ドル崩壊論、日本国債・日本円暴落論者とは基本的な考え方が合わないのかなー。超つまんねー本だったw
FRBが保有する資産に問題が生じなければ2009年度のFRBは大幅な増益を記録するだろう。FRBは市場を支えるために様々な証券を購入したが、それらの多くは底値に近いところで購入されている。また平時よりもFRBの資産は長期化しているため、平均的な利回りは高くなっている。しかし逆にFRBが持つ資産に大きなデフォルトが発生するような事があると、その損失は財務省、つまり米国民の税金で補填されることになる。現在の財務長官は1月までニューヨーク連銀総裁としてFRBのFOMCの副議長を務めていたT・ガイトナーだ。彼は約束どおり税金を使ってFRBを援助しようとするだろう。しかし、問題は米議会である。これまで議会はバーナンキ議長の積極的な信用緩和策を基本的に支持してきた。しかし、ひとたびFRBに損失が生じると、納税者負担が顕在化するだけに、FRB理事会が連邦準備法第13条3項を次々と発動してきたことが議会で問題視される恐れはある。
第13条3項は、異常かつ切迫した事態(unusual and exigent circumstances)における例外規定として07年まで一度も実施されたことはなかった。しかし2008年来、FRBはそれを適用して、信用緩和策を推し進めてきた。第13条3項は、5人のFRB理事の賛成があれば適用できる。2009年2月10日の米下院金融サービス委員会では、その是非がテーマとして議論された。議会のチェックを経ずに(国民から選挙で選ばれたわけではない)5人のFRB理事の賛成票だけで納税者負担につながるかもしれない巨額の貸し出しなどを次々と実行してよいのか、という問題意識がフランク委員長(民主党)らにはある。
「為替レート=通貨の信任」ではない
フランスのサルコジ大統領は、11月15日に開催されたG20金融サミット直前に「ドルはもはや唯一の基軸通貨ではない」と述べて米国に揺さぶりをかけた。英国のブラウン首相も「新ブレトン・ウッズ体制」といった言葉をちらつかせて、米国に奪われた金融覇権への思いを募らせる。麻生首相は「ドルの基軸制を守る」と述べたが、中国はドルへの不信感を隠さない。ロシアのメドベージェフ大統領もドルの一極体制への批判を強めている。新興国の間では、ロシア・中国、或いはブラジル・アルゼンチンなど、ドル以外での交易決済への交渉を開始しているのが現状だ。
メドベージェフ大統領
再認識されるべき国家の重要性
「何でも民営化さえすればよい」という民営化万能主義の転換を図らなければならない。というのも、例えば、エネルギーや資源の確保などという課題は、民間ですべて担えるようなものではなく、政府が担うほかないからです。「小泉改革」で石油公団が廃止され、国際協力銀行も弱体化されました。しかし、石油の採掘などは、リスクがあまりに大きく、民間では不可能です。また国際協力銀行も、業務の80%は資源に関わることだった。ですから、むしろこうした機関を独立させ、拡充しなければならない。少なくとも資源に関していえば、「小泉改革」でなされたことを逆転させなければならない。
なんに関しても公的セクターを大きくしろ、というつもりは無い。しかし、エネルギー、資源、食糧、環境といった問題においては国が果たす役割が再認識されなければならない。この意味で消費者庁構想などは、ナンセンスの極みです。消費者庁などをつくるのではなく、資源エネルギー庁を「省」に格上げし、食糧庁をここに統合するといったことを行わなければならない。
> うむ、同意だな。
抽象的、数学的、工学的に扱えると思われがちな貨幣そのものからして、主観的な存在なのです。貨幣はわれわれがその存在に信頼を寄せるかぎりにおいて存在します。逆に言えば、貨幣の存在に客観的な根拠は無い。ヒュームの言葉で言えばこれが慣習です。だからこそ国家が力を持ったりすることもあり得ます。ところが国家が常に正しく振舞うとは限らない。ただ同時に民営化すればよいということでもない。不完全なものであることを前提に、様々なものをより合わせて、どう調整していくかが問われているのです。
恐慌の現実性という点について、マルクスはとりわけ再生産様式における不均衡と利潤率の低落を理由に挙げている。第二巻で述べたこの1847年恐慌の問題は、生産の不均衡の問題ともいえる。とりわけマルクスは労働者の賃金の低さがつねに過少消費を起こす原因になっていることを指摘する。もちろん過剰生産にならないためには、所得層の高い人々がどんどん消費すればいいのであるが、大恐慌や今回の金融危機でも見られるように、貧富の差が極端に広がることで、全体的な消費は低迷する。一方で豊かな階級はさらに巨額の儲けを期待して、消費財より株の購入に走る。それが結果的に消費と結びつかない。すでに今卸売物価は下がっていて、買い控えが過剰生産によるデフレ現象をもたらしているわけである。「いつでも恐慌は労賃が一般的に上昇して、労働者階級が1年の生産物の消費用部分より大きな分け前を実際に受け取ったとき、まさにことき準備されるのである」 好況によるささやかな賃金上昇、しかしそれは消費時の不足をもたらし、実質的な賃金を下げる。だから一方で賃下げのときである。利潤の獲得と賃金の上昇との矛盾、まさにこれが過剰生産を作り出すというわけである。
金融市場の自由化が進み、1995年以降、国債資本の完全な移動性が実現すると、世界の金融資産価値が急騰するようになった。その代表が、米株式である。1994年までは米株式時価総額は米国GDPの平均0.49倍だった(概ね0.34~0.64倍のレンジに収まっていた)。ところが1995年以降になると平均で1.4倍(同1.14~1.64倍)へと、非連続的に米株価の価値が高まったのである。それを可能にしたのが外国からの巨額資本流入であった。米株式一株あたりの利益に対する株価の倍率PERは、1995年以前と以後とでは、どちらも10倍から20倍の間で推移しているから、米株式時価総額の上昇は、発行株式時価総数が増加したことによる。90年代半ば以降、インターネットブーム下でのIPOブームがそれを裏付けている。
1995年の米国の「強いドルは国益」政策から2007年までである。この時期に国際資本が完全に移動するようになって米国は「世界の投資銀行」帝国へと変貌した。「強いドルは国益」政策を遂行したロバート・ルービンの後任であるサマーズ財務長官(当時)が2000年8月に「将来は経常赤字=借金経済と考える必要がなくなるかも」と述べたことに象徴されるように、この時点で経常赤字は資本収支の従属変数となって、もはや経常収支赤字は米国の成長の足かせとはならなくなったのである。外国から資本が経常赤字を上回って流入しているかぎり何も米国経済にとって制約とならない仕組みを米国は築き上げたのである。
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