リストラ人員の受け皿としての役割や兵器を裏で支える技術力、そして武器輸出と言った角度から対象にきりこんでみたいと思う。1つは、その歴史がもっとも古く、兵器など人民解放軍の装備を技術面から支えてきた機械工業部の系列である。兵器製造と販売にかかわる企業は、たいていがこの系列からの派生企業である。2つ目が、これを源流として生まれた新潮流で、中国が武器の輸出に乗り出すのと同時に生まれた、兵器輸出を手掛ける軍系商社である。そしてこの新潮流のさらに支流として誕生したのが3つ目の、保利グループなどの四総部系国有企業である。
この四総部系企業グループは鄧小平が世界に向け公約した人民解放軍兵員の大幅削減である”百万大栽軍”(1985年6月4日発表)が実施されるのに合わせてリストラの受け皿として設立された企業である。その代表が保利グループであり、その他にも中国新興集団、中国新時代集団といった軍系国有企業が有名だ。鄧小平による軍のリストラによって、解放軍は四百万人を越えていた当初の兵力を二百万人まで縮小した。リストラの初期には公安部や鉄道部などがその大きな受け皿として機能していたのだが、それでもキャパシティを越えて大量のリストラ兵士が吐き出されえてくる。その処遇に困った党中央が、国務院、軍委との共同批准によって誕生させたのが上記の三大軍系企業グループなのだ。