アメリカの裁判は戦いの文化だが、日本の裁判は謝罪の文化だよ。認めて謝れば情状が酌量される。弁護士の先生は真実に反する調書に署名をするなと言っているだろうが、その姿勢を貫くとかえってまずい結果になる。僕を弁護士と思い、僕の言うことを信じてくれよ」
総理公邸訪問の経緯
中曽根総理はご自信の発案で臨教審を設けて、教育改革に取り組んでいた。臨教審のテーマは「学歴社会の是正」だった。私は公邸訪問の1ヵ月半前、臨教審第四支部会に講師として招かれ「学歴と雇用」のテーマで、日本生産性本部の『学歴別生涯賃金表』を元に次のような要旨の話をしている。
大学の生涯賃金と高卒の生涯賃金の差は、日本生産性本部の調査では、大卒を100とすると高卒は81で、学歴による所得格差は諸外国に比べて格段に小さい。また、大学進学率が高くなったことで、大卒は高卒よりも就職が難しくなっていて、警察官や消防士などに、大卒が就職するようになった。大卒で大蔵次官になった人と、高卒で税務署に生涯努めた人の生涯賃金の差は2倍半ほど。民間でも高卒の銀行員と大卒で頭取になった人との生涯賃金の差は4~6倍ほどで欧米と比べてきわめて差が少ない
大企業はどの大学・高校にも就職の門戸を開いている。とくに関西の住友銀行、三和銀行、松下電器、三洋電機、シャープなどでは高校卒業の役員も多い。諸外国に比べて、日本は是正すべき学歴による差別は無く、これ以上均一性を求める必要はないと思う。差別があるとすれば中央官庁のキャリア組とノンキャリア組との仕事や職務権限の差別である。”学歴社会の是正”より”大学改革”が、今日の産業界、ひいては社会の要請だと思う。
私が「学歴社会の是正」の議論に否定的な話をしたためか「江副さんの話がウチの部会でも話題になりました。同じ趣旨の話で結構です。第二部会でも話してもらえませんか」と言われ、翌2月27日、私は第二部会でも同様の話をした。そのすぐあとの総理秘書官からの電話であった。

頭取と一兵卒で6倍か。ほんと、一生ヒラでも大差ない共産社会だなw さすがに今は10倍以上はつけたかな?