S&P500のオプションも、はじめちゃいました

東証・大証併合、Listed Option的には、行使価格が125円刻みになってからしばらく経った時期から、中・長期(3ヶ月より長いくらい)のAsk/Bidが閑散としている。最も短い限月では取引高も増えているためか、Market Makerが最短限月に集中しているようで、中・長期が軽視されている。1M未満のGammaとTDが好きな個人投資家にはウケは大変良いようだ。
一方、私は長め(3ヶ月以上)のオプションを中心に組むので、新規のポジションはおろか、以前組んだポジションの時価評価すらできない状態にまで追い込まれている。日によっては、長いところは完全にAsk/Bidが無いようなことも起きており、時価とリスクが計上できず、マニュアルで適当なIVを入力している状態である。(尤も長いオプションは日々の変動にはあまり影響されないのではあるが、DailyのPLをつける際に、自分で作為的にIVを入れる行為に嫌悪感を覚える) この記事がアップされる頃には中長期のMarket Makerも復帰をしているかもしれないが、数週間、この閑散とした状態を見ていると、日本の上場デリバティブ市場に対しての失望感が抑えられなくなっている。
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先物miniとか行使価格125円刻みとかそういう細かいのどうでもいい!!


って日本人の個人投資家がここにいるw 日本市場の質にさっさと見切りをつけ、新規資金は全て米国市場に割り当ててしまえばいいだけのことである。メインの株式指数先物は、S&P500、NY Dow、Nasdaq100とジャブジャブの流動性があり、S&P500関連のオプションだけで、
1.European, Index Option, Cash Settle
2.American, Future’s Option, Physical Settle
3.American, ETF Option, Physical Settle
のように3種もあり、通常の第3金曜日満期のMonthlyに加えて、Weekly、Monthly、Quarterlyの最終日のオプションがあり、2年くらいまでの年限は取引できてしまうという、鬼のようなマーケットである。Strikeの刻みは5、10、25と複数パターンあるがS&P500の水準が約1700なので、個人的には25刻みでも十分だ。流動性は2.のE-Mini Futures Optionが最も高いのではあるが、残念なことにAmerican Optionなので1.のEuropeanを中心に考えたいと思う。American Optionに関しては、標準的な日本人のデリバティブ・プレイヤーとは比較にならない経験と自信を持っているものの私の経験はCovered CallとTarget Buy、もしくはConvertibleというPremiumとDeltaが重視される投資戦略に偏っている。GammaとVegaを主軸に考えるポジション取りをしたいという現在の私の希望からすると、勝手にPhysical SettleされてしまうAmericanは迷惑千万であり、解析的な計算で十分なリスク管理ができるEuropeanが最も適している
日本の上場オプション市場で、中長期のオプションの流動性が枯渇しているという消極的な理由の他に、米国市場のオプションを利用する積極的な理由を挙げるとするならば、
1.長期のオプションにもジャブジャブの流動性がある。Time Decayが小さい長期のNaked Put Longも可能。
2.Volatilityが低いからVega Longが発生するCalenderも容易(ATMでS&Pなら13%、日経だと25%)。
3.Combination Orderが可能で、実質の取引コストが下がり、オーダー指しっぱなしで夜間のハーレムナイトも可能だ。
私のポジションは原則コンビネーション(Put Spread,Call Spread,Calender,Butterflyなど)なのだが、最良執行義務を取引所(CBOE)がサポートしている。例えば、Put Spread(PS)において、PSの板があるわけではないが、Order Routing Executionが取引所にサポートされており、PSの指値が可能なのである。If doneを駆使すれば、Putの売りが入ったら、Putの買いを成行で、というようなオーダーは日本同様可能ではあるが、PSの値段は保証されていない。このコンビネーション・オーダーはPSの指値ができるので、市場変動・スキューネスの変動に拘わらず(正確には市場変動・スキューネスの変動などを総合的に反映した上で)、自分のやりたい金額でPSが取引できてしまう優れものである。(大証もJ-Gate導入時に、このコンビネーションの最良執行的オーダー・ルーティング・システムの採用を検討していたが、未だに実現していない)
この米国市場が持つ凄まじい商品群を見つめていると、「先物を導入すると価格が投機的になる」とか、馬鹿なことを言っている奴出て来いや!と言いたくなる。先物もオプションも必要以上に整備されている米国市場の主要指数のボラティリティは日本の半分以下なのである。私はアジア時間で生きているのだが、この3条件が非常に優れており、Calenderを32ドルで買い指値したまま、ハーレムナイトに出かけることも可能なので、トレードが全く苦にならない。基軸通貨発行国、貿易赤字=資本輸出=ドルの輸出、財政赤字=国債市場の提供というだけでなく、オプション市場までもが、世界トップで整備されている米国市場は、利用する価値があるので、これを今後使っていこう。
米国の市場機能は豊富すぎて、夜は寝ながら、もしくは、ハーレムナイトしながらでも可能なので、日本の諸君も米国上場市場は積極的に利用しても損は無いであろう。
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