・地下鉄の快適さ
パリ>ウィーン>>ロンドン
パリとロンドンは、電車が来る頻度は同程度だが、ロンドンは赤信号でよく止まる。完全に止まるわけではないのだが、地下鉄なのにバスくらいの時間不安定性がある。これは10年前のロンドン出張の時も地下鉄を使って出勤して遅刻したことがあるので、一時的・偶発的な問題ではないだろう。当時は
「地下鉄で来たの? 経費で出るんだからタクシー使ってよ! テロとかもあるんだし困るよ。」と怒られ、
「バカ野郎、経費とか自費の問題じゃねぇ!俺は無駄が嫌いなんだ!」とは思ったが。
今では業界もほとんど起こらないテロの心配よりも経費削減、「タクシーなんて使ってんじゃねぇ」となったらしいので、10年遅れてようやく俺に追いついたか。ま、だから斜陽産業なんだよ。
ロンドンの地下鉄は、熱がこもっている路線・区画もある。プラットフォームより車内が暑い。車両の問題か?
・のんびり度
ウィーン>パリ>ロンドン>かなりな文化的隔たりを経て>東アジア
パリ、ウィーン、ロンドンの順で回るとロンドンは、民の歩くスピードが速く、ビジネスの街だなぁと感じるのは間違いない。ロンドンは観光地ではないしね。えっ?観光もある?まだ大英博物館は行ってないから。帝国戦争博物館 Imperial War Museumsに行ったけど、観光客はほとんどおらず、ドメってる感じだった。ロンドンの観光地に行ってないからなおさらだが、それを差し引いてもロンドンは忙しい街だ。
同様に、文化的特徴もロンドンはパリ・ウィーン・ロンドンの3都市間では一番無い方だ。良く言えば国際都市化が最も進んだ都市なので、イギリス料理を食べたければ、探す必要があるほどだ。スーパーの品揃え、外食の選択肢もまんべんなく、価格の偏りがない。アジアだと、シンガポールがこの特徴を備えている。農業・産業がなく、言語がなく、独自の料理もなく、周辺東南アジア諸国+中国にも媚びへつらうシンガポールがイギリスに最も似ている。シンガポールを作ったのがイギリス人だからというのならば香港もそうなのだが、香港は言語があり、それに伴い広東料理があり、中国だけに媚びへつらっているので、偏りがある。
酒の価格も、イギリスらしく合理的だ。アルコール度数比例で課税されていて、「おっ?これは割安!」という酒類は無い。ワインが異様に優遇されているフランス・オーストリアに対し、自国製品であるスコッチに対しても、冷たく課税されており、イギリスでスコッチが安いという”税制的特徴”もない。よって割安さが無く、全体に割高なので購買欲がわかないのでロンドンでは部屋飲みは控えよう。パリ・ウィーンで、コーラより安い赤ワインを飲みすぎて、舌が黒くなってしまったので、ちょうど良いだろう。
・ロンドンは、建物に地下が存在する
パリ・ウィーンではほとんど見受けられなかった地下階がロンドンには存在する。地面を中心に考えると、ちょっと掘って、地下階にも窓があるような建物も多くある。英語のGround Floor, 1st Floorが実質2階という語源と言えよう。ウィーンに地下が無いのは、単に経済規模が小さく、地下を掘るほど地価がないからだ。一方、パリに地下が無い方が不思議なのだ。それにはパリの固有の事情があり、パリは、ローマ時代から続く採石場だった。ローマの石の建造物は、パリから持ち出された石によるもので、パリの地下は空洞だらけであった。現在だとカタコンブ、採石場というより墓地と髑髏という変わった観光地だが、採石場跡、空洞だらけのパリの地下の一部を垣間見るつもりで行くと面白いかもしれない。
・川とともには共通
ロンドンはテムズ川、パリはセーヌ川、ウィーンはドナウ川が街の中心をぶち抜いている。文明と歴史は飲料水である川と共に発達してきたので自然なことなのだが…、ふと思い出すのは東京。荒川と隅田川は、中心よりかなり端にある。変だと思って調べてみると…
神田川だ。井の頭公園からだとすれば「真ん中通るは中央線」でバッチリだ。あー、いやいやスマンスマン、日本人なのにすっぽり抜けてた神田川。