大学入学前、親父に学費を出していただく立場であったので礼儀として、
「俺が大学に行く目的は、相対性理論と量子力学を学び、学者になるためであり、いわゆる、良い大学に入って、良い会社に入って、良い生活をするというつもりは毛頭無い。それでも学費を出していただけますか?」
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親父「あー、そうw 頑張って勉学に励んでくれよ。援助は惜しまない。まぁ、タダみたいな学費だから、十分に親孝行だと思うよ、ハハハ。」
と笑った。親父の学生時代は国立大学の学費は、タダ同然の値段だったかもしれないが、私の時代はタダとは言えない私立大学より若干安い程度の時代であった。
「いや、親父の時代は国立大学の学費は安かったかもしれないが、今はX十万円。」と実際の金額を出して説明しても、
親父「俺の薄給から払ったわずかな税金では、お前の学費は、まかなえないよ。まったく問題無し!」と意に介さない様子であった。


当時としては、「何度説明しても現実を直視しない馬鹿な親父だ」と思ったものの、私自身は学者w というにはあまりにも乏しい才能しか持たず、実際には親父が期待していた「良い大学で、良い会社に入る」をそのまま実現したのである。私個人の主観としては、良い生活をしていたつもりはないが、金の心配や悩みを持ったことは無いので、客観的には親父が期待した「良い生活」も手にしていたのかもしれない。
しかし、今思えば、大学に入学してから自分の才能の無さに気づくまで、いや気付いていたけど、自分で認めるまで4年かかったあたりが、既に相場観が無いというか才能が無いw 
大学時代一緒のクラスだった天才2人のうち、もう1人のアル中君の運命、アル中天才は、理系バカにとっての最難関=英語に苦戦していた。必須の英語は、先生の裁量がほとんど入らない統一基準で採点されており、致命的な落第点を取って、私と供に留年を余儀なくされた。信じがたいことに、理系男子なのに、数学や物理学を苦手とし、英語を得意としているような学生がいた。数学や物理学は、英語のような統一基準ではなく、教授ドリブンな採点だったので、レポートを書くなり、追試を受けるなり、お願いすれば、お情け「可」がもらえる状況だったのである。
ただ、英語は先生の裁量がほとんど入らないとはいえ、0点~+10点/100点は先生が裁量権を持っていた。アル中君は授業にほとんど出ていないので、先生裁量は0点だったと思う。私達の英語の先生は珍しい女性教授であり、女性教授だからと言って、授業中にふざけた態度をとる輩もいた。当時から私は、大人なネーさん好きだったので、「おぃコラ、後藤先生に失礼だろうが! 黙れオラ」と恫喝し、授業の統制を維持する役割を担っていた。かつまた、授業後に、エロい大人な後藤教授に対して、授業中にわからなかったことに対して”熱心な質問”をしていたら、後藤教授は私の名前を知っていたようで、統一基準採点の中の教授裁量・最高点の+10点を私にくれていたことが後に判明した。
「英語だけが問題で、この俺は留年しなければならないのか!」と怒りをぶつけたら、担当の者が、
「理科Ⅰ類は、たまに居るんですよねぇ。数学だけで入学しちゃって、英語が致命的にできない人がw ぁあ、エキゾさんねぇ、あなたが真面目に授業受けていたのはわかりますよ。後藤先生は+10点つけてますから。ただ・・・、+10点もらっても、50点に満たないということはですね・・・、どんな学部に進学するにせよ、英語は必要なことですから、もう1年くらい勉強してくださいやw」
と言われて、「ふざけんな! 英語を学ぶために大学に来てるんじゃない!」と憤慨していた私が、現在は海外に住んでいるとは随分と皮肉な運命である。頭がいい人、言い替えるならば、質の良い頭を持った人は、数学だけでなく、不思議と英語でもなんでもできちゃうんだよね。つまり俺は質が悪い頭しか持っていないという現実に気付け!と思うのだが、まだ自分の能力に見切りをつけていない、相場観と才能が無い当時の私。
英語・語学の才能が無いのはさておき、大学入学後は、190X年、20世紀初頭の物理学の黄金期、相対性理論と量子力学、不確定性原理と不完全性定理(これは数学だが、あまりに難しくてちょっと理解不能だったw)が大好きで、それらの講義を受けまくった。化学は、高校後期に出現したベンゼン環と有機化学をきっかけに一気に嫌いになっていたのだが、大学の化学は量子化学=波動方程式と量子力学の世界が心地良く、数学、物理学、化学に極端に偏重した選択をしていた。そして、それ以外の学問には排他的とも思える心からの蔑みをもって、法学・経済学・文学・心理学・教育学などのありとあらゆる文科系学問を否定していた。例外的に、哲学はヴィトゲンシュタインの論理哲学論考やゲーデルの不完全性原理などに興味があり(残念ながら才能の欠如により、好きだったけど理解していないw)、熱心に受講していた記憶がある。一方で理系的学問とされていた、生物学・情報学(コンピューター)、そして数学で言うなれば金融工学や微分方程式を”新参者の二流の学問”と位置づけ嫌っていた。ことに、情報・システム・国際、と名が付く学部を忌み嫌い、伝統的で小中学校の教科にもあるような古典的な学問である数学・物理学・化学だけに偏重していた授業選択は、総合大学に通っていながらも実にもったいない選択であった。現在の私の発想を大学時代に持っていたら、今使っている金融工学・測度論だけにとどまらず、(国際と名が付くようなw)アジア言語・文化の授業も貪欲に取ったであろう。
私と同じような年齢の株式市場の最大の勝ち組は、ライブドア、サイバーエージェント、グリーなどのIT長者であり、彼らは当時から情報学を学んで(いたかどうかは別としてコンピューター・IT・インターネットに強い関心を持っていたことであろう)日々邁進していたと思うと、100年も前の数学や物理学に御執心だった自分の相場観と才能の欠如を落胆するばかりである。SFC=慶応大学湘南藤沢キャンパス=ITの先駆者が新設されたが、SFC1・2期生のように、当時からITの将来性に目をつけて入学していたような18歳もいた一方で、その存在すら意識していなかった己の”先見の明の無さ”を認めざるを得ない。
おいっ! そこの市場関係者・トレーダー・FM・アナリスト! 俺を笑う権利はお前らには無いぞw お前らが大学時代に何を専攻していたか知らんが、職業選択の時点では俺と同じ。センス無し・相場観無し・才能無しw 特にバイサイド・FM! 「株式のプロなので銘柄選定に優れている」とか恥ずかしいこと言ってくれるな。
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