カレンダー・プット・スプレッドの集合は結局、上がっても下がってもダメな典型的なガンマショートポジションなのに何が暴落対策なのだ?という質問に答えよう。
キーワードは”維持”である。
上昇相場で踏まれてマイナスが出るポジションは維持が難しい。維持するためのトレーディング=新規ポジションの積み重ねについては既に述べたが、さらなる維持によってこのポジションがどのように変化していくか? 想像して欲しい。常に短いオプションを売り、長いオプションを買いながら積み上げているので、短いものは満期を迎えていく。するとどうなる? 単純にカレンダー・プットスプレッドだけしかないポジションの場合、売りと買いの枚数の和は常にゼロだったのだが、売りが満期を迎えると同時に、徐々に買い越しに転化していく。長いアウトのプットの素ロングが少しずつ立ち始め、損益曲線の下方が立ち上がり始めるのである。
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実際に取引すると、長期が取引しやすいDECやJUNにポジションが集中する。それが一気に満期を迎えるとリバランスが面倒なので、1年を切っていて、ポジションが集中した場合は、それより短い期間のカレンダー・プット・スプレッドを組んで散らしていく。例えばDEC16 +10、DEC15 -10と入っていたら、MAR15 -5 DEC15 +5を組んで、さらにDEC14 -3 MAR15 +3、とOCT14 -1 DEC14 +1というように相場変動や時間の経過と供に、上昇相場の場合は、ストライクは上方に動かしながら、カレンダーの期間を短くして、集中したポジションは散らしていく。