パリ・ウィーンで1か月ずつ過ごし、観光ビザでEU圏に滞在できる3か月間の最後はイギリス・ロンドン。街中に入った瞬間に安堵感。英語が聞こえてくる。表示も英語。フランスやオーストリアはアジア以上に英語が存在しないという近親憎悪状態。Sortie フランス語で出口、Eingang ドイツ語の入り口、思わず覚えてしまったよ。日本だってExitと書いてあるのに、書いてねぇんだぜ? 覚えているのはこの2つしかないが、俺が認識できないフランス語・ドイツ語だらけで、英語表記が非常に少ない。

そして、車が左側通行。私が過ごしているアジア諸国、日本・香港・シンガポール・タイ・インドネシア(マレーシア)は左側通行。中国とフィリピンだけが右側だ。

赤が右側、青が左側。

フランス・オーストリアからイギリスに入ると、私の過ごすアジア諸国が、軍事的とは限らないもののイギリス支配の影響を強く受けていることを感じる。

イギリスを含む私が過ごすアジア諸国のすべての国で、電車は入口と出口の両方で切符を出すものだが、パリは入口のみ、ウィーンは出す必要がない。電車の通行方向も、対面側のプラットフォームの場合、電車は右側から入ってくる。パリ・メトロは逆だ。慣れない駅の場合、逆方向のプラットフォームに向かってしまう。しかし国際鉄道の場合、イギリスともつながっているのでイギリスと同様の左側通行もあるが、普段の生活では圧倒的にメトロを使う。

5£と10£札はプラスチック紙幣、シンガポールと同じ。1£コインはシンガポールと同じ多角形型と、なんとなく、なじみやすい。

ロンドンでコンビニは見かけないという意味では、アジアとヨーロッパの文化の相違だが、24時間オープンのスーパーマーケットがホテルの側にあるのも安心感。ウィーンでは日曜休業に備えて、土曜日に必要な物資を買い集めたり、平日でもスーパーの空いている時間を意識しなければならなかった。アジア住みでコンビニ・24時間スーパー社会に慣れている私は、少し不便を感じたが、ロンドンではそれも一発解決。

スーパーの品揃えもロンドンは特徴がない。というよりアジア比で違和感がない(ただし、米がないなどの違いはある)。パリやオーストリアだと、ハム・ソーセージ・ベーコン・サラミなどの加工肉、乳製品、ワインのラインナップが異様にあるように感じる。フランス・オーストリアのワインのような異様な割安商品もない。香港のWelcome→デイリーファーム→ジャーディン・マセソンとイギリス系ということもあり、スーパーに陳列されている商品や価格分布まで、イギリス支配を今も色濃く残している。

ロンドンは2007年以来、約10年ぶりだが、出張や遊びで数回1週間ずつくらい滞在したことがある。当時は1£=200~250円くらいで、出張中でスーパーにも行かなかったため、日本人にありがちな感想、「ロンドン高い」程度であった。

2007/12/05 ロンドン 狂気の物価、以外のことを書こう 
2008/05/29 ドイツの気になること

自分で読み返すのも恥ずかしい。浅く稚拙な感想で視野が狭い。あれから10年、アジア一国一愛人構想を実践してきた私のロンドン初日の感想だけでも当時とは「経験と感覚」が違いすぎることがお分かりいただけよう。