月: 2018年5月

海外居住の日本人の特徴 パリ・差別とかは無関係

パリ症候群 憧れを抱いてパリに住む日本人を襲う適応障害の一種。

ご丁寧にWikipediaまである。だが俺の見解では、パリ症候群はパリとか関係なく、日本人が居住を移せばどこでも発生する。下記の

2013/07/04 日本一の田舎はどこだ

田舎というのは日本の民族性と同義である。田舎という概念に地域性はあまり関係が無い

と書いたように、島国・ガラパゴスと言われるように「日本の民族性は、田舎もん気質」なのである。だから、パリだろうがニューヨークだろうが、そこに行けないからといって、香港・シンガポール・カナダ・オーストラリア妥協してる組も全部同じ。もっと言おう、海外居住組だけではない、日本の地方都市から見た「東京」で置き換えても同じことが言えるのである。

海外居住の日本人が言ってる文句
1.建物の建てつけ、水回りが悪い。
2.サービスが悪い。
3.物価が高い。

これはパリだろうがNYだろうが、香港・シンガポールだろうがみんな同じだ。そして、恐るべきことに…、田舎から出てきたやつが東京に対して言っている文句もこれと同じだ。

1.一軒家生活に慣れており、東京のマンション生活が気に入らないのだ。上・隣の住民がうるさい、マンション内のお付き合いが…
2.東京冷たい。
3.東京物価高い。

なっ? 同じだろ?

「日本人妻をもつ外国人夫の悩み」 でググってみよう。これで出てくるのはアメリカバージョンだが、これは日本人女性に限ったことではなく、海外日本人あるある。長いので一部を抜粋するが、

・毎日、おかずが醤油味ばかり。(違うメニューだと言うが、基本的に全て醤油味じゃないか)
・自動スプリングクラーの水はもったいないと言っておいて、毎日お風呂に入る。
・ベットを神聖の場所かの如く、パジャマ以外の洋服でタッチするのを毛嫌いする。
二言目には「甘すぎ」と言う
・服や靴下に穴があると大騒ぎをしてすぐに着替えさせる。
・こっちの国や文化、習慣には文句を言うくせに、日本を少しでも批判をすると、なぜムキになって反論するのか?
・食器洗浄機にいれるのに、入れる前にやたらきれいにするのはなぜ?
・溜めた熱いお湯と凄い量のぶくぶく洗剤で洗ったのに、洗剤を流して!と怒られる。僕の国ではぶくぶく洗剤の泡をパッパと切るだけで終わりで、今まで問題なく生きてきたのに。
・日本から、わざわざバスタオルを買って帰る。吸収率が違うだとー?!
・日本に帰ると塩さえ買ってきます。僕の国にも塩はあります「味が全然違うんだ!」と言いますが、塩は塩です。
僕のワイフはアジア人ですと言わずジャパニーズだといえと言われる
・ 妻はいつも何かにつけて、アメリカってこれでも先進国なの?とぶつぶつ文句を言う

原則は2つ。
非科学的で異様に神経質な衛生観念。
日本(自分が知っているもの)が最良であり、それ以外のものは特に論理性は無く、とにかく悪。

日本人はほぼ全員これに当てはまるので、こんな奴との結婚生活、日本人妻の外国人夫の気持ちがよくわかるわ。「お前の主張が分からない。外国人だと思って論理的に説明して」と言いたいところだが、外国人相手にもこういうことを言っているようなので、もう、どうしようもないな。

生活だけじゃないぞ、ビジネスバージョンもある。海外で働く日本人が言っている文句。これもアメリカだろうがイギリスだろうがアジアだろうが、全部同じだ。

海外で働く日本人が言っている文句。
1.気が利かない。
2.働かない。
3.すぐ辞める。

1.気を利かせて、忖度して、言われてもいないことをやるのは越権行為である。トレーディング部門に居ながらにしてシステム開発までやっていた私はSOX法的に問題とされたのだが、これは大和銀行NYの不正事件、取引とバックオフィスを一人の人間がやれば不正をし放題だからである。悪意を持った人間がいたとしても、それをどのように防ぐかが前提となっているが、日本の組織では性善説と信頼が基礎になっている。しかし、それはコーポレートガバナンスを構築しているとは言えない。最近、日本国内でもコンビニなどで外国人が働いており、「レジの前に行列ができているのに、もう一人の奴が商品を配列している。」と文句を言っているのをよく聞くが、「商品を並べてください」と言われたら、それをやるのが世界の常識! 商品を並べるのかレジをすべきなのか判断するのはマネジメントの仕事である。日本では兵隊がマネジメントも兼ねていて、優秀な兵隊とも言えるのだが、それゆえにマネジメントの責任の不明確化の温床ともなっているのである。

2.外国人は、すぐ帰る、すぐ休む。仕事は成果だけ上げて、仕事に使う時間は最小限に務める。これ世界標準の考え方。「日本の会社は結果じゃなくて犠牲を求める」によく表れているように、何の意味があるのだかよくわからないことのために延々会社にいる。学校に行くことではなくて学ぶこと、会社に行くことではなくて仕事をすることだと思うのだが、日本にはそういう考え方は無いw 育児休暇取得率、有休消化率などにも表れているように、法的に休んで良いんだから休めば良いのに、いざ休むと文句を言う。それでブラック企業? お前どっちなんだよ? シンガポールの産婦人科は、夫婦で行くもの、平日の昼間であってもね。日本の産婦人科に私が行こうものなら、他の妊婦さんに睨まれてしまう。子供の問題ってのは夫婦の問題、奥さんはたまたまお腹にいるだけで奥さんだけの問題ではない。

3.愛社精神と終身雇用制度は存在しない。何度も言っているが、ベースアップのWikipediaに、成果報酬がベースとなる欧米では存在しない和製英語、と書いてあるのが笑える。愛社精神こそが、先ほども述べた不正の温床、父子の隠し合い、社員を守る、上司を守るためには、不正もなんのその。それだけでなくプロフェッショナリズムの欠如にもつながっている。すなわち、業務のプロではなく、あくまでも組織の一員、社員・行員なのである。だから辞めないし、というより、会社の外に出たら通じないのが分かっているので辞められないのである。

まとめると、

海外居住の日本人が言ってる文句
1.建物の建てつけ、水回りが悪い。
2.サービスが悪い。
3.物価が高い。

海外で働く日本人が言っている文句。
1.気が利かない。
2.働かない。
3.すぐ辞める。

もうこれ聞き飽きてるし、どこの国行っても同じなので、これ以外のことを発言できる日本人。連絡ください。


パリ市内をエリア別に東京で例える

オペラ地区(9区) 銀座 最も洗練された所
シャンゼリゼ通り(8区) 原宿、東京ベイエリア お上りさん・田舎者集合地区
8、9、1、2、3、4区 山手線内南部・銀座から赤坂などまで含むイメージ ミッドシティ
5,6、7区 セーヌ川南部の川沿い 品川 ミッドシティちょい外れだが十分洗練された地域
ラ・デファンス(パリ市外) 大手町・新宿西口 オフィス街
コンコルド広場からセーヌ川を越えた所(7区) 霞が関・永田町 お役所通り

ここまで。パリは円形をしており、その真ん中をセーヌ川がぶち抜いている。円形の中心部が洗練されており、中心部でもセーヌ川の北側が、8,9,1,2区が中心のそのまた中心と言えよう。観光に来るなら、多少ホテル代がかさんでも上記のエリアに泊まることを推奨する。一方、長期滞在、あるいは、寝るだけの所にカネなんか使ってたまるかという価値観のお持ちの諸君のために続いて解説していこう。

10区 Gare de Nord(巨大な鉄道の駅、地下鉄の駅ではなく鉄道だ) 上野 大きな駅は利便性が高いが雰囲気は悪い。フランクフルトアムメインに比べれば治安の悪さは感じないので、「雰囲気が悪い」に留めておこう。
18区 新大久保・御徒町 Gare de Nordに近く、雰囲気の悪い、移民街。ただし利便性は良い。
11区 裏東京=山手線の上野から池袋の間 特に何もなく最高の立地条件ではないが十分な利便性。

以上の3箇所は私が実際に行ってみた、非中心街だ。だが、行かなくても大体推測できるエリアは、

13,14,15区(セーヌ川南部) 山手線の外 良くて自由が丘や下北沢、東京なんだけどそこ東京なの?みたいな微妙なエリア。だがこのエリアにはおそらく泊まる価値のある割安物件があるだろう。
パリ市内の円形の最外層 東京23区最外層=蒲田、錦糸町、赤羽 東京スラムエリア(あくまで東京スラムなw)
パリ郊外(円の外、パリ市ではない) 川崎、八王子、青梅 ま、もうそこは良いです。

最後2つは以降数年パリに通い続けても立ち入らないエリアだろうが、そこに泊まるくらいなら、パリではなくフランスの別の地方都市にでも遊びに行った方が良いのではないだろうか。ただ、10、18、11区もある意味では中途半端で、利便性だけは保証するが、パリのお洒落な雰囲気とは程遠い。そうならば他のヨーロッパの国で、のんびりと安いワインを飲めるところはいくらでもあるだろう。私も今の程度のライフスタイルしか追求しないのであれば、10,18,11ではないところを、将来的に見つけ、ここには来なくなるだろう。この地区はあくまでそれまでの中継地点であろう。

11区に来て、初めてフランス語が分からないことを障害に感じる。ホテルのフロントが英語が今ひとつ。レストランのメニューがピクチャーメニュー・英語メニューが皆無。スーパーのセルフレジの最初の画面で言語選択ボタンがない。移民街は、そこら辺は完全英語対応していたが、地区によって、こうも変わるかと思うとパリも深い。一方、現地語が話せない状態で生活することになれているので、「フランス・ドメスティック」を感じたい私にはこのくらいがちょうど良い。


オペラ地区を闊歩する謎の中国人美女軍団の正体

パリにおいてのその他細かい変化

ラウンドリー(6kg 5EUR,乾燥機10min 1EUR程度)もあるのだが、利用していない。湿気がアジアに比べると低いので、自分で洗って室内で乾かしてしまえばよい。たまたま泊まったホテルの窓が大きめで、換気がしやすいことも影響している。アジアの場合は、どうしても室内で乾かすと、くさり水のにおいがするので不快だったが、欧州では特に必要ない。

水、ペリエが安いのだが、アルコール度数を考慮するとビールもそれほど割高ではないので、ビール代わりの炭酸ペリエもやっぱり不要。試しに水道水もガブガブ飲んでみた。次の日のお通じに全く問題は起こらない。髪がバリバリになるという石灰水も、リンスをちゃんとしていれば、特に感じない

何気なくスーパーで買った、ハムやチーズとパンとワインをホテルの部屋で食べる…と書いているが、アリやハエをアジアほど気にしなくて良い(ただし居ないわけではない)環境というのも大きいだろう。アジアではワインは割高なだけではなく、その芳醇な香りがコバエを呼んでしまうことがある。だから、アジアでは、焼酎とウイスキー、というのは実は合理的なのである。これらの蒸留酒なら多少こぼしてもアリもハエも来ないw

エイジアン・アクセを装着しなくなった。非観光地域では、アジア人はマイノリティーなので、それだけで十分目立つ。これ以上目立つ必要はないので、グリグリの数珠などはつける気が失せる。タバコや金をくれと言ってくる人がいることと、気候が良いので、夏用のジャケットを着る程度の格好が多く、アジアにいる時より若干小綺麗に見えてしまうので、これ以上存在感をアピールしてスリを呼びたくない。

ペテン観光都市(ドキュメンタリードラマ)、アマゾンプライムで無料。パリはないが、ヨーロッパだとローマとバルセロナにおいて、観光客相手の詐欺行為で金儲けしようとする連中の手口を紹介しているが、スリの集団と路上賭博(3つのカップのどれにボールが入っているか当てる詐欺行為)が出てくる。母のようなアジア人の老婆がパリの観光地を歩いているとジプシーの女の子たちがマークしてきて、スリをするチャンスをうかがっているということだ。私も観光地ではかなり注意深く、スリ集団、ジプシーを見つけようと努力したのだが、「速足で歩き、バックも持たない、若い男(母に比べれば)」には、彼らは近づいてこないらしく、未だに見たことがない。また、パリの路上でも3つのカップ詐欺師はいる。

たまたま歩いていたらホテルの近くで、黒人の集団に「ヤクザ?」と冷やかされてしまった。つまり、スーツではないのだが、暗くなっていれば上下の色が多少違ってもスーツを着た日本人に見える。
スーツを着ている人もアジア人も居ないパリの場末の地域では、歩いているだけで目立つ
証拠だ。

母から聞く限りでは、オペラ・マドレーヌ地区などを歩いていると、ジプシーの女の子のスリ集団、謎の中国人美女2~3人組、赤いカクテルを飲むヨーロピアンガールを毎年いつも見るという。私も2回歩いてみた(合計4時間ほど)が、いずれも見かけることは無かった。ジプシーについては探さなくても、ガイドブック片手に口を開けて歩いていれば向こうから現れてくれるだろう。

酒を飲まない母の話なので推測でしかないが、オープンテラスにて、ヨーロッパ人と思われる女性たちがほぼ全員、グレナディンシロップの真っ赤なカクテルを飲んでいるらしいのだが…、うーん見かけない。

謎の中国人美女軍団は、母曰く「振り返るほどの美人、しかも2~3人のグループで、ものすごいお洒落をしているからかなり目立つ。」とのことだ。ただ、売春婦でもなく、モデルってほど背は高くなく、観光客でもなく、働いているようにも、学生にも見えないお年頃。パリに住んでる感じで、着ているものも相当にお金がかかっているそうだ。

私は直接見ていないのだが、これだけ聞けば彼等の正体が分かる。中国の超金持ちの愛人(2号)の子供である。金持ちの正妻はビジネス戦略上、法律上必要なもので、中国に縛られていて、美人である必要はない。一方、愛人は、顔だけで選んでいるので、異様なほどの美人であろう。だから、その娘も遺伝子を引き継いで美人である確率が高い。中国の金持ちも、美人なだけで一生養うほどお人好しではない。アジア一国一愛人構想の応用、愛人の娘は、中国共産党支配下からいかに資産を逃すかのために利用するのである。なんらかの名目(留学や社長)として、海外に居住させ、資産を保全するのが、彼らが一族のためにできる貢献である。この類の人種は香港には居ないがシンガポールには居る。


パリ生活で割高なものも買う

パリは、ワイン・ハム・チーズは確かに割安なのだが、それだけで生活していると2週間目あたりで、アジアフードが懐かしくなる。醤油・味噌っぽい調味料で茶色く料理された肉類でご飯をかきこみたくなるのである。

日本食・中華料理などのアジアフード(タイ・ベトナム・韓国なども豊富に各所に)であるが、価格の分布はアジア各都市で異なるが、日本を1とすると、バンコク1、マニラ・ジャカルタ1.5、香港・シンガポール2~3くらいのイメージだ。中国は日本食は2だが、中国の料理に関しては異様に安いので、なんとも表現が難しい。事前の調査通り、パリも2~3なので、驚きはしない。確かに香港・シンガポールは割高なのだが、日本食を避け、中華まで広げたアジアフードを許容するのであれば、シンガポールはホーカー、香港ならアイランドサイドではダメだが、尖沙咀より北部のカオルーン、旺角などのチャーチャンテイ、あるいは深圳に行けば、2~5ドル程度で食べることができる。その意味で安く済ませる逃げ道がある。

だが、パリでは、レストランでもお持ち帰りのような店でも2~3倍、つまり10~20ドル(8ユーロ~15ユーロ)程度である。日本食と中華に区別はなく、両方割高でこういう価格である。香港やシンガポールも、レストランの場合は++などの不当なチャージにより、同じレベルではあるが、パリの方が若干質が下がる

この程度で12.5ユーロ。アジア滞在者は質と値段の違いが分かるね?

中華と日本食の質と値段に区別は無いのだが、日本食の例の方が分かりやすいと思うので、それで説明する。街中を歩いていて適当に見つかる日本食の中で、「パリの質の悪さ」が顕著に表れるのが、寿司である。偽物寿司4大指標と私が認定するメニュー、「カリフォルニアロール、とびっこ巻、ソフトシェルクラブ、サーモンマヨネーズ」この4つがパリの寿司屋には必ずあるw もちろん、これら偽物寿司はアジア域内でも跋扈している。それよりもうちょっとマシなレベル、ウニ・いくら・穴子・白身・青魚くらいはメニューに存在している寿司屋も数多くあるが、パリではウニを除くとほとんど見受けられなかった。

偽物寿司とちょっとマシなレベル寿司は、海外に住んでいて最も割高な寿司屋で、私は行くことは無い。ちょっとマシなレベルとは、日本の全国チェーン回転寿司と同等と思ってよい。ただし、日本の回転ずし全国チェーンと地方の回転寿司では差がある前提。全国チェーン回転寿司レベルで40~100ドルはかかるという驚愕の割高さ。それならちゃんとした寿司屋のカウンターで、まかせ(日本とほぼ同等のレベル)で300~400ドル使った方が割安だ。

もう一度分かりやすくまとめよう。
偽物寿司<ちょっとマシなレベル=全国チェーン回転寿司<地方回転寿司<普通の寿司

かなり低レベルな争いなので通じにくいとは思うが、偽物寿司とちょっとマシなレベル寿司=全国チェーン回転寿司の差程度で、アジアよりパリの方が質が劣る。もちろん、お値段据え置きでだ。

偽物寿司は偽物なので日本食とは呼べないので無視した。ラーメンや定食もあるが、やはり同様、お値段据え置きで、若干質は劣る。これは距離の分だけ当然だと思うし、文句を言うつもりもない。10ユーロ以下のラーメンは写真で見るだけでも、「う~ん、ちょっと」と入る気がしないくらいの写真が掲載されており、まともな写真の店は13ユーロとかw まぁ、香港・シンガポールと一緒かw 格安アジアフードの店は、厨房が中国人ではなくアフリカ系の移民なのも原因の一つの気がする

中華と日本料理では全く違う!というのはもっともだが、こっちにいると両方アジアフード。値段や質のバランスが対アジア比で、同等に劣化しているからだ。醤油と味噌の感じ、中国にもあるでしょう? あの感じはやっぱりアジアフードよ。アジアにおいて、非レストラン系中華(ホーカー・チャーチャンテイ)に逃げた場合と比較すると、中華の価格差は3~5倍で日本食よりも大きい。まぁ、それが本場アジアで中華を食う割安さと思えば、そういう倍率も納得できよう。

価格差はさておき、納得できる面もある。そもそもこんなに離れた欧州の地でアジアフードはマイノリティーなのだ。非観光地を歩いている人種の分布を見れば歴然である。アジア人はほとんどいないと言っていいだろう。私は価格に従った生活をしているので、基本はワインとハムとチーズとフランスパンで、「たまにマニアック=割高なアジアフード」を食べると、アジア人としてのソウルが蘇ってきて、3~5倍の価格差も、のめるくらい、「おいしく」感じるのである。それこそが私が欧州に求めたライフスタイルであり、米がないととか、毎日日本食を食べないと嫌だという人間は、そもそもパリじゃなくて東京に住めばいいw

1~2週間の旅行ならばアジアフードは薦めないが、それ以上の滞在の場合は、週に何度かのレベルで入れていくと、アジアで当たり前に食べていたアジアフードが「おいしく」思えることうけあいである。

ワインの割安さを意識するとパリでは何も買えなくなる。中国では肉まん一つ1.5元(30円)、中国で異様に割安な肉まん価格を基準にモノの値段を見ると何も買えなくなるのと同様だ。滞在2週間にしてようやく意識が薄れてきて、生活感が戻ってくると、ワインと同じ価格の2.5ユーロもする缶コーヒーが買えるようになってくるw


非ラグジュアリーなパリ生活

パリでは香港にいる時より、若干高いホテルに泊まっている。段々贅沢するようになってきている? ブブーッ、おそらくヨーロッパに滞在する数か月間は、この何年かで最も消費支出が小さい期間になるだろう。なぜかというと、ホテルの滞在費は、支出の中で、大きな割合を占めていない。支出の最大項目は「ハーレムナイトとキャバクラなどの夜遊び」で、群を抜いている。それがゼロになるということは…。私にとってはパリとバンコクの滞在費用は、圧倒的にパリが安いwと発言することになるのである。私は永遠に収益拡大を目指し、生活コストの削減に努める。

パリで女遊びは難しいらしいが、別に、それを後押しするのが、両替商のスプレッドだ。最低限のユーロ現金は持ってきたのだが、日本円が余っているので、円をユーロに直接替えようと日本円現金も持ってきた。しかし、街中で見かける両替商で何度見ても、ドル・ユーロでも8%(片道4%)以上、JPYに至っては10%以上(15%以上かも)開いており、遊び金の調達ができないので、女遊びしたくても”できない”のである。あっ、スプレッド払えば両替できるんだけど、私も、スプレッド払えない病、一物多価認めない病を患って長い。それはできんのだ。

一方で、カード社会なので、現金はほとんど必要ない。パン屋で0.8ユーロのフランスパンを買う時や近所の貧乏食堂で2.5ユーロのハンバーガーを単品買いする時、あるいはスタンドでシャルリエブド3ユーロ、はカードが使えなかったが、それ以外、全て、カードが効く。カードを切ってくれる売春婦、あるいはその類の人はいないので、ハーレムナイトなしならば、パリは現金はほとんど持たずに3か月暮らしてしまうことができるであろう。

パリに来る前の事前情報として、ワイン、ハム・サラミ、チーズの類が安い、と聞いていたので、それらをスーパー(Marche)で買って、ホテルの部屋でダラダラ食おう、という計画であった。小売店はカルフールシティ、Franprix、Monoprixの3店舗を愛用しているが、ワインは2.5~4ユーロで選びきれないほどの種類があり、ハムは2~4ユーロで二食分、チーズ、エシレバターなども同様2~4ユーロ。フランスパンは、別途パン屋で出来立てを買うが、0.6~2ユーロで二食分。生野菜をパンにはさんでも良いが、そこまでやると、店で食った方が安いw

それからディップ(名前がよくわからんがとにかくいっぱい)が充実している。他にもマスタード、ケチャップなどのソース、オリーブ、ピクルスなどの漬物、これも、カルフールシティ、Franprix、Monoprixの3店舗を全部回れば、ほぼ選びきれないバリエーション。ディップは若干高く3~5ユーロくらいの分布。一食当たり5ユーロかかっていないような気がするが、これら食材のコンビネーション、あなどれない。その意味では香港やシンガポールのスーパーで買える食材よりもレベルが高く、かつ安いと言えよう。

高級・有名レストランだが、香港・シンガポールなどの外国で食べるより、東京の本店で食べると半額以下! みたいなことがフレンチで起こることを期待していたのだが、フランスは外食産業の輸出とグローバリゼーションに成功しているので、より成熟した市場となっている。だから、パリで食べたら安いということは無く、世界中どこで食べても似たような国際標準価格でしかない。おっさんになって、食べる量や油っぽいのが苦手になっていることを踏まえると、本場よりはむしろアジアナイズドされた「偽物フレンチ」の方がおいしく感じることであろう。

私が書いたことだけを見て、パリの物価が安いように勘違いされると困るので、私が選択していない消費行動についても触れておこう。香港やシンガポールと比べれば、ほとんど変わらないが、日本と比べれば高い。ワイン・ハム・チーズは安いから買っているのであって、同じ店舗、お気に入りのカルフールシティ、Franprix、Monoprixであっても、缶・瓶コーヒーが2.5ユーロもするのである。最安値のボトルワインが2.5ユーロで買えるのに、その横で、同じ価格で瓶コーヒーが売られているのである。ジュースの類も2ユーロ(270円前後)もするので、超高い。

シャルリエブドも3ユーロであっさり買っているが、日経新聞が140円と思えば、その3倍だ。地下鉄も回数券で1.5ユーロ、ワンタイムだと2ユーロなので、決して安くない。タクシーは乗ることは無いだろうが、バンコク以上にぼったくり、トラブル多発らしいので薦めないと言われている。ハーゲンダッツは5ユーロで法外に高く、名物のスイーツも7ユーロ以上、香港・シンガポールと比べれば同じくらいだが、日本と比べると鬼のように高い。

日本食に関してもオペラ地区の南側にリトルトーキョーっぽい、アジア料理が密集しているところがあるが、価格は香港・シンガポールとお値段据え置き、すなわち、日本の2~3倍くらい、ラーメン1杯2000円で、かつ、アジアに比べれば、質が悪そうで入る気が起こらないレベル。この地区の寿司は、カリフォルニアロールにとびっこ巻に鮭マヨネーズみたいな露骨な”偽物寿司”で100ユーロという、笑っちゃう値段だ。中華料理屋のチャーハンも7ユーロと、香港では無理だが深圳なら10元(200円)で食えることを思うと入る気がしない。どうしても、コメを食いたければトルコかインド料理で食えば5~10ユーロで2食分の分量がある。


何が価値か?呼び名にもこだわり

メートル法だからクォーターパウンダーはロイヤル、という細かな拘りの積み重ねも重要であろう。ロマネコンティは知っていても、それと同等の価値を持つ日本酒の銘柄は?と聞いても答えられる人は限定的だ。新米、初ガツオ、ネーミングが安直。というよりネーミングをしていない。わざわざ新ワインではなく、ボジョレーと呼んでみたり、ブルゴーニュだボルドーだシャンパンだと地域による限定品と思わせることで価値があるように名をつけてみたり。世界中に発信をし続ける、努力が背景にある。

フランス料理なんて、オリジナルなものでも何でもないが、コース料理にしたり、オープンキッチンにしたり、ソースだ、ワインとマリアージュとかなんとか言って、ただの肉を焼いた料理を格上げしている。寿司のまかせは、コースにもなっているし、オープンキッチン(お客さんに調理場見せられる清潔な状態に保つのはコストがかかる)だし、かつ、板さんとの非言語コミュニケーション、例えば、おっさんであんまり食えそうもないから、刺身中心、酒中心、シャリ軽めとかまでのアレンジは、もっと評価されるべき。いや、黙っていてはダメだ、その価値をもっとアピールすべきなのだ。現在は、店の名前とミシュランの星だけに頼っているが、「まかせ」というスタイルそのものに価値があるのだ、と発信すべきなのだ

石巻にて

友人の漁師さんが「エキゾみでぇな人が、なんでこんな何にもない石巻に毎年来るんだ?」と聞いてきた。もう何年もの付き合いになるが、港で初めて会った時、漁師さんは船から降りてきて、「エキゾさん来るって聞いてたから、さっきまで生きてた蟹、茹でておいたので食べてください。蟹はここで卸すより北海道に持って行った方が高く売れる。背中押してペコペコする蟹はもたず、輸送に耐えられないので売り物にならないんです。でも味は一緒ですからどうぞ、遠慮なく食べてください」と言った。あまりにもおいしくて3杯も食べてしまい、その後行った鮨屋で何にも食べられなくなってしまったのだが。漁師「船の上で、海水でジャブジャブ洗って、焼いても煮てもブツにして食べても美味しいですよ。」、あなたと同じことを、高級な寿司屋で「うちは東シナ海の魚、そして東シナ海の塩を使って、醤油などを作ってます」と自慢していたんだぞ。

今年彼は「エキゾさん、白子食いたいって言ってたな。昨日、タラが取れたんで今夜あたりは店に出てると思いますよ。」と言った。二日前に行った居酒屋では白子が切れていたのだ。東京では、いつ獲れたかわかる魚出す店はかなり高級店です。石巻の普通の居酒屋で、タラが取れなければない、取れれば出てくるということは、漁と消費が一体化している。漁、水揚げ、加工、流通、消費の過程がT+1で実現している石巻ならではのことだ。店から漁港は車で10分! 漁師と猟師の違いがあるが、これは地産地消のジビエじゃないか!

もちろん日本の中には同様の漁港があるだろう。だが、シンガポールの寿司屋に行けば、今朝築地で落としたウニを空輸で持ってきたと自慢するほどだぞ。300~400ドルほどするがw インドネシアや中国で、安定した電力や道路が整備されている漁港、冷凍船だ、加工工場だ、作ろうと思ったら莫大な金がかかる。そんな簡単に真似できるものではない! ほとんど人が住んでいない女川地域に復興予算で立派な道路が作られている、と批判していたが、その道路がなければ、輸送網が封じられ、女川は水揚げ港としての価値を失うんだ! この環境は当たり前ではないんだ、なぜその価値に気づかないのか!

と吠えまくっていたら、漁師さんが「わしら田舎の漁師ですからこれが当たり前だと思っているんですよ。価値に気づけだ、ブランディング戦略だってことは世界を飛び回っているエキゾさんみてぇな人にやってもらいてぇな」と言われてしまった。

松山にて

「関サバ関アジ、瀬戸内海でとれたサバ・アジをこっち(愛媛側の漁港)に持ってきちゃうと価値が1/3になっちゃうんで、あっち(大分側)に持ってかないといけない。同じ魚なのにな。」 石巻で聞いた毛蟹と同じ話を聞いた。

海はつながっているのに、水揚げ港による魚のブランディングは仲買人による作為的相場形成で、漁や消費を中心に考えればなんの合理性もない。東京には日本中からうまいものが、おカネをかけて輸送されてくるが、地方都市の場合は、地産地消。水揚げしたものを食べる。輸送と保存の過程が遥かに短いから安くておいしいものが食べられる。

まかせの価値を上記の如く、まくしたてていたら、松山の寿司屋の大将が…、「俺が思ってること全部言ってくれた…」と笑っていた。漁師も寿司屋も俺より遥かに魚に詳しいのだが、はっきりと言葉にするのが苦手なようだ。でも、それを世界に向けて発信することが彼らには必要だ。


グローバリゼーションの中での古い街の維持

資本の論理とテクノロジーを追求すると、アメリカと中国に対抗するのは、どの国も難しい状況のように思える。一時代遡って、工業化とモータリゼーションの時代にあっては、日本は量産自動車(完成車だけでなく部品も含む)の会社が今現在でも時価総額的に中心となっている。一方、ドイツを除くヨーロッパ(フランスもだが)、今となっては、第二次産業も株式市場の時価総額で見れば存在感が全くない。

2008/10/15 製造業至上主義的産業構造分析 

で触れているが、時価総額でソートすると「資源・金融・インフラ(電力・通信)」以外の産業が皆無の国がほとんどだ。GoogleやアマゾンやFacebookに対抗・比較できる企業を中国は持っているが、それ以外の国は無い。ドイツ以外のヨーロッパだともっと悲惨で、一世代前の工業化世代でも、GE,Ford,GM,トヨタなどに対抗・比較できる企業は無い。どのくらい経済が停滞しているか見るには、ドル建てで取引されているEuro Stoxx 50のETFとSPDRを比較すれば顕著に視覚化できる。

この15年でかなりひどい差がついているのがわかる。にもかかわらず、イギリスとフランスはドイツに次ぐGDPを維持している。現在のIT系企業群だけでなく、工業化世代の企業も育っていないようないイギリスとフランスが、なぜGDP的(数値)に先進国の地位を維持し、観光客数世界一のパリを有しているのだろうか?

近代資本主義とシュンペーター型競争原理において、完全に後塵を拝しているフランスが、400年前の大航海時代の植民地利権に今でも依存し続け、「おフランス至上主義」による無駄なブランド価値を世界に認めさせることができるのは、なぜだろうか? その一点に対する興味が、私がフランスに訪れた理由である。

グローバリゼーションと大資本の波に、影響はされつつも飲み込まれてはいないで存在できているのは、東京や上海。だが、シンガポールや香港は経済的には豊かだが、そのショッピングモールを見れば、その他、バンコク、ジャカルタ、マニラと代わり映えしない、グローバルチェーン、ファストファッション、ファーストフード、欧米ブランドショップに染まっている。各国の地方都市に至っては、イオン、ウォールマート、カルフール、テスコ、セブンイレブンなどの超大手小売り、あるいはマクドナルド・スターバックス、ファストファッションが、最も栄えた所のメインストリートを完全に牛耳っている。

以上を踏まえた上でパリを歩いてみることにしよう。

パリの軍事博物館から迷ってシャンゼリゼ通りまで行ってしまい、さらにそこからセーヌ川沿いをコンコルド広場あたりから、Saint-Chapelleまで3時間ほど散歩した時、マクドナルド、スターバックス、0軒、Franprix・Monoprixなどのスーパー3軒という状態であった。ローカル小売り、香港ならWelcomeとParkn Shop、シンガポールならFair Priceと昇松、パリだとカルフールシティ、Franprix、Monoprixがあるが、タイのバンコクだとセブンイレブン、MaxValue、タイの田舎だとTescoと、もはや自国の小売りが存在しない状態である。

EUはヨーロッパ地域におけるブロック経済で、関税障壁やブロック経済は長期で見れば必ずマイナスに影響すると思い込んでいたのだが、中国がグーグルやFBなどの米系インターネットメディアを排除した政策は今となっては(もともとは単なる言論統制だったが結果論的に)、テンセントやアリババを生み出した経済合理性のある判断であった。

中国のグーグル排除の遥か以前に、フランスはマクドナルドを排除していた。日本なら京都、上海なら華麗なる一族の撮影地、パリなら8、9、1、2区あたりは、いわゆる「景観を損ねる」建物は建ててはならない、という制限を設けることで、古さと伝統を維持してきた。パリの8,9,1,2区というのは結構広い範囲で景観の維持に努めているのが分かる。シャンゼリゼ通りにマクドナルドがあるのだが、いわゆる赤と黄色の看板ではなく、景観を損ねないように、黒いマクドナルドなのである。

派手さと予算では、ハリウッドに対抗はできないが、カンヌは権威ですよ。クォーターパウンダーなる呼び名は認めない、メートル法とVATで世界を制したフランスでは、クォーターパウンダーはロイヤルと呼びなさい。アメリカに経済的には勝てないのは認めますが、ノーベル賞もミシュランも世界遺産もバーゼルもハーグ国際司法裁判所もヨーロッパで決めます!

という一方で、日本の自虐的歴史観と欧米コンプレックスは、国益にそぐわない。寿司屋にミシュランの星だとか、日本文学にノーベル文学賞を、異様にありがたがる傾向にあるが、自ら価値を認定する気はあまりないようだ。ダイヤモンドの工業用と宝飾用は量で言えば9:1だが市場規模は1:9だ。宝飾用ダイヤの価値は、ダイヤが本来持つ特性・機能の価値の100倍の値段がついているということだ。価格に合理性・市場性がないから、金の先物はあってもダイヤモンドの先物は無い理由だ。カローラとフェラーリの違いも同様だ。

機能や性能では説明できない意味不明の価値はどのように作られたのだろうか? 人類史上、最も成功した広告、デビアスのDiamond is Forever(ダイヤモンドは永遠に)、これによって婚姻記念にダイヤモンドを贈るということで、需要を創生しただけでなく、「記念の指輪を売るなんて…」という気持ちを抱かせることにより、供給=セカンダリー市場をも封じ、独占的に供給をコントロールしたのである。イギリス王室まで巻き込んで、結婚式でダイヤモンドをプレゼントする様子を世界中に垂れ流し、世界中のバカ女に「いいなー」と思わせることに成功している。


パリの軍事博物館

軍事系は各国で色々見てる。ブログ記事になっているものだけでも…

2010/02/23 Air Show 戦闘機の祭典
2012/10/11 北京・ハルビンに行ってきました 7/13 ~初一人行動・軍事博物館
2012/11/22 北京・ハルビンに行ってきました 12/13 ~731部隊遺跡
2014/10/16 ジャカルタ潜伏 7~軍事博物館
2015/09/09 アメリカ・フロリダに行ってきました 4/4~毎日ロケット発射が見れる

無いものねだりというか、日本では絶対買えない軍需セクターに天邪鬼的に興味が湧いた上での行動なんだが。IHIが自衛隊の…とかそういう意味じゃない軍需(一部の事業ではなく100%軍需、武器を輸出してる!)ね。詳しくは↓

2009/03/27 私の株式営業 ~Fiat Moneyの裏打ち

しかし、これに関しては軍需がどうのとかよりリーマンショック後に米国債と人民元を売ってできたキャッシュで09年3月のボトムに株を買ってるってあたりは結果論的には天才だ。

記事にはしてないが、日本でも松島航空自衛隊、呉海上自衛隊、江田島海軍学校、嘉手納基地、南ジャカルタのカリバタ英雄墓地、なども見ているので、趣味なんだろうね。

軍事博物館はどこの国でも過去の事。攻められて、占領されて、取り返して…みたいなことが延々書いてあり、パリでも同じなので、ナポレオンがいかにして攻めたか、ヒトラーにどう攻められ、ノルマンディー上陸作戦以降どう取り返したか…というのが主な流れではあるが、私がフランス語が理解できないから細かくは分からないが、基本的にはずっと戦争しているということが説明されている。

陸続きのヨーロッパで、領土だ国名だというのが流動的に変わってきたというのは、想像に難くない。だが日本において、日本の歴史観、すなわち、領土と国名はずっと変わらないというのを他国に当てはめているのには無理がありすぎる。例えば、お隣の中国は、ユーラシア大陸の一部で、現在の中国の領土を巡って群雄割拠は歴史の必然だ。

https://www.youtube.com/watch?v=-foZ5RcCm8U&t=214s

この動画の詳細が合ってるかどうかは別として、小中学校の歴史年表で、中華民国、清、明、元、宋、唐、隋…、と書くのは誤解を招く表現だ。島国では言い訳にならず、ユニオンジャックの成り立ち、ウェールズ、イングランド、スコットランド、アイルランドを振り返れば、誰も攻めてこない辺境の地・日本だからであり、島国であっても領土の奪い合いや国名の変化は起こる。年号で歴史をとらえる、天皇や将軍の死をもってだけで、時代・王朝名に区切りをつけるのも、同様に誤解を招く。

ヨーロッパの国家の勢力範囲の推移を動画に…、といっても、そもそも現在の国民国家という概念ができたのは…、から議論を始めたら書けたものではない。だが、私が思っていることは、国民国家という概念すらなかった昔は記述が難しいのではなく、今現在であっても、国家とは何か?なんてものは主観に過ぎないということだ。

軍事博物館は各国の主観による歴史観が現れていて面白い。パリの軍事博物館は、ナポレオンの次はヒトラーが多い。隣国だし、パリを落とされてるし。そこまで知っていたが、北部海岸沿い全部占領されてたとは驚いた。地図に、ドイツの部分に「Allemagne」って書いてあるの。

グーグル翻訳の結果 タイトル「距離感」

イギリス、フランス、ドイツ、アメリカ、日本、ロシア
UK, France, Germany, USA, Japan, Russia
Royaume-Uni, France, Allemagne, États-Unis, Japon, Russie
Großbritannien, Frankreich, Deutschland, USA, Japan, Russland

やっぱ、Allemagne特別でしょ。あまりにも違う。これ一番面白かった発見w


ロンシャン競馬場 賭博場をエレガントにするための方法

競馬、ゲーム、管弦楽、私の趣味の中で薄いカバー、好きだけど僕より詳しい人が周りにめちゃくちゃいっぱいいるレベルの趣味。もう一つの趣味は読書だが、小説以外で僕より多くの本を読んでいる人はいるけど、数が非常に少ない。

管弦楽>ゲーム>競馬と最も薄い趣味だけに
https://ichizoku.net/hobby/20091001/traditional-hobby/
に既に書いてあるように、

競馬だけは意味なくブランド指向。日本の競馬は中央競馬以外は見ない。

正しくは「意味なく」じゃない、詳しくないからブランド指向に走っているだけだ。そんな詳しくない私から競馬を見ると、世界の有名なレース、ドバイワールドカップやアメリカのブリーダーズカップなどが挙げられるがダートなんです。これもまた不合理な差別意識だが、日本の中央競馬的観点では、ダートや障害をさげすむ傾向にある。そういう偏見で判断すると…海外レース最高峰は…、凱旋門賞。その開催地がパリのロンシャン競馬場である

10年程前、未遂に終わったが、パリ旅行に誘われた時、私が真っ先に言ったのが「ロンシャン競馬場見たい」だ。だから今回も優先順位最高。

5月13日開催
フランス1000ギニー、Poule d’Essai des Pouliches(牝馬限定) 500,000EUR 9頭
フランス2000ギニー、Poule d’Essai des Poulains 600,000EUR 8頭

だがネーミングライツを売っているのか、Emilates Cupのようなレース名がフランスギャロップではひっかかる。
場所は円形のパリ市の西南端、凱旋門の先、ブローニュの森の中にある。バスが出ているので森を歩く必要がないが、母曰く、「昔は夜になると売春婦が立っているような場所だ」ということだったが、日曜日の昼間なのに、意味無く立っている派手な女性がバスから数人見えたので、今でもそういう所なのであろう。しかし、あんな森の中で客を取るとはどうするつもりなんだろう?車で移動することが前提なのかな? シンガポールのチャンギビレッジの駐車場に立ってるLBと同じ?

入場料は民席が…忘れたが当日券で、10ユーロ弱くらい、エグゼクティブ席が29ユーロである。行ける場所に制限があるのが嫌だったのでエグゼクティブにしたが、結果的にその必要はなかった。ただし、凱旋門賞は、事前予約やエグゼクティブの必要があるだろう。

重賞級のレースにもかかわらず、まったく混んでいない。高い女性・子供率。鼻が赤くてろれつが回っていない臭いおじさんは見かけられない。民席においてもである。

シンガポールの真実、経済成長の傍らにて

シンガポール人と永住権保持者は、マリーナベイサンズ、シンガポールのカジノの入場料100SGDが必要(外国人観光客は無料)だが、それは「国民の射幸心を煽らないようにするため」「ギャンブル依存症を防ぐため」とか色々説はあるが、そうならばプールズやTotoを全土に渡って購入できるようにしていることと矛盾する。その本質は、日本から来た観光客が「シンガポールは綺麗な所だった」と言って帰っていくだろう。「何を見てるんだ?」と私は疑問に思うのだが、観光客は、MBSとセントーサとオーチャードとラッフルズプレイスしか見ていないのだ。もし仮にカジノの入場料が無料だったら、※プールズやTotoの売り場の前に行列をなしているシンガポールの貧困層がカジノに押し寄せることになる。彼らを見たら、日本人観光客のシンガポールの印象も変わってしまう。経済発展の裏にある格差の存在、それを観光客に見せないための入場料100SGDという意味もあることを忘れてはならない。

※プールズ(場外馬券場のことであり、泳ぐところではない)

MBSやセントーサと同じく、ロンシャンはちょっと不便で端にあり、日本の競馬に比べると若干高い入場料(3倍程度)。ただ、貧困層をはじいている最大の要因は、ミニマムベットの高さである。ミニマム10ユーロw だから日本の15倍? 4点BOX買えば100ユーロ。

ちなみに私はメインの移動手段が地下鉄。地下鉄は貧乏人の乗り物なので、貧困層はパリに多くいることはすでに分かっている。しかし、アル中でギャンブル中毒の貧困層がなぜロンシャンになだれ込まないのだろうか? 今現在できる推測だと高額ミニマムベットなのだが、もっと複合的な理由があるだろう。(例えば、もっと格安ギャンブルが代替品として街中にあふれているなど)

まとめ

凱旋門賞級(フランス1000ギニーもそこそこ有名ではあるはずなのだが)でない限り当日券民席で十分。
エクゼクティブの2階席は見やすいが臨場感に欠ける、ただ外なのでタバコが吸える。
直線1000メートルは期待するな。ぐぐればわかるが、ゴール位置が違うので終始、遠くで走ってるって感じ。直線1000メートルなら新潟に行け。ただ、新潟は新潟で1000m先が遠すぎてゴール近くから見えず、結局いつもの直線コースに入ってからくらいからしか認識できない。その意味ではロンシャンの直線1000mはレース全体を通しで見ることができるので、あの遠さは良いのかもしれない。
芝は深め、触れます。確認して弾力を楽しみましょう。


ルーブル、もはや芸術を超えた歴史と文明の展示

何も調べずに行ったのだが、私が最も驚いたルーブルの展示物は、「ハンムラビ法典」である。ハンムラビ法典がオブジェクトとして現存している、しかもルーブルにある、なんて知ってた?

20ユーロ以下で入れて、ミロのビーナスやモナリザなどの教科書に載っているような、ヨーロッパのアートが飾られている、見学時間は1~2時間で十分だろ、というのが私の認識だった。
(15ユーロの入場料、身分証明書を預ければ+5ユーロでNintendo DSによる日本語音声ガイド)

まず入場前に、ジャンヌダルク「民衆を導く女神」のポスターが貼ってあったので、「ほぅ、これもあるのか…、ジャンヌダルクだしフランスだし当然か…」。確かに建物大きいなぁ、と思ったが、実際にはコの字型の一部を見ただけなので、中心部の入り口から見れば三方を巨大な建物(ドゥノン翼、リシュリュー翼、シュリー翼)で囲まれており、宮殿・城である。通常の写真では無理なので、360度カメラか実際に見た方が規模がわかりやすい。
(よく見ると、民衆を導く女神は貸し出し中で今はありません、と書いてあるポスターだった。7月くらいまで、ルーブルで見ることはできない。)

全体の見取り図や展示物概略を事前に日本語で見ることができる。エジプト・メソポタミア・中東などのコーナーが目を引いた。クフ王のピラミッド、ツタンカーメンが日本に来たり(1974年)と子供にもわかりやすいオブジェクトがエジプト文明にはあるので、子供の頃は好きだった。

一方メソポタミア文明は、去年、ジャレド・ダイヤモンドの「銃・病原菌・鉄」を読んで、文字の開発は極めて難しかったことが書かれていた。

文庫 銃・病原菌・鉄 (上) 1万3000年にわたる人類史の謎 (草思社文庫) 文庫 銃・病原菌・鉄 (上) 1万3000年にわたる人類史の謎 (草思社文庫)
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エジプト、中国、そしてイースター島の例を除いて、歴史上、文字は、シュメール文字かマヤ文字から派生的に改良されたか、これらの文字の使用に刺激され考案されたものと思われる。文字を発明した社会がほんのわずかしか存在しないという事実は、文字システムをゼロから編み出すことの難しさを示唆している。シュメール人は少なくとも数百年、おそらくは数千年をかけて文字システムを完成させている。そして文字の発達にはいくつかの社会的要素が不可欠であった。文字が使用されるようになるには、その社会にとって文字が有用でなければならない。文字の読み書きを専門とする人々(書記)を食べさせていけるだけの生産性のある社会でなければならない。

この抜粋ではエジプトも文字を持っていたかのように書かれているが、エジプトの象形文字は現在のアルファベットと同じくらいの表現能力を持つ高等文字で、その起源はメソポタミアだったはず。吟遊詩人ホメロスのイーリアス(ギリシャ神話)なども、なぜ吟遊詩人かというと文字の開発前からギリシャ神話は存在していて口承伝播による継承であった。

https://ichizoku.net/books/20111202/bard/

その後、線文字A、線文字B、楔形文字と文字が発展していき、旧約聖書が今の形に近くなったのはギリシャ語訳の70人訳聖書。などなど、上記のように文字の開発は難しく、独自に文字を開発したのは、メソポタミア・中国・マヤくらいで、インド・ヨーロッパ語族に属する言語が持つ文字の起源はメソポタミアと思えば、メソポタミア文明の格が上がらないか?

ハンムラビ法典もそうだが、壁画や棺って芸術か? ツタンカーメンではないエジプトの棺、二頭の飛牛など遺跡の一部が置いてある。あるいは、マリーアントワネットやルイ16世の家具の展示は、今現在の感覚で見ると驚くに値しないが、逆に、今現在も彼らの生活様式を参考に家具や部屋の感じを作っていると思えば、フランス革命マニアには、面白い。美しい家具だが、家具も芸術? 歴史の展示とも言えるのではないだろうか?

エジプト・メソポタミア・フランス家具コーナーで3時間くらい費やしてしまったw

いわゆる「わかりやすい芸術」コーナーも回った。教科書やブラウザでしか絵画を見たことのない私にとって最も驚いたのが、「ナポレオンの戴冠式」の絵の大きさ。デカすぎて盗めないし、民が買える金額ではないものの、普通の家に飾ることは不可能。城に住んでいないと飾れないくらいの大きさ。ルーブル宮殿は外から見ると古めかしいが、中は綺麗に改装されていて、天井が高いブチ抜き構造。外から見た建物を覚えておいて…、中を回ると「こんな贅沢に縦スペースを使ってるんだ。」と感動できるw

その意味ではモナリザは見なくていい。ブラウザで見れば十分程度の大きさなので2秒ほど見れば良いだろう。モナリザの部屋は大きく、おそらく知っている絵が他にもいくつかあるはずなので、そっちを見れば良い。事前に調べて目標を定めても良いが、適当にフラフラ歩いて、「あっ、こんなのルーブルにあるんだ!」という楽しみ方も、十分に時間がある人はできる。ちなみに私は1~2時間で帰る予定が、5時間半も滞在してしまった…。

オルレアンの乙女の使命、ダイヤのエースを持つ詐欺師など偶然見つけてしまい、触れるほどの近くで見ることができる。


パリの第一印象

入国審査は緩い。陸続きで日本人に対しては3か月も滞在を許可しているので、パスポート出すだけ。「お前、いつまでいるの?帰国の便は?ホテルどこ?」とかいう尋問一切なし。

パリ市内へは、RER B線にて。10.3ユーロ。イギリスと同じゾーン制なので市内はどこでも同じ。しかし、9:00、シャルルドゴール到着にもかかわらず、チケットを買うのに鬼のように並ぶ。待ち時間は15分程度だった。ところがRERの電車の車内はほとんど人がいない。チケットが色々な電車やバスも共同で対応しているため、チケットを買う人=RERの利用者ではないためだ。

最初は同一車両に2人くらいしか乗っていなかったが、市内に近づくにつれて混雑してくる。電車に乗る人は黒人が多い印象だ。アジア人は皆無。

香港の銅羅湾に2か月滞在していた影響か、パリの人口密度を低く感じる。銅羅湾が異常なだけか。渋谷駅に住んでいるようなもんだからな。

それを差し引いても、50mおきにコンビニがあるような、香港・シンガポール・バンコクとは違う。良く言えばゴミゴミしてない・余裕がある。悪く言えば、利便性に劣る。マクドナルド・スターバックスなどのグローバルチェーンもまだ見てない。良く言えばグローバリズムに飲み込まれていないのだが、そこまで褒めるというより、もうちょっと汚い感じだ。私が泊まった18区が東京で例えるなら新大久保だな。9区が新宿で、そこの隣という意味では位置づけは近いだろう。

駅が近くて(徒歩2分)利便性は高いのだが、「駅近=治安が悪い」のがヨーロッパとすると18区はあまりお勧めしない(新大久保は一般的には薦めないだろ?w)。私は今のところこの辺りでもかまわないと思っているが黒人比率も高い。ただアメリカの黒人より怖くないぞw

平均で一日一回、「金をくれ」「タバコくれ」と言われる。ルーブルの外でタバコ吸ってる時にも言われたが、主にはこのホテルの周辺、フランスの新大久保wにて。汚い格好してるつもりなんだけどなぁ。治安は悪いとは思わないし、怖くないんだけど、確かに貧乏そうな人が多いので、もう少し身分相応なホテルに泊まっても良いのかもしれない。

徒歩2分でカルフールCityとFranprixというスーパーがあるので、コンビニやマクドナルドがないというのが利便性が劣るというのは過剰反応だと思われてしまうかもしれないが、香港の場合、徒歩30秒でウェルカム、45秒でセブンイレブン、6歩で地下鉄というホテルに泊まってたりすると、それに比べると「利便性に劣る」わけで、一般的には「非常に利便性が高いホテル」と言えよう。

香港の銅羅湾やバンコクのシーロムに比べると利便性に劣る18区のホテルが持つ、人口密度の低さ、ゴミゴミしてない落ち着きを求めるならば、何もパリじゃなくても、香港ならミッドレベルなどに滞在すれば、銅羅湾ほどの人混みは無い。まだ私もパリに詳しくないが、その時々の気分に応じて、利便性を若干落とし、落ち着いた雰囲気のところに泊まるなどという調整が、自在にできるのがホテル暮らしの利点だな。

タイのパタヤなどで遊んでいるといつも思う、「貧乏白人3点セット=バーガー、ピザ、ケバブ」を売っている店がホテルから30秒w ま、新大久保だからな。ステーキも1Xユーロ程度のレストランも45秒。

ワインが異様に安いことが事前の調査で分かっているので、とにかくスーパーで紙パックに入ったような激安ワインを飲んでみたいんだよ。これらレストランをかっとばして、カルフールへ。紙パックは無かったが、ボトルワインの最安値が2.5EUR。一番高いので30EURくらいだが、4EURも出せば十何種類(赤ワインだけで)の中から選ぶ権利を得ることができる。ワインに限っていうなれば、香港シンガポールの1/3、日本の半額で手に入ると言えよう。ハムやチーズなども1~3ユーロくらいでブリブリ売ってるので、これも安い。

水道水が飲めるのに(一般に石灰味の硬水と言われているが、今飲んでみたが、特に問題は無い)水を買うのは贅沢なのだが、ペリエが1Lで0.66ユーロは安い。ビール価格は標準、日本と大して変わらん。ビール代わりにここではペリエの炭酸水を買うことにする!

しかし、よく見るとビールが高いも間違っていた。ヨーロッパのビールはアルコール度数が高く、8%超も珍しくなく500mlだ。そうすると1.2ユーロは、含有アルコール換算で考えればむしろ割安。ワインほどの割安さは無いが、敬遠することは割高さは全くない。ビールも買って良し!


パリも生活圏に加えた理由

東京、ある友人との会食にて、私が「宗教改革に始まり、フランス革命、産業革命、マルクスの資本論、ロマノフ王朝の終わり、この辺りのヨーロッパにおける近代資本主義、民主主義の流れは好きですねぇ。」 続いてルソーの社会契約論だウェーバーのプロテスタンティズムの倫理と資本主義の精神だと、まくしたてていたら、友人がふと…、

「エキゾさん…、なんでアジア住んでいるんですか?歴史とか思想とか好きならヨーロッパはお薦めですよ。街そのものが歴史ですから。シンガポールなんて何もないじゃないですか。エキゾさんがもし住むなら、私には見えないものが見えるかもしれませんよ。」

この指摘に返す言葉を失ってしまい、「はい、じゃあ、ヨーロッパ進出決定」ということになりました。

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さあて、どこに住もうかなー。ドイツとイギリスは行ったことあるし、プロテスタンティズムの倫理と資本主義の精神に逆らい、あえてのカトリックカントリーが良いなー。バチカンとローマは1時間くらいなので、ローマにしようか、ベタにヨーロッパの頂点パリにしようか…

横浜の自宅にて、母が「ローマとパリで迷ってる? パリ一択で間違いない。私はお前が生まれる前、1ドル360円固定相場制、※持ち出し規制ありの時代からパリで遊んでいるが…、”今現在をもってまだ飽きてない”。ローマ、所詮は二流の都市、南欧のだらしなさが街に現れている。パリは都市として洗練されているし、格が違う。」

※固定相場制時代の持ち出し規制とは、相場が固定されているため、輸出入(円売りドル買い=ドル売り円買い)のアンバランスが生じた場合にレートで調整できないことから、為替の交換に総量規制があった。だから海外に持ち出せる通貨量が制限されており、クレジットカードやインターネットもない時代、日本人が外国に行くと有無を言わさず貧乏旅行を強いられた時代の話である。

固定相場制の時代からヨーロッパで遊んでいる母(ちなみに現在も年に何回かはヨーロッパのどこかで遊んでいる)に強烈にリコメンドされ、またも反論できず。

「友人きっかけでも良いが、たまには親の言うこと聞けよ。ずーーーっと言ってんじゃん。『ヨーロッパは良い』と。ヨーロッパは、まずはパリ。ローマはパリの後で良い。全ての道はローマに通ず…、古いな…。すべての鉄道はパリに通ず!

と言って母がおもむろに取り出したのがヨーロッパの鉄道路線図で、確かに「すべての鉄道はパリに通ず」のごとく、パリを中心にヨーロッパ全土に放射線状に鉄道網が通じているかのように見える。イギリスやロシアまでも視野に入り、地理的な位置づけも確かにヨーロッパの中心にパリはある。

ビザは…、EU圏内は3か月滞在OK。過去6か月のうち、3か月OK。とにかく3か月観光で行けてしまう。香港並みー、マカオ並みーに緩い! アメリカと全然違う!

物価は…、日本に比べると高いが、香港やシンガポールを中心に考えれば、ホテル代や行った人の話を聞く限りでは、ほとんど変わらない。

フランス語か…、メルシーとボンジュールくらいしか知らねーし、今後も覚える気もないが、英語が全く話せない中国人と「孔子の論語」を議論できるスマホ時代。言語の問題は無視する。しかし、例えば有名なシャンゼリゼ通りは、アルファベット表記だと、Avenue des Champs-Élyséesとなり、チャンプスエリーゼーではなく、この文字列でシャンゼリゼと発音するらしい。英語読みしたら確実に通じねーな、こりゃw