暴落対策であるダンシングドラゴンはただの戦略名であり、その収益は、私のトレーディングによって左右される。何度も言及しているように、私のオプション取引は、マーケットメイクやアービトラージ、もとい割高なIV(って何だ?とも思うのだがw)を売るという類”アービトラージ性”すらも全く無い<完全なるスペキュレーションである。
span class="ichizoku_blue">スペキュレーションの収益源泉は、時価評価とレバレッジによって引き起こされるセリング・クライマックスであるとも述べた。でも一方で単純なショートで、暴落を待つという戦略は、踏まれに踏まれ、実戦的なポジションとは言えない。ダンシングドラゴンだろうが、カレンダー・スプレッドだろうが、レシオ・スプレッドだろうが、ネイキッドであろうが、どういうタイミングで入って、出るのかで大きく結果が異なる。例えば、08年リーマンショック、CDSで大儲けをしたジョン・ポールソンだが、同様のポジションを取っていたジェフリー・グリーンやマイケル・バリーが苦しんでいる様子が書かれている。
2011.03.17 史上最大のボロ儲け ~儲け損ねた男達の遍歴 2/6
2011.04.04 史上最大のボロ儲け ~タイミングの違い 4/6
暴落が起こるまでには、長い年月を必要とする。よって暴落対策は長い上昇相場に耐えなければならない。2007年からのS&P500の推移を振り返ってみよう。
下げた年は2011年のみ、2011年にしてもほぼ変わらずなので、年足で見れば09年3月の最安値666.79から単純に上げ続けたと言ってよいだろう。もう少し細かく月足で高値安値も合わせ
最大下落率=ピーク後安値÷ピーク時株価-1
P(t)=Min S(T>t) ÷ Max S(0~t)-1
を計算すると、15%以上の下落はわずかに2回しかなく、
2010年4月につけた1219.8から、2010年7月に向けた1,010.91への下落、-17.1%。ギリシア危機 EUとIMFの追加融資決定
2011年5月につけた1,370.58から、2011年10月に向けた1,074.77への下落、-21.6%。欧州債務懸念 ギリシャに対する50%の債務削減策。
バーナンキショック、FRBの金融緩和縮小政策を発表してからの下落に関しては、2013年5月高値1,687.18から2013年の6月の安値1,560.33まではわずかに-7.5%となり、大わらわだった日経平均に比べると、震源地のアメリカでは下落とも呼べない程度の動き、まさに中央銀行と市場がうまく対話できたと言える事象であろう。
私が米国市場において暴落対策を始めたのは、2013年9月10日 S&P500の水準が1680.5の時である。実にS&P500ボトムの2009年3月の666.79から2.5倍の水準であり、2013年に株を売ってできた現金が余り始めたのである。逆に言うと2013年までは売却しないで耐えていたということだ。
2013年8月末の1632.97から2013年末の1848.36にかけては、4か月連続の+13.2%上昇で、年率換算で39.6%相当なので、2013年のS&P500が29.6%上げたことを鑑みれば、最後の4か月の上昇の速度は単調で早いものだったと言えよう。(相場の速度はデリバティブにとって重要である!)
2014年は年間で+11.4%というおとなしめの動きの年で、年間最大下落率は、
2014年9月につけた2019.26から2014年10月の1820.66で、-9.8%。つまり、私の定義では-最大下落率-15%を下げと呼ぶので、下げの無い年でもあった。
以上が、2008年から2015年初頭にかけての米国市場S&P500の動きをデリバティブ的視点かつ私のトレーディングスタイルに則って解説したものである。私はS&P500をMonthlyまでしか追求していないが、例えば、短期のトレーディングスタイルの場合、DailyあるいはIntradayの動きにも気を配るだろうが、暴落対策という大局感での取引戦略のため、多少のボラは市場特性が恒常的に持つエラーとしてしか考えない、という宣言でもある。
【市場概観】
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2014.07.31 敗者のゲーム
2014.05.20 リスクをヘッジできない本当の理由
2013.06.04 お下品極まりなく見える日本の株式市場
2013.03.01 貿易収支の見方
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2012.09.07 金融崩壊 昭和経済恐慌からのメッセージ 1/4~1910年大戦景気
2011.01.25|政治と株価 総理就任期間と株価の相対パフォーマンス
2010.09.21: 株メール Q8.レバレッジの効用と弊害
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2010.03.30: 日経平均配当指数 そもそも日経平均が変な指数
2009.12.14: HとAどっち?
2008.10.15: 製造業至上主義的産業構造分析
2008.07.17: 車業界勢力図
2008.06.19: 原油先物の取引高
2008.01.14: またも出た 異なる時価総額ランキング
2007.12.29: 時価総額の計算方法
2007.12.21: 小型株は一部割安感有り
2007.11.30: 中国株はチキンレース