昨日リーラムは遅くまで仕事をしていたので、昼間は一人で、CAVEに行ってみることにしました。2時間のプチ・トレッキング、山道1時間の洞窟内1時間のコースで300THB。いかにも東南アジア人が嫌いな遊びなので、一人で行くべきでしょう。別にCAVEに限ったことではないのですが、ここでも客は全部白人です。ついて10分ほど、私含めて客3人で出発です。2時間900THBということは時給450THB(1600円程度)あれば、良いようですね。タイで時給1600円って随分高いじゃないか!と思うかもしれないので、日当で考えないとダメかな。三往復、山道6時間は怠け者には厳しいので一日あたり2往復して日当で3200円、週休二日で20日働くと64000円、ウンウン、なかなか納得の数値です。もちろん、バンコクでこの水準だと厳しいですが、ここの地元の人で家賃がタダなら十分でしょう。
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平坦な道が続き、段々道が細くなって、階段より急な岩登りが始まりました。岩登りで10分くらいですかね、大した高さでは無いですが、上っているうちに、息が切れる。いよいよ洞窟に辿り着きました。洞窟内もまた階段、梯子の上り下り。むぅ…息が切れるな。額に汗がびっしょりだ。洞窟の深部に入り、霧がかってきました。ううう…おかしいかなり呼吸が乱れる…。ついていくのが精一杯だ。洞窟の途中で2回ほど5分休憩を入れてもらい、なんとか洞窟の外まで出ました。
呼吸の乱れが治らない。白人カップルには先に下山してもらうことにして、タイ人のガイドさんと二人でゆっくり下りることになりました。顔は汗びっしょり、足の動きが悪い。がんばって下るのですが、平坦でないところで足を曲げて、全体重を支えるのがとてもつらく、すぐに息が切れてしまいます。歩きながら、指先に痺れを感じ始め、痺れが顔面にまで到達し、足が動かなくなりました。ついに座りこみ、座っているのもつらくなり山道で横になりました。マズイ…動けない。リーラムに電話して助けを呼ばなければ…、ううっ、呼吸が乱れて、しゃべるのもキツイ。最後の力を振り絞って
「今、山の中。動けない、助けを呼んでくれ。カネは払う。場所はCAVEだ、詳しくはガイドさんに聞いてくれ。」


ガイドさんが困った顔で「俺、英語話せないんだけど…」と言ってきたので、「タイ語でOK、頼む…」と言って、ガイドさんとリーラムがタイ語でなにやら話している途中で、腕は動くのですが、指が動かなくなりました。夕方16時くらい、日没まで2時間半。日が沈んだら詰みだ。リーラムとガイドさんは正しく話せたのだろうか。助けは来てくれるのだろうか。山道で横たわりながら体の各部分が動かなくなりながらも頭だけは冷静、でも言葉を発するのもつらいくらい息が切れる。運良く白人の集団が上ってきました。
私は助けが必要だ、怪我はしていない。ただ動けないだけなのだ。自分で山を下りることができない。助けを呼ぶようにリーラムに言って欲しい。リーラムはタイ人だが英語話せる。場所についてはガイドさんにタイ語で話すように言って欲しい。」
と再度お願いし、リーラムに電話してもらいました。オランダ人女性でしたが、「助けは手配した」と英語で教えてくれました。「ちょっと心配だな」と言って、彼女バッグを枕代わりに私の頭に引いてくれました。首の筋肉を使わなくて済む…楽だ…。オランダ人女性「鼻で4秒吸って、口で4秒吐け」と呼吸の乱れを取り戻すように言われ、呼吸が少し落ち着いてきましたが、指はまだ動かず。倒れてから30分ほど経った頃でしょうか、6人くらいの男たち、助けがあらわれました。
まず体を起こされ、カンフルを鼻にかがされ、手、腕、肩をマッサージし始めました。するとあら不思議。マッサージを始めて15分で、呼吸の乱れが治り、指も腕も動くようになりました。つぎに太ももやふくらはぎなどのマッサージを5分くらいしていると、足が動くようになり、立ちあがることができるようになりました。タイマッサージの脅威。信じられません、あの状態からわずか20分で立てるようになるとは!
「この前、山で倒れたのは半年くらい前かなー、120kgあるアメリカ人、コイツだ」とスマホで写真を見せてくれました。「お前の写真も撮るぞ」と言われたので、マッサージされながらニッコリしておきました。ううう…情けない。「あのアメリカ人は太り過ぎだが、お前はもう少し食べた方が良いな。昼飯食べた?やっぱり…しっかり食べないから動けなくなるんだ。」と言われてしまいました。しかし、不思議なくらいの回復力で、勾配が一番急な倒れた場所の先だけはロープを体につけて下りましたが、後の旧階段は手を取ってもらいながら普通に下山しました。ホテルからバイクで20分強の距離なので、バイクの運転中、腕が痙攣し始めたりすると怖いので、車で送ってもらいました…。助けは私が止まっているホテルのスタッフと山守さんたちで、お礼は特に要らないという寛大さでした。なんだったんだ、死ぬかもしれないと思ったほどの、あの危機的状況は?
医者でも何でもない私の推測ですが、極度の運動不足と酒の飲みすぎで、循環器系の酸素運搬能力が落ちていて、急勾配を登る時に、体中で一番大きな筋肉である大腿筋に酸素を取られ、酸素不足に陥ったことが原因だと思っています。
しかし数年前まで、シンガポールでは、マクリッチーの昭南神社、スンガイブロー、ウビン島、ブキティマ山などのプチトレッキングの数時間コース(少なくとも2時間よりも長いコース)に、なんの運動も無く参加して問題なかったのに。もっと最近、2014年の4月の張家界森林公園の1500段階段上り下り、12時間コースが最も過酷でしたが、それも問題なくこなしていたのに…。2014年の初頭、日本、中国で飯がうまいと調子に乗って食いすぎて、75kgまで増えた体重を、2か月で67kgまで落とした、一日一食ダイエットが私の体力を奪ったのでしょうか…
たかが2時間のトレッキングと思ってバカにして参加する前にホテルで昼から飲んでいたダブルの一杯がそんなに効くとも思えません。いずれにしても結果として、たかが2時間のトレッキングで、倒れてしまったことは事実なのです。私の体力は通常の大人の半分程度にまで落ち込んでいるのは明らかで、とてもショックでした。
帰国日前日…、本当はバイクでフェリーに乗って、ランタヤイ島を走るつもりだったのですが、”2時間トレッキングで動けなく事件”明けなので、数時間バイクに乗り続ける気がしません…。酒の飲みすぎも一因だと思うと、飲む気にもなれず、冷蔵庫の中のビールとウイスキーは、捨てることになりました。ううう…なんたる失態だ。体力に自信が無いと遊ぶ気になれん。
バイクで5分くらいのところに前日行ったマッサージ屋があるので、行くことにしました。手足も指も問題なく動くのですが、当然のごとく全身筋肉痛。情けないのぅ…。マッサージもバイクの運転で凝った肩ではないので、オイルで全体的に緩くやってもらうものに変更しました。
…夜、酒も飲まないので、退屈だから最後の夜、もう一度マッサージです。(泣 やはりオイルで緩くやっても前回ほどの効果が得られなかったので、多少痛いですが、普通のタイマッサをしてもらいました。うん、心なしか良くなった気がする。
最終日は、バイクを返して、バイク屋で手配したバスに乗って300THBで空港まで。おっ、初めて、白人以外を見た。インド人が乗っていました。ランタ島からランタヤイ島に向かうフェリーの一台が壊れたらしく、フェリー乗り場まで100台くらいの車が順番待ちをしています。通常100THBのフェリー利用料の3倍、300THB払うと優先権が得られるらしく(地元の人のコネもあるからだと思いますが)、我々のバンは100台ごぼう抜きしてフェリー乗り場に向かいます。現在、ランタ島とランタヤイ島間で橋を建設しています。1年以内にできるとドライバーさんは言ってましたが、見物ですね。これができればフェリー渋滞は解消です。
クラビ空港、おーー、クラビ空港まで来るとアジア人がいる~。長沙航空の乗り入れもあり、中国人もいっぱいいます。クラビからシンガポールはタイガーエアのダイレクトフライト、わずか2時間です。ふぁああ、ちょっと反省して酒の量減らして、運動することにしよう…。
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