1.離散配当
2.転換時期制限(これが無ければ全ての点で、行使価値と継続価値を比較するわけだが、一般に個別株のアメリカンオプションの新株予約権やストックオプションは、転換できない時期があるので、これも加えよう。)
3.キャッシュ・フロー(オプション自身期中に何かのキャッシュフローが発生することは普通は無いが、転換社債・債券型に拡張するために、期中、評価するデリバティブが生み出すキャッシュ・フローも評価できるようにする。)
4.セトルメントディレイ(行使してから株が来るまでの期間が0ではないことに対応)
これだけならバイノミアルでも対応できるのであるが・・・、パラメーターの期間構造やVolatility Skew、モデル・パラメーター的に、そこまで拘らないにしても、配当・転換時期・キャッシュフローなどというイベントに焦点を当てて、イベントごとに時間を区切ったり、現在に近いところを細かく刻んだり、という拡張性に向かない。バイノミアル・ツリーの本質は先ほども述べたように、u・d=1で、元に戻りながら進んでいくところが肝であり、そこが大きな制約条件となる。
期間構造、Skewや主観的な時間区切りなどへの拡張性を意識しているので、三項間確率漸化式、Trinomial Tree(トリノミアルツリー)を登場させよう。拡張性、つまりTreeの格子の大きさを変えることを意識しているので、ここでは有限差分法(Finite difference method)と呼ぶのが適切だろう