日本経済新聞社は18日、日経平均株価の構成銘柄の配当額を指数化した 「日経平均・配当指数(略称は日経配当指
数)」を開発し、4月から算出・公表を始めると発表した。 欧米で普及している配当指数を導入し、投資家の利便性を高める。
今回算出を始める日経配当指数は、日経平均を構成する225銘柄の株式を日経平均の算式に合わせて 1月から12月ま
で保有した場合、受け取る権利のある配当金を積み上げて指数にしたもの。
指数は構成銘柄の配当支払いが確定するたびに積み上がる方式をとる。構成銘柄すべての配当支払いが確定する翌年3月末
まで上昇し、同4月初めに最終値が確定する。日経配当指数は年ごとの指数で、 来月から2010年指数を公表する。
http://www.nikkei.co.jp/nkave/pdf/10031803.pdf
なんだなんだTotal Return Indexの開発でもしたのかと読み違えてしまった。単に配当額の累積ね。完全にプロ用か。
なんで読み違えたかというと、元の記事にはこうある
欧米ではすでに主要な株価指数を対象にした配当指数が算出されている。投資家が配当の変動リスクを軽減するために、配当指
数を対象にした店頭スワップ取引や取引所に上場する配当指数先物を活発に取引している。
と・・・、とうしか ねぇ。Dividend SWAPを投資家がやるのか? 投資家というより金融機関ニーズと書いてくれたほうが嬉しか
ったなぁ。
Dividend SWAPは通常このように09年、10年、11年と年度区切りで年間配当を累積した取引となる。自分で計算する
のが面倒だから、金融機関も日経に投げたというところだろう。
Div SWAPとは話が反れるのだが、この配当の式見ればわかるように、日経平均ってお寒い指数だよなぁ・・・。
株のプロならみんな知っていることなのではあるが、v、すなわち「みなし額面」とは何か?
若き投資家や外国人に聞かれたら、答える時に毎回少し恥ずかしい気持ちになる。
昔々、50円額面というのがあってな、時価によらない額面発行増資というのがあった。株価がいくらであろうが、増資は常に50円。
「だったらセカンダリーに何の意味があるの?」と聞かれると答えに窮してしまうだろう。さすがに現在は額面発行増資などないのだ
が、その名残が未だに残っているのが、この日経平均株価指数の計算方式なのである。アメリカのように株価が10-100ドルの間に
入るように運用していると単純平均となるのだが、日本では株価はほぼ自由に決められるので、100円から100万円と幅が広すぎ
るゆえ、単純平均を取ると、値がさ株だけの動きになってしまうので、算出側としても苦肉の策なのである。では、そのみなし額面は
どのように決まるの?と聞かれるとさらに苦しく、そして恥ずかしくなるだろう?
指数の開発は、単純平均から時価総額加重、そして浮動株調整と実運用を踏まえ、合理的に発展を遂げている。しかしながら、
日経平均株価は、単純平均、もとい単純平均みなし額面調整指数という現代のファイナンスにそぐわない計算方法であることを
広く知らしめ、より合理的で美しい指数を国の代表指数として取り上げられる日が来るのを願ってやまない。
最後にお寒い日経平均のWeightを添付しよう。
確かに代表する企業群ではあるのだがな。日本経済とマクロビューに基づく投資をこれでやられたら気分悪いと思わんかね?
【市場概観】
2009.12.14: HとAどっち?
2008.10.15: 製造業至上主義的産業構造分析
2008.07.17: 車業界勢力図
2008.06.19: 原油先物の取引高
2008.01.14: またも出た 異なる時価総額ランキング
2007.12.29: 時価総額の計算方法
2007.12.21: 小型株は一部割安感有り
2007.11.30: 中国株はチキンレース