優先株や新株予約権について、今までもこのブログ上で言及してきたことがあったが、読者の反応が極めて弱いことから軽くツイッターでつぶやくだけで終わらせようと思っていたところ、たった1人の勇気あるツイッターフォロワーがこの私に対して、熱心に質問を繰り返してきたので、その結果をまとめようと思う。ツイッターではその本質的な内容について既に言及したことの繰り返しになるので、ストーカー並みに私のツイッターを追っている読者にとっては何の意味もない記事となろう。ちなみに”ブログ上”で私が言及してきた超重要な「優先株・新株予約権」についての記事は、ブログの右側にある「新株予約権タグ」をクリックすることでその全容を読むことができる。
トヨタAA種類株式は金融機関の発行するTier1証券と異なり、個人投資家向けに販売していることから、一般読者への影響もある。また、ちまたにトヨタが個人投資家相手に有利なファイナンスをしているとか、逆に割高なファイナンスだとか、引受証券の野村証券が不当に儲けているだとか、根拠に乏しい被害妄想が飛び交っているのも聞くに耐えないので、AA種類株のバリュエーションについて真面目にここで言及する。
トヨタAA種類株式とはいかなるものかは、トヨタが自身のWebにて、きちんと公開しているので参照されたし。
http://www.toyota.co.jp/jpn/investors/stock/share_2015/pdf/commonstock_20150616_02.pdf
↑を読みましたか? or 内容は既に知っていますか? Yesの人のみ続きにお進みくださいw まま、続き読んでから確認の意味で後で読むつもりでもOKだよw
私が見たところ、インターネット上の評価では、トヨタAA種類株式についての
0.5%~2.5%に毎年0.5%ずつ上昇するステップアップ配当。
発行価格=行使価格、株式に転換する権利が発生する価格。
5年間の譲渡制限。
の3点が重要視されているようであるが、
suzukimasayuki-chigauchigau.jpg
それらはAA株のバリュエーションの本質とは全く異なる観点である。種類株とはいえAAは株式なので満期が無い。株式に転換する権利と5年後以降発行価格の2.5%の配当もらえる権利が永遠に続く。
AA種類株式ホルダーの権利=株式に転換する権利+2.5%の配当をもらう権利+発行価格で買い取ってもらう権利
の3種混合の権利をホルダーは所有している。しかもその権利に時間的制約はないので永遠、かつ、上記の3つの権利はホルダーの好きなように行使できるので、以下のように最大値をもって書き換えられる。
MAX(無限年コールオプション、2.5%永久債、元本価格プッタブル)=MAX(行使価値、保有価値、買取請求価値)
ではこの3要素をより具体的にバリュエーションしていこう。