薬指が長いと証券トレーダーに向いている
薬指は人差し指に比べてどの程度長い? 10%以上長いと証券トレーダーに向いているかもしれない。指の長さの比は男性ホルモンであるテストステロンの量と相関があることが知られている。一流のサッカー選手、オーケストラの演奏者、大相撲などにも薬指の長い傾向がある。瞬間的な判断力を必要とする職種では、テストステロンの量が重要な資質として機能するようだ。竹内久美子のエッセイの中に、女性は薬指の長さをみるという表現があった。彼女の解釈は、男性ホルモンの多さと生殖能力の高さには関係があるというものだ。それだけではなく経済力の大きさの指標になっているのかもしれない。
ドキッとして今、薬指と人差し指、比較しただろ?
出生時体重が10%重いと所得を1%高めている
カリフォルニア大学ロサンゼルス校のブラック教授らはノルウェイの双子同士での出生時体重の違いがIQ、教育、所得などに影響を与えることを明らかにしている。彼らの推定によれば、出生時体重が10%と重いと所得を1%高めているというのだ。日本では出生時体重の低下が続いてきた。この傾向は若い女性の間のやせ願望が大きな要因になっている。また、若い男性の失業率が高いと出生時体重が下がる傾向もある。母親のストレスが影響するのかもしれない。2006年に厚生労働省は「妊産婦のための食生活指針」(健やか親子21推進検討会報告書を策定し、妊娠中は過度に栄養制限を行わないで適切な栄養を摂取することを推奨したのだ。ところがまだまだ多くの産婦人科で、体重抑制指導がなされているのではないだろうか。
やる気や協調性、リーダーシップといった非認知能力が社会で成功する上で重要な要因・所得にプラスの影響を与えることが確認されている。非認知能力の一つに時間割引率がある。将来のことをどの程度割り引いて考えるかという程度を表す。高いと将来のことをあまり重視しないことを意味する。低いと将来のリターンを重視することになり、教育や訓練を受けて生涯所得が高くなることが予想される。
 時間割引率は生まれつき決まっているものなのだろうか。子供に対する利他的動機をもった親が将来子供の直面する経済環境に最も適した時間割引率と余暇選好を形成するように努めることをモデル化することで、産業革命を描写した研究がある。このモデルの前提となっているのは、親の教育の酔って子供の時間割引率が変わるというものである。親の貯蓄行動が子供の教育や貯蓄に影響を与えていることを示した研究もある。
子供の時間割引率か。それを変える方法はわからないが、測定は意識していればすぐにわかるな。「ご飯」と要求してくるまでの朝起きてから時間、長いほど低い。おもちゃの要求頻度、そしてその後保持し続けるおもちゃの数、それから実際の遊んでいる時間。金(小遣い)の使い方を見ていてもわかる。おっと次項にもっとわかりやすい事例が紹介されているではないか。早速見てみることにしよう。
夏休みの宿題はもう済ませた?
子供の頃、夏休みの宿題を夏休み最後の日に必死になって仕上げた記憶を持っている人は多いだろう。ダイエットしようと思っていてついつい食べ過ぎてダイエットに失敗した経験を持っている人もいるのではないか。カードを使って買い物しすぎて多額のカードローンを抱え込んでしまう人もいる。年金未加入問題も、多くの未加入である若者は、老後の年金よりも現在の消費を重視して年金保険料を支払わないという選択をしている。後で後悔することはよくあることだ。ところが伝統的な経済学では後悔しない人間を前提にしてきた。経済学では、このような人々の行動を時間整合的と呼ぶ。後悔する人が少なくないにもかかわらず、伝統的な経済学では後悔しない人を前提にしてきたのはなぜだろう。たしかに宿題をきちんと提出できない人は、まともな経済生活ができず、市場競争で淘汰されてしまい、影響力を持つのは後悔しないような経済行動する人だけになる、というのが標準的な考え方だ。実際、社会には合理的で後悔しない人にとっては、いわばおせっかいとも言えるような規制に満ち溢れている。代表的な例は、強制加入の公的年金制度である。後悔するような非常に人間的なタイプの人を経済モデルで分析する分野が最近急速に発展してきており、行動経済学と呼ばれている。
 タバコを吸う人の多くはギャンブルもやるし酒もやる。特にもともと後回し鼓動を取るタイプの人は中毒材から抜け出すことが難しい。
投資一族の血を受け継ぐものは、その資質として、夏休みの宿題を最終日にということは絶対にない。7月の最終週、すなわち夏休み開始一週間で子供が言った。
子供「宿題は全部終わった。後は日記だけだ。」
父 「ふふ、一週間か。俺もそうだった。一週間もあれば無理なく宿題を終わらせることができる。宿題を終えるためにかかった時間は同じだが、終わった時期が俺と違う。俺は夏休みが始まる頃には、既に宿題は終わっていた。夏休みの宿題は終業式に配られたのか?」
子供「いや、一週間くらい前に配られた。」
父 「そうであろう。俺の時代もそうだった。俺は、配られたその日にスタートを切っている。配られたということはもう始めて良いということだ。一週間前に配られたのなら、夏休みが始まる頃にはちょうど終わる。俺とおまえは、同じ時間をかけているゆえ、能力は変わらない。だが結果・宿題を終わらせる速度は違うのだ。」
食い過ぎも起こりえない。欲のコントロールの根源は、幼少時の食欲のコントロールから。過食は投資家として資質がないとみなす。さすればタバコの吸い方も変わってくる。惰性で一日一箱とか絶対にない。45分で切れるニコチンの毒を2時間耐え、禁断症状でまくりの状態で吸う一本は格別にうまい。このマゾヒズムを理解できないのなら、投資一族としてタバコは吸うべきではない。この節度を持ってギャンブルを嗜好として楽しむ分には、大いに推奨する。ギャンブルの極みであるデリバティブの世界まで、お前がたどり着くことを俺は待っているぞ。
【愚民の欲】
2011.11.30: 利休にたずねよ3/4 ~茶の湯の極意
2011.10.13: 日本中枢の崩壊 2/2 霞が関
2011.07.22: 死刑囚 最後の一時間 2/2 ~死刑囚
2011.03.01: アジア発展の構図 ~出遅れた国々 4/4
2011.01.20: 項羽と劉邦 ~広大なる中国大陸
2010.11.25: 初等ヤクザの犯罪学教室 ~割に合わない犯罪
2009.12.29: 何のために生きるのか?ふと考えるときがある
2009.05.07: 幸福感と欲の関係