私は信用取引の経験があるわけでないので、もし間違っていたら教えてください。
まずは、証券会社の儲けの説明です。
1)買方金利
最大の収益源で、顧客は、この金利で金を借りて株を買うことになります。
これに付随してさらに2点ほどおいしい点があります。
2)取引規模の拡大 信用貸与で投資額が大きくなります。
1,000万元手の投資家(顧客)であっても3倍供与すれば、3000万になります。0.1%の手数料に数%の金利であったとしても、対1000万で考えれば、かなりの収益性になります。
3)取引頻度
制度信用の場合、6ヶ月の期限付きですので、最低6ヶ月ごとに、お客様が必ず売買してくれるという天国のようなシステムです。
(一般信用を同時に用意している会社が普通です。特に期限は無く、買方金利、取引可能銘柄も
証券会社ごとに定めているようです。)
一方、投資家(顧客)としてのうまみをみてみます。(証券会社にとってはダウンサイドです)
株式の担保率と委託保証金率で、提供するレバレッジ(投資金額÷元手)を決めています。
元手1000万+借金2000万で株式3000万分購入すると投資当初の資産は株式-借金で1000万です。
ところが株が急に33%超暴落すると、一気に資産はマイナスになります。
証券会社としては、マイナス分を取り返しに行くわけですが、取りっぱぐれれば負けです。
今、競争が激しいので、手数料・金利が並ぶ中、担保率を甘くしてハイレバを提供する会社があります。
取引がうまくいけばお互いハッピーでおしまいですが、投資家のうまみは失敗時に発生します。
自分の信用(人間関係という意味の信用ではなく、クレジットカードを作れる、お金が借りれるなど
の金融的信用)を全て失うことになりますが、一方、急速な市場展開による株式の損失の支払い
義務の回避ができます。
さ~、バリュエーションしてみましょう。
エクイティのディープアウトオプション(買い)-自分の信用(売り) の価値を!
信用取引を愛用するネットトレーダーはこの価値がバリュエーションできる賢明なる投資家なの
かもしれません。
…とここまで去年辺りに下書きで書いていましたが、公開のタイミングとして、ちょうど良い記事が今日の日経に載っていました。作為的にやられると証券会社側もつらいわなー。
OHT株不正取引疑惑、立て替え損失131億円・証券31社、回収困難
東証マザーズに上場する検査装置メーカー、オー・エイチ・ティー(OHT)株事件で、投資家から信用取引の貸出金を回収できずに証券会社が立て替えた金額が合計で31社、131億円に上ることが証券取引等監視委員会の業界横断検査で明らかになった。取引の大半がインターネット経由だった。監視委は甘いリスク管理に警鐘を鳴らしており、証券各社は管理体制の改善を迫られることになる。
OHT株下落による損失は大手からネット、中堅中小証券まで幅広く発生した。監視委は2007年度から、緊急性の高いテーマに絞って複数の業者を一斉に検査する新手法を導入しており今回はその第一弾。OHT株で立て替え金が発生した31社から報告を受け、うち19社には立ち入り検査も実施した。 日経新聞より
素晴らしいチャートですね。これこそおいしい信用ビジネスのダウンサイドの究極例でしょう。
本人確認はキチッとやろうという教訓です。