次に公務員組織だが、私が市長になってから公務員の定数や各種手当てなどの削減を徹底して行った。交通局や水道局などの公営企業も含めた職員数となると、市長就任当時34,000人いた職員数が、退任時には27,000人と20%も減員した。法律上、公務員をクビにはできないし、推奨退職制度を設けても応じてくる者はほとんどいない。そうなれば毎年の採用を控えるしかない。第2,第4の土曜日には区役所開庁を実施するなど、むしろサービス向上を進めながら人員削減するように努めた。市民も窓口職員の応対が良くなったという実感はあるだろうが、その裏で人員を大幅に削減していることなどはほとんど知らなかった。

> はい、本当に役所のサービス良くなったという実感があります。
この前、役所に住民票入れたり、健康保険申請した時も、住民税を1円も納めてない私に対して、懇切丁寧にご対応いただきました。安易な役所叩き、公務員叩きは止めましょう。多数の職員の努力でサービスが保たれているわけですから。
失礼なことに、国語辞書にまで載っている。
お役所仕事:形式主義に流れ、不親切で非能率的な役所の仕事振りを非難していう語。
横浜では
お役所仕事:住民票が入っているという形式だけで、住民税を1円も払ってない民に対しても、採算を度外視して、極めて親切に手続きしてくれる献身的な仕事振りを賞賛していう語。
と改めなさい!

即日開票と翌日開票では人件費は1億2800万円も違う
即日開票は午後8時に締め切ってすぐに開票作業を始めるが、翌日開票は次の午前中から作業を行う。即日開票にすると、市の職員が夜中の2時、3時まで開票作業に当たり、残業手当を出さなければならない。当選から就任までタイムラグがある。つまり一刻を争って開票し新しい当選者を決める必要が無いのだ。一方同じ選挙でも衆議院議員の解散総選挙だけは違う。解散によってすでに議員は全員失職しているわけで、衆議院議員が存在しないことになる。しかし、内閣総理大臣は衆議院議員から選ぶことになっており、事は急を要する。このように市長選挙と解散総選挙では事情が違うのである。ところが、「横浜市長選挙は翌日開票にします」 そう方針を打ち出したとたん、ブーイングが起こった。ブーイングしたのはマスコミだ。なかでも地元新聞の反発はすごかった。なぜならこの地方紙には夕刊が無かったからだ。夕刊のある新聞社なら翌日開業でもその日の夕刊に開票結果を載せることができる。しかし、この地元紙は翌々日の朝刊にしか載せられない。表向きは「選挙報道の速報性」を主張していたが実のところ、自社の都合がブーイングの理由だった。
市長になって初めての横浜市議会で私が発した言葉は「市政に対する信頼を揺るがすこととなり、市長として深くお詫びします」
これが私の市長としての初仕事である。まったくもって嬉しくない。もちろん、市長になったばかりの私がお詫びするような悪いことは何もやっていない
。しかも何の謝罪かというと、市長選挙で原色の高秀秀信氏を当選させるために、公務員でありながら後援会のカネを配った市長室長が公職選挙法違反で逮捕されたことを私が詫びたのだ。私にとっては対立候補だった陣営の人間がやったことで、しかも私を追い落とすために動いた職員である。内心では「どうして私が謝らなくちゃいけないんだ?」と思っていた。しかし、横浜市の長となった以上、市職員の不始末は謝罪しなければならない。これ以上皮肉な謝罪は無い。

ワロタ

そもそも「改革」なんてものは世の中に存在しない。言葉があるだけだ。だから「改革は具体的でなければならない」というのが私の口癖だった。予算を見直す、人員を見直す、事業を見直す、補助金を見直す、一つ一つの具体策の総称を改革と呼んでいるに過ぎない。やる以上は例外を作らないようにしなければならないが、利益を奪われる当事者にとっては生死がかかっている。となれば、こちらも命懸けだ。

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政治家の殺し方=でっち上げのスキャンダルとして、中田氏はマスコミの無責任さに憤慨しているように書いている。おそらく横浜市で”改革”を実行してきた中田氏は、自らが政治生命を経たれた本当の原因を知っているはずだ。しかし、彼はこれからも政治家としてやっていく都合上、それは少しばかり不都合な真実で言い難いのだろう。だから私が代わりに言ってやろう。スキャンダルを好んで読むのも、安易にそれで嫌悪感を抱いたのも、非効率な行政でおいしい思いをしたのも、全て ”民” だ。マスコミではない! 民は愚かではない。民は「税金が高い、行政が悪い」と文句は言うが、真の改革など望んではいない。改革の犠牲者は自分自身であることを、無意識的に知っているのだ。しかし、民に求めてはならぬ。民に原因を求めてはならぬ。中田氏はそんな民に選ばれる政治家を続けるつもりだから、そこを承知の上でマスコミという仮想敵を用意し、それを叩いているのだ。それでは最後にご唱和ください。ランスロット・タルタロスより
「民に求めてはならない。民には与えるだけでよい。」
「何を与えるというのだ?」 (声をそろえてー、せーのっ!)
「支配されるという特権をだッ!」
合掌。お後がよろしいようで。
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