久しぶりにMBOに当たりました。思えば、2008年の10月、リーマンショックで大暴落している時に買った銘柄の一つです。香港で遊んでいる時でしたねぇ、大暴落が起きたので、お遊びを中止して、泊まっていたお友達の家に籠って取引してしまいました。
記事化のディレイがあるから、実際の日付はもうちょっと前のはずだが、多分、この日だろうな・・・
2008.10.24|走る円! 走る俺
ソントン食品(2898)MBOで非公開化1株1,000円
製菓・製パン向けフィリング首位のソントン食品工業(2898)は、マネジメント・バイアウト(MBO)により株式を非公開化する。石川社長が代表を務めるダイショー(渋谷区)が株式公開買付(TOB)を実施する。ソントンの役員会は、賛同意見表明と株主への応募推奨を決議している。買付期間は8月6日から9月18日まで、買付価格は1株1,000円、買付代金は最大15,612,778千円。公開買付者は、TOB成立条件に、野村HD(8604)傘下の野村キャピタル・インベストメントから176億円の買収ローンを受ける。菓子パン市場の成熟化、人口減少による国内消費の縮小、為替相場や原油価格の急激な変動による糖類・油脂類や包装資材等の原材料コストへの影響、需給逼迫によるフルーツやピーナツ等の原料相場の影響等、外部環境の不透明感が高まる中、非公開化により抜本的な事業構造の改革と経営意思決定のスピード化を図る。また、上場の最大のメリットであるエクイティ・ファイナンス活用による大規模な資金調達の必要性は乏しく、上場維持コストの増加が見込まれる中で、上場を維持するメリットが薄れたこともMBO決定の要因としている。
うーん、1000円が安すぎると株主代表訴訟できるかどうか・・・
完全社長の息がかかった株主 35.7%
主要取引先で内諾が取れていそうな株主 16.6%
50%超えてる・・・もうこりゃだめかも知れんね。1000円確定かな。
【株主】 [単]2,170名 12.3万株 (有)紳興商会 279(15.0) 自社(自己株口) 197(10.6) 三菱商事 111 (6.0) 山崎製パン 100 (5.3) (株)イシカワ商事 95 (5.1) (株)榎本武平商店 62 (3.3) 丸紅 60 (3.2) 石川紳一郎 51 (2.7) 自社取引先持株会 42 (2.3) ダスキン 40 (2.1)
外国 1.7% 浮動株 29.2%
投信 0.0% 特定株 56.8%
バリュー株投資において、MBOは想定している。しかし、MBO狙いではなくMBOはどちらかというバッドエンドとして想定している。MBOが起こるのは、株価が異様に安いから。(会社の資産価値に対して安い) だから、私が買うのだが、当然、経営者や筆頭株主も安いと思っているので買ってくる。MBOがバッドエンドというのは強制終了で上場廃止だから、今回のソントンの場合は儲かったけど、下手したら損して終わってしまう時もある。怪しげな安い会社はMBOが実は”リスク”になる。下方修正連発した後、MBOで終わらせるなんていうアコギな会社は珍しくない。
MBO価格の算定根拠なんてのはこじつけだからいくらにでもなりうるので、アコギな経営陣でないかどうか見極める必要があるわけだが、ソントンは比較的良心的なMBOだったと言えるだろう。その臭いは、株主に対して、ソントンの筆頭株主である紳興商会の財務諸表をも公開していたあたりが、誠意ある経営なのではないかと期待させるものがあった。
倒産しそうもなく、成長もしそうもないバリュー株・割安株の典型的なリスクの事例でした。
【個別株日本株】
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