本書はなかなか値打物である。なにしろ働き盛りの50オヤジが、世界中のカジノを渡り歩いて散在するのである。非常識である。不見識である。無定見である。しかもその非常識不見識無定見さかげんは、シリーズ前作「カッシーノ! ヨーロッパ編」のページを繰ってみれば一目瞭然で、すなわち膨大な量のカラー写真入り製本に、たった1600円という法外な安値をつけて売っちまったのであった。はっきり言ってこれほどコストのかかった書物はない。豪華な装丁ばかりではなく取材費用とカジノの負けまで考えれば、タダ同然だった。
書き手と読み手の意識の差かな。この本、1日で読みきってしまいました。付箋の数も少ないし。出版の都合はわかりませんが、割安なのかなー?
カイロのカジノはすべて米ドルを使用しなければならない。当然の如く、キャッシャーで手持ちのエジプトポンドをドルに両替しようとしたのだが、これができない。ホテルに備え付けのATMも払い出しはエジプトポンドで、フロントでも米ドルへの換金は受け付けてくれなかった。テーブルにつく前に勝負に負けたようなものであった。考えてみれば、私は今までアメリカやヨーロッパのカジノばかりを巡っており、外貨獲得手段となっている開発途上国のカジノをほとんど知らない。すなわちギャンブルでやりとりする以外には米ドルを放出しないのが彼らのポリシーなのだ。
行きはよいよい、帰りは怖い。退路を断つとはまさにこのこと。
宵の口のディーラーは甘い。ギャンブルに満腹は禁物である。少なくとも彼らは胃袋に詰め込まれた一日分の食い物が消化されると午後8時くらいまで、ブラックジャックのテーブルではやたら親がバーストする。
浅田さん、ブラックジャック知らないのかな? と思われちゃいますよねぇ。この文章。ブラックジャックのディーラーは機械の如く、やり方決まってるのですが、”Dealer must stand soft 17.”とか読んでないのかしら? 満腹かどうかで裁量変わるとしたら、イカサマかミスオペレーションのどちらかということになりますw
Wynn氏のお話
ホテルのデザインですが、今までのホテルのように、通りに面したところにショーがあり、ホテルの正面に劇場があり、というものではありません。ホテルの周りは大きな山で囲まれ、外からは中が少ししか見えないようになっています。歩道を歩いている人が楽しむための仕掛けはないのです。ただ、何もないというのではなく、レストランが入っているクラブハウスの前には山と滝があり、山の色が変わったり雲が出てきたり。プロジェクターを使って水の中化からいろんなものが出てくる仕掛けになっています。ベラッジオは外を歩いている人のためのものですが、このホテルでは、全てのものがホテルの中にいる人のために作られています。これがベラッジオの次のステップになるんです。ベラッジオの経験がなければこのホテルを作り上げることはできなかったでしょう。
確かにそうだ。ベラージオの噴水ショーは部屋から見るより外から見たほうが絶景だ。
http://www.ichizoku.net/2009/06/bellagio-con-te-partiro.html
Wynn氏の言うことはもっともだが、時代を先取りしすぎていた気がする。ベガスは所詮観光客なんだから、見せかけ重視で良いのではないかなぁ・・・。
カッシーノ〈2!〉 (幻冬舎アウトロー文庫) 浅田 次郎 幻冬舎 2007-11 |
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