うーむ、せっかく買ったんだが、幸いにも、快楽殺人者の心理が全く理解できず、あまり書くことがない。
いくつかのインタビューは死刑囚監房の中で行われたが、保安規則のため、たとえFBIの捜査官と言えども
刑務所内で火器を携帯することは許されない。インタビュー計画の初期には、人手が足りない場合は捜査官
一人だけで殺人者にインタビューすることがあった。また第一回のインタビューは二人で行ってもそれ以降の補
足インタビューは一人の捜査官が担当することが多かった。しかしこのやり方は、単独でインタビューにあたって
いた捜査官がある出来事に遭遇したために変更を余儀なくされた。
それは十数人を殺害したとくに凶悪な連続殺人者への三回目のインタビューのときに起こった。インタビュー
にあたっていたベテランFBI職員は4時間におよんだ最後のインタビューをそろそろ切り上げようとして看守か
ら前もって言われていたように、ブザーを押して部屋の外にいるはずの看守に終了を知らせた。だが15分ほど
のあいだに3回ブザーを押しても看守は姿を見せなかった。身長2メートル6センチ、体重134キロのその殺
人者は、捜査官に向かって、「落ち着けよ」と言った。
「今はちょうど看守の交代の時間なんだ。それに看守どもは厳重監視区域の連中に食い物を配らなきゃなら
ねえ」
それから殺人者は顔をゆがめ、脅すような口調で、「あと15分か20分は、あいつらはもどってきやしねえよ」
とつけくわえた。捜査官が落ち着きを失ったのを見て、殺人者はさらに言葉を続けた。
「もし俺がここで暴れだせば、あんたは困るんじゃねえかな、ええ? あんたの頭をねじ切って、テーブルの上に
でも置いておけば、看守どもはさぞよろこぶだろうな。」
(この男の犯行のパターンは、大部分の犠牲者の死体から、頭部を切り離すものだった)
捜査官は、「そんなことをすれば困ったことになるのはそっちのほうだぞ」と言った。だがその殺人者はすでに7件
の第一級殺人で服役しており、「少しばかり刑期が長くなっても、FBIの捜査官を殺したという箔がつくほうが
いいさ」と言い返した。エージェントは言った。
「おれたちが身を護るものを何も持たずにこんなところへ来ると思っちゃいないだろうな」
だが殺人犯はそんな脅しを信じなかった。
「ここに武器を持ち込めないってことは、おれもあんたもよく知ってるはずだぜ」
捜査官は、人質解放の交渉テクニックを応用し、時間を稼ぐための護身術と格闘技の話をした。この時間稼
ぎのテクニックはうまくいき、ようやく看守がドア口に姿を見せた。インタビュー用の小部屋を出るとき、殺人者は
捜査官の肩に手を置き、「ただの冗談だったっていうのはわかってるよな?」と言ってウインクした。
殺人のタイプと形態
単独殺人とは、一つの殺人事件で犠牲者が一人だけの場合である。
二重殺人とは、一つの場所で、一度に二人が殺されたケースであり、三重殺人は犠牲者が3人のケースだ。
一つの場所で、一度に殺された犠牲者が四人以上になると、その事件は「大量殺人」に分類される。
複数の犠牲者を出す殺人にはさらに二つのタイプがある。「耽溺型殺人」と「連続殺人」である。
耽溺型殺人とは、ある殺人者が二つないし三つの場所で殺人を犯し、しかも犯行と犯行の間に感情的な
冷却期間がおかれない場合を指す。ここの殺人はすべて単一の犯行の一環だが、それがどの程度期間内
に行われるかは、場合によって長短がある。
一方、連続殺人は、三つ以上の独立した犯行から構成され、殺人と殺人の間に感情的な冷却期間が存
在するケースである。このタイプの殺人者は、ふつう前もって犯行について熟慮し、殺人の細部に至るまで空
想・計画しておく。ただし、犠牲者を誰を選ぶかは決めていないことが多い。そして前の犯行の興奮が冷め、
適当な時期が来ると新たな犠牲者を探して計画した犯行を実行に移す。冷却期間は数日のこともあれば
数週間、数ヶ月のこともある。この冷却期間の存在が連続殺人者を他の大量殺人者と区別する最大の
要素である。
快楽殺人の心理―FBI心理分析官のノートより (講談社プラスアルファ文庫) ロバート・K. レスラー ジョン・E. ダグラス アン・W. バージェス 狩野 秀之 講談社 1998-06 |
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