結局のところ、ジャイラスおよび国内3社買収に関する巨額の支払いは、以前の経営陣から引き継がれてきたバブル期前後の財テクの損失を隠蔽するために使われていたのです。
アメリカ時間の11月30日(日本では12月1日)、私はニューヨークで会見を開きオリンパスの取締役からの辞任を発表しました。事前に宮田に電話した際に「オリンパスを見捨てるのか?」と言われましたが、もちろんそんなつもりはありません。その逆です。結局、先日の取締役会を経て、私が会社に残っていても、内部からオリンパスを改革するのは不可能だと確信したのです。社内の一取締役として私はいまだ完全に孤立していましたし、今の立場では外部の投資家、株主などと連携して再建の道を模索することも許されません。その前日に会社が発表した「経営体制の刷新と将来ビジョンの提示の検討体制の構築について」という声明に危機感を覚えたのも辞任のきっかけになりました。新たなコーポレート・ガバナンスの仕組みを作り、経営陣を一新するというその発表の方向性の評価できましたが、その検討チームの責任者を社長の高山が務めるというのです。旧経営陣を擁護してきた彼が、ガバナンス強化の責任者になるなど悪い冗談にしか思えませんでした。責任を問われ一新される経営陣が次の経営陣を選ぶ、などということが許されるのでしょうか?
オリンパスに真に必要なのは、現経営陣から完全に独立した新しい経営陣です。新しい経営陣なくしては傷ついた会社の評判を回復することはできません。そこで私は仲間たちと相談のうえ、取締役を辞任してプロキシーファイトに持ち込むことにしたのです。つまり、私を含んだ新経営陣案を提案し、株主による多数の賛同を得て、臨時株主総会で可決させようと言うプランです。私はそれがオリンパスにとってベストの選択だと考えました。会社の重要な意思決定は株主によってなされるべきです
> 日本人の世界は、会社の重要な意思決定は取締役会という密室で決められるべきってのが、日本の常識だから、それは違うんだわ。