個人に厳しい税の仕組み
個人が企業に埋没する原因の一つは日本の税制にある。
> いや、税制こそが、埋没させる仕組みの根源である。
たとえば個人が住宅を取得するには、所得税を引いたあとの所得から購入しなくてはならない。
> 所得税、住民税、厚生年金、健康保険、雇用保険を引いた後の所得から  だろ?
しかし、企業が社員への福利厚生として社宅を提供する場合には、その購入資金のための金利はすべて事業活
動のための経費として認められる。しかもそのようにして取得した不動産も、個人の場合には相続する時、相続税
の対象になる。乱暴に言って、三代で資産は相続税に消えてしまうといわれる。ところが企業の社宅には相続税が
ない。このような税制上の差別がある限り、いい土地はすべて法人所有となってしまうに違いない。個人と法人の
税制上の差別は、不動産の取得に限らない。たとえば自動車の購入、株式投資も同様だ。株式で大きな評価損を
出した場合、法人であれば減益して節税できるが、個人だとその値下がりした分をその年の所得税から控除する
ことはできない。高い個人所得税のもとでは企業が支払う給料は、そのかなりの部分が税金で持っていかれる。そ
れよりは社宅、車の送迎、その他の福利厚生施設の形で支給するほうが有利
なのである。
> そう。これ日本の給与制度の一番のガン。俺みたいに、家要らない、キャバ嫌い、株買いたいって人はこの制度
> のありがたみがゼロだ。でも会社の金で飲み食いしたい多くの民にとって、実はそんなに苦しゅうない。
所得税・住民税を半分に
> 天下の小沢先生を持ってしても、ぜーんぜんできてないな。執筆から15年ほど経過してるが。
自由な人生設計ができない日本人
「子供は勉強のしすぎ、大人は仕事のしすぎ、老人はやることのなさすぎ」といわれる。
> 勉強しすぎだと? 塾や習い事に通いすぎ、というのと違うだろ。子供は塾も遊び化しちゃうだろうし、金をかければ
> 子供の教育問題は解決するという安易な親心に、子供たちは苦しんでるんじゃないの? 学問の追及をしすぎて悪
> いことは何もねぇ
。子供たちの自由な発想で大いに邁進すれば良い事だ。
> 仕事のしすぎ? 年間の祝祭日は先進国でトップの数だが? 仕事って何よ? 残業申請時間のことか? 申請したら金
> もらえるなら申請するだけの話だろ。給与所得者の立場で、誰もそんな仕事してねーよ。
規制からの自由 実態に合わなくなった規制
公共事業は、中央レベルで細かい基準によって配分が固定されており、全国一律に施工される。その結果全国どこ
でも同じような公民館や集会場は建つが、それぞれの地域で本当に必要な公共資本が整備されているかは疑わし
いかぎり
である。
> 個人レベルでもよくあるじゃない。お土産とかさ。欲しいものはてめーで買っとけ。お互いに与え合ったら効用が
> 落ちるだろうが。
真の自由の確立 民主主義は国民の自立から
戦後の日本にこれほど自由がなかったのは、これまで述べたようないろいろな原因があったとしても果たしてそれだ
けだろうか。最大の原因は国民の側にあるような気がするのである。戦前の帝国軍隊は世界一よく訓練され、規律も
しっかりしており、強力であった。ところが敗戦によって軍隊という組織が瓦解するや、たちまち烏合の衆と化した。こ
れは何を意味するだろうか。彼らは組織の駒としては優秀だったが、自分の価値観を持ち、自分の判断で行動できる
自立した個人ではなかったということである。
> 小沢先生、”国民”が「自分の判断で行動」なんて期待するのは無理でしょう。自分の判断で行動できるごく一握り
> の人間が、自分の判断をもたない民をコントロールし、全体の効用を最大化する。その仕組みを作るのが政治であり、
> 実行するのが企業なのではないでしょうか。
【民の欲と国家】
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