管理で、自己資本比率ノックイン条項Kのバリュエーションが無視できないくらい大きくなる時、次回の金融危機懸念が起きた時、その違いが顕在化するだろう。
その時に慌てて、資本性を意識して、対応しようとしても時すでに遅しだ。仮に自己資本比率が低下して、クーポンが停止したとしよう。その場合、キャッシュフローはなくなるわけだから永久債としてのバリュエーションがかなり空虚なものになるのは想像に難くないだろう? その場合、永久債部分Pの価値を0として、自己資本比率ノックイン条項Kのバリュエーションで評価してしかるべきでしょう? これは永久債。つまり次回の金融危機が何年後に起ころうが、100%残存している素晴らしい爆弾だ。俺はそれを楽しみに待っている。
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ハイエク マルクス主義を殺した哲人 2/3~民主主義下の独裁

民主主義と社会主義にはたった1つ共通しているものがあるという指摘も紹介されています。ド・トクヴィルのいう共通点は「平等」という言葉のことです。ただし、言葉としては同じでもその中身は違っています。民主主義は自由において平等を求めようとするのに対し、社会主義は統制と隷属において平等を達成しようとしていると、それぞれの意味の違いを上手に説明しています。別の言葉で言えば、民主主義の自由は機会を平等にする自由で、社会主義は結果の平等だということになるでしょう。ところが平等と言う言葉が出たときに、社会主義こそが「新しい自由」をもたらす約束になったとハイエクは言います。自由と平等がいつの間にか一緒になってしまったのです。このことを「自由」という言葉の意味を社会主義者たちがたくみに変えてしまったとハイエクは非難します。
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