1913年ロマノフ王朝成立300年記念祭
経済の好況は続いていたが、この国は不機嫌で、同時に野蛮で、むら気だった。心なき破壊者が当時評判の画家イリヤ・レーピンの傑作「イヴァン雷帝」を引き裂いた。
あるジャーナリストに寄れば、これといった目だった動きはなかったが「価値観の喪失、教育の荒廃、道徳観の完全に欠如した時代」の徴候はあった。小説家アレクセイ・トルストイはこう書いている。「何百万ルーブルものカネが、まるで天から降ってくると思っているかのようだった。人々は、音楽、半裸の女性、シャンペン漬けになっていた。賭博クラブ、連れ込み宿、劇場、映画館、遊園地などが雨後の竹の子のように出現した。」
ロマノフ一族は恋の火遊びが好きだった。皇帝のいとこのアンドレイ大公は、ニコライの昔の愛人で、バレリーナのマチルダ・クシェシンスカヤと同棲していた。
実録ラスプーチン 4/8~第一次大戦とロマノフ王朝
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