ジャカルタの空港、主都にある国際空港であるにもかかわらず相当に過疎です。入国審査も全く並ばずに終了です。私が行ったことがある国際空港の中で最も過疎化が激しい空港と言えるでしょう。午前10時くらいでしたが、人口2-3億人を抱える国の首都の空港とは思えない静けさです。必ず理由があると思って少し考えてみました。インドネシアは、人口分布地図上の端点にあるため経由便・ハブ空港として使うには立地が不便すぎるということからだと推測します。人口密集地区である中国、インドシナ半島、インド、そのどこから見ても中継点にはならず、この先はオーストラリアくらいしかありません。アラブ地域からのタンカーもスマトラ島北部は通っても、そこから日本や韓国に向かってしまいジャワ島までは来ないのでしょう。物流の本筋から外れてしまった忘れられた島ということです。
※注:これはたまたま運が良いだけで、従来は混雑して1時間くらいかかる時もあるようです。
ビザは毎度のことですが25USD、他通貨だと約+10%ほどのぼったくり価格になります。貿易赤字(経常収支が小さく黒字なだけで貿易収支は黒字のようですね)と外貨準備金不足を補うための必死の外貨獲得方法です。シンガポールドルなんかで支払われたら、インドネシア政府が、「うわっ、いらねーこの紙! 即効売ってドルにして!!」と言ってそうです。(ブブー、シンガポールドルが貿易決済通貨として有用かどうかは別として、シンガポールはかなり大きな貿易相手国のようで、輸出入ともに10%前後のシェアがあります)
空港出口の両替商が手書きのJPY Quoteを出してくる。おかしいなぁ・・・中国帰りだし、中国人っぽい格好したのになぁ・・・。600SGDの両替。1SGD 7505IDRのQuoteですが4,503,000IDRなのに500,000ひっこめて4,003,000IDR。「その500,000出せよ」とかなり厳しい表情で見つめていたら、数え直して出してきました。俺神経質だから、そういうの止めてね。ガラス無かったら胸ぐらつかんじゃうよ。7543みたいだったので、約0.5%か。噂にたがわず悪くないな。これなら昨日Raffles Placeまで往復2SGDかけて両替しに行かなくて正解だった。これも外貨獲得の貴重なインフラなのだろう。
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タクシー250,000IDR前払いで。トヨタのカムリの新車。かなり綺麗です! 中国のボロボロタクシーと比べるとなおさら綺麗に感じます。高速にていきなり親日です。トラックなどの業務用自動車はメーカー不明の車が多かったですが、ベンツ×2台、アウディ1台、シボレー1台を見かけただけで、後は全て日本車。95%超日本車なのではないでしょうか? また綺麗な車、新しい車が多く、10年超のボロ車率がかなり低いです(対中国比)。外車率はおそらく日本より低い。
中国は自動車業界時価総額ランキング(販売台数が適切かと思いますが市場関係者が多いのでこれで見ましょう)のシェアから考えると、日本車の率はかなり低いです。インドネシアは逆に高過ぎです。バリ島における日本車率の高さには驚かされましたが、バリの空港でも「にじゅうごどるです」って言われたくらいので、局所的な親日現象かと思っていましたが、ジャワ本島・ジャカルタにおいても異様な日本びいき。近いし、工場も出ているので当然と言えば当然ですが、中国は自動車産業においても日本企業の独占販売状態を許していないのだと感じます。さらに中国では、欧米メーカーの車であっても、これ見よがしに中国産に見えるように漢字で車の名前を貼っています。合弁会社を中国国内で作って生産するなら販売も許す。「ウチの国内市場は、中国向けだけのために、漢字をつけるくらいのコストはカバーできる規模があるからね。」と言っているように聞こえます。
高速から見えるスラム風の民家は、ガラス窓がない家が目立ちます。ハルビンだったら凍死してしまいますが、東南アジアだから良いのでしょう。雨が多少なら降り込んでもOKだし。にしても空港からコタの町までの間の高速から見える範囲でスラムが散見されるのが、タイ・バンコクとの豊かさの違いです。「インドネシアがタイに追いつくまで、少なくとも20-30年はかかると思う。10年ではまず無理。」と言ったネシア通の友達の言葉がよくわかります。タイの空港からスクンビット。綺麗ですものねぇ・・・バンコクの街並みを見た後輩君の言葉を再現しましょう。「タイはこんなに発展しているのに、なんで焼き鳥が30円で買えるんだ?」 
14:56:49 後輩君 : なんで、あんなにビルあんのに物価が安いままになってるのかがよくわからないのですが、なぜなんですか
14:57:11 エキゾ : 規制が緩い
14:57:32 エキゾ : (資本規制や言語教育は厳しいけど)
14:57:47 エキゾ : タイ人に儲けようという気がない
14:57:57 エキゾ : この2点だと思っています。
15:00:45 エキゾ : 例えば、屋台の飯屋がいっぱいあるじゃん。
15:01:02 エキゾ : 日本だったら保健所に食品衛生管理とかなんとか審査に時間と金がかかり・・・
15:01:25 エキゾ : バンコクだったら屋台持ってきてヤクザともめなきゃOK
15:01:45 エキゾ : 参入障壁が下がり供給者が増え、値段が下がる。
15:01:56 エキゾ : とかこういうことだと思うのね
15:02:05 エキゾ : バンコクじゃ見なかったけどプーケットじゃ、ガソリンは瓶売りでしょう?
15:03:01 エキゾ : ガソリンスタンドなんて建設するコストが無駄。危険物取扱、危険物積載の許可もクソもないでしょ。
15:04:01 後輩君 : たしかにペットボトル見たいのにいれてうってましたね
15:04:10 エキゾ : あれ見ててさガソリンスタンドって意味無いなぁと思ったもん。
15:04:44 エキゾ : ガソリンの原価+おじさんのご飯代で成立しちゃうビジネスよ?
物価が安いから貧乏な国? そうではないと私は考えています。中国もそうですが、何でも安く手に入る豊かな国なのです。本当に貧乏な国は物資の欠如、モノがありません。ましてや日本食など絶対に無いでしょう。
高速から町へ一般道に入るとバイク率が急増しました。車は綺麗なセダンが多いですが、バイクはボロいものが多いです。バイクに関しても名前が確認できるバイクは100%日本車です。おそらく労働者階級の乗り物がバイク、ブルジョワジー=中産階級が車なのでしょう。インドネシアの中産階級、もとい日本以外の国の中産階級は、かなり豊かな暮らしができます。年収300万円”も”もらっている人が「俺は負け組」とか嘆いているのは日本だけです! 中産階級はコ汚いバイクではなく、冷房が効いている綺麗な車に乗るのです! 国民全員が中産階級で20-30年前の車が街中を走っていない日本では、綺麗な車に乗る優越感が、想像つかないかもしれませんが。
空港からコタ地区のホテルまで50-60分です。軽い渋滞含む。何分も止まって動かないことはありませんが、信号待ちが異様に長いのが南国の呑気な特徴です。普通、信号が赤から青に変わる時間の周期は1-2分だと思いますが、ここは2倍近くあるようで、進む時は一気に進みます。ホテルのチェックインの時、相変わらずのセキュリティーチェック。トランク開けて車の下を探知機。ホテル、綺麗なホテルよのぉ・・・、部屋は北京ほど広くないが、悪くない。ロビーに自然においてある生花と生花が醸し出す香りが、東南アジアの自然の豊かさを象徴しています。タクシーの運転手さんからホテルのドアマン、コンシェルジェに至るまで、インドネシア人の柔和な表情は、生き馬の目を抜く中国人とは比較にならない穏やかさを持っています。
タイと比べても、微笑みの国は、それほど微笑んでいないタイではなく、インドネシアこそ微笑みの国
これ、実際、バンコクとジャカルタに行って、比較すれば一目瞭然。インドネシアは全サービス業が、微笑みの国かもしれない。
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2011.10.12: 日本中枢の崩壊 1/2 東電
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